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2011.09.11 (Sun)

ペギラかバキューモンか<菅原道真の怨霊

http://www.tobunken.com/news/news20110907130558.html

イベント
2011年9月7日投稿
ペギラと黒雲、ヒゲ
〈略〉
……ところで、帰り道、と学会の藤倉珊さんや開田裕治さんと話題になった
のが、「ペギラの黒雲、あれはなんなんだろうね」ということだった。45年前
に初めて見た翌日、友人間で話題になったのを覚えているが、45年後も
同じ話で盛り上がるとは、オタクというのは進歩のないものである(だから
楽しいのだが)。ペギラは飛行時、全身を黒雲で覆って渦を巻くようにして
高速飛行するのだが、ペギラに、ジェット噴射で空を飛ぶような能力が備わって
いるとは考えられず、あの黒雲はどこから出るのか、とみんな不思議がって
いたのだ。「�斗雲みたいなペギラの乗り物じゃないのか」という説から、
「あれはバキューモン(『帰ってきたウルトラマン』に登場する怪獣)の
ような暗黒物質で出来ている生物で、ペギラはそれに操られているだけ、
いや、その生物の器官の一部に過ぎないのでは」などという話が出て、
こういうヨタみたいな話のやりとりがあるから怪獣映画というのは楽しい
のだな、という感を強くした。

SF的な設定はいくらでも考えられるが、文化的な文脈で見るとどうか。
ペギラは初めて特集記事などで紹介されたときから”ペンギンが突然変異
した怪獣“という設定があったようだが(ちなみにゴメスは”オケラが突然
変異した“とされていた)、どう見ても鳥類がモチーフとは考えられない
デザインである(初期デザインはもっと鳥ぽかったのを、最終的に成田亨氏が
修正)。退化したヒレみたいな翼が両腕についているのが最大の形状上
での特長だが、もうひとつ、アップになると、怪獣らしからぬ(?)
ヒゲが生えているのがわかる、というのも、あまり他の怪獣に見られぬ
特長と言える。口の両端と、それからアゴにも、しょぼしょぼとあまり
立派でないヒゲが生えている。これは造形にあたった高山良策氏が植毛ぬい
ぐるみの製造経験が長かったその名残……なのだろうか?

それはともかく、このヒゲと黒雲との関係で、ちょっと思いついたことが
あった。黒雲に乗って天空をかける存在、というと何があるか。
言うまでもなく、日本の伝説上の、風神、雷神であろう。

ことに雷神と黒雲はセットになっているようで、日本各地に、黒雲から足を
踏み外した雷神が墜ちてきた、という民話・伝承が残っている。天に帰る
ときもまた、黒雲を呼び、それに乗って空へ上っていく。
雷神は日本の伝説の中では多く祟り神にも類えられており、藤原時平によって
讒言され九州で斃死した菅原道真は雷神となり宮中に黒雲となって現われ、
自分を陥れたものたちを雷電で撃ち殺したと伝えられる。

ペギラの、あの黒雲を呼んで天に帰るというイメージ(ペギラは2回、
ウルトラQに登場するが、どちらも黒雲に包まれて逃げ去っている)は、
あきらかに風神雷神からのインスパイアだろう。

それを考えると(と、またヨタな話に戻るが)、ペギラの顔の造形、
つまり一本角、牙、髭は、鬼神の顔の造形をモチーフにしたと言っても
いいのではないかと思う。通説ではペギラの顔はトドやアザラシなどの海棲
哺乳類をモチーフにしたということになっているが、海棲哺乳類で角を持つ
ものはいないし、口ひげはあっても顎ひげはない。いや、カンぐれば、
雷神となった道真(天神様)にあやかってヒゲを生やしたのかも……(笑)。


×”ペンギンが突然変異した怪獣“という ○“ペンギンが突然変異した怪獣”という
×ゴメスは”オケラが突然変異した“ ○ゴメスは“オケラがモチーフのひとつになっている”
×海棲哺乳類で角を持つものはいない 
○海棲哺乳類の中ではイッカクが角のような牙をもつ
×口ひげはあっても顎ひげはない ○クジラには顎ひげがある

全角二重引用符の開く方向と閉じる方向が逆というのは、いつものことだが (ここここ
ここを参照)、見ていて気持ち悪い、ということで。

ゴメスは「オケラが突然変異した」という設定ではない――金城哲夫が、「東北地方にある
“鬼(おに)”のイメージと、作者がだいきらいなオケラの感じからつくられたのがゴメス」
とインタビューに答えているのは、昭和 40 年 12 月 26 日の徳島新聞の記事にある――
という話は、2ちゃんねるのスレへの書き込み (Read More 参照) か、「藤岡真blog」の
ゴメスの名はゴメス」を参照のこと。

で、「どう見ても鳥類がモチーフとは考えられないデザイン」とは、ゴメスの方ではなくて
ペギラについていっているはずだが……「退化したヒレみたいな」ものでも、翼がついて
いるのに、「どう見ても鳥類がモチーフとは考えられない」とは言い過ぎのような。いや、
「退化したヒレみたいな」からして、少々言い過ぎ。

- http://www.youtube.com/watch?v=OSnezyF-stg
- http://pulog1.exblog.jp/106047/
- http://www.geocities.jp/gobuzakigousei/gouseishashin/pegiragousei.html

そもそも、鳥類の中には、ハゲタカもいればダチョウもいるし、それこそペギラのモチーフ
になったペンギンのようなものも含まれているのに……とも思う。

そして、唐沢俊一は、「黒雲に乗って天空をかける存在、というと何があるか」と話をつな
いでいるのだが、ペギラって「黒雲に乗って」いたんだっけかという疑問もわいてくる。

http://www.b-boys.jp/ultraQ/kaijyu/peguila/index.html
>黒煙を発しながら、猛スピードでの飛行ができるが、接近された地域では、異常な大寒
>波が観測される。


だいたい、唐沢俊一本人だって、「全身を黒雲で覆って渦を巻くようにして 高速飛行する」
とも書いているのに……。

さらに唐沢俊一は、「日本各地に、黒雲から足を踏み外した雷神が墜ちてきた、という民
話・伝承が残っている。天に帰るときもまた、黒雲を呼び、それに乗って空へ上っていく」
というのだが、「雲から足を踏み外した」って雷神というより久米仙人のイメージのような。
まあ、久米仙人も「雲から足を踏み外した」というより神通力を失って墜落というべきかも
しれないけど。

http://ja.wikipedia.org/wiki/久米仙人
>天平年間に大和国吉野郡竜門寺の堀に住まって、飛行の術をおこなっていたが、久米
>川の辺で洗濯する若い女性の白い脛(はぎ)に見惚れて、神通力を失い、墜落し、その
>女性を妻とした。


それはさておき、「日本各地に〈略〉民話・伝承が残っている」という割には、「民話・伝承」
の方で「黒雲から足を踏み外した雷神が墜ちてきた」話はあまり見あたらなくて、該当し
そうなのは、下に引用する中の「『神鳴』(狂言)」くらい。

http://www.agu.ac.jp/~kamiyama/ra.htm (http://www.weblio.jp/content/落雷)
>★3a.雷が落ちて捕らえられる。

>『捜神記』巻12-6(通巻305話)  桑の木に降りた雷を、男が鋤でたたき落とした。
>その形は牛・馬のごとく、頭は猿に似て、毛の生えた角は三寸ほどの長さだった。

>『太平広記』巻394所引『伝奇』  村人が雨乞いをしても旱魃が続くので、陳鸞鳳とい
>う男が雷公廟を焼き払う。怒って落ちかかる雷公の左股を、陳は刀を振るって斬り落と
>す。墜落した雷公は、熊・猪に似て毛角があり、肉翅がついていた。陳が雷公の首を取
>ろうとするのを村人が止め、やがて雷雲が湧いて、傷ついた雷公を包んで去った。

>★3b.雷が木にはさまって、捕らえられる。

>『太平広記』巻394所引『神仙感遇伝』  大木に落ちかかった雷が、木の裂け目には
>さまれる。木の下で雨宿りする男が、裂け目に楔を打って雷を逃がしてやる。翌日、そ
>の返礼に、雷は自在に雷雨をあやつる法を記した書物を、男に与えた。

>『日本書紀』巻22推古天皇26年8月  霹靂の木として恐れられている木を、河辺臣
>が人夫に命じて切らせる。雷神は、剣を握って挑戦する河辺臣に十数回落ちかかろうと
>して果たさず、小さな魚と化して木の股にはさまる。魚は木から取りおろされ焼かれる。

>『日本霊異記』上-1  雄略天皇の命令により、少子部栖軽は、豊浦寺近くに落ちた
>雷を捕らえたが、その電光を天皇は恐れ、落ちた所に返させた。栖軽の死後、彼の墓
>の碑文の柱に雷が落ちかかり、柱の裂け目にはさまって捕らえられた。

>★4.落ちた雷が、人間に何ものかを授けて昇天する。

>『神鳴』(狂言)  雷が空を鳴り渡るうち、雲間を踏みはずして野へ落ち、腰骨を打つ。
>通りかかりの藪医師(やぶくすし)が、雷の求めで針を打って治療する。雷は返礼に「干
>魃・水害を八百年間とどめよう」と約束して、昇天する。

>『今昔物語集』巻12-1  雷が落ちて山寺の塔を破壊するので、神融聖人が法華経
>を唱えると、十五~六歳の童姿の雷神が聖人の目前に墜落し、許しを請う。雷神は聖
>人の命令で、水の不便なこの地に清水を湧き出させ、昇天する。

>『日本霊異記』上-3  尾張国阿育知郡の農夫が田に水を引いている時、雷が鳴っ
>た。農夫が金の杖を捧げると、雷が眼前に落ちて許しを請い、子を授けることを約束し
>て飛び去る。やがて生まれた男児は怪力の持ち主で、後に「道場法師」と呼ばれた。


その他参考 URL:
- http://blog.livedoor.jp/eastasian/archives/1417870.html (『捜神記』)
- http://www.geocities.jp/kanreisai/nikki.19.11.11.htm (『太平広記』)
- http://higashinomiya.com/ziro/index.php?itemid=1523 (『日本書紀』)
- http://blogs.yahoo.co.jp/senapi93/25086165.html (『日本霊異記』上-1)
- http://books.google.com/books?id=vkj1M83jEjYC&pg=PA141&lpg=PA141 (『神鳴』)
- http://homepage3.nifty.com/sizenrankato/minpou/minpou2008/minpou2008.06.08/newpage5.html (『今昔物語集』巻12-1)
- http://www.withfox.jp/nihonryouiki.html (『日本霊異記』上-3)
- http://www.karakusamon.com/ryu.html
- http://f1.aaa.livedoor.jp/~megalith/yatuiwa.html
- http://suwa3.web.fc2.com/enkan/minwa/jack/02.html
- http://www.pleasuremind.jp/COLUMN/COLUM115.html

わからないのは、何でわざわざ「黒雲から足を踏み外した雷神」と余計なことを書いている
のかということである。「黒雲から足を踏み外し」たりしていない「雷神が墜ちてきた」という
話なら数がぐんと増えるのだし、ペギラと雷神を結びつけるにあたっても、「黒雲から足を
踏み外した」という記述は邪魔にしかならない。

また、上の引用によれば、『太平広記』では「やがて雷雲が湧いて、傷ついた雷公を包ん
で去った」という話になっていて、それならばやはりペギラを「黒雲に乗って天空をかける
存在」なんて書かない方がよかったのに……と思う。

「菅原道真は雷神となり宮中に黒雲となって現われ」もなあ……雷神はまあよいとして、
「宮中に黒雲となって現われ」だったら、まるで菅原道真が、唐沢俊一も紹介している
暗黒怪獣バキューモンみたいな怪物になって宮中を徘徊したみたいだと思ってしまう。

http://ja.wikipedia.org/wiki/帰ってきたウルトラマンの登場怪獣
>暗黒怪獣 バキューモン
>第23話「暗黒怪獣・星を吐け!」に登場。
>体重、身長:共に無限大
>宇宙に存在する怪獣。その姿は煙のようなものに包まれ、外見は所謂「怪獣」と言うよ
>りも「命あるブラックホール」という印象。ただし、体内の描写があるので一応生物では
>あると思われる。


菅原道真の怨霊が、「宮中に黒雲となって現われ」たという話は伝えられていない。
清涼殿に落雷が直撃し、藤原清貫が亡くなった事件については、菅原道真の怨霊の
しわざと噂され、「道真が雷神になったという伝説が流布する契機にもなった」とはいわ
れているが。

http://ja.wikipedia.org/wiki/清涼殿落雷事件
>この年、平安京周辺は干害に見舞われており、6月26日に雨乞の実施の是非について
>醍醐天皇がいる清涼殿において太政官の会議が開かれることとなった。ところが、午後
>1時頃より愛宕山上空から黒雲が垂れ込めて平安京を覆いつくして雷雨が降り注ぎ、
>それから凡そ1時間半後に清涼殿の南西の第一柱に落雷が直撃した。
〈略〉
>天皇の居所に落雷したということも衝撃的であったが、死亡した藤原清貫がかつて大
>宰府に左遷された菅原道真の動向監視を藤原時平に命じられていたこともあり、清貫
>は道真の怨霊に殺されたという噂が広まった。また、道真の怨霊が雷を操ったというこ
>ととなり、道真が雷神になったという伝説が流布する契機にもなった。


http://ja.wikipedia.org/wiki/天満宮
>道真が亡くなった後、平安京で雷などの天変が相次ぎ、清涼殿への落雷で大納言の
>藤原清貫が亡くなったことから、道真は雷の神である天神(火雷天神)と同一視される
>ようになった。「天満」の名は、道真が死後に送られた神号の「天満(そらみつ)大自在
>天神」から来たといわれ、「道真の怨霊が雷神となり、それが天に満ちた」ことがその由
>来という。


唐沢俊一が、雷神を「黒雲を呼び、それに乗って空へ上っていく」ものと定義したのは、
以下に引用する『雷電』の影響かもしれないと思う。

http://ja.wikipedia.org/wiki/雷電_(能)
>『雷電』(らいでん)は、能楽作品のひとつ。菅原道真が大宰府に左遷され憤死、死後
>雷となって内裏に祟ったというエピソードをもとに構成された能である。
〈略〉
>やがて法性坊は雷神を追い詰め、「千手陀羅尼(せんじゅだらに)」を読み終わると、雷
>神は「これまでなりやゆるし給え」と平伏する。朝廷は「天満大自在天神」という称号を
>道真の霊に贈る。道真の霊はよろこび、「生きての恨み死してのよろこび、これまでと
>て、黒雲に打ち乗って虚空にあがらせたまえり 」との地謡で能は終わる。


また、「北野天神縁起絵巻」の絵は、今回の唐沢俊一のページにも引用されているが、
これにも黒雲に乗った雷神の姿がある。

http://blog.zaq.ne.jp/shibayan/article/127/
>上の図は国宝の「北野天神縁起絵巻」の一部で、清涼殿に雷が落ちた絵が描かれて
>いる。

(図: http://blog.zaq.ne.jp/shibayan/img/img_box/img20110512193238684.jpg )

しかし、それらの影響で「黒雲に乗って」ということにしたのならばなおさら、菅原道真が
「宮中に黒雲となって現われ」とか書いている理由が不明になる。

どうして、自分のとなえる説の説得力をそぐような、余計なことを書くのだろう。


ここまでは、唐沢俊一のいう「ヒゲと黒雲との関係」のうち、「黒雲」の話。「ヒゲ」の方も
読んでいて違和感があるところが多かった。

唐沢俊一は、ペギラの「口の両端と、それからアゴにも、しょぼしょぼとあまり立派でない
ヒゲが生えている」 といい、「カンぐれば、雷神となった道真(天神様)にあやかってヒゲを
生やしたのかも」という。

個人的には、菅原道真にヒゲは必須ではなく、あってもよいけど、なくても構わないという
程度のものと思うのだが。

たとえば、http://ja.wikipedia.org/wiki/菅原道真 で使用されている 2 つの絵。

- http://ja.wikipedia.org/wiki/File:Sugawara_Michizane.jpg
- http://ja.wikipedia.org/wiki/File:Hyakuninisshu_024.jpg

上にはヒゲがあるが、下にはヒゲがない。ついでにいえば、上の図のヒゲは、「アゴにも、
しょぼしょぼとあまり立派でないヒゲが生えている」という記述にそぐわない。

http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/exp2/w/158-a.html で引用されている肖像画
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/exp2/w/img/158-a_r1_c2.jpg も「しょぼしょぼ」という
感じではない。

http://www7a.biglobe.ne.jp/~katatumuri/waka2/jyukkai20.htm で引用されている
http://www7a.biglobe.ne.jp/~katatumuri/waka2/gazou2/mitizane.jpg くらいの、あるか
ないかよくわからないものを唐沢俊一は念頭において書いていると思われる。

それでもまだ「道真(天神様)」だけならばよかったのだが、唐沢俊一は、「雷神となった
道真」とも書いているので、いくら何でも雷神は、「口の両端と、それからアゴにも、しょぼ
しょぼとあまり立派でないヒゲが生えている」のとは違うだろうと思えてくる。

http://ja.wikipedia.org/wiki/雷神
>日本では俵屋宗達の風神雷神図(屏風)を代表例に、雷さまは鬼の様態で、牛の角を
>持ち虎の革のふんどしを締め、太鼓(雷鼓)を打ち鳴らす姿が馴染み深い。この姿は
>鬼門(艮=丑寅:うしとら)の連想から由来する。雷が落ちる時「雷獣」という怪獣が落ち
>てくるともいう。 大津絵のなかでは雷さまは雲の上から落としてしまった太鼓を鉤で釣
>り上げようとするなどユーモラスに描かれている。

(図: http://ja.wikipedia.org/wiki/File:Raizin.jpg )

唐沢俊一はその前に「ペギラの顔の造形、つまり一本角、牙、髭は、鬼神の顔の造形を
モチーフにしたと言ってもいいのではないかと思う」と書いているが、そういえば雷神は
「一本角」に描かれることは少ないんじゃないかという気も。

http://khipu.jp/php5/show.php/44872
>風神には、一本角が生え、雷神には2本角が生えています。

http://koukisinnichijyou.seesaa.net/article/96807545.html
>それにしても、・・・風神は角が1本、雷神は角が2本だったとは!


海棲哺乳類がどうのこうのという話も何だか無茶苦茶。唐沢俊一は、自分で、「ペギラは
初めて特集記事などで紹介されたときから”ペンギンが突然変異 した怪獣“という設定が
あったようだが」と先に書いておきながら、なぜか「通説ではペギラの顔はトドやアザラシ
などの海棲哺乳類をモチーフにしたということになっている」とペンギンを無視しているし。

http://wiki.livedoor.jp/ebatan/d/%A5%DA%A5%AE%A5%E9
>着ぐるみはウルトラQ怪獣の中で、一番最初に製作されたもの。アザラシとペンギンを
>合わせた成田亨氏のデザイン画に、頭のツノ、2本の牙、などのアレンジをつけて作成
>され、強烈な個性のある大怪獣が誕生した。当時、「少年サンデー」や「少年マガジン」
>「ぼくら」等の表紙には、このペギラと少年の2ショット(+F-104Jスターファイター)が、
>よく載っていた。


ペギラの顔は「トドやアザラシ」みたいだと語っているブログはいくつかあるけど、製作者
がそれを「モチーフにした」というのが通説のようにはあまり語られていない模様。でも、
まあ、確かにトドに似ている気はするけど。

http://pulog1.exblog.jp/106047/
>ペンギンの巨大化した怪獣などと言っているが、その顔はアザラシかトドを思わせる。

http://mon1011si.exblog.jp/tags/ペギラ/
>しかし、ペギラの顔はペンギンに似て非なるもので、どちらかといえば獰猛なアザラシ
>やトドを創造してしまいます。


ところで、すぐ上のブログで使用されている写真:
http://pds.exblog.jp/pds/1/200906/01/52/e0157252_2311785.jpg
には、割とはっきりとヒゲがうつっていて、これも今回の唐沢俊一の文章に大いに影響を
あたえているのかも――とか思えてきたり。

「モチーフにした」としているページも存在はする。ちなみに、このようにセイウチをあげる
人も結構いる。

http://looove.web.fc2.com/sbu1u8c.html
>ペギラは、アザラシやトド、セイウチなどの海棲哺乳類をモチーフとした。

そして、山本弘はアザラシ説をとっていたという話も。

http://gline.zapto.org/log/read.php/sf/1120039851/768-867
>768: 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 [sage] 投稿日:2005/07/27(水) 18:11:36
>>>767
>山本がスニーカー誌上で連載した「これが正しい空想科学考察だ!」
>空想科学読本をパクってペギラやらナメゴンやらのマイナー怪獣を取り上げたが、驚異
>的不人気で2回で打ち切り。

>これを逆恨みした山本は柳田のヘイト本「こんなに変だぞ!空想科学読本」を出版。
〈略〉
>791: 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 [sage] 投稿日:2005/07/27(水) 19:49:40
>とうとうあおるしかできなくなったか。
>見苦しい。

>ちなみに山本のペギラ考察は、
>ペギラの正体はアザラシだ!という
>設定のペンギンを無視したものだったわけで

>792: 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 [sage] 投稿日:2005/07/27(水) 19:52:46
>まあ、確かにあのデザインはペンギンつーよりアザラシに見えるわな。
>巨大化したときに嘴がなくなったのかな。

>793: 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 [] 投稿日:2005/07/27(水) 19:55:59
>アザラシというよりトドに見えるな


それはともかく、「海棲哺乳類で角を持つものはいないし、口ひげはあっても顎ひげは
ない」とかも、何でわざわざ余計なことを……という感じ。

角については、「イッカクがいるな。正確には歯だけど。」と、2ちゃんねるのスレで指摘
されている。

http://svrsh2.kahaku.go.jp/pictorial_book/FMPro?-db=totalsys2000web.fp5&-lay=hp&-format=/pictorial_book/detail.htm&sp_id=055&-Find
>海棲哺乳類図鑑
>和名 : イッカク / 学名 : Monodon monoceros / 英名 : Nawhal
〈略〉
>体型は丸く、頭は小さく、クチバシはない。雄には3mにも達する牙がある。


「口ひげはあっても顎ひげはない」については、クジラという海棲哺乳類がいるのでは
ないの、ということで。

http://www.catv296.ne.jp/~whale/senmonyougo.html
>感覚毛(かんかくもう) 上顎・下顎の先端にあるテグス状の体毛。水流・餌を感知して
>いるヒゲ。本数は少ない。
〈略〉
>クジラヒゲ 多くの大型クジラ類の上アゴからぶら下がっている櫛状の板。海水から小
>さなえさを濾し取るのに使われ「ホエルボーン」として知られる。ヒゲ板。Baleen


まあ、唐沢俊一の頭にはアゴヒゲアザラシのヒゲは顎ヒゲではないという豆知識があり、
それに引きずられたのではないかと推測するのだけれども。


おまけ (ペギラの造型は唐沢俊一には複雑過ぎたのかも):
http://pulog1.exblog.jp/106047/
>実在の生物をそのまま巨大化したものが多いが、それだけで立派に怪獣として成立し
>てしまうことを実証した。
>キングコングが巨大なゴリラなら、こっちは巨大なチンパンジーでいこう、という発想から
>生まれたゴロー。
>宇宙からやってきた巨大なナメクジはどうだ?そして生まれたナメゴン。
>古代の巨大な花は?そしてジュランがビルを突き破って開花する。
>巨大な蜘蛛、タランチュラ。
>巨大な蛸、スダール。
>巨大なエイ、ボスタング。
>巨大な鳥、ラルゲユウス。
>巨大なもぐら、モングラー。
>ごくシンプルなモチーフとコンセプト、しかしそれを徹底的にリアルに作りこみ、大怪獣と
>して成立させるという点で「ウルトラQ」の怪獣には怪獣の原点がある。
〈略〉
>ペギラもそのひとつである。
>と、同時に実在の生物をそのまま巨大化した怪獣から、もう1歩踏み込んだ、独自のア
>レンジによって生まれた怪獣でもある。
>ペギラはウルトラQのシンプルモンスターからウルトラマンのオリジナルアレンジ怪獣を
>結ぶ中間的な存在であると思う。
>その意味でペギラの怪獣史における存在は重要である。
>ペギラは怪獣を実在生物の巨大化からオリジナリティー溢れるデザインへと変化する、
>その橋渡し的な役割を担う怪獣でもあったと思っている。ペギラにより、怪獣は1歩進
>化したのだ。



More...

http://www.tobunken.com/news/news20110907130558.html
-------
29 :無名草子さん:2011/09/08(木) 14:58:47.31
313 名前:カタログ片手に名無しさん メェル:sage 投稿日:2011/09/07(水) 21:12:14.41 ID:???
このタイミングで唐沢が更新

http://www.tobunken.com/news/news20110907130558.html
ペギラと黒雲、ヒゲ

>……ところで、帰り道、と学会の藤倉珊さんや開田裕治さんと話題になった
>のが、「ペギラの黒雲、あれはなんなんだろうね」ということだった。45年前
>に初めて見た翌日、友人間で話題になったのを覚えているが、45年後も
>同じ話で盛り上がるとは、オタクというのは進歩のないものである(だから
>楽しいのだが)。

ペギラが来た! 放映日 1966年1月30日

唐沢少年、小学校1年、7歳の1月
そんな事を友人間で話題になったのを記憶しているのか。
ま、相変わらずなのでドーでもいいけどw

30 :無名草子さん:2011/09/08(木) 15:11:42.86
「彼」へのあてつけに柳田理科雄に考えてもらえw

31 :無名草子さん:2011/09/08(木) 15:13:06.70
>海棲哺乳類で角を持つものはいないし

イッカクがいるな。正確には歯だけど。

32 :無名草子さん:2011/09/08(木) 15:56:05.60
まあこういうのって「こんなトンデモ説を即座にでっち上げられるボクちゃんえらい!」だから
真面目に反論するのもばかばかしいな。
しかしゴメスは原始哺乳類じゃなかったか? 虫の突然変異って、ゲスラと混同してないか?

33 :無名草子さん:2011/09/08(木) 16:12:30.06
読めば読むほど、教養もないのに勿体つけてるのがわかる文章ですなあ。

34 :無名草子さん:2011/09/08(木) 16:52:32.14
>>33
でもこういう文章を「内容はともかく」「盗作していようとも」
>唐沢さんの文章はそれでも良いのですよ。
と絶賛するような読解力のない人間に支持され続けるのです。

本当に、突撃ユーマンの馬鹿さ加減に愕然とした。
本人の読解力の無さ、論理的な考えの出来無さにも愕然としたが。

43 :無名草子さん:2011/09/08(木) 19:58:07.33
http://homepage2.nifty.com/lordkurosawa/otakky/sh1999.html
>「怪獣王」 唐沢なをき著
> 私らの年代は円谷怪獣が根っこになっているので怪獣好きが多い。唐沢なをきは
>私と同年代で、物心ついた時にはウルトラQだったという人だ。その彼が
>永野のりことか開田裕治とか、怪獣が好きな人たちと怪獣談義に花を咲かせた本だ。
(略)
> この本によると、彼が3~4歳の頃、ウルトラQが始まる前のキャンペーンとして
>子供雑誌にウルトラQに登場する怪獣が紹介されていて、たとえばゴメスは「オケラが
>巨大化した怪獣」と書かれていたそうだ(後で古代恐竜という設定に変わったらしい)。
>またガラモンはまだ名前が無く「この怪獣に名前を付けて下さい」と書かれていて、
>唐沢兄弟は「オニゴン」という名前を考えて応募したそうだ(唐沢なをきは唐沢俊一の
>実弟で、顔もそっくりだ)。

45 :無名草子さん:2011/09/08(木) 20:19:36.71
http://island.geocities.jp/waniwaniplus/freenotes/news3.html
>ウルトラQは怪獣の世界
>徳島新聞 昭和40年12月26日『こども』欄からの抜粋です。
>すばらしい特集記事ですね。なんと「金城哲夫さんに聞きました」とのこと。
>幼い日、私がお袋から読んでもらったのは恐らくこの記事だと思うのですが。
>それにしてもゴメスが「鬼」と「オケラ」のイメージを合成して創られたとは・・・?


うーん、これは「設定」と言えるのだろうか?

199 :無名草子さん:2011/09/10(土) 01:34:08.77
>「ペギラの黒雲、あれはなんなんだろうね」

あれは「黒煙」と表現されることが多いと思うのだが

「東京氷河期」で原発事故が絡んでることには触れないのね
タイムリーなネタなのに

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 |  2012年12月27日(木) 18:31 |   |  【コメント編集】

●後で追記するかも

ああ、ペギラはペンギンというのは、あまり疑問に思っていませんでした。
南極だし、名前もペギラだし、Wikipedia にも書いてあるしで……。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ウルトラQの登場怪獣
>冷凍怪獣 ペギラ
>第5話「ペギラが来た!」および第14話「東京氷河期」に登場。
>身長:40メートル体重:2万トン
>南極に生息する怪獣で、大国同士の核実験の放射能の影響でペンギンが変異
>した怪獣であると言われ、同様の一対の翼(フリッパー)と直立した形態を有す
>る。アザラシに似た顔を持ち、半分閉じたような眠そうな目と2本の牙、頭から生
>えた小さな角が特徴。黒煙を吹きながら飛行し武器としてマイナス130度の冷凍
>光線を吐くが、その際反重力現象が起こりあらゆる物体を舞い上がらせる。

改めて探してみると、根拠が今ひとつはっきりしないですね。

http://blogs.yahoo.co.jp/tirusonia/27342911.html にある「新・形態学怪獣論」
には、「だが、ペギラ→ペンギンの安直な連想に油断してはいけない」と書いて
あるにとどまり、「ペンギンが変異」という確固たる (?) 設定があったかどうか、
やや微妙な記述になっています (ペンギンだからペギラというのは間違いない
だろうとして、ペンギンの変異とは言い切れないかもしれない、みたいな)。

***
話は変わりますが、上に引用している資料によると、唐沢俊一が書いている
「初期デザインはもっと鳥ぽかったのを、最終的に成田亨氏が修正」というのは
逆ですね。

最初に井上泰幸氏が描いたのは翼に羽なしで虎か豹みたいな顔のもので、
それの翼に羽を生やし、顔をアザラシっぽくして牙をゾウのように前方にそらした
のが成田亨氏。

唐沢俊一は「口の両端と、それからアゴにも、しょぼしょぼとあまり立派でないヒゲ
が生えている。これは造形にあたった高山良策氏が植毛ぬい ぐるみの製造経験
が長かったその名残……なのだろうか?」と書いているけど、ヒゲはデザイン画に
描かれていて、高山良策氏のアレンジは、眠たげな目を正面に置いて霊長類
ぽくして (人間に近い顔になるため鬼面のようにも見える)、一本角を追加した
ということになります。
トンデモない一行知識 |  2011年09月11日(日) 13:07 |  URL |  【コメント編集】

●6才の知識

>唐沢俊一は、自分で、「ペギラは
>初めて特集記事などで紹介されたときから”ペンギンが突然変異 し>た怪獣“という設定が
>あったようだが」と先に書いておきながら、

 その特集記事というのも6才のとき弟(なをき)が持っていた雑誌の特集記事だと思います。
 唐沢なをき『怪獣王』P.205

>友達に自慢
>知ってるか―?
>ペギラはペンギン鳥が巨大化したんだぞ

 なをきはその後この本を親に捨てられ、雑誌名すら不明のまま。だから「初期設定」というものの信憑性もはなはだ怪しい。誰が書いた記事かすら分からないのですから。
藤岡真 |  2011年09月11日(日) 10:14 |  URL |  【コメント編集】

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