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2011.07.03 (Sun)

ボルボ 街宣ーン!

『トンデモ本の大世界』 P.248 ~ P.249

播磨屋助次郎

おかきの播磨屋と言えば文久二年創業、二〇一二年で一五〇年の歴史
を誇る老舗である。最初は灯明油屋だったそうだが、戦後の昭和二三年、
菓子製造業に転じ、その後おかき・せんべいのメーカーになって現在の
年間売上高七〇億という、日本一のおかき処の自称もあながちウソでは
なさそうな大メーカーだ。
 ……しかし、現在の当主播磨屋助次郎(五代目)が自社の主要販売物と
しているのは、実はおかきではない。何かというと、“真実”なのである。
皇室を中心に日本が世界を統べるという、世界のあり方の正しい真実を
訴える“世直し”こそ、この会社の使命なのだそうだ(定款に何と書いてある
か知りたいものである)。そのため、この会社の各支店には『真実』という
タイトルの冊子(自費出版ながら堂々たるハードカバー本で、パンフなどと
いう軽々なものではない)が置いてあるし、社のサイトには商品紹介など
よりずっと大きな文字で「皇太子殿下いよいよ出番でございますぞ!!」とか、
「管総理への公開質問状」などという物騒な文言が踊っている。その下に
つつましやかに「人気 No.1 ほっぺた落ちる朝日揚げ」などという宣伝が
あるのが逆に違和感を与えてしまうほどである。
 彼の主張によれば現在の皇室は空虚な宮城にこもって象徴的な存在に
しかなっておらず、その真の務めを果たしていない。世界平和を実現させ
るには天皇の直接統治でなければ駄目なのだそうで、その旨をこの五代
目は、何度も天皇に直訴し、手紙を手渡しさえしているという。二〇一〇年
には、「皇太子様 迷妄からご覚醒ください」「天皇様 皇后様 何卒ご聖断
ください」(公式サイトより引用。行動を起こした当時はもっと過激な文言
だった)と側面に大書した街宣車を何台も仕立てて、皇居周辺を中島みゆき
の歌を鳴らしながらパレードするという、崇拝なんだか不敬なのだかよく
分からない行動に出た。一見古代天皇崇拝者に見えて、農業を否定する
など、彼の言う“真実”は独自性が過ぎて凡人には理解できぬところが多い。


×朝日揚げ ○朝日あげ
×天皇に直訴 ○皇太子に直訴
×空虚な宮城 ○空虚な禁城
×「皇太子様 迷妄からご覚醒ください」 ○「皇太子様 何卒何卒ご覚醒ください」

『トンデモ本の大世界』では、唐沢俊一が、「世の中を騒がせたトンデモ人物列伝」の
コーナーを担当している。大胆な人選というか……あの唐沢俊一に、他人様のことを、
「トンデモ人物」とかいわせている場合ではないだろうという気がしてたまらない。しかも、
その「トンデモ人物列伝」の中には、広瀬隆や平野威馬雄も含まれているというのが
何とも……。

まあ、他の人物については別途やるとして、今回は播磨屋助次郎について。

この人については、以下のエントリーもあわせて参照のこと。

米についてのコメント
なぜか皆、「おかきはおいしい」と口をそろえる。

上記エントリーでも言及した通り、唐沢俊一は播磨屋助次郎について、「2011年4月12日
投稿 ネット散策
」のときに取り上げている。

しかし、このネット散策のページに書かれていた、「地球の運命の前には便々たる商売の
ことなど小さい小さい、なのでしょうか」とか、「原発事故のレベルが上がったくらいでオタ
オタしている文化人たちに、 この店のおかきの欠けでも煎じて飲ませたい」とか、「おかき
屋さんなら東北地方の米農家とも契約など結んでいたと思うのですが」とかいったことは、
『トンデモ本の大世界』の文章の中には影も形もなくなっている。

……もしかして、これは、「米についてのコメント」のエントリーを書いてアップした甲斐が
あったのかもと思ったりもする。w

「便々たる商売のことなど小さい小さい」と書くのはやめて、「年間売上高七〇億」とか
書くようになっているのもよいことだと思うし。「文久二年創業、二〇一二年で一五〇年の
歴史」というのは、播磨屋本店の公式サイトの記述と少しズレがあるのが気になるけど。

http://www.harimayahonten.co.jp/others/about.html
>播磨屋本店の沿革と概要

>あの豊臣秀吉が開発した生野銀山で有名な兵庫県生野町(江戸時代には徳川幕府の
>天領)で、幕末の文久年間(1860年ごろ)に、初代播磨屋助次郎(現代表の私は5代
>目)が始めた油屋(灯明油の販売)がルーツです。
>その後紆余曲折を経て昭和23年に、クロバー製菓(株)として菓子製造業に転じ、私
>五代目播磨屋助次郎(本名 阿野拓夫)が入社した昭和46年から、おかき・せんべい
>の専業メーカーになりました。
>昭和60年に私が社長に就任し、それまでの卸売り販売を全面的に改めて、通信販売
>と直売店による消費者直接販売に切りかえました。
>併せて翌昭和61年には、全くの新会社(株)播磨屋本店を設立し、クロバー製菓の社
>員と業務及び各種設備を全面的に引き継ぎました。
>この大転換が、その後の飛躍的発展につながったものです。
>現在の年商は、およそ70億円です。


どうも、これは、Wikipedia に「文久二年創業」と書いてあるせいと推測できる。Wikipedia
には出典が書かれていないので、「幕末の文久2年(1862年)」がどこから出たものか
不明なのが困ったところ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/播磨屋本店
>幕末の文久2年(1862年)、現在の兵庫県朝来市(旧生野町)で初代播磨屋助次郎が
>創業した、灯明油売りの「播磨屋」をルーツとする。



で、「人気 No.1 ほっぺた落ちる朝日揚げ」は、「人気 No.1 ほっぺた落ちる朝日あげ」
の間違い。このバナーは、2011 年 7 月 3 日現在のトップページ (魚拓) には存在しない
が、4 月 9 日 (魚拓) の時点では確かに存在していて、ページの一番下あたりに表示され
ていた。リンク先は http://www.harimayahonten.co.jp/shop/okaki/asahi.html で、
バナーには商品名の「朝日あげ」が正しく書かれていた。

それはともかく、「『皇太子殿下いよいよ出番でございますぞ!!』とか、『管総理への公開
質問状』などという物騒な文言が踊っている」と唐沢俊一が書いた時点でのトップページ
は、果してどういうものだったか、今見るこれ (魚拓) と同様のものだったのかは気になる。

「皇太子殿下いよいよ出番でございますぞ!!」に「管総理への公開質問状」という文字は
確かに踊っているのだが、そんなものよりもずっと、「管総理への公開質問状」と書いて
あるすぐ下の、「国宝 『餓鬼草紙』 平安時代 東京国立博物館蔵」の図のインパクトの
方が強いだろうと思えてならないんだけど……。唐沢俊一スルーの法則が発動したのか、
彼が見たときにはこの図はなかったのかは、謎である。


それから、「2011年4月12日投稿 ネット散策」の方では、いっさい言及されていなかった
「街宣車を何台も仕立てて、皇居周辺を中島みゆきの歌を鳴らしながらパレード」の件に
ついて。

これに言及しているのは、もしかして、「なぜか皆、『おかきはおいしい』と口をそろえる。
のエントリーを読んでくれたせいなのか、それとも2ちゃんねるのスレへの書き込みを見た
ためなのかと、想像をたくましうw したくなるが、おいといて。

本当に唐沢俊一のいうとおり「公式サイトより引用」ならば、「皇太子様 迷妄からご覚醒
ください」ではなくて、「皇太子様 何卒何卒ご覚醒ください」でないとおかしい。

- http://www.harimayahonten.co.jp/rinen/13yonaoshi.html (魚拓)

サイトでは、「事情により公開を中止しました」と書かれている三号車と四号車についても
http://izayamiki.cocolog-nifty.com/blog/files/19_20.pdf を参照するかぎり、「皇太子様 
迷妄からご覚醒ください」ではない。で、この四号車の方に、唐沢俊一が書いている「空虚
な宮城」――ではなく「空虚な禁城」とか書かれているのが見てとれる。

では、「皇太子様 迷妄からご覚醒ください」というのはどこから出たのかというと、唐沢
俊一は、播磨屋本店の公式サイトからではなく、以下のようなページに記録されていた分
を引っ張ってきたのではないかと思う。

http://d.hatena.ne.jp/mmpolo/20101127/1290864807
>なお、播磨屋本店は「地球革命特別広報隊『地球』からの愛の勧告メッセージ10」と
>いうのを発信している。

>>1.謹んで特攻隊の英霊に誓願します
>>2.天皇様 皇后様 何卒ご聖断ください
>>3.真実身命を賭して天皇に諌言します
>>4.身を捨てて天皇の怠慢を詰問します
>>5.皇太子様 迷妄からご覚醒ください
>>6.国民を代表して皇太子に直言します
>>7.皇太子よ 偽善に甘んずるなかれ
>(後略)

> 詳しくは播磨屋本店発行のパンフレットを。


以下で報じられた文章および写真を見ると、「行動を起こした当時はもっと過激な文言だっ
た」というのは、あながち嘘ではなく、現在サイトなどで公開されているものと、少し異なる
記述だったのではないかと思われる。

http://wpb.shueisha.co.jp/2010/12/16/1589/
>「身を捨てて天皇に直訴申し上げます 今日の余りにもひどい世の中の乱れは、全て
>天皇の不徳の所産です」とある(左の写真)。明らかに天皇批判である。ほかにも、
>「国民を代表して皇太子に直言します 宝の持ち腐れです。その至尊の立場は、貴方
>の私物ではありません」など、10台がそれぞれ違うメッセージを掲げながら皇居の真ん
>前で街宣している。

(写真: http://wpb.shueisha.co.jp/wp-content/uploads/2010/12/8c5b8272c06a6ad7e044ccd7677678c9.jpg)


ええと、それから、播磨屋助次郎が「直訴し、手紙を手渡しさえしている」のは、天皇では
なくて皇太子だというのと、播磨屋助次郎は「農業を否定」してはいないんじゃないかという
問題については、「なぜか皆、『おかきはおいしい』と口をそろえる。」のエントリーを参照
のこと。

……そういえば、こちらのエントリーを書くにあたっては、『真実』という本を、播磨屋本店
のサイトの http://www.sukejirou.com/book_jp/ から、ボタンをクリックして読んだのだっ
た。

それを考えると、唐沢俊一の書いている「現在の当主播磨屋助次郎(五代目)が自社の
主要販売物としているのは、実はおかきではない。何かというと、“真実”なのである」と
いうのは、レトリックとしても少し変だなあと思う。無料で全文を好きに読めるようにして
あるものは、「主要販売物」にはならないような気が。まあ、840 円で買い物かごに入れる
こともできるようで、こちらが唐沢俊一のいう「堂々たるハードカバー本」ではないかと推測
しているのだが、実際に注文して確かめる勇気は、自分にはない……。


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