2017年04月 / 03月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫05月

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑

2010.10.29 (Fri)

「いっそ」と言いつつ、いそいそと

『ウラグラ! ベスト・オブ・裏モノの神様』 P.200 ~ P.201

 イギリスには「ナチュラル・デス・センター」という、自然に優しい死を
考えるという団体がある(イギリス人ってそういうことを考えるのがホントウ
に好きらしい)。で、ここが推奨している死体処理法が“グリーンブリアル”
というものである。要は、死体を布で巻いて土に埋め、そこに木の種を
植えるというもの。木はその死体を肥料として育ち、この方法でどんどん
人が埋葬されればそのうち、そこには自然に森が出来、それが環境を守る
というもので、かなりの人気があるが、この埋葬法の難点は、費用が高い
(通常の葬儀費用の3倍)ことだそうである。もちろん、土地の値段が高い
からだ。
 いっそ、遺骨も何も残さない、オウム真理教の開発した電子死体処理
装置を採用したらどうだろうか?


×木の種を植える ○木を植える

「要は、死体を布で巻いて土に埋め、そこに木の種を植えるというもの」と唐沢俊一は
書いているが、「布で巻いて」とか「木の種を植える」とか、どこからきたものかは実は
不明。

「費用が高い(通常の葬儀費用の3倍)」のは「もちろん、土地の値段が高いから」だ
というのも意味不明のきらいがあって、ナチュラル・デス・センターが推奨する以外の
葬儀・埋葬では土地の値段はそんなに安いのかと悩むはめになったのだけど、これが
唐沢俊一以外の人が書いた文章だと、さすがにそのようなわかりにくい記述にはなって
いない。

http://actio.gr.jp/old_files/culture/20040705-1.htm
> イギリスでは、現在、亡くなった人の約7割が火葬に、そして約3割が土葬で埋葬
>されている。火葬のケースでは、遺族が引き取った遺灰は故人の墓の周りやメモリ
>アル・ガーデンと呼ばれる公園墓地、または故人の思い出の地や自宅の庭などに
>まかれる。

> 日本でいわれるところの自然葬だ。 遺灰をまいた地には、新たにバラなどの花々
>が植えられる。そのため、墓地は自然が美しい公園のようにも見える。

> また、土葬の場合には、埋葬した上に木を植える緑の埋葬がおこなわれている。
>生長する木によって、家族はいつまでも故人を思い出すことができるし、豊かな緑とも
>なれば、次の世代の環境へも貢献できる。

> さらに、棺も従来の木製に代わって段ボール紙や竹などの素材を用いた、環境に配
>慮したエコロジー棺も登場している。
> イギリスのロンドンに本部を置くナチュラル・デス(自然死)・センターという団体は、
>自分たち自身で葬儀から埋葬まで行うことをテーマにした運動を行っている。人々が
>日曜大工の力を発揮し、安い葬式および環境にやさしい葬式をあげるのを助けること
>が目標だ。イギリスではDIYが盛んだし、エコロジー運動も盛んである。火葬が行われ
>ると、それだけの棺が灰になり大気汚染の原因になっているとして、ナチュラル・デス
>・センターではエコロジーの側面に注目しているのだ。

> もちろん、埋葬する場所については様々なきまりがある。井戸の水源から何メートル
>以上離れていなければならないであるとか、匂いや汚染が他人に迷惑をかけないと
>か、当然の配慮が求められている。

> 費用の点では、ナチュラル・デス・センターの埋葬は必ずしも安いという訳でもないよ
>うだ。  エコロジー棺は安価だが、緑の埋葬の費用は通常の埋葬の3倍かかるという
>説もある。それは樹木が根をはるには、通常の埋葬区画より多くの敷地が必要になる
>ためという。

> 「死んだら樹の下に埋めてくれ」という望みは、金持ちにしかはたせないことなのだ。
>それでも、樹の下で永眠するというのはイギリス人にとっても魅力的な埋葬法なので
>ある。


「木の種を植える」ではなくて「埋葬した上に木を植える」。「死体を布で巻いて」とかいう
話は出てこないで「段ボール紙や竹などの素材を用いた、環境に配慮したエコロジー棺
も登場」していると紹介されている。

すぐ上に引用した文章は 2004 年のもので、2002 年に出版された『ウラグラ! ベスト・
オブ・裏モノの神様』よりも後。一方、以下に引用の文章は 1996 年に書かれていて、
もし唐沢俊一がネットから情報を拾っていたのなら、時期的には有力なネタ元候補なの
だが……こちらの紹介でも、木の種ではなく「その上に樹木を植えて」だし、死体を巻く
布という話は出てこないで「段ボール製の棺」である。

http://www.osoushiki-plaza.com/institut/dw/199610.html
>イギリスでの簡易埋葬
> イギリスのロンドンに本部を置くナショナル・デス・センターという団体は、自分たち
>自身で葬儀から埋葬まで行うことをテーマにした運動を行っている。イギリスでは年間
>に43万7千件の火葬が行われ、それだけの棺が灰になり空気汚染の原因になってい
>るとして、エコロジーに注目したものである。しかし同センターが推薦しているグリーン
>ブリアル(緑の埋葬)も思ったより安くないという批判が葬儀社から出ている。イギリス
>の葬儀雑誌『フューネラルサービス』7月号によると、ダービー市議会では、段ボール
>製の棺で埋葬し、その上に樹木を植えてもよいという決議を出した。
> しかし葬儀社によるとノッチンガムロード霊園でのグリーンブリアル葬儀費用は通常
>の埋葬費用の3倍かかるという。それは樹木が根をはるには、通常の埋葬区画より多
>くの敷地が必要になるためという。棺の費用は確かに10分の1の50ポンドで収まる。
>しかし霊園の1区画の費用は市民が135ポンド、そしてそれ以外の人には70ポンドと
>いう。


で、ナチュラル・デス・センター本家のサイト http://www.naturaldeath.org.uk/ には、
tree is planted とか tree planting とか、植樹を意味する表現はそこかしこに見られる
が、サイト内検索しても seed という単語は見つからなかった。

http://www.naturaldeath.org.uk/index.php?page=choosing-a-natural-burial-grounds
> The truly natural, nature reserve grounds where non- embalming is a
> requirement and coffins have to biodegradable. Then there are those where a
> tree is planted but no other environmentally friendly rules apply.


そもそも、種を植えたとして発芽する確率は……とか考えると、心もとない気がするし。

また、cloth や fabric でサイト内検索をしても No Results Found! なので、「要は、死体
を布で巻いて土に埋め」の方もガセ扱いしても差し支えないと思われる。

もっとも、ナチュラル・デス・センター推薦の棺を提供する業者リストの中には、フェルト製
の棺をつくっているところもある (上から 2 番目の Bellacouche Natural Felt Shrouds)。

http://www.naturaldeath.org.uk/index.php?page=coffins-and-urns-2
> Arka Ecopod - biodegradable paper mache coffins and urns
> Bellacouche Natural Felt Shrouds
> Earth to Heaven - bespoke range of willow
> coffins and urns
> Eco-coffins - British pine rope handled traditional shaped coffins
> Eco-Urns - Handmade biodegradable urns for burial at sea or in the earth.
> Ecoffins - a variety of Fairtrade environmentally friendly coffins
> English Willow - homegrown Somerset made willow coffins
> Finest Funerals - solid wood traditional shaped coffin
> Greenfield Creations Ltd - cardboard coffins
> JFunerals - solid bamboo coffins with jute interiors
> Musgrove willow coffins - Handmade Somerset willow coffins
> Natural Endings - willow, bamboo and seagrass coffins
> Sunset Coffins - British made conventional-shaped coffins
> The Purple Funeral Company - hand painted coffins and woven Welsh willow


ちなみに、リンクをたどっていくと、http://www.greenfieldcreations.co.uk/ にあるような
段ボール製の棺、http://www.naturalendings.co.uk/buy-coffin-now.asp などにある
竹製の棺の画像を見ることもできる。http://www.sunsetcoffins.co.uk/products2.php
などは素材してからリサイクル。

そして Felt Shrouds の a felt coffin を見ると、「布で巻いて」というより布製の棺と
いう感じ。ただまあ、一番内側では、遺体が布に巻かれているのかもしれないけど。

http://bellacouche.typepad.com/leafshrouds
> Because shroud burial is relatively unusual in British culture, it may be helpful
> to think of the Leafshroud as a felt coffin.
〈略〉
> Wrap the body is wrapped in a soft woollen inner cocoon and secured to the
> frame.


また、墓所によっては棺なしの埋葬というのもありとのことなので、遺体は布に巻くだけ
というケースもあるのかもしれない。

http://www.naturaldeath.org.uk/index.php?page=keeping-funeral-costs-down
> If you are not doing a DIY funeral there are many other areas in which you could
> save money.

> 1 Coffins. Choose a basic coffin or make one yourself, some cemeteries even
> allow coffin free burials.



で、結構トンデモないなと思ったのは、唐沢俊一が文章を「いっそ、遺骨も何も残さない、
オウム真理教の開発した電子死体処理装置を採用したらどうだろうか」と締めくくって
いるあたり。

こちらのエントリーでも言及したように、『ウラグラ! ベスト・オブ・裏モノの神様』という
本は 2002 年の発行で、元となった『週刊アスキー』の連載は 1997 年 12 月から。
何でもかんでもオウムに結びつける文章があふれていた時期はとうに過ぎている。

それも、たとえば死体を完全に消す方法等を話していたのならともかく、ここで唐沢俊一
が語っていたのは、前エントリーに引用した文章からの流れで、環境に優しい葬儀という
テーマだったはずなのだ。そしてオウム真理教の死体処理装置が環境汚染を引き起こ
さないことを目的に開発されたなどという話は聞いたことがない。

唐沢俊一的には「費用が高い」のはとにかく嫌という話かもしれないが、そうだとしても
オウムの死体処理装置が懐に優しい方法とは思えないし……。「金持ちにしかはたせ
ないこと」だという「死んだら樹の下に埋めてくれ」というのは避けて、火葬にしてその灰
を埋めるなり撒くなりしてもらえばよいではないかと。骨を残すことにこだわらなければ、
ダイオキシンの発生 (前エントリーを参照) もあまり心配しないで済む。

http://web.archive.org/web/20010117161800/http://www.s-net.ne.jp/f-info/fu18_jan/fu18_9.html
> 最近焼却炉から排出されるダイオキシンの量が問題になっているが、それが火葬場
>にも飛び火するかもしれない。
> ダイオキシンは800度以上の高温で燃焼すれば抑えられるといわれているが、日本
>の火葬場では、1000度以上の高温で燃焼すると、骨が粉になりかねないため、一般
>には800度程度で燃焼させている。ところが外国では900度を超し、ところによっては
>1300度以上の温度で燃焼させている。こういう高温で燃すことができるのは、外国で
>は骨こつあげという儀式がないからである。
> あちらでは、火葬にしたあと、係員が遺灰を番号のついた容器に納め、後日それを
>遺族に渡すだけである。こんな高温で焼けば公害の心配はないわけである。日本で
>はどうであろう。人体を焼いたあとからダイオキシンが発生することが明らかになれ
>ば、骨あげという儀式もできなくなるかもしれない。
> 日本では古くから火葬したあとの遺骨を各々の宗派の本山などに納骨するという
>しきたりがあった。しかし今や散骨が話題になっているご時世。海や山にまく場合、
>いったん遺骨を粉にくだいてから行うことになっているから、高温燃焼は、散骨を希望
>する人にはかえって都合がいいかもしれない。



関連ガセビア (オウム関係):
オウムは遠くなりにけり
「頭をよくするということは、かくもムヅカシイ」……そうでしょうとも


スポンサーサイト

テーマ : 感想 - ジャンル : 本・雑誌

23:43  |  その他の雑学本 間違い探し編 (324) +  |  TB(0)  |  CM(4)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

>NTT さん
そうですか……こちらのブログは籐の棺についてのエントリーですが、コメント欄にこのようなことが書かれていました。↓

http://blogs.yahoo.co.jp/yukanosuke_memorial/13507963.html
>ちなみに、ダンボール棺も当社は扱っておりません。
>市営火葬場で許可が出ておりませんので・・・。

エコだとか欧米での使用実績がとかいっても、火葬場がダメだといったり、なかなか売るのは難しいのかなと思いました。
トンデモない一行知識 |  2010年10月31日(日) 15:33 |  URL |  【コメント編集】

>これは別の特殊ダンボール
むは。これは特殊。猫は別途手配ですね。

その後調べたら、『日本特殊段ボール』 は倒産していたとの事…。
葬儀社や葬祭ホールがやたらめったら出来てるので、仕方ないのかも。
NNT |  2010年10月30日(土) 23:55 |  URL |  【コメント編集】

日本でダンボール製の棺というと、だいたい「トライウォール社」の名前が出てくるようです。

「約300の葬儀社が取り扱うようになった」とあるから、静岡の「日本特殊段ボール」もそのひとつなのか、それとも競合会社なのか……ですね。

http://news21.2ch.net/test/read.cgi/dqnplus/1190504148/
>もともとは米国で広がり、10年ほど前から日本に輸入された。輸入元の
>トライウォール社(本社・東京)が 国内生産に踏み切り、昨年11月から
>本格的に販売を始めた。すると全国の大手葬儀社が関心を示し、 すでに
>約300の葬儀社が取り扱うようになった。

http://web.archive.org/web/20080212045641/http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/m20080208031.html
> 重量物梱包材メーカー「トライウォール社」(東京都千代田区)は、特殊
>ダンボール製の棺「エコフィン・ノア」を開発・販売中。ダンボール製と
>いっても表面を有害物質が出ない特殊な布で覆い、約200kgの重さにも
>耐える。

>  同社特販部の増田進弘さん(54)は「海外では10年以上前から、
>紙製棺の普及が始まっていたことが開発のきっかけ」という。

>  エコ棺も木は使うが、木製棺に比べ、森林資源を約3分の2に、1回の
>火葬で使用する灯油量を約半分に、燃焼時の有害ガス発生も約3分の1に
>抑えることができるという。価格は木製棺とほぼ同じ。1棺につき10本を
>海外に植林するという。

http://www.osoushiki-plaza.com/new-plaza/campaign/kaihatsuhiwa.html
>石原:エコ棺開発ではどこにもっとも苦労をしましたか。
>増田:特に布地です。良い柄があったと思えば化学繊維であったり、
>自然素材を見つけても柄が思わしくなかったりで、最終的には別注で
>生産することにいたしました。世の中がいかにに化石燃料を使用する
>ことで出来上がっているかを思い知らされました。

http://www.liss-net.net/ecocraffin/index.html
>15年ほど前から、布張り高級仕上げのダンボール製の柩が市場に
>出ていました。 しかし、ダンボールの良さは使用直前までコンパクトな
>姿で、運搬・保管にも利便性、経済効率が高いところにあると考えて
>いたため、取り入れたいと思いませんでした。
>ところが数年前、市中に出回っている「ダンボール製柩」の出荷元が
>ウィルライフ社だということを知り、その時はじめて本格的なクラフト柩を
>開発中であるということを知ったのです。
>それ以来、ダンボール柩に関心と興味を持ちつづけていたのですが、
>日々の業務に追われ、具体的な取り組みへの機会を逸していました。
>やっと、設計者と不具合を調整するなどの努力を重ねた結果、2006年の
>5月頃、サンプルがほぼ完成。一個一個、コンピューターによる裁断機に
>よって切り抜く方式で生産ラインに乗せることに成功し、素材そのものの
>美しさを表現することができました。
〈略〉
>現在、我が国の柩の主流は合板製であるが、「エコクラフィン」の三層式
>ダンボールの原材料は、トライウォール社が自社栽培した後、計画的に
>植林をすすめた北米産のマツを使用。100%ヴァージンパルプです。

これは別の特殊ダンボール↓
http://www.amazon.co.jp/dp/B002ODLWAI/
>特殊段ボール・ねこちゃん爪とぎ「ネイルパッド猫顔形」
〈略〉
>※写真の猫ちゃんはつきません。 【原材料】特殊ダンボール(ハイプルエース)
トンデモない一行知識 |  2010年10月30日(土) 21:44 |  URL |  【コメント編集】

葬儀社の名前で
『日本特殊段ボール』
ってのがあって、不思議に思ったことがあります。
http://www.osoushiki-plaza.com/pro/list/sizuoka.html
NNT |  2010年10月30日(土) 11:38 |  URL |  【コメント編集】

コメントを投稿する


 管理者だけに表示  (非公開コメント投稿可能)

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://tondemonai2.blog114.fc2.com/tb.php/547-91604d79

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。