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2009.03.22 (Sun)

そして今でも CD や DVD は基本 12cm の直径

『トンデモ一行知識の逆襲』 P.54 (文庫版)

・CDの録音時間は、カラヤン指揮のベートーベンの『第九』に合わせて
 七十四分と決められた。


「カラヤンの第九の演奏時間は70分もない」というのは、2ちゃんねるのスレへの指摘
書き込みの言う通り (Read More 参照)。

http://www.kanzaki.com/music/cahier/cd74min
>俗にカラヤンが「第九の入る長さにせよ」と述べたからと言われるわけだが、カラヤン
>の第九はどの年代を見てもほぼ66分台だから、少なくとも「“自分の演奏”の入る長さ
>を要求した」という説は怪しげだ。


http://www.amazon.co.jp/dp/B00006BGQZ
>ベートーヴェン:交響曲第9番
>~ カラヤン(ヘルベルト・フォン) (アーティスト, 指揮)
>収録時間: 66 分


これで不思議に思ったのは、どうして単行本にはなかった「カラヤン指揮の」という記述
をつけ加えたのかということ。単行本の方には「カラヤン」の文字はない。

『トンデモ一行知識の逆襲』 P.56

・CDの録音時間は、ベートーベンの『第九』に合わせて七十四分と
 決められた。


どうもこれは、ソニーが共同で CD を開発していたフィリップスを説得するのにカラヤン
の名前を使ったというエピソードが影響しているものと思われる。

フィリップスが提案していたのは、11.5cm で 60 分という規格。カーオーディオの標準
サイズに合わせたもので、時間も LP と同じ 1 時間もあれば充分だという主張だった。

これに対し、ベートーベンの第九やオペラの一幕が途中で切れない長さを希望したの
が、音楽家でもあるソニーの大賀で、クラシックの曲の 95% が収録できる 75分を主張。
しかし、11.5cm のサイズに 75分は収まらず、直径 12cm を必要とした。

そして、『カラヤンとデジタル〔改訂版〕』 (森芳久著) の述べるところによると、難色を
示すフィリップスを説得するのに使われたのが、「巨匠カラヤンもそう望んでいる」――
と、ここでカラヤンの名前が出てくる。

http://www.icom.co.jp/beacon/electronics/000754.html
>フィリップスが提案した11.5cmのディスクサイズは、今でもカーオーディオの標準サイ
>ズとなっているDIN規格(ドイツ工業標準規格)にマッチするもので、オーディオカセット
>の対角線と同じ長さだった。フィリップスではこのCDをカーオーディオとしても普及させ
>たいという思いがあったので当然のことだった。11.5cmのディスクに1時間記録できれ
>ば十分だという判断である。
>しかし、音楽家でもある大賀さんは「ベートーベンの第九が入らないようではまずい。
>音楽が途中で切れてしまうようではユーザーに評価されない。75分の録音が必要だ」
>と75分を提案した。実際、クラシック音楽を調べてみると75分有れば95%以上の曲が
>収録可能という結果がでた。
>ソニーは12cmディスクに75分録音を提案
>だが、75分の音楽を記録するためには11.5cmのディスクサイズでは無理だったため、
>ソニーでは12cmサイズを提案した。11.5cmを主張するフィリップスでは「12cmにする
>と上着のポケットに入らなくなる」と反論した。しかし、これも実際に様々な上着を調べ
>てみても14cm以下のものは無く、12cmでも十分というとになった。


http://www.kanzaki.com/music/cahier/cd74min
>ソニーの大賀は、音楽家の立場から、この未来のディスクにはほとんどの音楽が切れ
>目なく録音されることを強く望んでいた。録音時間に関して、フィリップスとのやり取り
>の中で、大賀自らが黒板の前で七十四分説を説いたのだ。しかし、フィリップス陣は首
>を縦に振らない。やむなく大賀は、
>「巨匠カラヤンもそう望んでいる」
>と言ってのけた。巨匠の名前は反対勢を説き伏せるには十分な効果を発揮した。結果
>的にカラヤンが、いやその名前がソニーに味方したのだ。(『カラヤンとデジタル〔改訂
>版〕』p.167)
〈略〉
>付記2 「巨匠カラヤンもそう望んでいる」というエピソードは、実は『カラヤンとデジタ
>ル』の改訂版で追加されたもので、初版には含まれていない。初版はその前の部分:

>そんなとき、カラヤンがソニーの味方になった。巨匠は、どうせならばベートーベンの
>交響曲第九番ニ短調、いわゆる第九の全曲が入るように演奏時間を決めたら良い、
>とアドバイスしてくれたのだ。これは神の声であった。指揮者によって演奏時間は異な
>るものの、七四分あれば第九が入ることがわかった。こうして、ディスクの大きさは一
>二センチ、演奏時間は七四分四二秒に決まった。

>で話を終えている。改訂版ではこのくだり全体を『』に入れ、《『そんなとき……七四分
>四二秒に決まった。』と、伝えられたエピソードには、実は裏話がある。》として、上に
>引用した大賀の発言を紹介したのだ。カラヤン説が一人歩きしたので、この裏話を
>敢えて追加したのか、何だか微妙なところだ。


そして、上の http://www.kanzaki.com/music/cahier/cd74min でも引用されている
フィリップス側の見解――残念ながら、下記の Web Archive にしか元ページは残って
いないようだけど――によると、カラヤンの神の声が効いたとは書かれていないが、
ソニーの大賀が主張の、ベートーベンの第九が収録可能なサイズにしたというようには
書かれている。

ソニー側の資料には直接名前のあがっていないフルトベングラーの名前が、こちらには
登場。彼の指揮によるものが最長で 74 分。これが CD の収録時間、そして 12cm と
いうサイズ決定の基準になったとのこと。

http://web.archive.org/web/20071031025015/http://www.research.philips.com/newscenter/dossier/optrec/beethoven.html
> It was not always the technical arguments that won when choices had to be
> made. For example, the playing time of the CD was determined posthumously by
> Ludwig van Beethoven. Philips engineers had always based their work on a playing
> time of an hour, a few minutes longer than a double-sided LP. This meant that
> the existing repertoire could easily be issued on CD and, with a diameter of 11.5
> cm, the CD would come very close to achieving Lou Otten’s ideal compactness.

> However, Sony vice-president Norio Ohga, who was responsible for the project,
> did not agree. "Let us take the music as the basis," he said. He hadn’t studied at
> the Conservatory in Berlin for nothing. Ohga had fond memories of Beethoven’s
> Ninth Symphony (‘Alle Menschen werden Br?der’). That had to fit on the CD.
> There was room for those few extra minutes, the Philips engineers agreed. The
> performance by the Berlin Philharmonic, conducted by Herbert von Karajan,
> lasted for 66 minutes. Just to be quite sure, a check was made with Philips’
> subsidiary, PolyGram, to ascertain what other recordings there were. The longest
> known performance lasted 74 minutes. This was a mono recording made during
> the Bayreuther Festspiele in 1951 and conducted by Wilhelm Furtw?ngler. This
> therefore became the playing time of a CD. A diameter of 12 centimeters was
> required for this playing time.


で、まあ、文庫版と違って「カラヤン指揮の」の文字がない単行本の方は、ガセには
なっていないけど……しかし、11.5cm と 12cm の攻防をスルーしてしまっているのは、
説明不足のきらいがあるし、おもしろさ半減という気がする。

その他参考 URL:
- http://www.biwa.ne.jp/%7Easkneoid/orch/freude17.html
- http://ja.wikipedia.org/wiki/コンパクトディスク

追記: そういえば、
×七十四分 ○七十五分 または ○七十四分四十二秒
ではないかという問題も。つまり、単行本の記述でもガセ。


More...

http://www.23ch.info/test/read.cgi/books/1236705715/
-------
821 :無名草子さん:2009/03/18(水) 10:34:28
『トンデモ一行知識の逆襲』
文庫版P54

◆CDの録音時間は、カラヤン指揮のベートーベンの『第九』に合わせて七十四分と決められた。

カラヤンの第九の演奏時間は70分もない、第九の中では比較的テンポが速く短く終わる。
確かにCD開発時の大賀副社長は「カラヤンの指揮する第九が収まる長さで」と語ったと
されているが、その後開発者が「どうせ第九を入れるのなら、演奏がゆったりしている
フルトベングラー版が収録される長さ」という事で74分に決まった。
故に唐沢雑学はガセ。

822 :無名草子さん:2009/03/18(水) 11:17:09
>>821
「トリビアの泉」スタッフも、そういう調子で唐沢一行知識をいちいち
専門家に訪ねて検証していったら、ことごとくがガセで愕然と
したんだろうな。
それで「ガセビアの泉」なんていう唐沢にあてこすったコーナーまで
生まれた。
唐沢は日記で「トリビアの泉は一般人に向けて薄く作っている」と
イヤミを書いた。それも確かK子の言葉として。

-------

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