2012.01.15 (Sun)
ここにサッチモあり
終映8時、タクシー拾って渋谷まで。K子と花菜で待ち合わせて食事。
アジ天ぷら美味。生二ハイ、日本酒(菊水)ちょっと、焼酎ソバ湯割り一
パイ。モリ一枚を二人で分けて食べる。BGMに1920年代のサッチモ
のジャズ。陶然たり。私が生まれる三十年以上前の音楽でちゃんと
ノスタルジーの快感を味わえるのは、学生時代から古い映画、レコード、
本にたっぷりすぎるほど親しんできた恩恵というもの。“自分は若いから”
“世代が違うから”と、ノスタルジーに対する勉強を拒否してきた連中は、
結局、人生を半分(前半分)しか楽しめていない。かわいそうだなあ、と
思う。
2ちゃんねるのスレで話題になっていた、2001 年 7 月の裏モノ日記 (Read More 参照)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ルイ・アームストロング
>ルイ・アームストロング (Louis Armstrong, 1901年8月4日[1] - 1971年7月6日)は、
>アフリカ系アメリカ人のジャズミュージシャンである。
>サッチモ(Satchmo)という愛称でも知られ、20世紀を代表するジャズ・ミュージシャンの
>一人である。
>サッチモという愛称は「satchel mouth」(がま口のような口)というのをイギリス人記者
>が聞き違えたとする説や、「Such a mouth!」(なんて口だ!)から来たとする説などがあ
>る。その他、ポップス(Pops)、ディッパー・マウス(Dipper Mouth)という愛称もある。
〈略〉
>1923年、シカゴに移りキング・オリヴァーの楽団に加入。同年、初のレコーディングを行
>う。1924年にはニューヨークに行きフレッチャー・ヘンダーソン楽団に在籍。この時期、ブ
>ルースの女王ベッシー・スミスとも共演。その後シカゴに戻り、当時の妻リル・ハーディ
>ン・アームストロング(ピアノ)らと共に自分のバンドのホット・ファイヴを結成。同バンド
>が1926年に録音した楽曲「Heebie Jeebies」は、ジャズ史上初のスキャット・ヴォーカル
>曲として知られる[2]。
>1930年代にはヨーロッパ・ツアーも行う。第二次世界大戦時には慰問公演も行った。
>しかし人種差別が法的に認められていた当時のアメリカでは、公演先でも白人と同じ
>ホテルへ泊まれない他、劇場の入り口さえ別々というような差別を受け続けた。
>
>幅広い活躍
>1950年代には「バラ色の人生」や「キッス・オブ・ファイア」等が大ヒット。また、1953年
>には初の日本公演を行う。1956年にはエラ・フィッツジェラルドとも共演。1960年代、時
>代がビートルズを代表とするポップ・ミュージック一色となる中でも、「ハロー・ドーリー」
>はミリオン・セラーとなり、多くのアメリカ国民に受け入れられた。
>1967年には、「この素晴らしき世界(What a Wonderful World)」が世界的なメガヒットと
>なった。1968年にはウォルト・ディズニー映画の曲を取り上げたアルバム『サッチモ・シ
>ングス・ディズニー』を発表し、ジャンルに縛られない柔軟な姿勢を見せ付けた。
>1969年には、『女王陛下の007』の主題歌に近い挿入歌、「愛はすべてを越えて」を発
>表。イギリスでは1994年に、「ミュージック・ウィーク」誌で、最高位3位を獲得している。
>高い音楽性と、サービス精神旺盛なエンターテイナーぶりが評価され、映画にも多く出
>演した。
代表作のひとつとされる「バラ色の人生」はこれ↓
http://www.youtube.com/watch?v=wADat9wg834
>La Vie En Rose - Louis Armstrong HD
「セ・ラ・ヴィ(これが世の中さ)」なんて訳し方をする唐沢俊一 (ここを参照) にかかると、
「バラ色の世の中」にされかねないが、まあそれはおいといて。
「キッス・オブ・ファイア」、「ハロー・ドーリー」、そして個人的に一押しの「この素晴らしき
世界(What a Wonderful World)」はこれ↓
http://www.youtube.com/watch?v=XCXxJFmfGVc
>Louis Armstrong - Kiss of Fire (El Choclo) - Tango
http://www.youtube.com/watch?v=kmfeKUNDDYs&list=PL2A31A72A53FBB86C
>Louis Armstrong - Hello Dolly Live
http://www.youtube.com/watch?v=m5TwT69i1lU&list=AVGxdCwVVULXfC9Q-wGwVaotcA_HZcgIfU
>Louis Armstrong What A Wonderful World
「第二次世界大戦時には慰問公演」というのは、このあたりか↓
http://www.youtube.com/watch?v=kcyup878Li4
>Louis Armstrong Live
2ちゃんねるのスレでは、「今若い子が初めて聴いても、年輩者が初めて聴いても、最初
からノスタルジーに浸れるはずだ」と書き込まれていたが、それにはひたすら同意としか。
もっとも、上にあげたリンクは「1920年代のサッチモのジャズ」ではない。「食事処の
BGMで掛かっていたサッチモの演奏を1920年代と断定出来るほど好きらしいから」、
「唐沢ってサッチモの1920年代の音源と、40年代の音源の差って理解できるのかな?」
などともスレには書き込まれていたりした。1920 年代といえば、こういう感じ↓
http://www.youtube.com/watch?v=XGgbpe0_47c
>Louis Armstrong - He Like It Slow (1926)
http://www.youtube.com/watch?v=1iJdXWY7JRo
>Louis Armstrong - Savoy Blues (1927)
http://www.youtube.com/watch?v=w1DNA4q14fM
>Louis Armstrong - Got No Blues (1927)
http://www.youtube.com/watch?v=zQBjD06a6l8
>Louis Armstrong - Basin St Blues-1928
http://www.youtube.com/watch?v=tlHUqFSDD9A
>Louis Armstrong - After you`ve gone (1929)
こういうのを聞いて「ノスタルジーの快感を味わえる」ようになるためには、「ノスタルジー
に対する勉強」が必要なのかと考え始めると、なおさらわからなくなる。そもそも唐沢俊一
が古いジャズについて若い頃「勉強」していた話なんて他で目にした覚えもないけどなあ
――と思ったら、スレに書き込まれていた「サッチモはベティ・ブープシリーズの『ベティの
蛮地探検』に出演してるからね」で、なるほどと謎が解けたような。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm665661
>「ベティの蛮地探検」"I'll Be Glad When You're Dead You Rascal You"(1932)
上のリンク↑は、実写の演奏部分も楽しそうだわ、サッチモの首もぶんぶん飛んでいるわ
で、かなりお勧め。このニコ動のコメントにあるように、今なら放映できなさそうな黒人=
土人扱いっぽいものだったりするけど。
それはともかく、前に「Baby Betty Boop Boop a Doop」のエントリーに、ルイ・アームスト
ロングが "boop boop a doop man" と呼ばれていたという話を書いたことがある。サッチモ
とベティとは縁が深いといってよいだろう (?)。
ちなみに、Wikipedia に「ジャズ史上初のスキャット・ヴォーカル曲として知られる」との
説明がある、「1926年に録音した楽曲『Heebie Jeebies』」はこれ↓
http://www.youtube.com/watch?v=ksmGt2U-xTE
>Heebie Jeebies-Louis Armstrong and his Hot Five
で、唐沢俊一が古いジャズを「勉強」したのは、アニドウの上映会などでベティ・ブープを
観たついで――と仮定すると、困る (?) のは「1920年代のサッチモのジャズ」の「1920
年代」。いっそ「×1920年代 ○1930年代」とやってしまいたい気が。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ベティ・ブープ
>1930年8月9日に、フライシャー兄弟による『トーカートゥーン(原題:Talkartoon)』シリー
>ズ6番目の作品『Dizzy Dishes(日本未公開)』で、ベティ・ブープは銀幕へのデビューを
>飾った。
以下、かなりチラ裏。
唐沢俊一が「ノスタルジーの快感を味わえるのは、学生時代から古い映画、レコード、本
にたっぷりすぎるほど親しんできた恩恵」というのは多分、当時はさほど感動も覚えなくて
半分聞き流していたような曲でも、年月を経て聞き直す機会にめぐまれると、懐かしさに
浸れて「陶然たり」の心境になれたりするということに過ぎないのではないかと思う。
リアルタイムではさほど好きではなく、むしろウザいと思って聞いていたような流行曲も、
懐かしのメロディーとかものまね選手権とかいう類いの番組で聞くと、「あ、懐かしい!」と、
つい感動してしまうということがあるもの。
一方、2ちゃんねるのそこここのスレで目にするタイプの意見として、「○○を読んだ /
聞いた / 観たことがないの? それは羨ましい! ○○を、はじめて読む / 聞く / 観るとき
の感動を、これから味わうことができるなんて」とかいうのがあって。
唐沢俊一のいう「ノスタルジーの快感」は、若い頃を思い出すなあ、しみじみ――とかいう
個人的な思い出との連動にひたすら依存するせいで「ノスタルジーに対する勉強」なんて
のが前面に出るしかなく、その作品にはじめてふれた者をも引き込み感動させる、作品
それ自体の力みたいなものを、唐沢俊一はほとんど信じていないんじゃないかと思ったり
する。
まあ、ものによっては、最初はとっつきにくくても、繰り返しふれているうちに良さがわかっ
てくるというものもあると思うし、「“自分は若いから”“世代が違うから”」で喰わず嫌いを
していたらもったいないよ、という意見は充分アリだと思うけど、そういうことを主張したい
なら、「ノスタルジーに対する勉強」じゃなくて、現在進行形であれやこれやを楽しむため
の「勉強」であってよいと思う。遠い未来の自分のためにというより、いま現在またはごく
近い未来の自分のための、お勉強。
More...
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/books/1325472788/657-
-------
657 :無名草子さん:2012/01/09(月) 23:45:26.89
日記 2001年07月04日(水曜日)
ttp://www.tobunken.com/diary/diary20010704000000.html
>BGMに1920年代のサッチモのジャズ。陶然たり。私が生まれる三十年以上前の音楽で
>ちゃんとノスタルジーの快感を味わえるのは、学生時代から古い映画、レコード、本に
>たっぷりすぎるほど親しんできた恩恵というもの。“自分は若いから”“世代が違うから”
>と、ノスタルジーに対する勉強を拒否してきた連中は、結局、人生を半分(前半分)しか
>楽しめていない。かわいそうだなあ、と思う。
アホか!
サッチモ聴いたら若い頃からノスタルジーに浸れたわい!
今若い子が初めて聴いても、年輩者が初めて聴いても、最初からノスタルジーに浸れるはずだ。
658 :無名草子さん:2012/01/10(火) 00:07:42.60
今さら唐沢をアホなどと分かりきったことを言って何になるかね。
659 :無名草子さん:2012/01/10(火) 00:08:43.68
学生時代にサッチモなど古い時代の音楽を聴いていた時はどういう感覚で聞いていたんだろ。
その時代はノスタルジックな気分で聞かずにリアルタイムな感覚で聞いていたという事?
おそらく、唐沢が本当に学生時代にサッチモを聞いていたとしたら(怪しいが)
その学生時代にも「経験した事無い懐かしい時代の音」として聞いていたのでは?
もし学生時代に聞いていた音を、年を取ってから(その日記では42歳の唐沢)
ノスタルジックな気分で聞いているというのは、別にサッチモだからではなく
自分の学生時代に聞いていた音を懐かしく聞いているというだけの話だと思う。
660 :無名草子さん:2012/01/10(火) 00:18:19.08
唐沢ってサッチモの1920年代の音源と、40年代の音源の差って理解できるのかな?
その辺の音楽についてジックリ話を聞かせてほしい。
食事処のBGMで掛かっていたサッチモの演奏を1920年代と断定出来るほど好きらしいから。
しかし音楽を聴くときに「ノスタルジーに対する勉強」という変な聴き方するんだね。
純粋に音としての凄さとか、若さ故の激しさに見え隠れする後に円熟する予感など
その辺の楽しみを知らずに、勉強とか.....可哀想。
唐沢ってなんか「サブカルの勉強の為に男色」とか、自分が若い頃から興味を持ったものって
好きでとか、楽しいから、とかじゃなく「後にネタにするための勉強」みたいな言い方すよるよね。
それが全然活きていないてのが無駄な人生送っちゃったねという感じ。
661 :無名草子さん:2012/01/10(火) 00:36:32.20
サッチモはベティ・ブープシリーズの『ベティの蛮地探検』に出演してるからね。
森卓也氏や筒井康隆氏による評価・紹介を通して知っただけだろう。
665 :discussao:2012/01/10(火) 02:18:45.75
『ベティの蛮地探検』ってのは「ラスカル・ユー」を唄ってる「I'll Be Glad When You're Dead, You Rascal You」
ですね?
これは32年の作品っていうからサッチモが「人種音楽」の音楽家からメインストリームの
ポップ・アーチストに変わった頃。20年代のLouis Armstrongっていうと、
http://www.youtube.com/watch?v=w1DNA4q14fM
こんなカンジで、30年代に比べてダンス・ミュージックの要素が濃く、その踊りの要素も
ジャズが咀嚼したフォックス・トロットの「古臭い」ニュアンスが強いです。
もちろんこういった音楽を唐沢青年が楽しんでいたというなら文句はないですが。
666 :discussao:2012/01/10(火) 02:30:29.31
で、ナニが言いたいかというと、唐沢さんの学生時代手近でサッチモを入手するとすれば、
たいていメインストリームのポップスターになって以後の音源に限られるんじゃないかなあ?
という疑念があるという話でした。だからそれは20年代じゃないだろう?というミニマムなツッコミ。
668 :無名草子さん:2012/01/10(火) 03:57:08.75
>>659
テンテー、ポーランド大使館だったかの主催のコンサートに奥さんと行って、
ポーランド人にとっては国宝級のショパンの楽曲を、モーツァルトに劣るとかと
ケチョンケチョンに腐した揚句、コンサートの後のレストランでかかっていた
ディキシーランドを聞いて、クラシックよりこっちの方が馴染みやすいとかと
言い出したんじゃなかったっけ。
そもそも、テンテーがサッチモで「ノスタルジー」とか言ってるのは、単なる
いつもの老人趣味か、そうでなければ、「ビバップやハードバップじゃないから
ノスタルジーって言っていいよね」ぐらいの軽佻浮薄な判断か、所詮はその程度
なんじゃないのかな。
669 :無名草子さん:2012/01/10(火) 06:27:27.26
>>657
あ、それ行ったよ!懐かしーなー。
ロビーで若い女性のインタビュアーから
「ベティちゃんって、TVCFに出てますよね」と言われて
「それは、キューピーで違うだろ!」と筒井氏はイラついていたな~
でも、実際はベティちゃんは当時CFに出ていたんだけどねw
関係ない話で、すみません。続きをどうぞ。
-------
まだ「レフト・アローン」が定番に定着していなかった頃ですね。阿川さんや秋本さんに失礼ですよ(ちゃんと聴いたことすらないけど)。この頃私にとってのジャズって、オーネットかブラッド・ウルマーか戦前のディック・ミネらのことでした。
>「スキャットという手法」は、ルイ・アームストロングより前にやっていた人がいるという話も聞くものの、ベティ誕生のタイミングに間に合わせられる (?) ようにブレイクさせたのは彼ではないか、彼がいなかったらベティの像もだいぶ異なっていたのではないかと想像しています。
「雑学」的にはそう言っちゃって正解なんでしょうね。宇野常寛さんぽい発言に聞こえちゃいますが。
単に「タイミング」ということならば、ベティが登場した1930年の『MysteriousMose』で早くもキャブ・キャロウェイの同年大ヒット曲「ミニー・ザ・ムーチャー」が使用されていたりする例など考慮してみても、あんまりサッチモのほうとタイミングが合ってるようには思えません。ちなみに『ベティの蛮地探検』のテーマ曲「お前が死んでくれたら嬉しいぜ、クソ野郎(I'll be glad when you're dead)You Rascal You」はこの年のヒット曲で、サッチモのは2年後のカバー(同年キャブも録音)。
「スキャットという手法」がルイ・アームストロングの「Heebie Jeebies」を最初とされているのはそうなんですが、スキャットはアイリッシュやスコティッシュの伝統である、即興のナンセンスな詞や既成の語句を並べ換えた意味のないシラブルを黒人が真似しだしたもので、そもそもサッチモが発案したものとは言いにくいうえ黒人文化オリジナルとも言いにくい。
スコティッシュ・ディドリング(ナンセンスな詞句)・ソングの例
http://www.youtube.com/watch?v=65hOhj94ZGE
もちろんサッチモの成功がキャブに与えた影響も大きいのだろうから、サッチモがいなかったらベティの像もだいぶ異なっていたという記述が大間違いってワケではないけれど、「ロバート・ジョンソンがいなければエリック・クラプトンの音楽もだいぶ異なっていた」とか「杉浦茂がいなければ唐沢なをきの漫画もだいぶ異なっていた」とかみたいな、ビミョーな違和感というか、まぁそう主張する人もいるんだろうけれど、自分としてはB・Bキングorフレディ・キングとか赤塚不二夫が収まってくれると落ち着くんですけど、というニュアンスです。
ルイ・アームストロングが"boop boop a doop man"とも呼ばれていたという資料について繰り返せば、あれは知られていないローカルな記事として紹介されていて、逆に一般的には彼が"boop boop a doop man"として認知されていなかった証明になってしまっているのでは?
スキャットの話に絡んだブラック・ミュージックの20世紀前半の歴史については高橋健太郎のこの辺の発言
http://twilog.org/kentarotakahash/date-100328
参照。一行知識さんの挙げていた「After you`ve gone 」のオリジナルおよびその変革が例にされています。
>藤岡真さん
http://www.youtube.com/watch?v=-0g4cKhAJqU
>ホンダ ワンダー・シビック 第1弾CM(1983年) ワンダーシビック誕生
ですね。懐かしいです。
CM が流れていた 1983 年当時には、自分にとっては何となく聞き覚えのある曲で
あり、古き良き時代みたいなことを感じさせるという意味ではノスタルジックな感覚を
呼び起こされもしましたが、格好よさと新鮮さも大いに感じさせてくれました。
連れ合いとも話したんですが、歌詞のよさも大きいと思います。
この数年前くらい (1980 年前後?) から、ちょっと大人でお洒落なのがジャズよ♪って
感じで阿川泰子がテレビ等でプッシュされて、秋本奈緒美も出てきて、「……ジャズ
には興味あるけど、聞きたいのはこういうのじゃないんだよなあ」 (ファンの人には
悪いのですが)、モヤモヤしていた時期でもありました。
さらにその前の 1970 年代中盤には、オヤジ系週刊誌に、ジャズといえばコルト
レーンで、ジャズ喫茶などで眉にしわよせて難しい顔して聞くもの――といった
論調のコラムがちょくちょく載っていたような気がします。
# 何の話でしたっけ? ^^:
>>サッチモとベティとは縁が深いといってよいだろう (?)。
これ↑はまあ、テキトーなことを書いたのでしかないのですが、彼が 1920 年代後半
にスキャットを広めなかったとしたら、ベティがベティ・ブープで、ブプッ・ピ・ドゥップ♪
と歌っていなかったんじゃないかというのが頭にあったので……、
http://ja.wikipedia.org/wiki/ルイ・アームストロング
>同バンドが1926年に録音した楽曲「Heebie Jeebies」は、ジャズ史上初のスキャッ
>ト・ヴォーカル曲として知られる[2]。
〈略〉
>歌の方でもスキャットという手法を広めたことで知られ、マイルス・デイヴィスは
>「アームストロングは喋りまでジャズになっている」と語っている[4]。
「スキャットという手法」は、ルイ・アームストロングより前にやっていた人がいると
いう話も聞くものの、ベティ誕生のタイミングに間に合わせられる (?) ようにブレイク
させたのは彼ではないか、彼がいなかったらベティの像もだいぶ異なっていたの
ではないかと想像しています。(でも、あまり自信はないです)。
>NNT さん
昔聞いてたアレだな、懐かしいなぁという感情で好感度を上乗せされることが
なかったとしても、充分人を引きつける力のある古い曲、というのはあると思います。
それと、唐沢俊一のいう「勉強」が必要な「ノスタルジー」を強く感じる対象の条件と
しては、勉強だなんて身構えなくてもちょくちょく耳にするようなスタンダードな曲は
向いていないようにも思えて、それも気になっています。そうマニアック曲が、ソバや
日本酒を出す店でかかっていたとも思いにくいですし……。
まあ、本文にはごちゃごちゃ書きましたが、唐沢俊一流「ノスタルジー」というのを
私が理解しきれているわけではなく、改めて読んでみると、
>“自分は若いから” “世代が違うから”と、ノスタルジーに対する勉強を拒否して
>きた連中は、 結局、人生を半分(前半分)しか楽しめていない。かわいそうだな
>あ、と 思う。
という文章の「(前半分)」というのが意味不明だああと思いました。まさかとは思い
ますが、人生も後半部分にさしかかると、新しく聞くものに感動しにくくなり、昔よく
聞き、耳に慣れた曲を聞いて「ノスタルジー」に浸るのがメインになるのだから、
若い頃の「勉強」をサボると、人生の後半は楽しみがなくなると主張しているのでは
あるまいな――と少し怖いことを想像しました。
●CMで“What a Wonderful World”が流れてたのは1983年?
<『君に、胸キュン』がヒットしてみうらじゅんがシティ・ボーイを詐称し久住昌之が『かっこいいスキヤキ』を発表しサエキけんぞうがパール兄弟を結成し小室哲哉がTMNを始動しドリカムの中村正人がまだただの「飲み屋のバイト」で小西康陽も大学卒業後まだプーだった>頃ですね・・・(全員唐沢さんと同い年)
https://twitter.com/#!/discusao/status/154609672920371200
この頃CMにあやかって"サッチモ"のベスト盤レコードも出たんだろうけれど、当時も今もベーシックな教養に欠けるディレッタントの自分には知らない事柄。ディレッタントなので、ルイ・アームストロングっていうとマ・レイニーやベッシー・スミスら女性シティ・ブルース・シンガーとの録音とか
http://www.youtube.com/watch?v=jNWs0LsimFs
(足踏みオルガンとコルネットに歌、ってのもムチャな編成)
ブラック・ミュージック歴史入門のオムニバスに入っていたキング・オリバーやフレッチャー・ヘンダーソンの楽団の録音でしか知らないですね。だから私こそ<1920年代のサッチモ>しか知らないんですけど、懐かしくはない。そのへんの無知さ加減もあるので、サッチモの一般受容はどうだったかの質問も含め2ちゃんに書き込みました。
>サッチモとベティとは縁が深いといってよいだろう (?)。
ルイ・アームストロングが"boop boop a doop man"とも呼ばれていたという資料があるのはわかるんですけど、1930年のこの記事とベティ・ブープを繋げるものは特にないので、フライシャー兄弟がベティを創作する過程でそういう話を参考にしたかもしないという想像以上の根拠はたぶんないですよね?
で、サッチモは『ベティの蛮地探検』だけの出演で、ブラック・ミュージックからの共演者というと6歳下のキャブ・キャロウェイのほうが3作品プラスアルファ参加してるうえベティ・アニメの「ヘンなカンジ」や「キャラの動き」に影響を与えているので、比較として<サッチモとベティとの縁は薄い>カンジがしてしまう。なんてことの詳細は筒井康隆『ベティ・ブープ伝』に詳しいだろうけれど。ちなみに同書によればサッチモの映画初登場は『ベティの蛮地探検』となっているけれど、本当は『A Rhapsody in Black and Blue』が先行して公開されているというのは知られているのだろうか?
http://www.youtube.com/watch?v=aUcQESVYlec
(めいっぱいおどけているんだけど、けっしてフライシャー的なイメージじゃないし、演奏のしっかりしてるところが返ってストレイトなジャズ・マンという印象)
一方のキャブ・キャロウェイ楽団(同時期)
http://www.youtube.com/watch?v=D44pyeEvhcQ&feature=related
(『International House』('33)より。全員気が狂ってます)
あとキャブ版「セント・ルイス・ブルーズ」
http://www.youtube.com/watch?v=u1Xno49V6Ng
(一節くらいマジメに歌えよ、ってカンジ)
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「タイミング」については確かなことはいえないなとも思っています。それで「自信は
ないです」と書いた次第で……。ルイ・アームストロングがブレイクさせなくとも、
スキャットはいずれ誰かが流行らせて、彼がいなくても、1930 年のベティが何か
スキャットして (boop boop a doop じゃなかったかもしれないけど) いたかもしれない
とは思っています。ブレイクの時期が後にずれてベティ誕生に間に合わなかったり、
一部のシンガーはスキャットしているけど、ベティの決めのフレーズ (と言ってよいの
かどうか) に採用されるほどは浸透していなかったりの可能性も無視できないとも
思っていますが。
唐沢なをきのたとえでいえば、ルイ・アームストロングが赤塚不二夫で、キャブ・キャ
ロウェイが、とり・みきでもよいんじゃないかと思ったりします。ただ、ベティの場合は
ヘレン・ケーンというのが直接のモデルとされていて、彼女の方の系譜をたどって
いくとどうなるんだろうというのは、Baby Esther だ Clara Bow だという以外は追えて
ないな (私が) というのは気になっているのですけど。
http://tondemonai2.blog114.fc2.com/blog-entry-177.html
> http://twilog.org/kentarotakahash/date-100328
これはとても面白かったです。これを経由して三者三様の After you've gone などを
聞き比べてみると、80 年代当時私の聞きたかったのは Bessie Smith みたいな歌
だったのだなあと思ったり。
http://www.youtube.com/watch?v=kA6ulKFXiTA
http://www.youtube.com/watch?v=VCDOr6au_H8
http://www.youtube.com/watch?v=tlHUqFSDD9A