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2010.05.13 (Thu)

妄想者にラブ・ソングを

http://www.tobunken.com/news/news20100426185512.html

同人誌
2010年4月26日投稿

女にズボンを履かせた男(訃報 ロバート・カルプ)
〈略〉
カルプの監督・主演になる(脚本はウォルター・ヒル!)『殺人者に
ラブ・ソングを』(1972)はまさに彼がやりたい放題をやったという
全編スタイリッシュで都会的な(いささかやりすぎな感があるまでな)
作品であったが、ガンマニアの彼の面目躍如、その44マグナムの
かまえ方は、後に主流になったダーティーハリー風のかまえ方とは
一味違ったカッコよさであった。ハリー・キャラハンは両足を開いて
どっしりと下半身を安定させて真っすぐ正面にかまえる。対して、
カルプが演じたフランク・ボッグスは片足を一歩前に出し、やや体勢を
斜にしてかまえる。このポーズは、賞金稼ぎプライスがウェルチに教えた
セリフによれば、“相手もこっちを狙ってるんだ。片足を一歩前に出して
身体を斜めにしろ”……要するに、敵の銃の前にさらす自分の体の
面積を少なくしろ、ということで、理にかなっているのである。
このセリフはカルプのつけたオリジナルなのだろう。
ただし、その後、ダーティーハリー風の正面向き構えばかりが
広まったのは、このカルプ風の構え方、カルプ並に足がヒョロリと
長くないとどうにも決まらないのである。


『ロバート・カルプに西部は似合わない』とも思わなかったけど……」の方に引用した
文章の続きが、上に引用の文章となる。

http://d.hatena.ne.jp/sfx76077/comment?date=20100501§ion=1272677258#c
のコメント欄のやり取りもあわせて参照のこと――なのだけど、唐沢俊一が以下の 2 つの
映画の話を、いやな混ぜ方をして語ってくれているせいで、かなりわかりにくい文章に
なってしまっていると思う。

1. 『殺人者にラブ・ソングを』 (1972 年)、ロバート・カルプの監督・主演。
  映画の中でロバート・カルプの演じるランク・ボッグスが、S&W M29 (「44マグナム」)
  を「片足を一歩前に出し、やや体勢を斜にしてかまえる」。
  ポスターやスチールを見るかぎり、銃は常に両手でもっている。

2. 『女ガンマン 皆殺しのメロディ』 (1971 年)、監督・脚本はバート・ケネディ。
  映画の中でロバート・カルプの演じる「賞金稼ぎプライス」は、ハニー・コールダー役の
 ラクエル・ウェルチに銃のうち方を教える際に、「体は斜めに 自分も相手に狙われて
 いる」と指示を出す。銃は片手うち。

『殺人者にラブ・ソングを』の方ならまだ、「カルプの監督・主演」だから、「ガンマニアの
彼の面目躍如」ということで、「このセリフはカルプのつけたオリジナル」とかも、実際は
どうあれ、まあありえない話ではないかなと思うこともできるけど……。

しかし、「賞金稼ぎプライス」が出てくるのは、『女ガンマン 皆殺しのメロディ』の方で、
これは前述の通りバート・ケネディが監督・脚本で、どうしてこちらの映画に「カルプの
つけたオリジナル」のセリフがあると想像するにいたったのかは謎。唐沢俊一のあげる
理由は「理にかなっているのである」くらいしかないし、この映画には出てこない「片足を
一歩前に出して」を勝手につけ加えているし。

さらに違和感のあるのは、西部劇の時代の45口径の銃と、1970 年代あたりの「44マグ
ナム」の扱い方を、「やや体勢を斜にして」の共通点があるからといって、いっしょにして
しまってよいものかということ。よほど特殊な設定でないかぎり「44マグナム」を片手で
うつ場面なんて登場しないだろう。一方、『女ガンマン 皆殺しのメロディ』では両手うち
の場面はない。プライス役のカルプが、両方の手に一挺ずつ拳銃をもってうちまくる場面
はあったけど。

http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa3828611.html
>昔の映画では銃を片手撃ちしてましたが(西部劇やダーティハリーなど)
>最近は両手で持って撃つのが普通ですね。
>実際に銃の撃ち方が変わったのでしょうか?

>本来、拳銃とは片手で撃つように開発・発展してきたものです。〈略〉何より、職業的
>に拳銃を扱う警察や軍隊の訓練方法が片手保持が原則というのがある時代までの
>約束事でした。〈略〉両手保持の方が良いとは分かっちゃいるが「片手で扱うもの」と
>いう原則論から逸脱することが出来ないでいた時代が長かったわけです。
>この硬直した考え方が両手保持に変化し始めたのは1950年代以降で、「拳銃の
>神様」と言われたジェフ・クーパーというガンマンが「コンバットシューティング」という
>概念とトレーニングを提唱し始めます。これは両手保持はもちろん、実戦としての拳銃
>射撃術を体系的にまとめ上げたものです。当時、このクーパーの理論がいかに画期
>的で効果的であったかは、スティーブン・ハンターの小説『悪徳の都』に詳しく描写され
>ていますので、興味があれば読んでみてください。
>クーパーのコンバットシューティング理論は当初、FBIをはじめとする司法機関から始
>まって、現在では多くの警察や軍隊での攻撃的拳銃射撃術のスタンダードのひとつと
>なっています。(逆に拳銃を自衛的・護身的武器と定義している組織では無用の技術
>なわけでもあるわけで、たとえば自衛隊ではいまでも片手保持が原則だったと思いま
>す。)
〈略〉
> 西部劇のころの銃はシングルアクションで、撃鉄をその都度戻さないと次の弾が発
>射できないものでした。そのため、早く撃とうとすると、利き腕で銃を支え、逆の手で
>撃鉄を操作する片手射ちが普通でした。
>  ダブルアクションや自動拳銃になってからは、利き手じゃない方の手がフリーになっ
>たので、より命中精度の高い両手射ちが多くなったのでしょう。
>参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/拳銃


で、まあ、想像でしかないけど、『殺人者にラブ・ソングを』でググるとトップの方にくる
ページでは、「この映画は当時の銃器好き少年には堪らない作品」、「映画&銃器好き
愛好家の先輩と話すると必ず本作の名前が飛び出す」と絶賛されていて、「ロバート・
カルプが銃器愛好家で有名らしく」というのが、唐沢俊一のいう「ガンマニアの彼の面目
躍如」、さらには「このセリフはカルプのつけたオリジナル」という唐沢俊一オリジナルの
妄想へとつながったのではないかと。

http://d.hatena.ne.jp/hoghug/20090205/p2
>で、銃器ネタ・・・本作ではアル・ヒッキーことビル・コスビーがコルトの6in銃身付き
>リボルバー(回転式拳銃)、そして相棒の白人探偵フランク・ボッグスことロバート・
>カルプが、長銃身8/8分の3in銃身を捻じ込んだS&W M29(俗に云う44マグナム)
>リボルバーを使用し、ボッグスの銃は一目瞭然なのだけれど(笑)、ヒッキーの銃は
>正確には何だろうね・・・〈略〉んで、この映画は当時の銃器好き少年には堪らない
>作品らしく、色々と各々のシーンが語り草になっていて、映画&銃器好き愛好家の
>先輩と話すると必ず本作の名前が飛び出す作品なんだよ。またボッグスを演じた
>ロバート・カルプが銃器愛好家で有名らしく(TVシリーズ「アメリカン・ヒーロー」等でも
>有名だ)、件のシーンではそれを髣髴させる楽しさがある。

>一例を挙げればスタジアムでの撃ち合いか・・・長距離射撃を長銃身の8/8分の3in
>銃身を捻じ込んだS&W M29でするんだけど、呼吸を整え、射撃に相応しい状態に自
>身を誂えながら遠射に挑むその姿は、長い事を活劇作品観て来たけれど、本作以外
>では今まで一度もお目に掛かった事がない名シーンだった。同じようにラストで銃身に
>砂の入ったと思えるM29を砂を降って落とし、数度空撃ちして状態を見る気配りを見
>せる気の入れようには感心させられる、そう云った所作が非常に宜しい作品で、〈略〉
>とにもかくにも銃器使用映画としては非常に優れていて、これからも知る人ぞ知る作
>品となって行く事だろう。


ロバート・カルプ追討日記 追加検証」では、山内豊の書いた「或る時期ぼくらの間で、
拳銃射ちスタイルごっこが流行ったことがあった」、「ぼくがやったのは、足の長さを必要
としないキャラハンスタイルだった」が、唐沢俊一の「その後、ダーティーハリー風の正面
向き構えばかりが広まったのは、このカルプ風の構え方、カルプ並に足がヒョロリと長く
ないとどうにも決まらないのである」の元ネタではないかという話があがっている。

これが元ネタだとしたら、これもまた恐ろしいまでの劣化コピーで、「ぼくらの間で、〈略〉
流行った」、「ぼくがやったのは」の話が、「ダーティーハリー風の正面向き構えばかりが
広まった」という規模のデカい話になっている。「カルプ並に足がヒョロリと長」い人材は、
ハリウッドなどにはゴロゴロいると思うのは気のせいなんだろうか。

ちなみに「全編スタイリッシュで」の元ネタ候補はこのあたり (?) ↓

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=8754
>この直後「ゲッタウェイ」や「おかしなおかしな大泥棒」も手掛ける、W・ヒルの脚本デ
>ビュー作として有名になった作品だが、初めてメガホンを取ったR・カルプの演出も、
>少々野暮ったい(そして、長い)がスタイリッシュに決まっている。70年代B級アクショ
>ンの佳作と言ってもよいだろう。


その他参考 URL:
- http://q.hatena.ne.jp/1148998935
- http://blogs.yahoo.co.jp/tomoko_more/13525048.html
- http://www.cinematoday.jp/page/N0023332?g_ref=twitter

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Comment

>『ダーティ・ハリー』『女ガンマン 皆殺しのメロディ』 との三題噺

や、「ガンマニアの彼の面目躍如」というのまでは、まだよいというか、充分アリだったのではないかと思うのですが……それが、どうして「片足を一歩前に出して」とか、「このセリフはカルプのつけたオリジナルなのだろう」とかにならなければいけなかったのかは本当に謎です。

元ネタ候補の文章に、唐沢俊一にそう誤解させる種が含まれているわけではなさそうですし……。

45口径の方も女性が片手で扱うのは本来ちょっとキツいのかもしれませんが、『女ガンマン 皆殺しのメロディ』の中では、ひものついた石をたらした棒を巻き上げて筋トレさせたりしてますね。
トンデモない一行知識@レス遅延気味すみません |  2010年05月15日(土) 14:04 |  URL |  【コメント編集】

●44マグナムと45口径

 唐沢は、当時、拳銃を撃つシーンのある映画がどのくらいあったのか考えたことがあるんでしょうか。ユーロ・ウェスタン『女ガンマン 皆殺しのメロディ』なんて特殊な例を出してくる必要は全くない。『ゲッタウェイ』しかり『ブリット』しかり『ガルシアの首』しかり。
 拳銃のことなどなにも知らない唐沢が『傍役グラフィティ』のロバート・カルプの写真を見、記事を読んで、『ダーティ・ハリー』『女ガンマン 皆殺しのメロディ』 との三題噺を思いついたのは間違いないでしょう。
 しかし、無知とは恐ろしいもの。西部劇の定番、コルト・ピースメーカーは45口径という大口径だけど、片手で扱える拳銃、だからこそ、早撃ちとかファニングとか二丁拳銃なんて無茶なことが出来たのです。それに対して44マグナムは非常に破壊力の強い弾丸を打ち出すため、片手では到底扱えません。そんなことしたら、手首の捻挫、掌の裂傷、銃身が跳ね上がって顔に当たるなんてことが、当たり前のように発生します。
 それに、刑事や元刑事が、正確に射撃するのと、牧童(カーボーイ)が銃を撃つのは(たとえ賞金稼ぎであったとしても)全然違う話ですから。
 だから、「このセリフはカルプのつけたオリジナル」なんてあり得ないと思います。そもそも意味不明の文章ですね。アドリブといいたいのか、銃器のアドバイザーとして脚本に関与したといいたいのか。
藤岡真 |  2010年05月13日(木) 07:28 |  URL |  【コメント編集】

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