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2010.03.15 (Mon)

流体からの物質 X と非ニュートンの世界

『トンデモ版 ユーチューブのハマり方』 P.32

 次に科学の世界の動画を見てみましょうか。
 これはですね、たまたま読んでいた科学雑誌に「非ニュートン流動(non
-newtonian fluid)」という言葉が出てきたんですね。コーンスターチを水の
中に大量に溶かすと、力を加えると固体になり、力を弱めると液体になる
ダイラタンシー(Dilatancy)と呼ばれる物になる、と書いてあった。しかし、
まあ当然のことですが、それがどういうものなのだか、その記事からはよく
イメージできなかったんです。
 で、さっそくユーチューブで検索してみると、非ニュートン流動の実験画像
がいくつもヒットしました。で、それを連続して見ているうちに当たったのが、
この動画です。スペインのサイエンス・ショーで行われた公開実験らしいん
ですが、実に楽しそうですね。
 科学雑誌でいくら“力を加えると固体、力を弱まると液体”と書いてあって
もイメージがわきません。しかし、科学の授業でもし、パソコンが使えるなら、
この動画を見せてみたら、子供たちにもいっぺんでわかる。映像を送るとい
うことのパワーは明らかでしょうね。


×非ニュートン流動(non-newtonian fluid) ○非ニュートン流体(non-newtonian fluid)
×ダイラタンシー(Dilatancy)と呼ばれる物になる
○ダイラタンシー(Dilatancy)と呼ばれる性質をもつ or 現象をおこす

fluid は「流体」「流動物」といった意味なので、non-newtonian fluid の訳語としては
「非ニュートン流体」の方が適切でしょうということで。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=fluid&stype=1&dtype=1&dname=1ss
>flu・id [ fld ]
>流体 《液体(liquid)と気体(gas)の総称だが実際には液体を指すことが多い;
>⇔solid》; 体液, 分泌液; 流動物.


http://ja.wikipedia.org/wiki/非ニュートン流体
>非ニュートン流体(ひ-ニュートン-りゅうたい、Non-Newtonian fluid)は、流れのせん
>断応力(接線応力)と流れの速度勾配(ずり速度、せん断速度)の関係が線形ではな
>い粘性の性質を持つ流体のこと。ニュートン流体に当てはまらない流体の総称を指
>し、この流れのことを非ニュートン流動(Non-Newtonian flow)と言う。


すぐ上の引用に「非ニュートン流動(Non-Newtonian flow)」とあるように、「非ニュートン
流動」ならば、「fluid」ではなく「flow」を使うべきだっただろう。さらに Wikipedia には以下
のような記述もある。

http://ja.wikipedia.org/wiki/非ニュートン流体
>非ニュートン流体の性質は次の3種に大別される。
>ダイラタント流体(Dilatant Fluid)
> τo = 0、n>1
>疑塑性流体(Pseudoplastic Fluid)
> τo = 0、n<1
>ビンガム流体(Bingham Plastic)
> τo > 0、n=1
>ダイラタント流体は流れが強くなるほど流動しにくくなる(速度勾配が大きいほどせん
>断応力が増加する)流体、疑塑性流体は流れが強くなるほど流動しやすくなる(速度
>勾配が大きいほどせん断応力の増加が減少する)流体、ビンガム流体は一定のせん
>断応力に達しないと流動を始めない特徴になる。これらは流れの弾性的な性質が表
>される。


唐沢俊一の文章だけ読んでいると、「非ニュートン流動(non-newtonian fluid)」とは、
“力を加えると固体、力を弱まると液体”の「ダイラタンシー(Dilatancy)」、それのみを
さすようにも思えてしまうけど、非ニュートン流動には別のパターンもあるようだぞ、と。

そして、「物」をさすのなら、「ダイラタンシー」ではなく「ダイラタント流体」または「ダイラ
タンシー流体」と呼ぶべきだろうし、「(Dilatancy)と呼ばれる」ならば、「物」ではなくて
「性質」とか「現象」とか書くべきであっただろう。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ダイラタンシー
>ダイラタンシー(Dilatancy、英:Dilatant)とはある種の混合物の示す、小さいせん断
>応力には液体のようにふるまうのに、大きいせん断応力には固体のようにふるまう
>性質である。この現象が起こる物体を「ダイラタント流体(ダイラタンシー流体とも)」
>と言い、非ニュートン流体の一種である。
〈略〉
>代表的な例
〈略〉
> ・生クリームの泡立て。
> ・ヤマノイモやナガイモの磨り下ろし。
> ・水溶き片栗粉。およそ水1:片栗粉1。「ウーブレック」とも
>(en:Oobleck#Non-Newtonian fluid)。

>ウーブレックの作り方
>水に片栗粉かコーンスターチを入れて、しばらく混ぜる。うまく水の量を調節すると、
>その液体を握ると固体のようになり、手の中で硬くなるし握りつぶせばヒビが入るよう
>になる。しかし握るのを止めると再び液体状になり、指の間から流れ落ちる。これが、
>最も一般的な作り方である。


http://ja.wikipedia.org/wiki/片栗粉
>ダイラタンシー - 水と片栗粉を一定量で混ぜると発現する物理現象


で、唐沢俊一が、「スペインのサイエンス・ショーで行われた公開実験らしいんですが、
実に楽しそうですね」としか書いていない「この動画」について。

URL 禁止、医者や HIV は NG ワードの『トンデモ版 ユーチューブのハマり方』?」に
書いたことの繰り返しになるが、『トンデモ版 ユーチューブのハマり方』には URL という
ものが本当に見あたらない。まあ P.33 にある「A pool filled with non-newtonian fluid」
で検索したら、見つけることはできるのだけど……。

http://www.youtube.com/watch?v=f2XQ97XHjVw
> They filled a pool with a mix of cornstarch and water made on a concrete mixer
> truck. It becomes a non-newtonian fluid. When stress is applied to the liquid it
> exhibits properties of a solid.
> Wikipedia: http://en.wikipedia.org/wiki/Non_Newtonian_fluid
> Recorded at Barcelona, Spain.
> TV Show: http://www.cuatro.com/microsites/el_hormiguero/cientifico.html


YouTube 動画のページには、http://en.wikipedia.org/wiki/Non_Newtonian_fluid
http://www.cuatro.com/microsites/el_hormiguero/cientifico.html へのリンクがある
が、『トンデモ版 ユーチューブのハマり方』という本には、そんなものは存在しない。

http://www.cuatro.com/microsites/el_hormiguero/cientifico.html は、残念ながら
リンク切れのようで http://www.cuatro.com/el-hormiguero/ にリダイレクトされるの
だけど、そのページにある cuatro というロゴは YouTube の動画の右上に表示されて
いるものと同じで、なるほど「TV Show」の動画なのだなということはわかる。

しかし、『トンデモ版 ユーチューブのハマり方』だけ読んでいると、そのようなことは全然
わからない。P.33 には「(C) Sogecable S.A.」との Copyright 表記があるのだけど、その
Sogecable が previous owner である番組を Cuatro がアナログ変換して流すことが
しばしば――というのまではわかるとして、「(C) Sogecable S.A.」の表記だけですませて
よいものかどうかは不明。

http://en.wikipedia.org/wiki/Sogecable
> Sogecable is the leading pay TV company in Spain, created in 1989 and
> controlled (as of 2007) by Grupo Prisa. It was the first company to introduce
> interactive systems and specially Digital Television in Spain.
〈略〉
> In 2005, the group offered a new free television channel, the fifth one in Spain.
> Its name is Cuatro and occupies the same frequency that Canal+ did up to then.
> Canal+ then passed to form part only in Digital+ on 7 November, 2005.


http://en.wikipedia.org/wiki/Cuatro_(channel)
> Cuatro ("Four") is a Spanish private television channel, on air since November
> 2005. Owned by Gestevisión Telecinco, it is broadcast on the TV frequencies
> licensed to the previous owner Sogecable in 1990 and previously used by them
> for the analogue transmission of its pay-per-view channel Canal+.



さて、そして、唐沢俊一のいう「この動画を見せてみたら、子供たちにもいっぺんでわか
る。映像を送るということのパワーは明らか」というくだりについて。

『トンデモ版 ユーチューブのハマり方』 P.11

そこで、講義に入る前に、カストリ雑誌の見本というか実物をもっていって
みんなに見せたんです。そうすると、みんな感動するわけですよ。実際に
触ってその感触で、「あ、仙花紙(2)ってこういうのだ」と理解できる。


『トンデモ版 ユーチューブのハマり方』 P.13

少なくとも「あの時代はね……」と口で1時間話すよりも、この10分のニュー
ス映像を見せた方がはるかに理解度が高まった。それを、非常に面白いな
と感じたんです。


確かに、文章だけでは理解しにくかったことが、動画を見れば一発でわかったり、実際に
目で見て手で触れることによって理解できるようになったりするのは、よくあることだ。

しかし、動画なしでは理解されにくかった原因は、唐沢俊一の文章のまずさ、説明の
下手さ、不明瞭で聞き取り難い発音等、個人の資質・能力によるものではないかという
話もあって……。

そして、このダイラタント流体については、「映像を送るということのパワー」を強調する
例には、あまり向いていないんじゃなかとも思う。手近な設備や材料で実験することが
難しいのならば、YouTube 等にアップされている動画に頼るのもよいけれど、これは
コーンスターチまたは片栗粉などと水を一対一の割合で混ぜたものを使用し、実際に
手で触れて確かめることができるものなのだから。人が入れるだけの水槽とその中に
入れる液体を用意しなければいけないのならばなかなか大変だけど、もっと小規模な
レベルで実験は可能であり、以下の動画などはその例のひとつであると思う。

http://www.youtube.com/watch?v=XSp16zgaqxY
>ダイラタント流体。 コーンスターチと水を混ぜるだけ。


おまけ:
http://www.stat.phys.kyushu-u.ac.jp/~nakanisi/Physics/Dilatancy/
>しかしながら、 日本語のWikipediaの「ダイラタンシー」の項目にある記述には、 明ら
>かな間違いといくつかの混乱が見られる2)。
〈略〉
>2. Wikipedia: ダイラタンシー 例えば、「原理:ダイラタント流体は一般に、液体と固体
>粒子の混合物である。 力を加えて粒子が密集すると粒子の間の隙間が小さくなり、
>強度が増し固体に なる。しかし力を加えるのを止めると再び粒子の間の隙間が広が
>り、元の液体 に戻る。」という説明は、以下で説明するレイノルズの膨張(ダイラタン
>シー) の原理とは逆の主張である。 様々なところで、このWikipediaと同様な説明がな
>されている。 (例えば、 朝日新聞の記事(2/15,2010)


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Comment

遅くなってすみません、数日前にレスしたつもりが、反映されていませんでした。(_ _);

とろみをつけるというのも奥が深いですねー。

http://oshiete1.goo.ne.jp/qa671145.html
>数ヶ月前に「探偵!ナイトスクープ」という番組で取り上げていたのですが…。
>『食べているうちに、片栗粉のとろみが無くなる体質の人』が存在するそうで
>す。番組では、数人の人に同じ中華丼を同時に食べてもらっていましたが、そう
>いう体質の人だけ食べている間にさらさらになってしまうのです。
>どうやら唾液中に分解する物質が含まれているらしく、違う料理でも片栗粉の
>とろみはなくなってしまっていました。

私がそういう体質だったら、まあ、とろみなんかなくてもいいかと、あっさりあきらめてしまいそうです。^^;

もっとも、介護食なんかで使う場合には、ま、いっか、ではすまなさそうな気も。
その場合は、小麦粉とかコーンスターチとか別のもので代用すればよいのかしら。
トンデモない一行知識@レス遅延気味すみません |  2010年03月21日(日) 00:39 |  URL |  【コメント編集】

●ダイラタント流体

理科の実験っていうより、調理実習の感じが。
あんかけのあんとか、とろみをつけるのでは欠かせないのが水溶き片栗粉で、
自分は水溶き片栗粉を作る目安に、この現象を使ってました。
なにしろ、目分量で作るので…。
溶かして、指で強くつまんだ感触で判断してました。
そういうもんだって思って、何も疑問に思わなかったw。

唐沢氏は本当に雑学の人なんですかねぇ?
参考に水溶き片栗粉のお悩み
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa4488478.html
しっかりかき混ぜた水溶き片栗粉を手早く回しいれるのがだまにならないコツ。
NNT |  2010年03月16日(火) 19:31 |  URL |  【コメント編集】

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