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2010.02.11 (Thu)

A Structure for Deoxyribose Nucleic Acid だけが全てじゃないよのノーベル賞

『史上最大のムダ知識』 P.82

1ページ半の論文で、ノーベル賞を取った科学者がいる。


×1ページ半 ○Nature 誌掲載の約 1 ページ分

http://ja.wikipedia.org/wiki/フランシス・クリック
>生物学に転向したクリックは、たった6年足らずで世界的な論文の執筆者となってしま
>う。1953年に科学雑誌Natureにたった2ページの論文を投稿する(この論文→pdf)。
>DNAの二重螺旋構造を示したこの論文は、古くから知られていた遺伝という現象を、
>具体的な物質的基盤をもった科学的現象である、と決定づけた。その意味で、科学史
>上の記念碑的論文となる。この功績により、論文投稿から9年後の1962年、クリックは
>ジェームズ・ワトソン、モーリス・ウィルキンスとともにノーベル生理学・医学賞を受賞し
>た。


「この論文→pdf」のリンク先 http://www.nature.com/nature/dna50/watsoncrick.pdf
で、実際に Nature 誌に掲載されたものを参照可能だが、雑誌の 2 ページにまたがって
(P.737 から P.738 にかけて) 掲載されているものの、論文の分量としては 1 ページ分
なので、ここではとりあえず 1 ページということにする。しかし、まあ、そもそも語数とかで
なくページ数で表現というのは、あいまいさが残って今イチかも。

参考:
- http://web.archive.org/web/20060108171404/http://www.natureasia.com/campaign/2003-50dna/1.php


『史上最大のムダ知識』 P.83

 ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックが、DNAの「二重らせん構造」
モデルを発表し、ノーベル生理学・医学賞を受賞した論文がそれ。論文の
タイトルも、「デオキシリボ核酸の構造」と、実にそっけない。


受賞者については、モーリス・ウィルキンスのことも忘れないでください――というべきか。
DNA の二重螺旋構造の発見の件で、1962 年にノーベル生理学・医学賞を受賞したの
は、「ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリック」の 2 人だけではない。

http://ja.wikipedia.org/wiki/モーリス・ウィルキンス
>戦後、核物理学から離れ、ロンドンのキングス・カレッジで同僚のロザリンド・フランク
>リンらとともにX線回折によるDNAの構造研究を始めた。ケンブリッジ大学のキャベン
>ディッシュにいたフランシス・クリックとジェームズ・ワトソンは、ウィルキンスらのX線回
>折の写真を参考にして、DNAの二重螺旋構造を推定し、フランクリンを除き、1962年
>にノーベル生理学・医学賞を受賞することになる。X線回折写真の業績はフランクリン
>によるものが大きいが、彼女は1958年に死去している。


http://nobelprize.org/nobel_prizes/medicine/laureates/
> 1962 - Francis Crick, James Watson, Maurice Wilkins

http://nobelprize.org/nobel_prizes/medicine/laureates/1962/index.html で見る、
一番右の写真の人がモーリス・ウィルキンス (Maurice Hugh Frederick Wilkins)。
3 人の写真の下にはそれぞれ「1/3 of the prize」と書いてあるから、名誉も賞金も
等分という解釈でよいのかな。

「ノーベル生理学・医学賞を受賞した論文」という表現も気になる。ノーベル賞を受賞する
のは、あくまで“人”であり論文ではないだろう。それはおいておくにしても、受賞理由が
その論文の発表のみというわけではないと思うし、実際、受賞理由は「核酸の分子構造
および生体における情報伝達に対するその意義の発見」ということになっているようだし。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ジェームズ・ワトソン
>ジェームズ・デウィー・ワトソン(James Dewey Watson, 1928年4月6日 - )は、DNAの
>分子構造における共同発見者の一人として知られる、アメリカ出身の分子生物学者
>である。ワトソン及び、フランシス・クリック、モーリス・ウィルキンスらは、「核酸の分子
>構造および生体における情報伝達に対するその意義の発見」に対して、1962年にノー
>ベル生理学・医学賞を受賞した。


――と、ここで前述の論文 http://www.nature.com/nature/dna50/watsoncrick.pdf
改めて参照して、何だか謎がとけたような気が。そこに著者として名前があるのは、
「J. D. Watson」と「F. H. C. Crick」のみ。つまり、唐沢俊一にとって、1962 年のノーベル
生理学・医学賞の対象は、あくまで Nature 誌掲載の論文のみであり、だからその論文
の著者として名前をつらねていないモーリス・ウィルキンスの名前を、当然のように (?)
抜かしてしまったのではないかという……。


それと、唐沢俊一は「タイトルも、『デオキシリボ核酸の構造』と、実にそっけない」とかも
書いているけど、これもどうかと思った。

論文の題は「Molecular structure of Nucleic Acids」なので、直訳すると「核酸の分子
構造」となる。「デオキシリボ核酸の構造」は、副題 (?) の「A Structure for Deoxyribose
Nucleic Acid」の部分のみを訳したものと思われる。

http://en.wikipedia.org/wiki/Molecular_Structure_of_Nucleic_Acids:_A_Structure_for_Deoxyribose_Nucleic_Acid
> The Molecular structure of Nucleic Acids: A Structure for Deoxyribose Nucleic
> Acid was an article published by James D. Watson and Francis Crick in the
> scientific journal Nature in its 171st volume on page 737-738 (dated April 25,
> 1953).[1]


まあ、日本語訳としては、「核酸の分子構造: デオキシリボ核酸の構造」なんて風には
しないで、「デオキシリボ核酸の分子構造」とかしているところが多いようではあるけど。
ただ、原題を考えると、唐沢俊一のいう「デオキシリボ核酸の構造」で「実にそっけない」
は、何か違うんじゃないかと。

ちなみに、Web Archive に残っているネイチャーのページでは「DNA二重螺旋構造」と
いうタイトルにしていた。


ていうか、唐沢俊一は DNA について語らないでほしいような気がする関連ガセビア:
魚に多いとか、そういう問題ではないと思う < DNA に RNA
チャップリン姉妹といっしょにしていたとすればヒドイ話だけど
相手をよい気分にさせるのが上手なんですね……この社長さんの方が
凍りついた DNA がお前をシビらせるぜと叫ぶ
アーサー・C・クラークを「そんなに読まれていた作家だったか」ってのも、なあ……

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テーマ : 感想 - ジャンル : 本・雑誌

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Comment

>NNT さん
>どんなんだったらいいんでしょうね?

「自然の驚異! DNA 分子構造の謎に迫る」だの「科学最先端――DNA 構造モデルの新しい提案」だのやられても困るような気がしますしね。
まあ好意的に解釈すれば、タイトルに「二重螺旋」とか入れてもいいのに――とかいいたかったのでしょうか。

ちなみに、唐沢俊一と科学雑誌といえば (?) 『UtaN』ですが、『トンデモ一行知識の世界』、『トンデモ一行知識の逆襲』の「初出一覧」を見ると、ワザとガセをタイトルにするというテクニック (?) を使っていたりします。

モロヘイヤを生で食べると大麻と同じ幻覚作用を催す。(『UtaN』1996年4月号)

もっと多いのは、唐沢俊一本人はそのつもりではなかっただろうが、ガセがタイトルになってしまっているパターンですが。

A型の血は甘いので蚊に好まれる。B型はまずいので好かれない。(『UtaN』1996年1月号)
http://tondemonai2.web.fc2.com/155.html

平安時代の薬学者・竹田千継は、毎日クコ飯を食べクコ酒を飲みクコ風呂に入って
いたので、九十七歳になっても髪の毛が黒々としていた。(『UtaN』1996年10月号)
http://tondemonai2.web.fc2.com/674.html
トンデモない一行知識 |  2010年02月11日(木) 11:15 |  URL |  【コメント編集】

>実にそっけない
どんなんだったらいいんでしょうね?科学は本質的な事で探究するもので、そのものズバリの表現の何が悪いんでしょう?しかも端折ったものにそういう評価して。
唐沢氏って本当に理系にお詳しくない。
NNT |  2010年02月11日(木) 09:38 |  URL |  【コメント編集】

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