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2009.04.18 (Sat)

「万歳三唱令」ってのは偽書だし、「かなり奇妙な万歳ポーズ」ですよ唐沢俊一先生

『トンデモ一行知識の世界』 P.51

 「万歳」は、手のひらを内側に向けるのが正式。政治家が当選したときに
やるのは、多くの場合、手のひらが前を向く「お手上げ」。


そんなことをいわれても、そもそも「万歳」という言葉には、「困って、なるがままにまか
せること。降参。お手上げ。」という意味もあると、辞書に載っているのだが。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=万歳&dtype=0&stype=1&dname=0ss
>ばんざい3 【万歳】
>〔補説〕 「ばん」は漢音、「さい」は呉音
>1 (名) スル
>[1] 「ばんざい2 」を唱えること。また、唱えたくなるほどめでたいこと、嬉しいこと。
〈略〉
>[2] 〔補説〕 両手を上げる形から打開の方法がないこと。困って、なるがままにまか
>せること。降参。お手上げ。
>[3] 〔補説〕 上げた両手が「ばんざい2 」の形になることから野球で、野手がフライを
>とろうとして目測を誤り、頭の上を越されること。
>[4] 「ばんぜい(万歳)」に同じ。
>2 (感) めでたい時や嬉しい時、長久を祈る時などに唱える語。多く、両手を頭上に高く
>振り上げる動作を伴う。


「両手を頭上に高く振り上げる動作」について、めでたいときと困ったときの区別がある
とは書かれていない。むしろ、同じ動作だから、「万歳」がお手上げの意味になったり、
野球でフライをとりそこなう意味になったりすると書いてある。
(上に引用したのは大辞林の定義だけど、大辞泉で引いても結果は同様)。

両手をあげて「万歳」と唱える習慣は、大日本帝国憲法発布式の慶祝のときが最初で、
そのときに読みを「ばんぜい」から漢音と呉音交じりの「ばんざい」に変えたとのこと。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q139842938
>明治22年2月11日の大日本帝国憲法発布式の慶祝の際に「バンザイ」と称されたの
>が最初です。近代日本の門出とも言えるこの良き日に、宮城外にて陛下をご奉迎する
>にあたり、どのような言葉で陛下に対し慶祝の発声をしたらよいか議題が上がったの
>です。なぜかと言うとそれまで日本には一同で慶賀を発声する統一された言葉がな
>かったからです。
〈略〉
>臨時編年史編纂掛のほうから「萬歳」の提案が出て、それでいこうとなったのです。
>しかし「ばんぜい」では「パット」しない。また「まんざい」では漫才みたいで厳粛さが
>ない。そこで後に文部大臣・東京帝国大学総長になった外山正一博士の意見で漢音
>と呉音を交えて「バンザイ」としたらどうかという意見が出て、協議の結果全員一致で
>賛成となり、いよいよ11日の当日、発案の外山博士が音頭をとって二重橋外におい
>て陛下奉迎の際、声高らかに「バンザイ」を発声したのが最初でした。


その他参考 URL:
- http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1112961461?fr=rcmd_chie_detail

で、手のひらの向きについて書かれている資料を探していたら、唐沢俊一のガセビアの
ネタ元らしいものを発見。「万歳三唱令」という「偽文書」には、「両掌を内側に向けて
おく」という意味のことが書かれていたという話。

http://ja.wikipedia.org/wiki/万歳三唱令
>万歳三唱令(ばんざいさんしょうれい、萬歳三唱令)は、万歳三唱の作法を定めた
>太政官布告と称する、1990年代に出回った偽文書である。明治12年(1879年)4月
>1日施行の太政官布告第168号という趣旨の表記がされており一見本物のように見え
>るが、該当する布告は存在しない。
〈略〉
>万歳の発声とともに右足を半歩踏み出し、同時に両腕を垂直に高々と挙げる。その
>際、両手の指をまっすぐに伸ばし両掌を内側に向けておく。


上記の Wikipedia からさらにリンクをたどっていくと……

http://www3.zero.ad.jp/tanakayamato/banzai_p.htm
>今秋には宮内庁に文書の真偽について自治体から照会があったが、ベテラン職員は
>「足を出して手を挙げるなんて聞いた事がない」とあきれ顔だ。
> 太政官布告は明治初期の法律。「万歳」の発声の由来ははっきりせず、一八八九
>(明治二十二)年の旧憲法発布の際に学生の間で始まったとする説もある。
>[共同通信 1999-12-11-08:10]
〈略〉
>次に「万歳の発声とともに右足を半歩踏み出し同時に両腕を垂直に高々と挙げるべ
>し。この際両手指が真っすぐに伸び、かつ両手を正しく内側に向けておくことが肝要な
>り」。そして、発声終了と同時に素早く直立不動の姿勢に戻る。 この一連の動作を
>「節度を持ちかつ気迫を込めて」三回繰り返すのが手順としているが、試してみると
>かなり奇妙な万歳ポーズで、実行すれば周囲の目を引くことになりそうだ。
>[共同通信 1999-12-11-08:11]
〈略〉
>”真っ赤な偽物”の「万歳三唱令」布告出回る 鹿児島では実践例も

> 同県議は「以前から、両手を単に挙げるだけで降伏した格好の万歳が気になってい
>た」ところ、昨年11月、別の県議から万歳の”正式な作法”を記した”法令”のコピーを
>見せられたらしい。その後、昨年末に元陸上自衛官からコピーをもらったという。
>[南日本新聞 1999-12-12-01:28]


当時の記事のコピー:
- http://www.psy.ritsumei.ac.jp/%7Esatot/newversion/dont/banzai/991211.html

まあ、この報道は 1999 年で、『トンデモ一行知識の世界』は 1998 年だから、唐沢俊一
が偽文書に騙されていてもしょうがないのかもしれないが……でも、と学会のメンバー
なら、偽文書をあばく立場でいてほしかったというか、まず辞書を引いてみるべきでは
なかったというか、記者の人みたいに自分で試してはみたりはしなかったのかというか。

で、この「万歳三唱令」の傷跡 (?) は、今も少し残っているかも↓

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1111651506
>あるある。本当は自分の体に対して垂直に手を位置しないといけない(チョップみたい
>な)のに、敗戦したときや謝るときのポーズ(掌を正面に)している当選した議員。あれ
>は真実を知っている人からすれば爆笑もんだよ。


なぜか文体まで唐沢俊一風味。
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13:02  |  『トンデモ一行知識の世界』間違い探し編 (215) +  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

>通りすがりさん
>そもそも辞書には験担ぎや慣習にいちいち触れません。

いえ問題はそこではなく、元の唐沢俊一の文章が:

>「万歳」は、手のひらを内側に向けるのが正式。政治家が当選したときに
>やるのは、多くの場合、手のひらが前を向く「お手上げ」。

となっていたことであり、では「手のひらが前を向く」のは「お手上げ」であり「万歳」
ではないのかという素朴な疑問から、「万歳」の辞書的な定義を確認してみたという
流れでありまして……。

辞書に「験担ぎや慣習」についてが書かれていることも多いのですが、書かれて
いないことも確かにあるでしょう。で、問題は、「手のひらを内側に向けるのが正式」
とする、その出典となるものが「万歳三唱令」という「偽文書」以外に、少なくとも
私は見つけられなかったのです。ちなみに、「万歳」でググると上位にくるページの
記述はこういう感じです↓

http://www.jp-guide.net/manner/ha/banzai.html
>手を上にあげる時に、手のひらを内側に向けるのが本来のやり方だという説が
>ありますが、現代では大半の人が手のひらを前に向けてやっています。筆者は、
>万歳三唱に関しては、細かいことは気にせず、元気良く行なうのが、「歓びやお祝
>いの席での何よりの作法」だと思います。

「験担ぎや慣習」を気にしそうな政治家についても、唐沢俊一自身「政治家が当選し
たときにやるのは、多くの場合、手のひらが前を向く」と書いています。

現在多くの人がやっているわけでもない、何かの公式文書に書いてあるわけでも
なければ、小笠原流とか有名どころがそう教えているわけでもないマナーを、
「正式」とする根拠はないと考えます。それとも、デマやガセの類いでもなく、
「万歳三唱令」とは明らかに別系統の、ちゃんとした元ネタがどこかにあるのでしょうか。
トンデモない一行知識 |  2012年01月22日(日) 09:18 |  URL |  【コメント編集】

降伏しているように見えては縁起が悪いですから、喜びを表す万歳では「手のひらを内向き」にするのが慣習的に正しい作法ですよ。
辞書で書かれているのは、「両手を上げる」という動作に変わりないということであり、「手のひらの向き」に言及するものではありません。そもそも辞書には験担ぎや慣習にいちいち触れません。

この怪文書は、「手のひらの向き」に関する記述が慣習的に正しいことから、「半歩踏み出す」という聞いたことのないような記述にまで信憑性を持たせているところがポイントです。
仮に自分がこの怪文書を作るとしたら、「両手を上げながら半歩踏み出す」という動作が滑稽なのであって、手のひらが内向きだろうと前向きだろうと、別に面白さが変わるわけではありませんから、その部分に虚実を混ぜる意味がありません。
通りすがり |  2012年01月19日(木) 18:47 |  URL |  【コメント編集】

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