2017年11月 / 10月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫12月

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑

2010.11.21 (Sun)

「モールスで通信するというシーンが必ず出てきた」かどうかも疑問

『ウラグラ! ベスト・オブ・裏モノの神様』 P.18 ~ P.19

唐● 神様、これって裏でしょうか。
神● どれ、おや、これは懐かしい、鉱石ラヂオではないか。
唐● 学研の『科学』のふろくです。まだあったんですねえ。
神● コイルの中に磁石を出し入れして電波をキャッチする方式か。
唐● 昔、中学校で私が作ったときはコイル巻いた磁石の上を針で探る
やつだったですけど。
神● 小学生がポケベルや携帯を持ち歩く時代に鉱石ラヂオは裏かも
しれんな。
唐● 考えてみれば、こういう実用とかけ離れて、過去の技術になって
しまったものに打ち込む人々って、イキですけど裏ですよね。
神● 無生産性こそ趣味の特長だが、それこそこの資本主義社会では
裏中の裏であるな。
唐● 学生時代、友人に電報マニアがいて電話ですむような用件でも
いちいち電報でよこすんですよ。「13ヒ ユカレヌ イサイフミ」とか。
神● きっと「イロハのイ、ロシアのロ」というような決まり文句を使いた
かったんじゃろうなあ。そうそう、電報の他にハム通信なんてのも、まだ
ちゃんと趣味として生き残っておるな。
唐● 僕ら子供のころは、ハムやってる連中が実にカッコよかったです。
子供雑誌には必ずハム通信講座の広告が掲載されてましたね。ドン・
ガバチョこと藤村有弘さんがハムのオーソリティで有名で、宣伝にも出て
いた。
神● あれも戦時中はれっきとした必須教養。それが戦後、趣味になり、
やがて趣味の中でもカルトな裏知識となっていった例じゃな。北朝鮮では
まだ学校で必須で教えているとか。
唐● かえって今、モールスで通信されたら、解読できる人がいないかも
知れませんね。
-------
唐● 昔のスパイものでは、囚われた主人公が外にいる仲間と壁を叩いて
モールスで通信するというシーンが必ず出てきた。今のマンガであまり
見ないのは、陳腐になったというより、読者に通じにくくなったからだろう。
 母親が筆者に昔、子守歌がわりに、枕元で戦時中教わったモールス
信号の暗記法をずっと口ずさんでくれた。だから今でも大半は記憶して
いる。
 調べてもらったらこれは“三重式”という方式らしい。単語の冒頭の音を
口ずさみながらトンツーと打つのである。


×ロシアのロ ○ローマのロ

2002 年の本に、ポケベルを持ち歩く小学生というのもどうかと思うが、おいといて。

全体的に、モールス信号より解読が難しいのではないかという唐沢俊一の文章だが。

まず、このコーナーの表題は「モールスで愛を込めて」で、その題名の下には「◎裏蔵
ショッピング」ということで「学研『6年の科学』ふろく」の写真が載っている。雑誌の表紙
には「見えない電波をつかまえろ」の文字があり、そばには付録の鉱石ラジオらしいもの
が置かれている。

文章でも「学研の『科学』のふろくです。まだあったんですねえ」とかいっている。それに
続けて、「昔、中学校で私が作ったときは」とかくるので、ちょっとコケる。学研の『科学』
と『学習』は小学生向けの雑誌で、中学になったら普通『中一時代』とかにシフトするの
では。まあ、あれには鉱石ラジオの付録とかはついていなかったはずだけど。

http://ja.wikipedia.org/wiki/科学と学習
>科学・学習(かがく・がくしゅう)は、かつて学研教育出版(学研グループ)から刊行され
>ていた小学生向け学習雑誌の総称。一般に「科学と学習」もしくは「学習と科学」と称
>される。
>実際の名称は『○年の科学』と『○年の学習』とし、それぞれ1年~6年の各学年向け
>に発行されており、「科学と学習」という名の雑誌があったわけではない。また、教材
>付録がついており、学習・実験などが行える様になっていた。


唐沢俊一は、子どもの頃に「科学と学習」を買ってもらえなかったとかどこかで書いて
いたような気もするので、付録とは別に、中学生になってから鉱石ラジオを自作したと
いうのが一番ありそうな気がする。付録の方が「コイルの中に磁石を出し入れして電波を
キャッチする方式」――下に引用の Wikipedia でいう「コイルの中に棒状のフェライトを出し
入れして同調(チューニング)する」「μ同調式ゲルマラジオ」――なのに対し、唐沢俊一
の方は「コイル巻いた磁石の上を針で探るやつ」―― Wikipedia でいう「塹壕ラジオ」の
ようである。

http://ja.wikipedia.org/wiki/鉱石ラジオ
>もっとも構造が単純なものは塹壕ラジオである。塹壕ラジオは適当な板、木片(角
>材)、銅線、安全ピン、ゼムクリップ、カミソリの刃、エンピツの芯などでラジオを作るも
>のである。 銅線を角材に巻いてコイルを作り、検波器は安全ピンに縛り付けたエンピ
>ツの芯をカミソリに接触させるものである。チューニングはコイルの任意の場所に針金
>を接触させ対応する周波数に当たる巻き数を得る。このラジオは戦時中に塹壕に缶
>詰となったアメリカ兵が暇つぶしに作った有名なラジオである。
>昭和中期に流行したμ同調式ゲルマラジオは、コイルの中に棒状のフェライトを出し
>入れして同調(チューニング)するラジオで、検波器はゲルマニウムダイオードが主流
>である。構造に無駄が無く、非常に工夫され小型のものが多く作られた。学研の科学
>の付録でこのμ同調式ゲルマラジオを作った事のある人も多いだろう。
>現在では贅沢な部品を使って楽しむことができる。図にあるように、コイル、バリコン、
>ゲルマニウムダイオードを使用するものである。このゲルマニウムラジオの場合、図に
>あるような単純なものから、ゲルマラジオ専門のコミュニティーともなるとダイオードの
>ブリッジ回路まで利用した非常に高性能なものまである。 中には、変圧器(トランス)
>の昇圧を使用して電波の電力のみでスピーカーを鳴らしたり、とてつもない巻き数の
>コイルを内蔵したスピーカーの自作を行なう者まで様々。コイルやバリコンなどの部品
>に最高のものを使用するなど、その楽しみ方は多様で奥も深い。


ちょっと気になったのは、「実用とかけ離れて」と「無生産性こそ趣味の特長」と唐沢俊一
は書いているが、立派に使用に耐えるラジオが作成できるのなら、それは言い過ぎと
いうものではないかという気が。

それでも、ここまではまだよいのだが、「電報マニアがいて電話ですむような用件」とか
で、またちょっと首をひねることに。唐沢俊一の学生時代は、自室に電話をひいていない
下宿生は結構多かったはずで、急ぎの用を電報というのはそんな変なことだったのかと
いうのと、電報が好きだとしても理由は「イロハのイ」とかいいたかったからとはかぎらな
いのではないか、だいたい電報を頼む側に「イロハのイ」とかいう義務はなかったのでは
ないかということで。

そして、「ローマのロ」が「ロシアのロ」ということになってしまっているのは……『トンデモ
一行知識の逆襲』で「『了解』を意味する『ラジャー』は中国語(方言)」と間違えた唐沢
俊一らしい話かなあ、と (実際は Roger、ここここを参照)。

http://ja.wikipedia.org/wiki/通話表
>無線局運用規則別表第5号[1]では下表のように定められており、海上移動業務又は
>航空移動業務の無線電話通信において固有の名称、略符号、数字、つづりの複雑な
>語辞等を一字ずつ区切って送信する場合と、航空移動業務の航空交通管制に関する
>無線電話通信において数字を送信する場合は、この表を使用しなければならない(同
>規則第14条第3項)。また、それ以外の無線電話通信においても、語辞を一字ずつ区
>切って送信する場合は、なるべくこの表を使用することとされている(同条第4項)。
〈略〉
>ロ ローマのロ


http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25F30901000017.html も併せて参照のこと。


で、自分にとって一番解読困難だったというか、これを書いている今もよくわからないの
が「あれも戦時中はれっきとした必須教養」の「あれ」。

すぐ前に「ドン・ガバチョこと藤村有弘さんがハムのオーソリティで有名」などとハムを
話題にしていたので、「あれ」とはアマチュア無線のことと思って読んでいくと、いきなり
モールス信号が出てきて、しまいには「母親が筆者に昔、子守歌がわりに、枕元で戦時
中教わったモールス信号を」とかいう話になるので、「あれ」とは「モールス信号」のこと
をさしていたのかと、混乱するはめになった。

http://ja.wikipedia.org/wiki/アマチュア無線
>国際法・国内法ともにアマチュア無線は「個人的な無線技術の興味によって行う自己
>訓練、通信及び技術的研究の業務」と定義がされている(→条約・法律上の定義)
>アマチュア無線の運用を希望する場合は当該国の免許を受ける必要がある。日本の
>アマチュア無線技士は第四級~第一級の4つに区分されている。アマチュア無線局
>も、他の放送局同様に、コールサインを与えられる。(→免許制度)。
>アマチュア無線の代表的な通信方式には電話方式と電信方式がある。(→通信方
>式)
>アマチュア無線の楽しみ方としては、「ラグチュー」と呼ばれる雑談や、「DX」と呼ばれ
>る遠距離通信、「コンテスト」と呼ばれる通信の競技会、「アワード」と呼ばれる条件を
>満たした通信を行うことで賞を得ることを目指すこと、などがある。他にも「QSLカード」
>と呼ばれる交信の記録となるカードを愛好家同士で交換・収集することも大きな楽しみ
>のひとつである[2]。(→楽しみ方)
>アマチュア無線は非常通信として用いられて社会貢献することもあるが、これについ
>ては賛否両論がある。(→社会貢献)
>アマチュア無線は電波障害を引き起こすことがある。また健康に悪影響をもたらす
>可能性も指摘されている。(→電波による問題)
>電気工事、電話工事関係など、特にアマチュア無線家人口の多い職種も存在する。
>アマチュア無線愛好家は「ハム」と呼ばれている。(→アマチュア無線家)
>アマチュア無線においては、無線通信用語が特にアマチュア無線に適した形で変化
>したものが用いられており、Q符号や通話表などの無線用語が定められている。(→
>用語)


その他参考 URL:
- http://www.wdic.org/w/WDIC/ハム
- http://www.wdic.org/w/WDIC/アマチュア無線

唐沢俊一はアマチュア無線とはモールス信号でやり取りするものとでも思っている――
という恐ろしい可能性についてはあえて無視することにして、アマチュア無線の資格を
とるためにはモールス符号を覚えることが必須なのかとか思って調べてみたら、どうも
第四級では不要だが、第三級以上の試験には出てくるらしい。

http://www91.sakura.ne.jp/~kay2/ham/morse.htm
>アマチュア無線 とモールス符号・・・・・・(JK3DLK)
〈略〉
>特に、理系の皆さんにとっては、アマチュア無線技士の工学試験は、決して難しいも
>のではないようです。法規も丸暗記するだけで範囲も少ないので、普通車の運転免許
>より、ずっと簡単です。

>ただ、3級からモールス信号が入ります。
〈略〉
>今まで、このモールス符号が壁となり、多くの方が進級をあきらめて来られたようです。


以上を念頭においてもなお、「あれも戦時中はれっきとした必須教養」の「あれ」とは何を
さすか、謎のまま残るような気もするけど。

アマチュア無線の試験で覚える必要のあるのはアルファベットのモールス符号。対して
唐沢俊一が本で言及している「“三重式”という方式」で覚えたりするのは日本語の方
だという違いもある。

http://portal.nifty.com/koneta06/02/15/01/
>これが三重式モールス信号暗記法。海軍式モールス信号記憶法と呼ばれるもので、
>その名の通り戦時中に考案された。当時海軍の無線士になる人たちは、これを声に
>出して唱えるように覚えていったという。 イロハ順。

>早速見てみよう。いきなり「イ」から始まるのはイロハ順になっているから。
>「イ」の覚え方には「伊藤」と書かれている。「ロ」は「路上歩行」。最初なんのこっちゃと
>思った。だけど口にしてみるとわかる。伊藤、つまり「イトー」で「・-(トツー)」なわけ
>だ。路上歩行は「ロジョーホコー」で「・-・-」。なるほど覚えやすい。


http://portal.nifty.com/koneta06/02/15/01/pop.htm
>三重式モールス信号暗記法
>イ 伊藤 ・-
>ロ 路上歩行 ・-・-
>ハ ハーモニカ -・・・



スポンサーサイト

テーマ : 感想 - ジャンル : 本・雑誌

04:05  |  その他の雑学本 間違い探し編 (324) +  |  TB(0)  |  CM(3)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●モールス

>二毛猫さん
電報については、昔は今より使用頻度が高かったように思います。

東京に下宿するにあたって、固定電話をひくのは高い→電話はいいわと遠慮した→親が電報で連絡をとろうとしてくれやがった→やっぱ電話をひいてもらうことにした、という経緯をたどった私です。^^;

自室に電話をひいている友人相手だと多少夜遅くでも電話してオッケーでしたが、下宿の共用電話みたいなので呼び出してもらうという場合には、そうもいかなかったり。まあだからといって電報を打ったことはなかったですが。

あと、確か内定の通知が電報だったような。電話して不在だったら、すぐに電報という段取だったようです。

んで、当時の唐沢俊一の下宿ですが、固定電話はなかったんじゃないの、まして留守電とかは……と勝手に決めつけて書いたのでした。

>子供向けの推理小説・推理クイズ

発信者が何かの事情で口をきけないときに使わせるとか、暗号のように使わせるとか、今でもできないこともないかとは思うのですが<モールス信号。「スパイものでは、囚われた主人公が外にいる仲間と壁を叩いてモールスで通信」は設定としてどうかというのは、おいといて。昔の子どもだって「イ」は「・-」とか全文字把握していたわけではないし、モールス信号の基礎知識は作品中で解説すればよさそうだと思う一方、モールス信号の存在自体になじみのない読者の割合がふえると確かにネタに使いにくくなっているのかもとは思います。


>安岡孝一さん
>三級のモールス技能試験は、5年ほど前に廃止

本文でリンクした http://www91.sakura.ne.jp/~kay2/ham/morse.htm には、その旨もきちんと書かれていたのですが、2005 年だと本の出た 3 年後だし……というので省略してしまったのでした。

http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban09_01000007.html
>欧米の主要な各国においてもアマチュア無線技士についてモールス電信に
>関する技能試験が廃止されているなどの現状にかんがみ、

唐沢俊一の書いている「かえって今、モールスで通信されたら、解読できる人がいないかも」が実現する日も遠くないかも。
トンデモない一行知識 |  2010年11月23日(火) 12:23 |  URL |  【コメント編集】

●モールス技能試験

三級のモールス技能試験は、5年ほど前に廃止されたような…。と思って調べてみたら、一級二級もモールスを廃止すべく、パブリックコメントが始まったところでした。よければ http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban09_01000007.html をどうぞ。
安岡孝一 |  2010年11月22日(月) 23:58 |  URL |  【コメント編集】

●内容が判りにくいとツッコミも難しい……

>電話ですむような用件でもいちいち電報でよこす
電話料金+電報代で費用が大変でしょうに。
郵便局や駅で頼んだのだととしても労力が……。

>電報を頼む側に「イロハのイ」とかいう義務
私は一度電報を出したことがありますが、電話で
「~という文章でお願いします」と言っただけで済みました(笑)。


>モールス信号
私が小さい時に読んだ子供向けの推理小説・推理クイズや
エジソンの伝記では定番ネタだったのですが、今はどうなんでしょうかね?
二毛猫 |  2010年11月21日(日) 22:36 |  URL |  【コメント編集】

コメントを投稿する


 管理者だけに表示  (非公開コメント投稿可能)

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://tondemonai2.blog114.fc2.com/tb.php/562-fd1ee3da

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。