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2009.04.23 (Thu)

あなたの頭がはっきりするのは一日何時間?

『トンデモ一行知識の逆襲』 P.205 ~ P.206

 有名人というのは続けて世を去る傾向がある。例えば一九九七年末から
九十八年初頭の例をとると、伊丹十三に始まり、星新一、三船敏郎、景山
民夫、石ノ森章太郎。
 「有名人が死んだという記事は新聞に出るが、有名人が生まれたという
記事は出ない。このままでは有名人がいなくなってしまう」
 というジョークを飛ばしたのは星新一だったけれど、その星氏ももういない。

 星氏は、十年前からもう小説の執筆をやめていた。千篇のショート・ショート
を一生の間に書く、と言っていたのが案外早くその千篇に達してしまい、それ
で“もうやめた”と執筆をやめ、また『進化した猿たち』でおなじみのひとコマ
マンガのコレクションも“もう飽きた”といってやめてしまう。それを聞いたとき、
星新一らしい淡白さだ、と思って笑ったものだが、その頃からもう、執着という
ことに体が耐え切れなくなっていたのではなかったか。
 それから聞く噂が、どれも「眠り病にかかったらしい」「ずっと寝たきりで、
頭がはっきりするのは一日数時間のものらしい」「ちょっと驚くくらい老けた」
「起居もままならぬ容態らしい」などというものばかりで、聞いていて痛々しい
限りだった。古い星ファンの志水一夫氏から亡くなった知らせを聞いたとき、
むしろ、これで救われたか、という感じがしたくらいだった。


この唐沢俊一の文章だけ読むと、まるで星新一がショート・ショート千編を達成した
直後から亡くなるまでの 10 年間、眠り病にかかって寝たきりになり、「頭がはっきり
するのは一日数時間のもの」という状態で生き続けていたかのようだが……これは
単なるガセというより、タチの悪いデマの領域になるのでは。

まず、星新一が「『ショート・ショート1001編』を達成」したのは 1983 年のことであり、
亡くなる 10 年前ではなく、14 年前。

http://ja.wikipedia.org/wiki/星新一
>星 新一(ほし しんいち、本名・星 親一、1926年9月6日 - 1997年12月30日)は日本
>の小説家、SF作家。
〈略〉
>昭和58年(1983年)、この年の秋に「ショート・ショート1001編」を達成。ただし、それ
>まで関係が深かった各雑誌に一斉にショート・ショートを発表したため「1001編目」の
>作品はない。それ以降は著述活動が極端に減ったが、過去の作品が文庫で再版され
>るつど「現代にそぐわない記述」を延々と、改訂し続けていた。


最初に引用した唐沢俊一の文章は、1998 年の「おたくウィークリー」のコラムが初出で、
『トンデモ一行知識の逆襲』は 2000 年の出版。両方とも同じ、「十年前から」という記述
で通しているのは、唐沢俊一ならではの杜撰さというか……「死の十年前から」とか「十
年以上前から」とか、修正のしようはあっただろうとは思う。

それでも、「十年前からもう小説の執筆をやめていた」とのみ唐沢俊一が書いたのなら、
やれ間違いだとかいう話にはならなかったと思うのだけど。星新一の『つねならぬ話』
は 1988 年で、亡くなる 10 年前なので。

http://ja.wikipedia.org/wiki/星新一
>つねならぬ話(1988)
>  神話的な物語を描いた短編集。


http://www.amazon.co.jp/dp/4101098476
>つねならぬ話 (新潮文庫) (文庫)
>星 新一 (著)
〈略〉
> 本書は1988年に刊行された同名の文庫版に「お寺の昔話」と「夢20夜」が追加され
>ています。主に神話や民話、伝奇といった類の物語が生のまま、あるいはリメイクされ
>て収録されています。


http://www.f3.dion.ne.jp/%7Ekujyou/tu.htm
>つねならぬ話/新潮社(昭和63年11月発行)挿画/西のぼる 装丁/東幸見
〈略〉
>はじまりの物語 「小説新潮」 昭和61年8月号 「創世の物語8種」を改題
>もしかしての物語 「オール読物」 昭和63年4月号「歴史の副読本」を改題
>ささやかれた物語「小説新潮」 昭和63年6月号 「ささやき民話集」を改題


問題は、唐沢俊一が、「千篇に達してしまい、それで“もうやめた”と執筆をやめ」たと
書いてしまっていること。確かに 1001 編を達成した 1983 年以降、Wikipedia にある
ように「著述活動が極端に減った」かもしれないが、「執筆をやめ」たわけではないのだ。
だいたい、「千篇に達し」た時点で「執筆をやめ」たとするなら、唐沢俊一自身が書いた
「十年前からもう小説の執筆をやめていた」の方が間違いということになるのは前述の
通りだし。

それでも、執筆をやめたうんぬんだけの記述だったら、まだよかった。めっきりショート・
ショートを書かなくなったことをいっているとか解釈することもできる。

しかし唐沢俊一は、「聞く噂が、どれも『眠り病にかかったらしい』『ずっと寝たきりで、
頭がはっきりするのは一日数時間のものらしい』『ちょっと驚くくらい老けた』『起居も
ままならぬ容態らしい』などというものばかり」と、さらに言い募っているのだから酷い。
「どれも〈略〉というものばかり」って、では 1983 年以降の、エッセイや翻訳をも含む
星新一の執筆活動を、いったい何だと思っているのかと。

http://ja.wikipedia.org/wiki/星新一
>あれこれ好奇心(1986)
>きまぐれ学問所(1989)
>きまぐれ遊歩道(1990)
>できそこない博物館
>  小説の発想についてのエッセイ集。
〈略〉
>アイザック・アシモフ『アシモフの雑学コレクション』 新潮社、昭和61年(1986年)
>ISBN 4-10-218604-2


『アシモフの雑学コレクション』の翻訳が、「頭がはっきりするのは一日数時間」の者に
可能なものだと本気で思っていたとしたら、唐沢俊一自身の「頭がはっきりする」時間
が一日のうち何時間なのを心配する方が先だろうと思う。

エッセイは『あれこれ好奇心』しか読んでないけど (←おい)、「ずっと寝たきり」の人間に
書けるものではないことだけは確か。

その他参考 URL:
- http://blogs.dion.ne.jp/white_night/archives/5964474.html
- http://randomkobe.cocolog-nifty.com/center/2007/07/1001_a1a4.html

まあ、唐沢俊一は、このコラムの別の箇所で、「星新一を讃えるために筒井康隆を蔑む」
ようなことも書いているのだけど (Read More 参照)、持ち上げている星新一についても、
かなり理不尽な貶し方をしているということで。

そして、最近の日記では、「星新一氏や赤塚不二夫氏のように何年も眠ったまま死ぬと
いうのも、まあ悪くないかとも思う」と、実際は「意識不明だったのは1年8か月」だったの
を「何年も眠ったまま」ということにしてしまっている――という件については、机上の彷徨
の「ガセとパクリ定期便(2009/04/20)」を参照のこと。



More...

http://www.23ch.info/test/read.cgi/books/1226811954/
-------
253 :無名草子さん:2008/11/17(月) 22:11:47
星新一の追悼文
http://netcity.or.jp/otakuweekly/BW1.0/column1-1.html

>東京っ子の星新一には、いまさら実験文学などという名で“文学者”という名声を得ようともがくような、筒井康隆のような真似はできなかったに違いない

星新一を讃えるために筒井康隆を蔑む、こんな書き方しか出来ないんだろうね。
唐沢、かわいそうに、バカで。


255 :無名草子さん:2008/11/17(月) 22:22:00
>東京っ子の星新一には
 って屯田兵がなにを偉そうに語ってるんだろうな。

256 :無名草子さん:2008/11/17(月) 22:26:52
>>253
この人の追悼文って毎回誰かをこき下ろしてるよね。本当に気持ちが悪い。

こんな文を書く人に仕事を頼む編集者も、どっか大事な所の螺子がぶっ壊れてると
しか思えない。


http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1239920365/523

523 :無名草子さん:2009/04/21(火) 21:59:36
ところで、藤岡氏も書いているけれど、唐沢の日記で
>星新一氏や赤塚不二夫氏のように何年も眠ったまま死ぬというのも、まあ悪くないかとも思う。
というのは非常に気になった。

星新一さんが亡くなった時にニュース報道では1年半ほど意識不明で、
と言っていたのを記憶していたので「何年も」というのに関して、
「なにテキトーな事かいてんだよ」と思った次第。

-------
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00:44  |  『トンデモ一行知識の逆襲』間違い探し編 (138) +  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

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