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2011.11.20 (Sun)

遺産を腕ずくで分捕った人もいます

『トンデモ一行知識の逆襲』 P.153 欄外

・鳥獣戯画で有名な鳥羽僧正の遺言は、「遺産は腕ずくで取りあえ」。


×遺産は腕ずくで取りあえ ○遺産の処分は腕力によるべし

ここのコメント欄に引用したのがきっかけで、そういえば以前に少し調べたような……と
思い出したネタ。

元々は、一行知識掲示板に唐沢俊一自身が投稿したもの。出典は明記されていない。

http://web.archive.org/web/20030720034923/http://www.tobunken.com/oldlog/log0001.html
> 一行知識掲示板、早くも200代に到達しました。皆様のご協力に感謝
>いたします。
>  今さらではありますが、ニフでの一行知識ルール(あったのか)をご存
>じない方もいらっしゃると思うので、基本的注意。
> ・長くて3行まで。出来るだけ短くまとめましょう
> ・意外な視点、が一行知識の命
> ・俳句や短歌と同じく、推敲してから書き込みましょう
> ・あまり専門的なネタは避けましょう
> ・この掲示板を時候の挨拶、ただの感想の書き込みに用いるのは出来るだ
>けやめましょう(近々、意見交換用掲示板も設置の予定)

> 以上。
> ・『鳥獣戯画』で有名な鳥羽僧正の遺言。「遺産は腕づくで取りあえ」


Wikipedia には、以下のように記述されている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/鳥羽僧正
>保延6年(1140)9月15日、覚猷は90歳近い高齢で死去した。その際、弟子から遺産分
>与に関する遺言を求められ、「遺産の処分は腕力で決めるべし」と遺したと伝えられて
>いる。


じゃあ原文はどうなっているんだろうと思って探したら、「鳥羽僧正の秘画『勝画』の発見」
(高島経雄著) の P.168 に、以下のような記述がある。

http://books.google.com/books?id=0tFnwA5e5gEC&pg=PA165&dq=遺言#v=onepage&q=遺言&f=false
>『古事談』
> 覚猷僧正臨終時、可処分之由、弟子等勤之、再三之後、乞寄硯紙等書之。其状云。
>処分可依腕力云々。遂に入滅。


Amazon での「なか見! 検索」http://www.amazon.co.jp/gp/reader/4835500733/
「腕力」を探すと、P.167 に以下のようなことも書かれていた。

> 遺言というものは人がこの世に生をうけ、まさに死を迎えようとする時に遺った人々に
>与える言葉であり、おおむね厳粛なものであろうと思われる。
> 私は、彼がまさに死に臨む人間として「腕力によるべし」という、彼の驚くべき発想が
>何処から生れたか、遺言の意図がどこにあるかいろいろ考えてみたが結局結論を得る
>までには至らなかった。
> それは当然である。
> 恐らく、われわれの考えの及ばない規格外の人物だったのではないだろうか。
〈略〉
> 彼は死に臨んでも全く普段と同じように、ぷいっと隣へ出かけるような気持ちであった。
> むしろ、彼は彼の弟子たちがこの遺言書を見た時の彼らの驚きの表情を想像し、
>にんまりとほくそ笑んで亡くなったのではないだろうか。


その他参考 URL:
- http://www.yuugao.jp/jinpati/lastsong/tobasoujou.html
- http://www1.seaple.icc.ne.jp/kobuna/review/ninngennrinnjyuuzukann.html
- http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/f54b1f0e5d7346cf85a164239cad907b

まあ「遺産は腕ずくで取りあえ」というのも、意訳としてはアリじゃないかというご意見も
あるだろうけど、「取りあえ」と命令したことにしちゃうと、ニュアンスが違って来るんじゃ
ないかと思うので、間違い探し編の方に入れさせてもらおうかと。

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テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

20:13  |  『トンデモ一行知識の逆襲』間違い探し編 (138) +  |  TB(0)  |  CM(3)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

http://ja.wikipedia.org/wiki/鳥羽僧正
>遺産分与に関する遺言の逸話に関して、松山文雄著『漫画学校』p85では「これは
>貴族や僧侶の権謀衛策やこびへつらいの生活にたいする風刺ともとれ、強いもの
>がとるという、権力の横行にたいするあてつけともとれて、おもしろい逸話です。」
>と分析されており、その風刺精神は当時の自身を取り巻く世情と密接に関係して
>いたことが予想される。

まあ、潮健児さんは鳥羽僧正みたいな遺言をのこしたわけではないのに、唐沢俊一
は腕ずくで『星を喰った男』の著者の名をぶんどったと考えると、やりきれないものが
ありますが……。

鳥羽僧正の弟子の方は、再三にわたって遺言を書いてくれと頼んでいたという話
ですから、腕ずくで遺産をかすめとろうと狙っている人は、弟子の中にはあまり
いなかったとも考えられます。だから安心して、腕力で決めろとか書き遺せたのかも。


>「どの一行知識を誰が投稿するかは早い者勝ち」ということを洒落た言い回しで

あ、どうでしょう。一行知識は自分が腕ずくで分捕るぞという意思表明かもしれません。
あの掲示板には、唐沢俊一自身が、出典も何もなしで書き込んでいる一行知識も
結構ありました。「遺産は腕づくで取りあえ」も、そのひとつです。

唐沢俊一が愛読していたはずの山田風太郎『人間臨終図鑑』では、ちゃんと
「処分は腕力に依るべし」となっていたと考えると、好き勝手に改変 (これが劣化
コピーの元) したいから出典を明記しないというスタイルだったとも考えられます。

http://www1.seaple.icc.ne.jp/kobuna/review/ninngennrinnjyuuzukann.html
>山田風太郎「人間臨終図鑑」
>2002年3月読了 この作品は900人以上もの人々の死に際の様子を享年別に分類
>して紹介した作品です。当時私と兵庫の間で大ヒットしたのが「鳥獣戯画」を描い
>た高僧、鳥羽僧正の死に際の様子でした。以下に引用すると、

>死するにあたって弟子たちが、師僧の遺産をいかに分配すべきか遺言したまえ、
>と再三要求したのに対し、硯と紙を持って来い、といい 遺言状を書いた。それに
>は、「処分は腕力に依るべし」と、あった。(『古事談』)
トンデモない一行知識 |  2011年11月25日(金) 22:24 |  URL |  【コメント編集】

唐沢氏はおそらく、「どの一行知識を誰が投稿するかは早い者勝ち」ということを洒落た言い回しで表現したかったのでしょう。
で、独自に工夫した結果不正確な引用になってしまった、と。いつもの感じですね。
幻灯機 |  2011年11月22日(火) 17:18 |  URL |  【コメント編集】

●無私という事

死ねば死んだ人間にとって現世の事など関係無し、
死してなお現世に影響力を与えることの意味も無し、
ならば生きている人間が好き勝手にするが良い、
って事なのだろうと自分は解釈しました。

少なくとも、遺産を自分のモノにする為の言い訳ではないでしょう。
NNT |  2011年11月20日(日) 21:38 |  URL |  【コメント編集】

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