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2010.05.08 (Sat)

「ロバート・カルプに西部は似合わない」とも思わなかったけど……

http://www.tobunken.com/news/news20100426185512.html

同人誌
2010年4月26日投稿

女にズボンを履かせた男(訃報 ロバート・カルプ)

イギリス製のへんてこな西部劇(アフタヌーンティー・ウェスタンとでも
言うか)『女ガンマン 皆殺しのメロディ』(1971)で、
無法者三人兄弟(アーネスト・ボーグナイン、ストローザー・マーティン、
ジャック・イーラムの濃い顔トリオ)に夫を惨殺、自分は輪姦された美貌の妻
(ラクエル・ウェルチ)が復讐の旅に出る。そこで出会った初老の賞金稼ぎ
プライス。ひょろりとした長身に馬面、しかも普通の馬面は下に長いが、
この男の場合は上に長い。つまり、おでこのやたら上に広い長頭型。
西部に似合わぬ草食系な体型・面相の上に、ガンマンとも思えぬ金縁の
インテリメガネときた。この賞金稼ぎプライス役を演じたのがロバート・
カルプ。

こいつも自分をねらうのか、とウェルチがライフルをかまえるが、さすが
ベテランのガンマン、いとも簡単にその銃を奪い取ると、弾を全部抜いて
危ないことをするもんじゃない、とちょっと気取って彼女に返す。
ところがウェルチ、その返された空の銃を逆手に持つや、カルプの後頭部
をいきなりガツン。カルプ、グウとも言わずにノックダウン。

いささか頼りないところで安心されたのか、これからこの二人、師弟と
なって旅をするのだが、そこまでのウェルチは、強姦されて家を燃やされ、
身ひとつで逃げてきたわけで、全裸の上にポンチョ一枚という姿。
見兼ねたカルプ、運んでいた賞金首の遺体からズボンを脱がして、
「これを履け。動物じゃないんだ、そんな格好でいるな」
と渡す。およそ映画史における最大の暴挙であり、封切時、映画館で
観ていた男性客からは一斉に怨嗟の声が上がった……で、あろうと思う。

この映画、監督のバート・ケネディのアイデアだろうが敵側にいかにも
西部劇顔、といったボーグナインやイーラムを置き、味方側には
ウェルチはじめカルプ、そしてクリストファー・リーなど、わざと西部劇
に似合わないキャラクターの俳優たちをキャスティングしている。
しかり、ロバート・カルプに西部は似合わない。ひげ面も似合わない。
あくまでも彼はスマートに都会的に、アスファルト・ジャングルを
生きるような役が似合っている。


×アフタヌーンティー・ウェスタン ○ユーロ・ウエスタン

徹底検証 唐沢俊一追討日記 その19 ロバート・カルプ」で「馬面」や「草食系」など
についての突っ込みはさんざん入れられてはいるものの、唐沢俊一の“追討”記事として
は、まだマシな部類かなと思わないでもない。映画のあらすじを含む具体的な記述が、
彼の文章にしてはかなり多い方なので。

それでも、唐沢俊一の文章だけを読んでいると、紹介されている作品があまり面白そう
には思えないのに対し、他の人の書いたブログ等を読んでいると何か楽しい気分になっ
てくるし、作品も魅力的に思えてくるのは、これなどで馴染みのあるパターン。

- http://mogamiya-forth.cocolog-nifty.com/dailylife/2008/06/post_0acc.html
- http://santapapa.exblog.jp/4014792
- http://ameblo.jp/kazzp0610/entry-10185308081.html
- http://www.d1.dion.ne.jp/~hsakagam/Composer157.htm

で、実際に DVD を見てみると、ロバート・カルプの演じるトマス・ルーサー・プライスは、
問題の場面で、「危ないことをするもんじゃない、とちょっと気取って彼女に返す」ような
感じでもなかった。銃を返すときには無言で、ニコリともしていないのだ。

「返された空の銃を逆手に持つや」というのも、どうかなあという感じ。彼が背中をむけた
瞬間にすかさずガツン……なんだけど、バットを振り回すように銃で後頭部を叩いている
それを、「逆手に持つ」というものなのかは少し疑問。
- http://d.hatena.ne.jp/machida77/20090105/p1
- http://www.jodojo.com/jpjodo03.html

「いささか頼りないところで安心されたのか」うんぬんというのも、ちょっと違うように思う。
この場面については、以下のブログに要領よくまとめられているのだけど、そこに書か
れているように、ラクエル・ウェルチが演じるハニーは、プライスの馬のところに近寄った
そのときに、「馬には死体が乗っている」のを発見して、馬を盗んでどこかにいくのを取り
やめたように描かれている。馬上の大きな袋からはみ出した死人の手を見て、「いささか
頼りないところで安心」する者は、あまりいないのではないかと思う。

http://mogamiya-forth.cocolog-nifty.com/dailylife/2008/06/post_0acc.html
>夫も家も、着る服も失ったハニーはポンチョ一枚で夜を明かしていたが、そこにトマス・
>ルーサー・プライス(ロバート・カルプ)が馬のための水を求めて立ち寄る。警戒して
>彼を寄せ付けないハニーだが、プライスの方が一枚上でジムの銃を取り上げられた
>ハニー。それでも隙をみてトマスを殴り倒し、気絶させてしまう。これに乗じて馬を奪お
>うとするハニーはプライスの馬には死体が乗っているの発見。馬を盗むのをやめ、そ
>のまま朝を待つことにした。
>翌朝、プライスの銃を使っていたハニーは彼にとがめられる。
>プライスは腕利きの賞金稼ぎだったのだ。射撃の腕前はプロフェッショナル。ハニーは
>クレメンス兄弟への復讐のため、自分の体を代償にプライスに射撃を教えてくれるよ
>うに頼むのだが、プライスはそれを断る。
>「君はウソをつく。触ろうとすればウィンチェスターで撃たれるんだろ?」

>ひたすらプライスの馬を追い教えを乞うハニー、でも答えは「断る」
>それでもプライスはハニーを疎んじるわけでもなく一緒に夜営してるんだが、その彼女
>がうなされているのに気付く。プライスは彼女の身に何が起こったかを聞き、結局は
>彼女の気持ちをくんで銃の使い方を教えることに。
>道中、町でハニーの服を整えつつ二人はメキシコに住む腕のいい銃職人ベイリー
>(クリストファー・リー)の元へ向かう。


「カルプ、グウとも言わずにノックダウン」の記述などから推測するに、どうも唐沢俊一
は、やたらコメディータッチに紹介しようとして失敗している感がある。この映画には、
悪役三人組のやり取りその他コミカルなシーンは存在するけど、プライスとハニーの
道中のあたりは、また調子が異なるのに……。

唐沢俊一のいう「運んでいた賞金首の遺体からズボンを脱がして、『これを履け。動物
じゃないんだ、そんな格好でいるな』」というのは、上のあらすじ紹介でいう「プライスは
彼女の身に何が起こったかを聞き、結局は彼女の気持ちをくんで銃の使い方を教える
ことに」のあたりにくるエピソードである。

ちなみに、字幕では、「これを履け。動物じゃないんだ、そんな格好でいるな」ではなく、
「ほら これをやる 馬じゃないんだから 服くらい着ろ」となっていて、音声でも horse の
単語はしっかり聞き取れる。まあ、唐沢俊一の書く文章は、括弧でくくられているからと
いって、ちゃんとした引用とはかぎらないのは、これにかぎったことではないのだけど。

セリフの方はまだ意味が合っているからよいとしても、「運んでいた賞金首の遺体から
ズボンを脱がして」というのは完全にガセといってよさそう。賞金稼ぎのプライスは二頭
の馬を連れていて、問題のズボンは、自分の乗る栗毛の馬の荷物の方からひょいと
取り出したもの。「賞金首の遺体」は、もう一頭の白っぽい色の馬に、袋詰めのぐるぐる
巻きになって乗せられていた。その遺体から「ズボンを脱がして」なんて面倒かつ衛生上
どうかと思われることをするよりは自分の着替えを渡す方が楽だろうし、実際そのように
描写されている。なので、ズボンなしの賞金首の遺体を当局に引き渡したのか――という
心配 (?) も無用と思われる。

そして唐沢俊一は、「およそ映画史における最大の暴挙であり、封切時、映画館で観て
いた男性客からは一斉に怨嗟の声が」とも書いている。

これも、ちょっとどうかと思うもので、上に引用したブログ――こちらには唐沢俊一の紹介と
違って変なところはない――でいう「ひたすらプライスの馬を追い教えを乞うハニー、でも
答えは『断る』 それでもプライスはハニーを疎んじるわけでもなく一緒に夜営してるん
だが」のあれこれを考えると違和感がある。

これが、出会って間もなくさっさとズボンを渡していたのならば、「一斉に怨嗟の声が」は
大袈裟にしても、観客の飢餓感をあおっただろうと想像するのも難くないが、それなりに
ナマ足状態を続けさせた後での「馬じゃないんだから 服くらい着ろ」なので、むしろもっと
早くに貸してやればよかったのにと思うくらいで。

さらに気になるのは、「映画史における最大の暴挙」といい、「女にズボンを履かせた男」
というタイトルのつけ方といい、唐沢俊一は「ピチピチの」ズボンというものを完全否定
しているのかということ。

http://santapapa.exblog.jp/4014792
>ご存知の通り当blogでは『三銃士』、『四銃士』、『恐竜100万年 』、『ミクロの決死圏』
>とラクエル・ウェルチを採り上げる機会が多く、というかありていに言うと好きなんです
>けど(笑)、この映画でもポンチョのみの衣装やピチピチのGパンなどセクシーな魅力
>満載です。映画の「主題」も80%はそこなんでしょうけど。Hなシーンは普通の映画です
>のでご期待されない方がいいですけど、ラクエル・ウェルチのフェロモンは画面一杯に
>溢れています。


http://mogamiya-forth.cocolog-nifty.com/dailylife/2008/06/post_0acc.html
>この後、プライスにズボンを買ってもらうのだがそのズボンも大きいから、店員に「濡れ
>たまま穿いてればなじみますよ」といわれてこれを着たまま入浴するシーンもある。当
>然、下着はつけていないのでわくわく~


プライスの貸したグレーのズボンをはいている場面はすぐに終わり、ズボンとブーツの
購入資金として賞金の一部をわけてもらったハニーなのだけど、少し大きめのはずの
イエローベージュのパンツは、樽みたいな風呂に着たままつかっている (上半身の方
は裸) うちにみるみる縮み、ハニーが訪ねていった保安官の相好をくずさせ、酒場の客
には「いいケツだ」とつぶやかせる。

どう見ても下着なしだろうというお尻の大アップはあるし、ポンチョ (として着用の元毛布)
のまとい方も、お尻の部分をいっさい隠さないようにしている (下が全裸設定のときとは
ここが異なる) しで、製作者サイドもそれなりに力を入れていたものと想像される。まあ
受け取り方は人それぞれだろうが、唐沢俊一のように無下に完全否定する姿勢はどうか
と思う。


で、唐沢俊一は「アフタヌーンティー・ウェスタンとでも言うか」と書いているが、ググって
みたかぎり、この用語を使っているのは唐沢俊一だけのようであるし、「イギリス映画な
らでは」の雰囲気は認められるものの、午後のお茶の場面があるわけではないし、ロケ
地はスペインだけあって南欧の香りもすると思うし。

http://santapapa.exblog.jp/4014792
>西部劇も衰退し始めた頃の映画で、監督はバート・ケネディながらなんとイギリス映
>画。マカロニ・ウェスタンの聖地、スペインでロケを行っていて景色もとてもきれいです
>が(特に海岸での朝焼けの場面はため息が出そうなぐらい美しいです)、ストーリーは
>オヤクソクに乗って進む話ですし残虐描写もあまりありません。マカロニ・ウエスタンと
>いうよりは昔ながらの西部劇の味付けをした映画でしょう。賞金稼ぎとガンスミスが妙
>にジェントルメンなのが、イギリス映画ならではでしょうか?(笑)実はそれがいい味を
>出していますけど。


DVD の解説の表題からとると、この作品は「ユーロ・ウエスタン」ということになる。

DVD 付属の解説より
>ユーロ・ウエスタン/皆殺しのメロディ
〈略〉
>マカロニウエスタンはハリウッド製西部劇を劇的に変化させます。他国が真似出来ぬ
>莫大な予算を費やした大作が作られました。人間ドラマを掘り下げ、アクション重視の
>イタリア製西部劇に対抗した作品も現われました。その中で、本作は逆にマカロニウ
>エスタンに出来るだけ近付こうとした作品であります。日本では地上波で放送された
>きりですが、内容の面白さでカルト化してしまった伝説的ウエスタン。それが本作、
>「女ガンマン/皆殺しのメロディ」です。
〈略〉
>暴行を受け夫を殺された女主人公が、凄腕の賞金稼ぎに銃の扱い方を教わり復讐
>を果たす。最近どこかで聞いた話ですね。クエンティン・タランティーノは本作が大の
>お気に入りで、『キル・ビル』のプロットに用いました。彼はインタビューで「アジアや
>イタリアのいろんな復讐劇を参考にしたけど、アメリカ映画はこれぐらいだ」と答えて
>います。しかし、本作は実は、イギリスの資本で撮られたスペインロケの西部劇でし
>た。

>当時イギリスが撮った西部劇と言えば、『追跡者』に『チャトス・ランド』、『さらば荒野』
>などがあります。冷徹や保安官、復讐に燃えるアパッチ、情無用の追跡劇…凄絶な
>リベンジ・ストーリーである本作も含め、英国製西部劇はイタリア製に負けず劣らず
>殺伐としていますね。英国にはシェイクスピアの一連の悲劇や、エリザベス朝血みど
>ろ残酷劇である「あわれ、彼女は娼婦」等、グラン・ギニョル(恐怖劇)の歴史があり
>ます。17世紀から続く残虐な復讐劇の伝統を、西部劇が受け継いでいるのかもしれ
>ません。

>マカロニウエスタンのヒットに勇気づけられ、ヨーロッパ各国ばかりでなく、東欧、
>ロシア、アジア…様々な国の映画人が西部劇に勤しみました。西部劇を愛していた
>のはアメリカ人だけではなかったのです。


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Comment

>NTT さん
>出版社からお呼びがかかるのを自ら妨害

無反応よりは、批判や反発であっても読者から何らかの反応があるだけマシ――という考えをもっている編集の人というのは、それなりの数存在するのではないかという気もします。
唐沢俊一に原稿を発注するような「ともだち」の人たちは、そのタイプではないかと。

>藤岡真さん
あれって相当色っぽいですね。
トンデモない一行知識@レス遅延気味すみません |  2010年05月15日(土) 12:01 |  URL |  【コメント編集】

●スチール

>彼女が真っすぐ立って正面を向いているもの

 ご明察です。
藤岡真 |  2010年05月10日(月) 14:53 |  URL |  【コメント編集】

●なるほど

追討家ってお仕事を選んだのですか、唐沢氏は。
読んだ人を不快にさせる文章を書くお仕事を。
出版社からお呼びがかかるのを自ら妨害してる気もしますが。
NNT |  2010年05月09日(日) 23:32 |  URL |  【コメント編集】

>藤岡真さん
>なにかに感動して、涙したなんて文章

ノスタルジーを刺激されたときに、それがくるみたいです。

http://tondemonai2.blog114.fc2.com/blog-entry-385.html
>私は泣いた。本当に、泣いたよ。場内のガキども、お前らにはここで
>泣けやしねえだろう。ざまあみろ。

それでも難癖をつけるのは忘れないところとか、そのクレヨンしんちゃんの作者が亡くなったときには故人を貶めるようなデマを巻き散らかさないではいられないこととかは、どうしようもないなあと思いますが。

http://tondemonai2.blog114.fc2.com/blog-entry-257.html
http://tondemonai2.blog114.fc2.com/blog-entry-258.html


それと、ここに書くのはアレですが、「DVDのカバー写真とは別物」の「全裸の上にポンチョ一枚というというラクウエル・ウェルチのスチール写真」って、彼女が真っすぐ立って正面を向いているものでしょうか。それならば DVD の特典映像で見つけました。


>NNT さん
>人の心を揺さぶる

唐沢俊一のようなタイプの人間にも、ある意味「人の心を揺さぶる」ことが可能でありまして、そのひとつが“追討”ともいえるのですよね……。

“悪口”を言われたご本人自身が反論することができなくなってからの“悪口”、それも理不尽なものをあびせていれば、読む側も感傷的にもなり感情的にもなりましょう。

それがあるから、日記を停止した今でも、“追討”にだけはしがみつかないではいられないのかも……。無視されスルーされるより、非難される方がマシという気持ちで。
トンデモない一行知識 |  2010年05月09日(日) 21:04 |  URL |  【コメント編集】

●人の心の機微に寄り添う作業

ってのをしたがらない、というかできない、わからない、その上バカにするような反応しかできず、せいぜい努力しても表面をなぞるだけなので、人の反感を買うのが唐沢氏の追討文であったり書評だと思います。
人が成熟するというのは人の心の脆さや弱さに共感できるようになる事で、人の弱さをバカにしたり見下す人間は一生かかってもガキのままなんでしょう。
そんな唐沢氏が人の心を揺さぶる小説など書けるわけも無いでしょう。
NNT |  2010年05月09日(日) 12:00 |  URL |  【コメント編集】

●天然

>唐沢俊一は、やたらコメディータッチに紹介しようとして失敗している

 これって意図的なものではなくて、唐沢は何を見ても読んでも「お馬鹿フィルター」がかかってしまうのではと思います。なにかに感動して、涙したなんて文章は見た記憶がありません。
藤岡真 |  2010年05月09日(日) 09:42 |  URL |  【コメント編集】

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