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2010.10.18 (Mon)

蜚蠊、蜚蝱、蜚鴻、そして蜚語

『ウラグラ! ベスト・オブ・裏モノの神様』 P.154

 古代中国の『山海経』という地誌に“蜚(ヒ)”という動物のことが記載
されている。「牛のような姿で白い首をしており、1つ目で蛇の尾がある。
水を行けば水が尽き、草を行けば草が枯れる。これが現れると天下に
疫病がはやる」とある妖怪だが、これが実はゴキブリのことらしい。現代
でも漢和辞典には、蜚の字の意味にゴキブリと明記している。
 牛の姿であるとか首が白いとかいう説明はどこがゴキブリだ、という
感じだが、要するにゴキブリが伝染病の原因となる病原菌を運ぶという
ことをそのような概念のない時代に、妖怪に例えて、牛の形をした姿に
なぞらえたのだろう。



「一つ目小僧」などと同様、目がひとつという意味の「一つ目」を、「1つ目」と表記する
のは、ちょっとなしじゃあないかと思うのだが、原文ママ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/山海経
>『山海経』(せんがいきょう)は、中国の地理書。中国古代の戦国時代から秦朝・漢代
>にかけて徐々に付加執筆されて成立したものと考えられており、最古の地理書とされ
>る。
〈略〉
>各地の動植物、鉱物などの産物を記すが、その中には空想的なものや妖怪、神々の
>記述も多く含まれ、そこに古い時代の中国各地の神話が伝えられていると考えられて
>いる。そのため、後世失われたものの多い中国神話の重要な基礎資料となっている。
〈略〉
>もともとは絵地図に解説文の組み合わせだったが、絵地図は失われ、後世に解説文
>を頼りに想像で挿絵をつけた。


「解説文を頼りに想像で挿絵」は、画像検索してみると面白いのだけど、おいといて。
- http://www.google.co.jp/images?rls=en&q=山海経&ie=UTF-8&source=univ

まあ唐沢俊一の文章だけ読んでいても意味不明というのは割といつものことなので、
「山海経 ゴキブリ」でググってみたら、以下のようなページがみつかった。
(ワモンゴキブリチャバネゴキブリとのイラストがあるので、苦手な人は注意のこと)

http://www.chinjuh.mydns.jp/sengai/insektoj/p48.htm
>蜚
>獣がいる、そのかたちは牛のようで白い首、ひとつの目で蛇の尾、その名は蜚。水を
>行けば水尽き、草を行けば草枯る。これが現れると天下に疫病がはやる。(東山経
>四の巻)
> 絵・文とも『山海経』より

> 牛のようだというが、別の部分では鴆という鳥が好んで食べるとも書かれている。と
>なれば、やはり普通の虫サイズだろうか。
> 漢和辞典を引くと蜚という名前はゴキブリのことだと書かれている。そういえば黒光
>りするゴキブリは、艶のある黒牛のような色だといえそうだ。

> 目がひとつしかないというのは、おそらくある種のゴキブリに見られる背中の模様の
>ことだろう。チャバネゴキブリやワモンゴキブリの背中には、目玉に見えそうな模様が
>ついている。

> 蛇の尾というのがわからないが、ゴキブリの醜悪さを怪物化したのが蜚だとすれば、
>そのくらいの小道具はあっても不思議はない。

> しかし「水を行けば水尽き、草を行けば草枯る。これが現れると天下に疫病がはや
>る。」というくだりを読むと、ゴキブリごときにこれほどのマネができるとはとうてい思え
>ない。むしろ、イナゴやバッタなど、農作物に大規模な被害をあたえる虫を考えるべき
>かもしれない。
> 小学館の『新選漢和辞典』を読むと、蜚は(おそらくは虫が)飛ぶことを意味する漢字
>だという。「蜚声」といえば名声が四方に飛ぶことだし、現在では流言飛語と書かれる
>熟語も昔は「流言蜚語」と書かれた。悪い噂の影響は、イナゴのような虫が農作物を
>食い荒らしながら移動する様子に似ている。その後に残るのは荒れ果てた心と大地だ
>けだ。
>  また蜚という文字は、ゴキブリのほか「へひりむし(ゴミムシ・オサムシ・カメムシな
>ど?)」「くびきりばった(クビキリギス?)」のことも指す。蜚鴻と書けば「ヌカカ(蚊に
>よく似た小さな虫で吸血する。牛などの疫病を媒介する)」を意味する。
>  害虫であること、飛ぶことという条件さえ満たしていれば、かなり広範囲の虫が「蜚」
>に含まれそうだ。


「ゴキブリごときにこれほどのマネができるとはとうてい思えない」には、ひたすら同意
である。

ちなみに、上のページには、山海経に載っている「蜚」の挿絵もあるのがよいところ。
http://www.chinjuh.mydns.jp/sengai/insektoj/p48.gif
『ウラグラ! ベスト・オブ・裏モノの神様』の方には、これがない。

また、唐沢俊一のネタ元という可能性も一応考えたものの、いくら劣化コピーの得意な
唐沢俊一といっても、このようなお手本を見てもなお「蜚」をゴキブリ一本で押し通すもの
かなあと思うし、ゴキブリということにするにしても、せっかく「黒光りするゴキブリは、艶の
ある黒牛のような色」とか、「チャバネゴキブリやワモンゴキブリの背中には、目玉に見え
そうな模様」とか書いてあるのを、両方ともスルーするかなあとも思う。

何より、上記のページをアップする前のものと思われる掲示板でのやり取りが、2007 年
の日付けになっているようだし……。

http://www.geocities.co.jp/Technopolis/7948/bbs/1112_01.htm
>珍獣ららむ~ [11/12/07(火)-23:22]
>ゴキブリ、それとも飛蝗?
>『山海経』で、ゴキブリのことじゃないかと言われる部分は、
>>獣がいる、その状は牛の如くで白い首、一つの目で蛇の尾、その名は蜚。水を行け
>ば水尽き、草を行けば草枯る。これが現れると天下大いに疫病はやる。
> 蜚という文字がゴキブリを意味する漢字だからだそうな。

>*0038-02 珍獣ららむ~ [11/12/07(火)-23:30]
>ワモンゴキブリ(中国にもいるのかなあ)なんか、
>背中の模様が目玉に見えなくもないし、「一つ目」ってのはそれらしいんだけど、
>通った後は草も水も枯れてって言われると、蝗の大量発生のような気も。

>*0038-03 珍獣ららむ~ [11/12/07(火)-23:49]
>あらためて辞書をひいたら、
>蜚という字には「くびきりばった」という意味もあるらしいです。
>クビキリギスのことがいいたいのかな。

>*0038-04 珍獣ららむ~ [11/12/08(水)-00:47]
>ワモンゴキブリは暖かいところじゃないと生きていけないらしいけど、
>チャバネゴキブリだったら多少寒くてもやっていけるらしい。
>そういえば、チャバネゴキブリの背中もちょっと目玉っぽい模様か?
>チャバネゴキブリ
>背中の模様が虎目石っぽく見えなくもないぞ!

>*0038-05 骨月伝吉郎 [11/12/08(水)-06:03]
>>ワモンゴキブリ
>ワモンゴキブリは世界中に棲息する害虫種最大のゴキブリで、中国でも南部なら
>生息しているはずです。
>寒さにはめっきり弱くて、20℃以下になると飯もノドを通らなくなるそうな。


さて、「蜚」はゴキブリのこととか、ついでにいえば「蜚蠊」は「ゴキブリ」と読むとかという
話の方は、結構簡単に見つけることはできる。

http://meigoan.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_d1e4.html
>本棚にある読めない漢字の本を読んでいた。
>昔、購入した本で久しぶりにパラパラめくると結構面白い。
>その中にゴキブリの漢字があった。
>読めなーい、こんなの・・・。

>語源は「ごきかぶり」(御器噛)が変化した語 御器はお椀のこと
>へえ、ゴキブリがお椀をかじるのかな?
>どうしてこの漢字を使ったかというと、中国の蜚蠊(ひれん)を当てたものだという。
>では蜚蠊(ひれん)てなにか? というと今のところちょっとわかりません・・・。


http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=ごきぶり&dtype=0&dname=0ss
>ごきぶり0 【〈蜚蠊〉】
>〔補説〕 「御器噛(ごきかぶり)」の転という
>ゴキブリ目に属する昆虫の総称。体は扁平で幅広く、光沢がある。触角は糸状で長
>い。前ばねは革質、後ろばねは膜状で、通常は腹部の上にたたまれる。夜行性です
>ばやく走り、狭いすき間に好んでもぐる。人家にすむ種と野外にすむ種があり、前者は
>食品を汚染し、各種の病原菌や寄生虫を媒介する。日本にはクロゴキブリ・チャバネ
>ゴキブリなど約四〇種がいる。アブラムシ。[季]夏。


http://ja.wiktionary.org/wiki/蜚
>発音
>・音読み
> ・呉音 : ヒ
> ・漢音 : ヒ
>・訓読み
> ・あぶらむし
>・熟語
> ・蜚蠊(ゴキブリ)
> ・蜚語(飛語)


「ゴキブリ」以外の意味の調査には、以前に「バクもマクも似たようなもの」のエントリー
や「『しず』と『チン』と『シーン』がごっちゃになっているのでは」で使用したことのある
角川『字源』の XML 版 http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/zigen/ を使ってみることに
した。

http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/zigen/142.xml
>蜚
> ㊀ヒ [尾]
> ㊁ヒ [微]
> ㊀あぶらむし、褐色にて前後に翅 ツバサ あり、臺所などに棲む、一種の惡臭ある
>害蟲。○いなむし、體輕くして蚊の如し、稻花の上に羣集して之を食ひ、稻をして實ら
>ざらしむ。
> ㊁とぶ、飛に通ず。史、楚世家「三年不─、─將沖天」

>【蜚禽】 ヒキン
>  とぶとり。史。封禪書「縱遠方奇獸──及自雉諸物」=飛禽·飛鳥。
>【蜚語】 ヒゴ
>  ねなしごと、誰いふとなくいひ出したるうはさ、無根の語。漢書、灌夫傳「乃有
>  ──、爲惡言聞上」=飛語·流言。
> 【蜚鴻】 ヒコウ
>  ○衊蠓 カツヲムシ の異名、ぬかが。史、周紀「──滿野」○良馬の名。東方朔文
>  「騏驥騄耳、──驊驑、天下良馬也」
> 【蜚鳥盡良弓藏】 ヒテウツキテリヤウキウザウス
>  敵國已に亡ぶれば、もはや謀臣を要せざるに喩ふ、蜚一に飛に作る。史、越世家
>  「──────、狡兔死、走狗烹」
> 【蜚騰】 ヒトウ
>  とびあがる。=飛揚。
> 【蜚蝱】 ヒバウ
>  あぶ。
> 【蜚廉】 ヒレン
>  ○殷の紂王の諛臣。孟、滕文公「驅──於海隅而戮之」○風の神。風俗通
>  「──、風伯也」○能く風を起す神禽。後漢書、班彪傳、注「──神禽能致風氣者
>  也」
> 【蜚蠊】 ヒレン
>  あぶらむし(油蟲)廚竈﨤に生ずる害蟲、體は赤褐色にして觸角甚だ長し、脚は
>  扁平にして行くこと迅 ハヤ し、之に觸るれば惡臭を發す。=樟螂。


http://www.chinjuh.mydns.jp/sengai/insektoj/p48.htm に書いてあるものの他に、
「蜚蝱」の「あぶ」というのもあるし、「いなむし、體輕くして蚊の如し、稻花の上に羣集
して之を食ひ、稻をして實らざらしむ」というのは、『山海経』の「草を行けば草枯る」に
合致するような気がする。

http://www.pref.niigata.lg.jp/niigata_tsugawashinko/1280343933387.html
>「いな虫おくり」は、稲に虫が付くことなく豊作になることを祈って行われる行事で
>「稲虫おくり」とも書き表されます。


おまけ:
http://blog.livedoor.jp/kashikou/archives/51586425.html
>考えてみれば、日本はゴキブリでも萌えにしてしまう国だから孫子を萌え化するなん
>て簡単な話なのかもしれん。

>孫子の兵法がやられた……次はなんだ?兵法三十六計か!?

>いや、ここは山海経じゃないだろうか。 日本のクリエイターには山海経の影響を受け
>た作品を作っている人間もいるわけだし。
〈略〉
>41. 桜餅 2010年10月05日 01:46
>萌え萌え山海経が出たらマジで買います


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