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2010.06.13 (Sun)

なんでわざわざ商船規則の規定と縦横比を変えたんだろうの日章旗

『史上最強のムダ知識』 P.180

 その後、明治3年(1870年)に制定された法律により、日の丸は正式に
日本の国旗となる。


「日の丸は正式に日本の国旗」と明確に定めた法律が存在しなかったから、1999 年に
「国旗及び国歌に関する法律」、略して「国旗国歌法」が「公布・即日施行」されたという
話ではなかったかと。

「明治3年(1870年)に制定された法律」というのは、「1870年2月27日(明治3年1月27
日)制定の商船規則(明治3年太政官布告第57号)」をさすのだろうけれど、この法令が
「法律」といえるかどうかは微妙。

http://ja.wikipedia.org/wiki/日本の国旗
>国旗制定
>1870年2月27日(明治3年1月27日)制定の商船規則(明治3年太政官布告第57号)
>に「御國旗」として規定され、日本船の目印として採用された。規格は現行とは若干
>異なり、縦横比は7対10、日章は旗の中心から旗竿側に横の長さの100分の1ずれた
>位置とされていた。この日を記念して国旗協会は国旗制定記念日を制定し、国旗掲
>揚の日としている。
>以後、日章旗は国旗として扱われるようになったが、「国旗」としての法的な裏付けは
>太政官布告のままであり、法令として存在しなかった。1931年(昭和6年)2月、第59
>回帝国議会において全11条及び附則からなる「大日本帝国国旗法案」が衆議院議員
>石原善三郎により提案され、同年3月26日衆議院本会議において可決された。しかし
>ながら貴族院送付後の3月28日、会期終了に伴う帝国議会閉会により審議未了廃案
>となり、続く第60回帝国議会に再提出されたものの衆議院解散により再度廃案とな
>り、結局成立しなかった。

>第二次世界大戦後から国旗国歌法制定までの間、反・日の丸を主張する勢力(日本
>教職員組合、日本共産党、朝日新聞が代表的な勢力)は日章旗の国旗としての法的
>正当性に疑義を唱えることがあった。これに対し日章旗を国旗と認める勢力(自民党
>など保守派)は日章旗が日本国旗であることは一種の慣習法と考えられることなどを
>主張、その根拠として前出の商船規則、大喪中ノ国旗掲揚方のほかにも複数の法令
>の条文中に「国旗」の文字が使用され「日本国旗が存在することが当然の前提とされ
>ている」ことを挙げていた。


http://ja.wikipedia.org/wiki/国旗及び国歌に関する法律
>国旗及び国歌に関する法律(こっきおよびこっかにかんするほうりつ、平成11年8月
>13日法律第127号)は、日本の国旗・国歌を定める日本の法律。1999年(平成11年)
>8月13日に公布・即日施行された。国旗国歌法(こっきこっかほう)と略される。


http://www2s.biglobe.ne.jp/~law/law/zatsu/shousen.htm
> 余談ですが、商船規則の法令番号についても触れたいと思います。
> 国旗及び国歌に関する法律附則第2項では「明治三年太政官布告第五十七号」と
>表記してあるのですけれども、この第57号というのは、本当は法令番号ではありませ
>ん。当時の法令には番号が付されておらず、また明治維新の混乱期であったため記
>録が散逸してしまっていました。そこで、後年、内閣官報局が明治維新以来の全法令
>を収録する法令全書を編纂するにあたって、同年に制定された法令に法令の形態を
>問わず通し番号を便宜上付したものなのです。ですから、太政官布告の第57号という
>わけではなく、諸文献から明治3年に制定されたことが判明した法令を日時順に編集
>した結果、法令全書の明治3年の巻の第57番目に収録されたというにすぎないので
>す。例えば、同年の第58は太政官布告ではなく、民部省の達であるようです。
> よって、商船規則についての法令番号の表記は、船舶法第36条に規定されている
>とおり「明治三年正月二十七日(太政官)布告」とするのが正しいのではないかと思い
>ます。


唐沢俊一が書いている「明治3年(1870年)に制定された法律により、日の丸は正式に
日本の国旗となる」を本当とするならば、前述の「国旗国歌法」 (1999 年) や、「1931年
(昭和6年)2月、第59回帝国議会において」提案されたという「大日本帝国国旗法案」
などは、では何を決めようとしたものだというのかという話にもなる。

唐沢俊一が「明治3年(1870年)に制定された法律」としか書いていないのも少し気に
なるところで、日本の国旗が「商船規則」で定義されるものか、それでよいのかとの疑問
を読者に抱かせにくくするために、あえて「商船規則」との文字を文章に埋め込むのを
避けたのかなと疑いたくもなったり。


それはさておき、個人的に興味深いと思ったのが、「国旗国歌法」には「商船規則(明治
三年太政官布告第五十七号)は、廃止する」との規定があるのに、当の「商船規則」は、
「船舶法(明治32年法律第46号)」にすでに「明治三年正月二十七日布告商船規則
〈中略〉本法施行ノ日ヨリ之ヲ廃止ス」と決められていたという話。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~law/law/zatsu/shousen.htm
>成立にあたって、様々な議論を呼んだいわゆる「国旗国歌法」。その附則第2項に、と
>ある法令を廃止する旨の規定があるのをご存じでしょうか。

>>国旗及び国歌に関する法律(平成11年法律第127号)
>>   附 則
>> (商船規則の廃止)
>>2 商船規則(明治三年太政官布告第五十七号)は、廃止する。

> この「商船規則(明治三年太政官布告第五十七号)」とは、西洋型商船を所持してい
>る者あるいは新規に購入した者が遵守すべき事項を定めた法令です。
〈略〉
>>商船規則(明治3年正月27日太政官布告)
>>   規 則〈抜粋〉
>>一御国旗之事
>> 右ハ決而取外シ候事不相成附属之艀舟ニ至迄必可揚置事
>>一御国旗之寸法別紙之通ニ候事〈後略〉

> これによると、第2項で国旗は決して取り外してはならず付属の艀舟に至るまで必ず
>掲揚しておかなければならないということが定められており、第4項本文及び別紙で国
>旗の寸法が定められています。ここでは省略しましたが、他にも掲揚すべき時間帯な
>どが定められている条文があります。

> 従来、日本には国旗の様式を一般的に定める法令がありませんでした。そこで、国
>旗については、日の丸に関する諸問題と合わせて、長年の議論になっていたところで
>あります。
> しかしながら、この「商船規則」のように限られた範囲で適用される法令については、
>いくつか国旗について定められているものがありました。そこで、従来、国旗について
>は慣習法的に定着していることに加え、これらの法令があることを、法的な根拠として
>いたのです。これらの経緯は、商船規則が国会答弁*1や裁判所の判決*2の中に登
>場することからも言えると思います。*1:第145国会平成11年6月29日衆議院本会
>議国務大臣答弁 *2:大阪高等裁判所平成8年ネ第1143号損害賠償請求控訴事件
>判決 そのような経緯から、今回、国旗及び国歌に関する法律の制定にあたって、商
>船規則を廃止することとしたのだと思われます。

> ところが、なんと、商船規則は今回国旗及び国歌に関する法律で廃止しようとする以
>前に既に廃止されていたのです。

>船舶法(明治32年法律第46号)
>附則
>第三十六条 明治三年正月二十七日布告商船規則〈中略〉其他ノ法令ニシテ本法ノ
>規定ニ牴触スルモノハ本法施行ノ日ヨリ之ヲ廃止ス
〈略〉
> ということは、国旗及び国歌に関する法律附則第2項は、存在しない法令*4を廃止し
>ようとしたことになってしまうのです。
>*4:既に船舶法によって廃止されていたということになると、前述の国会答弁や裁判所
>の判決で述べた商船規則の有効性の根拠は何か、という問題が生ずることになりま
>す。 



Wikipedia には、「これに対し日章旗を国旗と認める勢力(自民党など保守派)は日章旗
が日本国旗であることは一種の慣習法と考えられることなどを主張、その根拠として前
出の商船規則、大喪中ノ国旗掲揚方のほかにも複数の法令の条文中に『国旗』の文字
が使用され」とか書かれているけど、その「商船規則」は 1899 年に廃止、もうひとつの
「大喪中ノ国旗掲揚方」には、「日の丸」、「日章旗」等の文字はない模様。

http://ja.wikipedia.org/wiki/大喪中ノ国旗掲揚方
大喪中国旗ヲ掲揚スルトキハ竿球ハ黒布ヲ以テ之ヲ蔽ヒ且旗竿ノ上部ニ黒布ヲ附ス
>ヘシ其ノ図式左ノ如シ


まあ、http://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:Chou_ki01.PNG というのが上でいう「其ノ図
式左ノ如シ」の図で、その附図には「日の丸」らしき絵が描かれているのだけれど、その
デザインについての詳細が定義されているわけでもない。


以上述べたようなことをふまえると、唐沢俊一の書いた以下のことについても気になって
くる。

『史上最強のムダ知識』 P.180

日の丸

 日本の国旗のこと。「日の丸」というのは、むろん俗称で、正式には日章旗
と呼ぶ。
 1999年に施行された「国旗国歌法」の規定では、日章旗の形は、縦・横
の比率が、2:3。中央の「日章」の直径は、旗の縦の寸法の5分の3。その
中心は、旗の中心におく。
 また、色は地が「白色」、日章は「紅色」とされている。
 なお、それ以前は、たいがいの日章旗は、縦・横の比率は7:10で、日章
の中心は、旗の中心より旗竿側にほんの少しずれていた。こちらのほうが
赤と白のバランスが、ちょうどよくなる比率だったのだが。


「『日の丸』というのは、むろん俗称」の「むろん」とか、「こちらのほうが赤と白のバランス
が、ちょうどよくなる比率」の根拠とかについても多少気になるが、おいといて。

唐沢俊一の記述の有力なネタ元候補としては、以下の Wikipedia の記述がある。

http://ja.wikipedia.org/wiki/日本の国旗
>日本の国旗(にっぽんのこっき、にほんのこっき)は、法律上は日章旗(にっしょうき)と
>呼ばれ、日本では古くから、また今日一般的に日の丸(ひのまる)と呼ばれる旗である。
〈略〉
>正式規格
>国旗国歌法の本則における日章旗の制式は、縦横比を2対3、旗の中心(対角線の
>交点)を中心とし、縦の長さの5分の3を直径(縦を2とした場合r=0.6)とした円(日章、
>日輪)を描くのが正式である。なお、日章の赤は法律では「紅色」となっており、JIS慣
>用色名ではマンセル色体系で 3R 4/14 であるが、実際には金赤(同 9R 5.5/14)が
>使われることも多い。

>特例の日章旗
>長らく慣行(商船規則で定められた制式)として、縦横比を7対10とし、日章を旗の中
>心より旗竿側に100分の1近づけた点を中心として描くものが使用されてきたため、国
>旗国歌法の附則第3項で当分の間この制式も用いることができる旨の特例が定めら
>れている。両者の縦横比を最小公倍数に換算すると、本則:14対21、特例:14対20とな
>り、本則の方がやや横長(あるいは特例の方が縦長)となるが、日章と白地のバラン
>スとしては特例の方が安定している、風にはためく時の見栄えは日章が旗竿に寄って
>いる方が美しい、とする意見もある。


わからないのは、ここには「長らく慣行(商船規則で定められた制式)として」とか書かれ
ているのに、これを読んでもなお、前述の「明治3年(1870年)に制定された法律によ
り、日の丸は正式に」うんぬんの部分を疑問に思わなかったかということ。

Wikipedia 以外の何かを参考にした可能性もあるけど、そうだとしても普通に調べていけ
ば、「商船規則」の文字を目にしないでいることの方が難しいと思うのだけど、唐沢俊一
は「それ以前は、たいがいの日章旗は」と記述するのみで、ここでも「商船規則」とはいっ
さい書かないですませているのも解せない話で。

1999 年の国旗国歌法より前には、「たいがいの日章旗」が「縦・横の比率は7:10」で
あった理由を、唐沢俊一は脳内でどう処理していたのか、読者にはどう解釈してもらい
たがっていたのかが、よくわからないのだ。

「明治3年(1870年)に制定された法律」があったというのなら、古い法律の規定がそう
なっていたからとか説明すればすみそうだが、唐沢俊一はそう説明するのを避けている
ようにみえる。

「明治3年(1870年)に制定された法律により、日の丸は正式に日本の国旗となる」
という説明の方に無理があることを承知しているから――ならば、「商船規則」について
語らないのはわかるような気がするが、じゃあ「明治3年(1870年)に〈略〉日の丸は
正式に日本の国旗」との記述の方を修正するなり説明を追加なりすればよいと思うの
だけど……。

その他参考 URL:
- http://smcb.jp/ques/27555
- http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/kokkikokkahou.htm
- http://blog.m3.com/BackToTheStreet/20090818/1

ある意味類似のガセビア:
A Structure for Deoxyribose Nucleic Acid だけが全てじゃないよのノーベル賞

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