2017年05月 / 04月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫06月

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑

2009.11.28 (Sat)

『笑うクスリ指』の使い回しとガセの豪快さにクスクスと

ここここなどでも話題にしている唐沢俊一の使い回し問題について、以前から不思議
に思っていたことがある。

まあ、他人様の文章をパクるよりは、セルフパクリの使い回しの方がどれだけマシかと
いえないこともないが、同じようなネタを何度も読まされる読者の身にもなってみろとも
思う。特に、先に出たのが唐沢なをきと組んだマンガ本だった場合、完全なセルフ劣化
コピーとなってしまうことが常であり、「金を出して買って損した」という心理的ダメージ
は、さらに無視できないものとなりそう (ここを参照のこと。また、別エントリーでもいずれ
やりたいかな、と)。

それはともかく、前から「これってアリ?」と疑問に思っていたのが、A という雑誌に掲載
したコラムを B という単行本に収録し (ここまでは無問題)、それとほとんど同じような
文章を、C という雑誌に載せて D という単行本に収録するというのは、原稿の二重売り
とはみなされないのか――ということ。


たとえば、幻冬舎から 2002 年に出ている『笑うクスリ指』という本がある。P.222 には、

初出『愛生会月報』 1995年4月号~2000年9月号(秋山愛生館~スズケン刊)

と書かれているので、元はすべて『愛生会月報』という雑誌に連載されていたコラムと
考えてよいだろう。唐沢俊一の「あとがき」によると (P.221)、

札幌の医薬品卸売会社『秋山愛生館』(現スズケン)の「愛生会月報」に、
一九九五年四月から二〇〇〇年九月まで連載していたコラムをまとめた
のがこの本である。

とのこと。

そして、『笑うクスリ指』の「ビバ!香港」 (P.16 ~ P.18) は、『トンデモ一行知識の世界』
(1998 年刊) の「中国人はクスリをお湯に溶かしてからのむ」 (「硬いオブラートは神様へ
の捧げもの
」のエントリーに一部引用) を少し短くしたような感じである。

『トンデモ一行知識の世界』の方は、『愛生会月報』掲載のコラムに加筆修正をしたもの
かと思ったら、そうではない。こちらの「中国人はクスリをお湯に溶かしてからのむ」は、
『トンデモ一行知識の世界』の「初出一覧」 (P.222) には「UtaN 1996年6月号」と書かれ
ている。

また、『笑うクスリ指』の「ダイエット本」 (P.115 ~ P.117)、「悪食のサル」 (P.115 ~
P. 117) は、『トンデモ一行知識の世界』 P.204 の「人間はもともとでんぷんを消化吸収
できない体質の動物である」に、しっかり使い回されている。『トンデモ一行知識の世界』
によると、初出は「UtaN 1996年3月号」とのこと。

それだけではない。『笑うクスリ指』「薬用酒の話・その1」 (P.136 ~ P.138)、 「薬用酒
の話・その2」 (P.139 ~ P.140) の内容は、2000 年に出た『トンデモ一行知識の逆襲』
の「平安時代の薬学者・竹田千継は、毎日クコ飯を食べクコ酒を飲みクコ風呂に入って
いたので、九十七歳になっても髪の毛が黒々としていた。」 (P.104 ~ P.109) に、豪快
に使い回されている。あきれたことに、マムシにかまれて命を落とした男性への理不尽
な揶揄 (ここを参照のこと) で文章をしめくくる構成まで同じである。

『トンデモ一行知識の逆襲』に収録されている分については、以前、「クコ寝クコ飯クコ湯
が大好きだった……わけではない
」と「ニガヨモギが材料のベルモットを多くしたマティー
ニはスウィート
」のエントリーに書いたことがある。こちらの初出も『愛生会月報』ということ
になっていない。「UtaN 1996年10月号」が初出ということになっている。


上にあげたものと比べると、使い回し度はそんなに高くないが、ガセ度、トンデモ度が
いっそ見事といえるほど高いものとして、『笑うクスリ指』の「南方セックス文化」 (P.148
~ P.150) ――「で、どの時代のヨーロッパ人にとって「革命的」だったって?」を参照のこと
――と、『裏モノの神様』 P.31 ――「月刊『現代』の座談会は『性の人類学シンポジウム』
だった!
」というものもある。後者は、『週刊アスキー』誌上での連載をまとめたもの。

2 度の雑誌掲載、2 度の単行本収録にあたっても、チェックをくぐりぬけ、堂々と活字に
なったというのもスゴい。まあ、これは、唐沢俊一が、故意か能力不足のせいかわから
ないが、不正確な引用元表示をしているせいもあるのだろうけど……。


その他、部分的なネタかぶりをあげていくとキリがないが、「季語にもなった『うどんや風
一夜薬』だそうな
」のエントリーに書いたことのある、「『うどんや』にある『風(かぜ)』が
『一夜』で治るお『薬』」という名前の由来が、唐沢俊一にかかると「熱いうどんでも食べ
て、はよ寝なはれ」となってしまう件 (「自家薬籠中『クスリ』ねた」も参照のこと)。

これと、『トンデモ一行知識の逆襲』の P.162 にも書かれていることを比べてみると、
以下に引用の通りとなる。

『笑うクスリ指』 P.41

 私が好きなのは『うどんや風一夜薬』というやつ。メーカー名も『うどんや
風一夜薬本舗』と、いたってシンプルだ。大阪のメーカーで、昔から大阪で
風邪をひいた人にかける言葉の、
「熱いうどんでも食べて、はよ寝なはれ」
という文句からとって薬と会社の名にしたのだそうだ。


『トンデモ一行知識の逆襲』の P.162

 見るたびに微笑するのが「うどんや風一夜薬」というやつだ。メーカーも
「うどんや風一夜薬本舗」といたってシンプル。昔から大阪で風邪をひいた
人にかける言葉の、
「熱いうどんでも食べて、はよ寝なはれ」
という文句からとって薬と会社の名にしたのだそうだ。



『笑うクスリ指』の方の初出は『愛生会月報』なのに対し、『トンデモ一行知識の逆襲』の
方は「『ナンプレファン』 2000年2月号」が初出となっている。『トンデモ一行知識の逆襲』
のコラムに含まれる、その他のガセビア (ここここを参照) は、『笑うクスリ指』のコラム
には書かれていないだけ、まだマシかもしれない。『薬局通』では「首から上のくすり」と
やらかしている (ここを参照) けど、『笑うクスリ指』ではなぜか正しく「首より上の薬」と
していたりもする。

ということは、『笑うクスリ指』は幻冬舎から出ているだけあって、少しは校閲のチェックが
入っているとか……チェックしきれなかった分も多いみたいだけど。

『笑うクスリ指』のその他のガセビア
窒素固定菌って人間の体内でどう働くの?
唐沢俊一 (非専門家) のご利用も控えた方がいいのでは
カツオにカラシもいけそうな気がします
鰹にカラシの文化も伝承する相手を間違えると忘却される、とか?
宗教も煙草も麻薬である
魚に多いとか、そういう問題ではないと思う < DNA に RNA
お茶の代わりに酒を出すお得意先?
漱石の最後の言葉は「ありがとう」という説も
学者によるピロートークの収集方法も不明
「腸」の読みはひとつじゃない
ソバカスは青春のシンボルと、どこかが CM 流せば別かもね
ボディビルで精神崩壊したのは三島由紀夫の方じゃない
厳格な菜食主義と乾燥からコーンフレークが生まれた……のか?
殻内部の中心部分の液状胚乳がココナッツジュース
統合失調症のタヌキが毎日のように轢死という珍説
醤油がありさえすれば? しょうゆうものではないでしょう
風邪のときにコーラを飲むという民間療法もあったっけ
結局「チャネリングをテーマにした作品」って何だったんだろう


その他の使い回し関係 (多分ごく一部)
世界の超リッチ (1) - ペットのワニ用浴槽か浴室
世界の超リッチ (2) - ジムまではヘリコプターで
世界の超リッチ (3) - 落ち葉は中央ヨーロッパ産
世界の超リッチ (4) - 五千キロの旅と肉
世界の超リッチ (5) - 小遣いで広告代理店
セルフ劣化コピーの国旗ネタ
お願いだから食物としての羊を大切に使いましょうよ
人間以外の動物だって時間と手間かけて子育てするよ
1996 年の超誤読と 1998 年のパクリそして使い回し
潮健児のマントの陰に隠れるわけにもいかないヒロポンのネタ
チベットもウガンダも似たようなもんという大胆な使い回し
シェーンバインはエプロンを白衣の代わりにはしなかった

スポンサーサイト

テーマ : 感想 - ジャンル : 本・雑誌

22:04  |  資料編 (14) +  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

コメントを投稿する


 管理者だけに表示  (非公開コメント投稿可能)

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://tondemonai2.blog114.fc2.com/tb.php/308-4e18b0fa

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。