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2010.02.18 (Thu)

語るたびになぜか変わる、小学校時代の番長との思い出話

『ウラグラ! ベスト・オブ・裏モノの神様』 P.48 ~ P. 49

唐●なにしろ、その当時、私ゃ親父の書棚から『漫画読本』『りべらる』
などというオトナ雑誌を引っ張り出して読みふけっていたし、近くの書店
が『ガーリー』とか『土曜漫画』などというエロ雑誌を子供マンガの横に
平積みしてあり、読み放題でしたからね。
神●性教育はそういう雑誌で覚えたか。
唐●学校で教える性教育などのレベルではチャンチャラおかしかった
ですね。他の同級生が子供を作る方法についてカンカンガクガクして
いるときに、こちらはSMとかゲイとかを知ってましたから。
神●マセガキであったわけじゃ。
唐●いや早熟であったとはお世辞にも言えませんな。女の子の友達は
男よりも多かったくらいだったけど、手も握ったことはなかったし。女の子
の友達が多かったのは「カラサワくんなら安全だから」と認識されていた
からじゃないですか。
神●要するに知識欲の方が性欲より先んじておったわけじゃ。典型的
オタクじゃな。
唐●でも、私は女の子ばかりでなく、男の子にも大人気でしたよ。性に
ついての好奇心旺盛な質問に、なんでも答えてやってましたから。なに
しろ、教室じゅうで一番エッチ、と言われていた番長が、セックスという
ものを一緒の布団で寝るだけのことと思っていたんですから、今から思う
てえと未開な国でしたねえ。
-------
唐●性器と性器を結合させないとダメなのだ、と教えると番長は目を
丸くして驚き、
「じゃあズボンのチャックを降ろして、くっつけあうのか?」
 と言った。正しいやり方を教えてやると、泣きそうな表情になった。
想像力のキャパシティを超えてしまったらしい。


“もも色のぴらぴら”は“もも色のびらびら”に変更」のエントリーに引用した文章の
前に、上に引用した文章がくる。

「性教育はそういう雑誌で覚えたか」って、「性知識」ならともかく、そこに「性教育」が
くるのかとか、「子供を作る方法についてカンカンガクガク」って、シャレでいっているの
はわかるけど、本当に教室の中で「堂々と主張」したりしていたのかとかは、まあ、おい
ておくとして。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=侃々諤々&dtype=0&dname=0na&stype=1
>かんかん‐がくがく【侃侃諤諤】
>[ト・タル][文][形動タリ]正しいと思うことを堂々と主張するさま。また、盛んに議論
>するさま。「―と意見をたたかわす」



この『ウラグラ! ベスト・オブ・裏モノの神様』で「教室じゅうで一番エッチ、と言われて
いた番長」は、『古本マニア雑学ノート 2冊目』では、「Wという医者の息子のガキ大将」
として登場するのだが、記述が少し変である。

『古本マニア雑学ノート 2冊目』 P.125 ~ P. 126

 だが、実はもうひとつ、僕には武器があったのだ。落語などは“よいこ”
のみんなや、女の子たちに向けての人心掌握術である。いわば“オモテ”
芸だ。本当にイジメの中心になっている、番長クラスのワルには“ウラ”の
手を用いねばならない。
 それが、エロばなしだった。昭和四十年代前半の田舎の小学校などは、
「ハレンチ学園」などで性的なことに目覚めてはいたが、どんなにワル
ぶっても可愛いもので、Wという医者の息子のガキ大将(大将まではいか
ない、ガキ少将くらいのところだったが)など、ある日、男子生徒たちを集め
て、
「みんな知っているか、夫婦というのはセックスということをする。それで
子供を作る」
 と、さも重大そうなことを発表するかのように講釈し、そのセックスなる
もののやり方を再現してみせた。
 たぶんWは医者のムスコだけに、親の会話などを盗み聞きして、セックス
という行為が、男性と女性が性器を結合させるということを知識として知った
のだろう。それから先は想像で、
「こう、ズボンのチャックを下げて、チンチンを出して、女の股にちょこっと
つける」
 と説明したのに、僕は笑ってしまった。先ほども書いたが、親の書棚を
あさっていた僕は、『漫画読本』などのオトナの雑誌や、外国物の小説など
を山ほど盗み読みしていており、セックスに関する知識はかなり持っていた
(しかし、奥手ではあった。知識から先に入ったもので、全然実感はわかな
かったのだ。ここらが書物の知識の面白いところである)。
 そこで、そのWに、
「それは、違う」
 と言い、実際のセックスを男女がどう行うか、詳しく解説してやった。
Wの、僕を見る目が尊敬のマナザシに変化したのがじかに見てとれた。
彼はそのことを同じワル仲間に吹聴し、それからはそういう連中がみんな
揃って、僕のところに、
「カラサワ、エッチな話、聞かせろや」
 と寄ってきたのである。


「息子」と「ムスコ」の表記不統一は原文ママ。

親が医者だと子どもの想像力を刺激するような会話をするものだろうか、あまり関係ない
ような気がするが、というのは、おいといて。

『ウラグラ! ベスト・オブ・裏モノの神様』では「セックスというものを一緒の布団で寝る
だけのことと思っていた」はずの番長が、『古本マニア雑学ノート 2冊目』では、「親の
会話などを盗み聞きして、セックスという行為が、男性と女性が性器を結合させるという
ことを知識として知ったのだろう」ということになっている。

それにともなってか、『ウラグラ! ベスト・オブ・裏モノの神様』では、「正しいやり方を
教えてやると、泣きそうな表情になった。想像力のキャパシティを超えてしまったらしい」
と書かれていた番長が、「僕を見る目が尊敬のマナザシに変化した」ということになって
いる。唐沢俊一の話を聞く前に「男性と女性が性器を結合させる」、「女の股にちょこっと
つける」までは到達していたわけだから、「泣きそうな表情」になったり、「想像力のキャ
パシティを超えてしまったらしい」ではおかしいということだろう。

つまり、この 2 冊に書かれている思い出話の少なくとも片方は嘘。前エントリーに書いた
自分史捏造の件と考え合わせると、両方とも嘘の可能性が高いようにも思える。この手
の思い出話が、語るたびに細部が変更されるというのはよくあることとは思うものの、
話の骨格まで違ってしまう (一方で「ズボンのチャック」などの部分は変わらない) などと
いうことが、そう頻繁にあるとも思えないし……。


で、いったん気になり出すと、『ウラグラ! ベスト・オブ・裏モノの神様』に唐沢俊一の
書いている「学校で教える性教育などのレベルではチャンチャラおかしかったですね」
というあたりも気になってくる。

唐沢俊一の頃の、小学校男子を対象とした性教育ってどういうものだったというのか、
そもそもそういうものあったのだろうかと。女子のみを集めて生理についての説明とか
いうのならあっただろうけど。確か『小学五年生』か『小学六年生』だったか、小学館の
学習雑誌でしっかりネタバレしてくれていたというアレ。

さらにいえば、「性教育」という言葉自体、唐沢俊一の小学校時代にどれだけ一般的な
言葉だったか――という疑問もわいてくる。1970 年代になってからとその前では、かなり
事情が異なると思われるが、1958 年生まれの唐沢俊一の小学生時代は、まだ 1960
年代だったはずなので。

http://ja.wikipedia.org/wiki/性科学映画
>1970年代に入るとセックスを語ることはオープンになり、セックスを描く映画は性教育
>用という言い訳を必要としなくなった。この時期、ストレートなポルノ映画が全盛期を
>迎えたことからブームは下火になった。


http://kosodate.nishinippon.co.jp/news/school/200909/08_009269.shtml
> ●ワードBOX=性教育
> 婚前の性的行動を防ぐ「純潔教育」が、1970年代から「性教育」と呼ばれように
>なった。エイズへの関心が高まった90年代以降、人権意識の観点から保健体育だけ
>でなく、道徳や特別活動でも積極的に対応。だが、2002年にピルに関する記載が
>あった副読本が回収され、「行き過ぎ」批判も出ると、文部科学省は消極姿勢に。
>県教委段階でも「コンドームの使い方までは教えない」など制約が増え、ここ数年は
>学校現場でもトーンダウンが目立っている。


その他参考 URL:
- http://repository.aichi-edu.ac.jp/dspace/bitstream/10424/1479/1/kenkyo503339.pdf
- http://www.youtube.com/watch?v=bRt442KLJtw
- http://oshiete1.goo.ne.jp/qa250777.html
- http://blhrri.org/info/book_guide/human/human_022601.html

それと、地味に気になるのが、小学生だった唐沢俊一の知識の供給元だったという大人
向けの雑誌やエロ本が、性知識を身につけるにあたって、どれだけ有効だったのだろう
ということ。初心者向けに懇切丁寧に説明している本とは違うような気がするし、肝心の
部分がモロにわかる写真や絵の入ったものは、当時の小学生がどれだけ目にする機会
があったかという問題もある。今はネット経由でごく簡単に見ることができるだろうけど。

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Comment

●『エロスの原風景』のポストカードに感動

>松沢呉一さん
ありがとうございます。勉強になります。 (_ _)(_ _)

遅ればせながら、『エロスの原風景』を読みつつ、もしかしたら唐沢俊一は『夫婦生活』あたりを読んでいたことにすればよかったのかも、などと思いました。いや、これも、初心者向けではなかったかもしれませんが。

で、気のせいか、『夫婦生活』は実家でちらっと目撃したような……。常時、目につくところに転がしておいてくれたわけではないので、確信がもてないのが残念です。

「生活」つながりで思い出したのですが、『主婦と生活』の読者体験談や悩み相談に、結構えげつないのが載っていたような気も。
トンデモない一行知識 |  2010年02月22日(月) 07:26 |  URL |  【コメント編集】

●遅くなりました

>『漫画読本』の他に唐沢俊一が名前をあげている『りべらる』、『ガーリー』、『土曜漫画』も同じようなものですよね

はい。「りべらる」は昭和30年代に入ってから内容も体裁も版元も変わって細々と出続けるのですが、昭和20年代の雑誌ですから、グラビアもモノクロで、いくら家にあったからと言って、小学生が読んでいたとはちょっと思いにくい。読んだところで、性医学的な知識はほとんど得られなかったでしょう。

「ガーリー」は私も中学の時に手に入れていて、友だちの間で「ガーリー」と言うだけで興奮していました。写真がメインのポケットサイズの雑誌で、ピンク映画のスチールが多く、ここから性医学系の知識を得ることはやはり難しいはず。

「土曜漫画」も「漫画読本」同様、風俗ガイドや潜入記事などが出ていますから、いまさら精子や卵子がどうしたこうしたなんて話は出てこない。たとえば「アサヒ芸能」や「東スポ」がそんな記事を出すかどうかを考えればおわかりになるかと。

「ルックエンドヒヤー」「あまとりあ」も昭和20年代の雑誌で、これらには性科学系の記事は多数出ていますが、もちろん大人向けの雑誌であり、昭和40年代に小学生が読んで理解できるようなものではない。紙質が悪く、活字も古く、「いやらしいものだ」というくらいの理解はできるとして。
松沢呉一 |  2010年02月22日(月) 05:07 |  URL |  【コメント編集】

●『エロスの原風景』その他は Amazon からの到着待ちなう

>松沢呉一さん
ありがとうございます & レス遅延気味すみません。

『漫画読本』の他に唐沢俊一が名前をあげている『りべらる』、『ガーリー』、『土曜漫画』も同じようなものですよね――とお聞きしようかとも思っていたのですが、『古本マニア雑学ノート 2冊目』の以下の記述を見つけて、それ以前の話ではないかと脱力しております。

『古本マニア雑学ノート 2冊目』 P.138
> エロに興味がなくなったわけではないが、すでに、中学くらいになると、
>エロ本は自分で買い出すヤツが出てくる。もっと積極的に、エロ写真や
>エロ雑誌を通販などで買うヤツも出てくる。こういう連中相手では、せいぜいが
>『漫画読本』あたりからの仕入れでしかない僕の性知識など、子供じみていて、
>お話にならなかった。

『ウラグラ! ベスト・オブ・裏モノの神様』の
>近くの書店が『ガーリー』とか『土曜漫画』などというエロ雑誌を子供マンガの
>横に 平積みしてあり、読み放題

この「エロ雑誌」を小学生の頃から立ち読みしていたんだぜとの自慢とは、だいぶ話が違うのではないかという……。


>性教育、性科学的な内容を入れつつ、エロ本として機能する雑誌や単行本

唐沢俊一の蔵書でいえば『ルックエンドヒヤー』(唐沢俊一いうところの「医者の書く雑誌」が副題の本) がそうなのかなと想像します。

また、唐沢俊一によると、『あまとりあ』などのカストリ雑誌にも、「必ずといっていいくらい、医学博士の文章を載せた。当局に、これは性科学を普及せしめんとする雑誌〈略〉と言い訳をするときのためであろう」(『古本マニア雑学ノート 2冊目』 P.169) とのことです。

このせいで、本文に引用した

>たぶんWは医者のムスコだけに、親の会話などを盗み聞きして、セックス
>という行為が、男性と女性が性器を結合させるということを知識として知った
>のだろう。

などという発想になったのかなとも思っています。よくわからない理屈ですが。
トンデモない一行知識 |  2010年02月20日(土) 02:06 |  URL |  【コメント編集】

●漫画読本

拙著『エロスの原風景』でも「漫画読本」を取りあげていますが、サラリーマン向けの雑誌であり、トルコ風呂のガイド、ハント術など、実践的な記事が多くて、セックスの仕組みを解説するような記事は皆無かと思います。トルコ風呂に行ったり、ハントをするような読者にいまさらそんな記事が必要なはずもなく。
この時代には、性教育、性科学的な内容を入れつつ、エロ本として機能する雑誌や単行本があったのは事実ですが、「漫画読本」のタイトルを出している時点で、ガセだと判断していいのではなかろうか。
松沢呉一 |  2010年02月19日(金) 01:47 |  URL |  【コメント編集】

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