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2010.04.04 (Sun)

あーこんな気持ちー、あーうまく組み入れること、ない、ない、あい、あい

裏モノ日記 2000年 1月 24日(金曜日)
http://www.tobunken.com/diary/diary20001124000000.html

 SM評論家の濡木痴夢男氏が、私の『古本マニア雑学ノート』に怒って
いる。別に濡木氏の悪口を言ったわけでなく、『古本~』の中で、私のSM
緊縛関係の本のコレクションを“脳天気”と言っていたから、であるらしい。
濡木氏のようにSMの美学に人生を賭けている人にとっては、それは大変
に失礼なことにあたるだろう。しかし当該書を通読していただければわかる
と思うが、私の語彙の中で、“脳天気”というコトバは蔑視の言葉ではない
(だから、普通の意味と区別するために“能天気”ではなく“脳天気”を使っ
ているのだ)。従来の知の大系に組み入れられることのないない猥雑な
パワーと、そして大いなる趣味性を持っているものを指して、脳天気、という
新たな価値大系を設定しているのである。・・・・・・もっとも、ある程度以上の
年代の人で、かつこれまで世の冷たい視線に堪えてSMをコレクションして
きた人に、こういう言い訳はわかってもらえまい。一応弁解の手紙は送ろう
と思うが、あとは価値観の相違、ということになってしまうだろう。これもやむ
を得ないか。

http://megalodon.jp/2010-0404-0330-13/www.tobunken.com/diary/diary20001124000000.html

×組み入れられることのないない猥雑な ○組み入れられることのない猥雑な

99 でもなく 16 でもない、だけど「ないない」なのか……とかいうのは、まあおいといて。

「しかし当該書を通読していただければわかると思うが、私の語彙の中で、“脳天気”と
いうコトバは蔑視の言葉ではない」と唐沢俊一は書いている。

しかし『古本マニア雑学ノート』を通読しても、そんなことはわからないというのが正直な
ところであって……。

『古本マニア雑学ノート』 P.181 ~ P.182

 僕が本を選ぶ基準は、だいたい次の三点である。
1. 読んで実用にならない
2. 読んで害がない
3. 読まなくても差し支えない
 僕はこの三点を満たした本を「脳天気本」と名付け、読書本来の無目的
性を取り戻そうという運動をあちこちで呼びかけている。もちろん、呼びかけ
たところで、そういった脳天気本が実際に集まらねばどうしようもない。その
ような本は僕の周りに、どのようにして集まってくるか。その実例を示して
みよう。いかにして脳天気本を買うか、という指標になるだろう(なっても
どうにもならないが)

●いかにして脳天気本を買うか

☆その一 題名で買う
 タイトルが脳天気なもの、これはまず手にとって見てみる。中にはタイトル
だけで買ってしまう本もある。例えば吉田昇平著『キンタマニー湖の魔女』
(237ページ参照)なんかはその例だ。


まあ、「蔑視の言葉ではない」と言い張るのは自由だが、それを相手が納得しなかったと
しても、相手に落ち度があるとは決していえないだろう。

また、この本には「◆カラサワ・コレクション ピックアップ」という名目で、唐沢俊一所有
の古本の表紙と簡単な紹介がそこかしこに挿入されていて――帯の煽り文句によると
「怪人カラサワ先生の奇書コレクションの一端も大公開」である――その分類というのが、
「[SF・ミステリー]本」、「[エッあの人が……]本」、「[少女小説]本」、「[猟奇犯罪]本」、
「[珍奇トンデモ]本」、「[脳天気性風俗]本」、「[貸本B級漫画]本」、「[その他]本」となって
いる。

これで、自分の愛着のある本を、「珍奇トンデモ」や「脳天気性風俗」に分類されても
怒るんじゃないという方が無理な要求ではないかと思うのだが。「SF・ミステリー」、
「少女小説」、「猟奇犯罪」には頭に何もつけていないのに、「性風俗」にかぎって、
「トンデモ」に「珍奇」とつけるノリで (?) 「脳天気」とつけた、その理由もわからない。
ただ、理解に苦しむばかりである。


ちなみに、別の本、1996 年刊の『トンデモ怪書録』の中で、唐沢俊一は以下のようにも
述べている。

『トンデモ怪書録』 P.4

※「脳天気」
正しくは「能天気」と書くのだが、SF作家の平井和正氏が「脳天気」と表記
してから、この字がひろまった。僕もこの用語の持つインパクトを愛するもの
である。


これが、4 年後に書いた裏モノ日記では、「私の語彙の中で、“脳天気”というコトバは
蔑視の言葉ではない(だから、普通の意味と区別するために“能天気”ではなく“脳天
気”を使っているのだ)」ということに変更されてしまうのだから、たまらない。

さらに、『トンデモ怪書録』によると、脳天気本とは、ひまつぶし用の「読んで役に立た
ない」、「読んで害のない」、「別に読まなくてもさしつかえない」本、「どこか『ヘン』、
『あやしげ』、『ノンキ』な部分がある」本であり、トンデモ本よりも「もっと幅広く、わけの
わからん本、フツー一般と違った価値観を持った本のこと」だそうだ。


で、この唐沢俊一の日記について、2ちゃんねるのスレでも引用されたことのあるのが
こちらのエントリー。↓

http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20091013
>前回も見た『ぬれきしんぶん』(作家で縛り師の濡木痴夢男氏の個人通信)を眺めて
>いたら、唐沢俊一が自分のSM雑誌コレクションを「脳天気」としたことへの怒りが書か
>れていた。あとで検索したら、唐沢氏の日記(http://www.tobunken.com/diary/
>diary20001124000000.html)でもそのコトに触れられていた。しかし、濡木氏は心情
>的な怒りだけでなく、唐沢氏があるSM雑誌と別の雑誌を完全に混同しているコトを
>指摘するなど、間違いを正してもいる。その辺をネグっているのは、フェアじゃないな。


『ぬれきしんぶん』は入手していないし、「唐沢氏があるSM雑誌と別の雑誌を完全に
混同しているコト」については、どのページの記述を指すかは、よくわからなかった。


だが、別件かもしれないけど、唐沢俊一が何か勘違いしている可能性が高い記述を
見つけたので、それについて。

「古本マニア雑学ノート」 P.167

◆カラサワ・コレクション ピックアップ
〈略〉
脳天気性風俗 3
『悪魔術の塔』九十九十郎
あまとりあ社 昭和39年
「裏窓叢書」と題されたSM小説のシリーズだが、今では小説そのものの
内容よりも、喜多玲子の装丁、中川彩子のイラストの方が珍重されるだろう。


唐沢俊一には、「小説そのものの内容よりも」と軽く片付けられてしまっている『悪魔術
の塔』だが、作者の九十九十郎は千草忠夫の別ペンネームであり、団鬼六などとも
肩を並べる有力な作家として扱われているようなのだが……。

http://www.kudan.jp/EC/fuuzoku03.html
悪魔術の塔 九十九十郎(千草忠夫) 昭和39年 初版 挿絵:中川彩子 裏窓叢書8
>あまとりあ社 \4,000売切


http://www.kudan.jp/nikki/nikki0510-ad.html
> SM界の巨匠団鬼六が私費を投じて出版した入魂の雑誌「SMキング」です。でも
>3年で潰れましたが(^^;
〈略〉
> 表紙は3号目までは辰巳四郎。4号目から秋吉巒。主要執筆者は団鬼六=花巻京
>太郎はじめ、千草忠夫=九十九十郎、蘭光生(式貴史)、安芸蒼太郎等のそうそうた
>るメンバー。

> この当時SM雑誌の創刊は大流行で、作家や挿絵家などはけっこう掛け持ちが多
>かったようです。千草忠夫などはこのSMキングに九十九十郎名義でも執筆している。
>よくもまあ教師生活を続けながらこれだけの執筆が出来る物です。頭さがる思いです。
〈略〉
> 左は入れ墨画で有名な小妻要こと小妻容子。右はサンリオ文庫版ディックの表紙絵
>で有名な藤野一友こと中川あや(中川彩子)。


可能性として高いのは、唐沢俊一が「千草忠夫=九十九十郎」ということを知らないか
失念していて、一無名作家のように扱ってしまったという線。

唐沢俊一には前歴 (?) があり、『悪魔術の塔』の挿絵も描いている中川彩子――上で
いう「サンリオ文庫版ディックの表紙絵で有名な藤野一友こと中川あや(中川彩子)」
――のことを、「わけわかんないのをいっぱい描いてる人です。この女の人は」と、やら
かしてしまったことがあるのだ (「『受験で上京したばかりの高校生』が SM 緊縛画集に
ハマった様子
」 のエントリーを参照のこと)。

その他参考 URL:
- http://www.bbspink.com/eroparo/kako/981/981891285.html


『悪魔術の塔』が「喜多玲子の装丁」かどうかについては、まあ、別の「裏窓叢書」の
装丁を担当していたという話だから、これも須磨利之こと喜多玲子の仕事ということで
よいのかな。この人も実体は男性で、いろいろな別名を持っている、と。

http://d.hatena.ne.jp/OdaMitsuo/20091105/1257350050
>それはともかく、残念なことに第二書房のナイトブックスは見つからなかったが、昭和
>三十五年刊の藤見の『地底の牢獄』を入手することができた。これは「裏窓叢書」第三
>集として、あまとりあ社から出版されている。四六判上製の落ち着いた装丁で、本文
>は罫をあしらったページに十一行組でレイアウトされ、装丁は喜多玲子、挿画は秋吉
>巒である。喜多は須磨の絵師としての別名、秋吉は濡木によって、「暗い情念を独特
>のシュールリアリズムで描く」と書かれているように、装丁や挿画はナイトブックスとは
>まったく異なる印象を与える。


http://femdom.tumblr.com/post/10995274/sm
>喜多玲子のSM画廊 喜多玲子とは大阪で発行されていた往年の「奇譚クラブ」の名
>編集者として知られる須磨利之の別名。竹中英二郎や高月大三というペンネームも
>使っていた。須磨は奇譚クラブを去り、東京で「裏窓」を発行後、美濃村晃という名前
>でも様々なSMメディアで活躍した。


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