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2009.03.06 (Fri)

この本では、『ナニワ金融道』や『ミナミの帝王』への言及はない

『トンデモ一行知識の逆襲』 P.84

去年、マスコミを騒がせた日栄の事件で、取り立てマンが、
「金が返せんのやったら角膜売れ、腎臓売れ」
 とスゴんだ、という話で、日本の臓器売買の裏事情が一気に世間に
知れ渡ったが、あのときの“角膜と腎臓”というセリフは、単なるおどし
以上の、何ともリアルな迫力があった。なぜなら、このふたつは実際に
今、行われている人体臓器売買の主要製品だからである。
 なぜかというと、まずこれらは日もちする、という理由がある。さして
複雑な働きをする臓器ではないので、体から取り出してしばらく低温で
保存しておいても、移植にそれほど差し支えがない。
 肝臓や心臓は生きている体から体への移植が必要で、それが欲し
ければ脳死状態の体をまるごと買うか、売り手が自分で手術現場に
おもむかなければならない。そのぶん、売り方がむずかしくなるわけ
である。保存状態での流通が容易、というのは生鮮ヒット商品の条件
と言われているが、まさに角膜と腎臓はその条件を満たしているわけ
である。
 裏経済とはいえ、ヒット商品としての条件でいけば、腎臓はマグロや
甘エビとまったく同一なのである。


唐沢俊一は「日もちする」、「保存状態での流通が容易」としか語っていないが……。

取り立てマンが「角膜売れ、腎臓売れ」とおどすことは多いのは、角膜や腎臓が人間の
体には 2 つあって、1 つがなくなっても生存可能なことが大きな理由ではないか。

http://tateiwa.kir.jp/b1990/9906ok.htm
>腎臓移植は臓器移植として最も早くから行われており(図3-1)、一九五〇年代から
>すでに成功例の報告がある。その理由として、腎臓は右、左と二つあり、片方を病気
>などで摘出しても十分な機能が残るため、生きている人からもらえるという利点があっ
>た。


心臓を売れとまでいくともう、死亡保険で金を払えと脅すのと同レベルだしなあ。

あれ、でも、唐沢俊一は、「肝臓や心臓は生きている体から体への移植が必要」なので
「そのぶん、売り方がむずかしくなる」とも書いている……臓器売買ではないかと問題に
なりやすいのは、むしろ生体腎移植を含む生体臓器移植の方だと思うけど。

http://www.asahi.com/international/update/0429/TKY200804290188.html
> 【マニラ=木村文】フィリピンのドゥケ保健相は29日、外国人への生体臓器移植を
>原則禁止する方針を発表した。同国では非血縁者からの生体腎移植が腎移植全体
>の6割以上を占め、受け手の大半が日本人を含む外国人患者。外国人への腎移植
>が臓器売買を助長していると認定した形だ。
〈略〉
> 高い需要に応じようと、国内では悪質な仲介者による臓器売買が横行。一方で、
>非血縁者へ腎臓を提供する人(ドナー)に、民間支援団体を通じて謝礼を支払うのは
>合法で、「売買」と「謝礼」の区別がきわめてあいまいになっている。このため闇取引
>以外に、経済的理由から合法的に腎臓を提供する貧困層のドナーも後を絶たず、事
>実上の臓器売買と批判が出ていた。今回の禁止は、売買と謝礼の両方の道を閉ざす
>ことになる。


臓器ではないが輸血も生体移植のひとつで、そういえば昔の日本では、売血というのが
流行ったとも聞く。

http://ja.wikipedia.org/wiki/移植_(医療)
>生体移植:生きているドナーから提供されること。
>死体移植:死亡したドナーから提供されること
> 脳死移植:ドナーが脳死と判断された後に臓器等を取り出すこと。
> 心臓死移植:ドナーの心停止後に臓器等を取り出すこと。
>対象
>腎臓、膵臓、角膜、骨、脂肪、皮膚および組織は心臓死移植が可能である。生体移植
>の例として、生体腎移植、生体肝移植、生体肺移植、生体膵移植、骨髄移植などが
>あるが、輸血は最も一般的で広く行われている代表的な生体移植の一つである。


唐沢俊一は「肝臓や心臓は生きている体から体への移植が必要」とややこしい言い方
をしているが、たぶん上の分類でいう「心臓死移植」以外の「死体移植」、つまり「脳死
移植」のことを、「生きている体から体への移植」と表現しているのだろう。肝臓の方に
は、よく耳にする生体肝移植というのもあるけど、心臓の「生体移植」はないので。

もしかして唐沢俊一って、脳死移植のことは頭にあっても、生体移植の方は念頭にない
のではないかという疑問もわくけど。

唐沢俊一が「売り方がむずかしくなる」理由にあげている、「売り手が自分で手術現場に
おもむかなければならない」というのも、考えてみればよくわからない。

売り手というのが臓器を提供する本人のことをさすなら、臓器の日保ちや「保存状態での
流通」の容易さは関係なく、その人間の体を手術現場に運ぶことは必須のはず。意識が
ある状態かそうでないかはどちらでもよいだろうから、必ずしも「自分で手術現場におも
む」かなくてもよいとは思うが。買い手つまり臓器を提供される側なら、施設を移動する
際の体力の消耗に気を使う必要もあるだろうけど、健康体の売り手の方ならさほど考慮
する必要はないだろう。

いや心臓や肝臓などの場合に「自分で手術現場におもむ」く以外の選択肢が、「脳死
状態の体をまるごと買うか」だから、ここは売り手イコール臓器売買業者と考えるべきか
――とも思ったけど、そうすると今度は、「脳死状態の体をまるごと買う」場合以外には、
その臓器売買業者は、なぜ「自分で手術現場におもむかなければならない」のかが、
わからなくなる。

で、まあ、そんな唐沢俊一のいう「ヒット商品としての条件でいけば、腎臓はマグロや
甘エビとまったく同一」という結論 (?) がマトモなものなら、むしろ不思議ということで。
だいたい腎臓の場合は、マグロや甘エビと違って、適合性だの拒絶反応だのという
問題だってあるし。

最初に言及したように、唐沢俊一が「生鮮ヒット商品の条件」――臓器のことを「生鮮
ヒット商品」と表現するセンスを疑うが――としているのは、「日もちする」、「保存状態
での流通が容易」のみである。

確かに角膜や腎臓の保存期間は他の臓器よりやや長めだけど、腎臓の「48~72時間」
という保存期間は、そんなに長期間ではないし、「保存状態での流通が容易」といえる
ほどのものではない。

http://www.j-tokkyo.com/2008/A01N/JP2008-037824.shtml
>単離された強角膜は、角膜鑷子で強膜部分を支持し抗生物質で洗浄後、生理食塩水
>で洗浄し、強角膜保存液と共に強角膜保専用の滅菌されたスターチェンバーに角膜
>上皮細胞側を下向きにして置き素早く蓋をして封印する。検査、評価された後に4℃
>の冷蔵庫内で保存される。この際に保存された強角膜切片が決して凍結、あるいは
>+8℃以上の状態にならないように調節される。作成された強角膜切片は、滅菌され
>た強角膜切片保存瓶中で、保存液を満たして4℃で保存される。強角膜切片は4℃
>の保存液中に保存され、角膜の状態が検査された後に冷蔵庫で4℃保存される。保
>存された強角膜は全層角膜移植の場合、提供者の心停止より168時間以内に移植さ
>れなければならない。


http://www.medi-net.or.jp/tcnet/tc_2/2_1.html
>脳死ドナーからの多臓器(心臓・肝臓・腎臓)摘出
>  ドナーの脳死が確認された後、心臓が動いている状態で開腹し、臓器を流れる主
>要な血管からカテーテル(チューブ)を入れ、保存液を注入する準備をする。準備が完
>了すると冷却保存液を注入し、それによって心臓が停止する。保存液の灌流は、心臓
>と、肝臓・腎臓・膵臓の2系統で行い、臓器の中の血液を洗い出して血液が中で固ま
>らないようにする(図2)。 また臓器を冷却すると代謝が抑えられるので、血液が流れ
>なくても臓器が傷まない。現在、臓器の保存時間は、心臓が4時間、肝臓が20~24時
>間(実際には15~18時間以内が望ましい)、腎臓が48~72時間となっている。


ついでにいえば、マグロはマグロで、他の魚類と比べて日保ちがするといえるかどうか。
より低温で保存することが要求されるから、「流通が容易」とはいいにくい。

http://www.japantuna.net/voice/voice02.html
>魚艙での保管(保冷)温度は、-60℃以下。魚艙内の温度のムラ、運搬船への積替
>えや水揚げ時外気に触れてマグロの温度が上がることを考えると低ければ低いほど
>良い。
〈略〉
>マグロ肉は1ヵ月程度の短期間であれば、他の魚種の通常の冷凍貯蔵温度である
>-20~-30℃程度でも赤いきれいな肉色を保つが、冷凍が半年以上の長期にわたる
>と褐色に 変化してしまう。これは肉色素のミオグロビンが酸化によりメトミオグロビン
>を生成 するためであり、風味や栄養価にほとんど影響がなくとも商品価値は著しく
>損なわれ、価格も著しく下落する。


だいたい、どんなに日もちしようが保存状態での流通が容易であろうが、需要が多くないと
「ヒット」にならないといえるわけで。

臓器移植の需要を移植待ちリストの長さではかるとすれば、腎臓が他を引き離して
需要が多いということができる。

http://www.jotnw.or.jp/datafile/index.html
>【現登録者数】
>平成21年3月2日現在(毎月更新)心臓・肺・肝臓・膵臓・腎臓・小腸の移植を希望して
>日本臓器移植ネットワークに登録されている方の状況です。

>         心臓  肺  肝臓 腎臓   膵臓  小腸
>現登録者数  122  116  241 11,889  157   1


これはおそらく、移植の歴史が長いことと、人口透析をしながら移植をまつことが可能
(そして拒絶反応が出たら人工透析にもどすことも可能) なためではないかと思うけど、
それにしても、すごい数。

http://tateiwa.kir.jp/b1990/9906ok.htm
>このように腎臓の場合は、まったく働かなくなっても人工腎臓による透析治療を週二~
>三回反復すれば生きていける。従って移植の登録をしておき、長時間にわたって腎提
>供を待てるという利点がある。


http://www.i-chubu.ne.jp/%7Ektakada/patient/rifer.html#11
> 現在あなたが選択された腎移植療法は、いつでもあなたの自由意志でこの腎移植
>療法(腎移植免疫抑制療法)を中止し透析療法に戻ることができます。また、移植免
>疫抑制療法などの治療法の変更の必要があるときは、医師が十分にあなた(および
>家族)にその理由を説明し、了承を得た上で行います。


http://ja.wikipedia.org/wiki/腎移植
>日本においては、1956年に腎臓、1964年に肝臓の移植が初めて行われた。
〈略〉
>1979年、「角膜及び腎臓の移植に関する法律」が成立し、心臓死移植に関する法律
>が整備された。この法律によって、家族の承諾により、死後の腎臓および角膜の提供
>が認められるようになった。以後、心臓死下の腎臓移植が毎年150~250件、角膜移
>植が1600~2500件行われるようになった。


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09:24  |  『トンデモ一行知識の逆襲』間違い探し編 (138) +  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

http://masanox3.blog23.fc2.com/blog-entry-2106.html
の上の方の動画には昭 58年というテロップがついているから……1983 年?
下は昭和59年の1984年ですね。

しかし、暴れるだけならまだしも (?)、これ↓のようにコケられると、何か見ていて困ります。
http://subaru39.tripod.com/home/sagi/sugi.html

それはともかく、『ナニワ金融道』や『ミナミの帝王』って、この人に影響を受けているのかな、でも何年も経ってからというのは、ちょっと間が空き過ぎかな、などと考えたり。

唐沢俊一の場合は時空を超越しているので、『トンデモ一行知識の逆襲』 (2000年) からみて 15 年前に旬だったのネタを、あたかもリアルタイムで起きている話のように書くくらいは、お手のものでしょうけど。

例: http://tondemonai2.web.fc2.com/29.html
http://tondemonai2.web.fc2.com/43.html
http://tondemonai2.web.fc2.com/140.html
トンデモない一行知識 |  2009年03月07日(土) 00:04 |  URL |  【コメント編集】

●腎臓といえば

はじめまして。
「腎臓売れ!」といえばサラ金王の杉山治夫とミッキー安川のワイドショーでの攻防を思い出します、1984年頃じゃなかったでしょうか。杉山会長がスタジオにビーカーに入った腎臓らしき臓器を持ってきたこともありましたね、本物かどうかは今となっては不明ですが。唐沢さんはこの辺の話と混同してるんじゃないでしょうか?
おっとっと |  2009年03月06日(金) 20:20 |  URL |  【コメント編集】

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