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2010.09.05 (Sun)

葉巻は葉巻。カモメはカモメ。

『お怪物図鑑』 P.110

 ついでにフロイトの伝記を調べていたら、この人の死因は葉巻の吸いすぎ
による喉頭癌であった。とにかく葉巻が好きで、一日十数本も吸っていたら
しい。フロイト学派の研究者なら、
“これはやはり口唇期フェティシズムの一種で、大人の社会への意識下の
拒否感が……”てなことを言うのかと思っていたら、当のフロ先生自身は、
「葉巻は単なる葉巻である」
 と言ってバリアを張っていたらしい。少々ズルい。


「フロ先生」というのは原文ママ。

「口唇期」と「フェティシズム」とは、2 つをつなげてはあまりいわないような……ちなみに
「"口唇期フェティシズム"」と二重引用符つきでググると、「"口唇期フェティシズム"との
一致はありません。」という結果になる。

ちなみに、岸田秀の『出がらし ものぐさ精神分析』には、「魔術的口唇期」「抑鬱的口唇
期」「献身的口唇期」「反抗的口唇期」――といろいろな口唇期があげられていたり。
- http://www.seidosha.co.jp/index.php?%BD%D0%A4%AC%A4%E9%A4%B7%A1%A1%A4%E2%A4%CE%A4%B0%A4%B5%C0%BA%BF%C0%CA%AC%C0%CF

歯が生えてない時期は「消極的口唇期」で、生えたら「積極的口唇期」」とか。
- http://home.hiroshima-u.ac.jp/hsc/nurse/nursing/child/kougi%20pdf/piageterikson.pdf


「葉巻は単なる葉巻である」というのはまあ、「バリアを張っていたらしい。少々ズルい」
というのはある (下の引用でいう「自分に関しては寛容な発言」) として、「葉巻はただの
葉巻にすぎないこともある」の「こともある」を省略してしまうのは少しまずいような気が。
フロイトが、葉巻に関してのみ、「葉巻は (常に) 単なる葉巻」と主張していたわけでも
ないようなので。

http://www.wayaku.jp/course/lesson_image.html
>Freud said that ①sometimes a cigar is just a cigar.
〈略〉
>①:精神分析学者のフロイトの有名な言葉「葉巻はただの葉巻にすぎないこともある」
>(葉巻の大の愛好家だったフロイトは、葉巻には何の心理的意味も含まれない場合も
>ある、と自分に関しては寛容な発言を残している)。
>sometimesは「時として…こともある」
〈略〉
>[アドバイス]
>1 cigarは「葉巻」であり、フロイトが愛好していたことも、心理的な意味を持つとされる
>ことも知られているので、この場合「タバコ」は誤訳。「葉巻はときにただの葉巻でしか
>ない」


http://everything2.com/title/Sometimes+a+cigar+is+just+a+cigar
> Well, as everyone knows, Freud smoked cigars. One day, allegedly , a student
> asked him about what this signifies . And Freud replied "Sometimes a cigar is
> just a cigar". (I have also heard that it was in a meeting of psychiatrist s - there
> are different versions).


「時として…こともある」の Sometimes がないバージョンもあるようだが、そちらの方は、
「葉巻は単なる葉巻である」というより、「良い葉巻は単なる煙」。

http://flowstate.homestead.com/freud.html
> Sigmund Freud was once asked about the psychoanalytic significance of his
> smoking a cigar, to which he replied that a good cigar was merely a smoke. This
> of course repeats Plato's claim, the accuracy of which the author challenges
> anyone to disprove.



そして、フロイトの死因は、「喉頭癌」というより、口蓋や顎の癌と書かれている資料が
多いようだ。

http://www.seishinshobo.co.jp/40292a.html
>フロイトの葉巻好きは有名で、葉巻を吸っている写真も何枚も残っている。結局彼は、
>おそらくそのせいであろう、口蓋癌がもとで亡くなった。何度も手術をしたのだがその
>間も葉巻を止めようとしなかった。葉巻を止めるくらいなら死んだ方がましだと考えて
>いたようだ。フロイトらしい。フロイトに帰れと叫んでいたラカンも葉巻好きであった。
>この点でもフロイトに帰ろうとしたのであろうか。


http://ja.wikipedia.org/wiki/ジークムント・フロイト
>1923年(67歳)、喫煙が原因とみられる白板症(ロイコプラキア)を発症、以後死に至
>るまで口蓋と顎の癌手術を33回も受ける。16年間に及ぶ闘病生活にもかかわらず、
>強靭な精神力から著述、学会、患者治療に超人的活動を続けた。


一方、「喉頭がん」だったとしている本もあるようだ。

http://www.jikushuppan.co.jp/book/other2.html
>歴史は患者でつくられる
>リチャード・ゴードン[Richard Gordon]著
>倉俣トーマス旭,小林武夫訳 定価:各2,520円 [本体価格:各2,400円]
〈略〉
>葉巻で喉頭がんになったフロイト


また、一日の葉巻の量としては、20 本以上としている資料が目につく。

http://www.z.rojo.jp/taka/freud.htm
>63歳の時顎にガンを発見され、以来30回を越える手術を受けていたが、喫煙とガン
>の関係を承知しつつ、「葉巻をやめるなら早死にしたほうがましだ」とうそぶいて1日
>20本の葉巻をやめることはなかった。


「葉巻を吸っている写真」は Wikipedia にも載っているけど
http://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:Sigmund_Freud_LIFE.jpg
この葉巻を手に眼光鋭く睨んでいるような写真は、切手にもなっているようで。
- http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1243.html


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Comment

どうもです (_ _)

>山田風太郎の『人間臨終図巻』

持っているはずなのに忘れていた&発掘できない (←最近こういうのばかり……) で情けないですが、これ↓でしょうか。

http://akahiro.at.webry.info/200909/article_26.html
>そして、9月17日朝7時過ぎにも、五合の酒を飲み、
>さらに筆に含ませられた酒を、口内炎で真っ白に腫れた唇に
>塗ってもらい昇天したそうです。

>妻・喜志子さんの日記には:
>「今日は永遠に悲しき日となりぬ。
>牧水はついに午前七時五十八分に不帰の客となる。
>静かなる臨終なりし。」

>主治医の稲生信吾氏は次のように書いています:
>「九月十九日、葬儀ノ日、近親ノ方最後ノ告別ニ際シ
>御柩ノ硝子ノ小窓ヲ開キタルニ、滅後三日ヲ経過シ、
>而モ当日ノ如キハ強烈ナル残暑ニモ係ラズ、殆ンド何等ノ死臭ナク、
>又顔面ノ何処ニモ一ノ死斑サヘ発現シ居ラザリキ。
>(斯カル現象ハ内部ヨリノアルコホルノ浸潤ニ因ルモノカ)」

>*以上、山田風太郎著『人間臨終図巻 上』より、引用しました。

うーん、「内部ヨリノアルコホルノ浸潤ニ因ルモノカ」というのを、どれだけ本気で書いているかどうかは……。

そもそも腐敗防止の効果が出るには、アルコール度はどのくらい必要かという問題もありますし。牧水の飲んでいたのは主に日本酒ではないかと思うのですが、それだと度数もしれているような気もします。

http://sake.eshizuoka.jp/e263942.html
>アルコール添加については江戸時代から柱焼酎の添加として始まっています。
>江戸時代には冷蔵設備がなく、アルコール度の小さなお酒は雑菌などに
>やられてしまいます。お酒がお酒とは思えない液体に変化してしまいます。


>その前の臭いが強烈で、鼻が慣れていて腐敗臭すら気づかなかったんじゃないかと。

口内炎がひどくて、それも異臭の原因となっていたかもしれないですね。
酒というより葉巻のせいなので、いっしょにするのは適切ではないかもしれませんが、
http://tondemonai2.blog114.fc2.com/blog-entry-516.html
でやったフロイト先生は、「異臭が部屋に充満し愛犬も寄り付かなくなった」という……。
トンデモない一行知識@レス遅延気味すみません |  2010年10月21日(木) 01:00 |  URL |  【コメント編集】

>ertit さん
確かに、「上顎癌」としている資料もありますね。

http://shinkeishitsu.cocolog-suruga.com/blog/2009/05/post-be74.html
> フロイトは葉巻タバコを好んでいたために口蓋腫瘍ができ、これが悪化して
>上顎癌となった。16年間に36回もの手術を受けた。顎と口蓋、鼻中隔の一部
>を切除し、人工の頬が付けられた。上顎癌の末期はかなりお気の毒な状態と
>なる。どこの癌も大変だが、顔が失われる上顎癌は極めて深刻である。私は
>医大の臨床実習の際に、耳鼻咽喉科で上顎癌の方の消毒処置を見て、息が
>詰まる思いがしたものだ。人工の頬をはずした時に露出した粘膜の有様と
>そこから発するにおいは衝撃的だった。フロイトの場合も病状が進行してくると
>異臭が部屋に充満し愛犬も寄り付かなくなったという。最期は主治医と相談して
>モルヒネ注射による安楽死を選び、亡命中のロンドンで死去した。

身体のどの部分が、どの名称に対応するかを整理しようかと思ったのですが、これ↑やこれ↓を見て、正直めげています……。

http://www.med.kindai.ac.jp/oto/cancer.html
>この公開講座を聞いていただいた皆さんは、もう、頸やノドの癌は早期発見さえ
>できればそれほど怖いものではないということがおわかりいただけたと思います。

……全然わからないです怖いです。;_;
トンデモない一行知識 |  2010年09月06日(月) 02:02 |  URL |  【コメント編集】

私は「上顎がん」だと認識していました。
今手元にあった本からで申し訳ないのですが、
「今日ではフロイト記念館となっているウィーンの山の手ベルクガッセ
十九番地の自宅兼診療所に、フロイトはすでに五十年近く暮らしており、
十年余り前からは上顎癌を患っていた。」
(小俣和一郎「精神医学とナチズム」(講談社現代新書),p101)
ertit |  2010年09月05日(日) 20:48 |  URL |  【コメント編集】

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