2017年09月 / 08月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫10月

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑

2010.01.12 (Tue)

女言葉は「だわ」「ですのよ」だけではなくってよ

『地上最強のムダ知識』 P.179

「女ことば」というのも、明治になってからの発生である。それまでの喋り
は、女性も現在の男性と同じ言葉をつかい、まったく差はなかった。
「だわ」「ですのよ」といった言葉づかいは、明治以降、女学校ができて、
そこで教えられたものなのだ。


上に引用した文章って、3 行目の記述しか正しくないような気が……。

「女性も現在の男性と同じ言葉をつかい」だと、まるで江戸時代とかの女性が現代の
男性と同じ言葉づかいと主張しているかのようで論外と思うんだけど、原文ママなんだ
よなあ。

では、江戸時代まで女性は同時代の男性と同じ言葉をつかい――であるならば正しいか
といえば、そういうこともないし。

http://ja.wikipedia.org/wiki/女性語
>江戸時代には、女性の話し言葉には地域や階層により大きな違いがあった。武家や
>町人の間では、「丁寧な言葉遣いを用いる」「漢語よりも和語を用いる」などが女性の
>言葉遣いとして望ましいとされ、また遊女言葉・娘言葉・武家の奥方の言葉など特殊
>な社会で発生した女性語があった。
>現代の日本で一般的に認識されている女性語の起源は、明治時代の有産階級の女
>学生から広まった言葉遣い「てよだわ言葉」である。「よくってよ」「いやだわ」などの言
>葉の流行は、当時は「異様なる言葉づかひ」(尾崎紅葉[1])など文化人の非難の的に
>なったが、結果的には中流以上の女性で女性語として定着してしまう。
>1980年代ごろからは男女ともに「だよ」「だね」「じゃん」といったユニセックスな言い回
>しが好まれるようになり、1970年代以降に生まれた女性の間では女性語の多用はさ
>れなくなった。女性語は現在では中年以上の女性が用いるほかはオネエ言葉に誇張
>された形で残っている。


「だわ」「ですのよ」についても「明治以降、女学校」で流行って広まったというのまでは
よいとして、唐沢俊一の書いているように「そこで教えられたものなのだ」だと、まるで
ごれがお嬢様にふさわしい言葉づかいだと、学校の先生が教えたかのようだ。

しかし、尾崎紅葉が「流行り言葉」に書いたところによれば、もともとは「小学校の女生徒
がしたしき間の対話」に使っていた「異様なる言葉づかひ」。それが「高等なる女学校の
生徒」に伝わって流行り、「貴婦人の社界まで及びぬ」とのこと。女学校で「教えられた
もの」というのは少し違う。

http://www.ne.jp/asahi/nihongo/okajima/huseigo/teyodawa.html
>しかとは覚《おぼ》えねど今より八九年前《..ねんぜん》小学校《せうがくかう》の女生徒
>《ぢょせいと》がしたしき間の対話《たいわ》に一種《いっしゅ》異様《ゐやう》なる言葉
>《ことば》づかひせり。

>  (梅《うめ》はまだ咲《さ》かなくツテヨ)
>  (アラもう咲《さ》いたノヨ)
>  (アラもう咲《さ》いテヨ)
>  (桜《さくら》の花《はな》はまだ咲《さ》かないンダワ)

>大概《たいかい》かゝる言尾《ことばじり》を用《もち》ひ惣体《そうたい》のはなし様《ざ
>ま》更《さら》に普通《ふつう》と異《こと》なる処《ところ》なし前《まへ》に一種《いっしゅ》
>異様《ゐやう》の言葉《ことば》と申《まう》したれど言葉《ことば》は異様《ゐやう》ならず
>言尾《ことばじり》の異様《ゐやう》なるがゆゑか全体《ぜんたい》の対話《たいわ》いつ
>こも可笑《おかし》く聞《きこ》ゆ。五六年|此《この》かた高等《かうとう》なる女学校《ぢょ
>がくかう》の生徒《せいと》もみなこの句法《くはふ》を伝習《でんしふ》し流行《はやり》
>貴婦人《きふじん》の社界《しゃかい》まで及《およ》びぬ初《はじ》めのほどはいつこあ
>りしやしらず今は人《ひと》も耳《みみ》なれてこれを怪《あや》しと尤事《とがむこと》は
>なくあどけなくて嬉《うれ》しとのたまふ紳士《しんし》もありやに聞《き》く。


さて、明治時代より前に男女の言葉づかいに「まったく差はなかった」とは、唐沢俊一は
たとえば江戸時代の花魁の「ありんす」言葉はどう思っているんだろう、男女別でなくて
職業別に言葉づかいがわかれていたのみという解釈なのかとか考えていたら、もしかして
深川芸者のことが頭にあったのかなと思えてきた。

http://shop.kodansha.jp/bc/books/hon/0810/index04.html
> 深川の芸者の出で立ちの特色は、薄化粧で、鼠色など地味な長着に羽織を着てい
>ることで、故に羽織芸者と呼ばれました。羽織は、現代の和装では、男女ともに用い
>ますが、本来は男性のみが着用する衣料です。また深川芸者は、蔦吉とか、桃太郎
>とかいうような男名前(権兵衛名)を名乗り、しゃべり方も男っぽく威勢よく、気立ても
>「意気」と「張り」を看板にしていました。
> 今でこそ、芸者といえば古風な「女らしさ」の体現者としてイメージされますが、深川
>芸者は、男装、男名前、男言葉、気風(きっぷ)のよさというような男粧(おとこなり)男振
>(おとこぶり)を売りにしていたのです。


「『だわ』『ですのよ』といった言葉づかいは、明治以降」という知識と、上記の深川芸者
のイメージが中途半端に頭にあったのが、脳内で化学反応を起こして (?)、ガセビアを
発生させたのではないかと。

スポンサーサイト

テーマ : 感想 - ジャンル : 本・雑誌

21:37  |  その他の雑学本 間違い探し編 (324) +  |  TB(0)  |  CM(9)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

>やまださん
ありがとうございます。_〆(・_・。)^ カキカキ

>「~でござんすわいナ」

確かに、女形の人が「わいナァ~」としゃべる姿が目に浮かびますですね。
素人の悲しさ (?) で、男形 (立役) はそうしゃべらないかと考え出すと、また自信がなくなってくるのが情けないですが。@_@
トンデモない一行知識 |  2010年01月14日(木) 02:37 |  URL |  【コメント編集】

私も専門家でないのですが、とりあえず手元の本をチェックしてみました。(四谷怪談と河内山しか無かったのですが)

「~でござんすわいナ」
「~して下さんせ」
「~でございますかえ?」
「誰が来たのだえ?」

みたいな言い回しは女言葉だと思います。
やまだ |  2010年01月14日(木) 01:24 |  URL |  【コメント編集】

>猫遊軒猫八さん
……しかし、実は私は、セリフだけポンと出されて、これが男言葉、これが女言葉と区別をつける自信はありません (汗)。それこそ誰にでも郭言葉とわかるようなやつとか、偉いお武家様っぽいやつとかは別として。身分や職業による差の方が目立つという発想が、唐沢俊一にもあったのかもしれません。

>NNT さん
そういえば、唐沢俊一の「お富さん」ネタって何かなかったっけと捜したけど見つかりませんでした。これ↓はまた別だし……。
http://www.unkar.org/read/love6.2ch.net/books/1252388397
トンデモない一行知識 |  2010年01月13日(水) 23:06 |  URL |  【コメント編集】

●歌舞伎ネタから

『昔は良かった』人のくせに、肝心の昔にちっとも詳しくないですよね、唐沢氏。
比較的近年まで歌舞伎がごく当たり前の教養以前の教養であったという証拠
『お富さん』
って歌、知らないのかもしれませんね、懐古厨ぶるくせに。
NNT |  2010年01月13日(水) 20:13 |  URL |  【コメント編集】

●里言葉

ああー唐沢は里言葉とむかしの言葉の区別がついて無いんですね。
古典落語とかお芝居をよく見に行ってる割りにはお粗末ですね。
猫遊軒猫八 |  2010年01月13日(水) 19:35 |  URL |  【コメント編集】

>やまださん
どうもです。唐沢俊一はときどき歌舞伎をネタにするのですが、何か悪い意味で独創的なことを書く人でもあるので……。

http://tondemonai2.web.fc2.com/580.html
http://tondemonai2.web.fc2.com/654.html

あまり数をこなしているとは思えない (私も他人のことはいえませんが)、たまたま見たのが深川芸者もので強く印象に残っていたとか?
トンデモない一行知識 |  2010年01月12日(火) 23:39 |  URL |  【コメント編集】

>藤岡真さん
> 江戸時代の武家で、妻女が「きみは何時になったら、登城するんだ」と言って
>いたか。大店の娘が「こう景気が悪くっちゃ、やってらんねーよ」と言っていた
>のか。

そういうことになりますよねえ。でも、何度見直しても、「女性も現在の男性と同じ言葉をつかい」と書いてあるのですよ。私も入力するまで気がつかなかった箇所なのですが……。

で、この『地上最強のムダ知識』 (2007 年) は、全体的に見て、唐沢俊一の雑学本の中で一番マトモなことが書いてある本だと思います。いや、マジで。Wikipedia 等、比較的信頼できる資料からもってきているなと思われる箇所が多いです。これで細かい劣化コピーの発生や唐沢俊一自身の妄想混入さえ抑止されていれば、普通の雑学本になっていたと思います。
トンデモない一行知識 |  2010年01月12日(火) 23:13 |  URL |  【コメント編集】

普通に歌舞伎を観れば、判ることのはずのことですよね。
ありんす言葉じゃなくても、武家の奥方言葉とか。

確か日記では、歌舞伎観劇をしたこともあったんですけどね。
やまだ |  2010年01月12日(火) 23:13 |  URL |  【コメント編集】

●正気か? いや分かってるけど

>それまでの喋りは、女性も現在の男性と同じ言葉をつかい、まったく差はなかった。

 明治以前の女性は「現在の男性と同じ言葉をつか」っていたって?
 江戸時代の武家で、妻女が「きみは何時になったら、登城するんだ」と言っていたか。大店の娘が「こう景気が悪くっちゃ、やってらんねーよ」と言っていたのか。もはや、脳梅かなんかでくたばった薬中お筆先。
藤岡真 |  2010年01月12日(火) 22:14 |  URL |  【コメント編集】

コメントを投稿する


 管理者だけに表示  (非公開コメント投稿可能)

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://tondemonai2.blog114.fc2.com/tb.php/360-f17c17a5

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。