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2009.09.29 (Tue)

いなくてよかった病気の子ども、いなくて残念金持ちの父

『トンデモ一行知識の世界』 P.130

 ほかにもこのロックフェラー一世には、ホテルの一番安い部屋を予約して、
「息子さんはいつも最高級のお部屋にお泊まりになりますが」
 と言われ
「ああ、彼には大金持ちの親父がいるからな。だが、わたしにはいないんだ」
 と言った、というエピソードもある。してみるとロックフェラー二世は浪費家
だったらしいが、だからと言って親の財産をくいつぶしたという話も聞かない
し、このエピソードからすれば、むすこの無駄遣いを親がとがめた風もない。

チップを払う習慣がある国ではいろいろ大変?」で引用した文の次に続くエピソード。
そちらのエントリーでも言及したが、ロックフェラー二世は一世よりもケチじゃないかと
いうエピソードが複数個伝わっているので、これはロックフェラーの話とは違うのでは
ないかと。

http://query.nytimes.com/mem/archive-free/pdf?_r=1&res=9E01E3DF1E39E333A25756C0A9609C946196D6CF
> Young Mr. Rockefeller dislikes to tip. He does it, but with a painful effort.

http://nobee.jefferson.lib.la.us/Vol-142/07_1905/1905_07_0106.pdf (HTML)
> ROCKEFELLER TIPS BARBER
> John D., Jr., Shows His Appreciation of a Haircut in Pecuniary Manner.
> New York.―John J. Phelan, a barber, formerly employed at the Standard Oil
> company's building at 26 Broadway, is the only person ever known to have
> received a tip from John. D. Rockefeller,
〈略〉
> A hearty laugh came from his friends as he held Rockefeller's tip before them. It
> was a five-cent piece.
> "I will keep it forever," Phelan said.
> Accordingly he has had the nickel framed and decorated it with the following
> inscription: "John D. Rockefeller, Jr.'s. one best tip."
> The framed nickel is hung in the parlor of Phelan's home in Brooklyn.


試しに、「息子 最高級 大金持ちの親父がいる」でググってみると、ネット上には、
これ↓のコピーが、かなりの数存在している。

http://2channel2.blog32.fc2.com/blog-entry-448.html
>537 : 節分草(千葉県):2009/07/18(土) 02:56:56.76 ID:lkiba6KF
>ある大金持ちがホテルへ行き、一番安い部屋を予約した。
>すると支配人は、
>「 息子さんはいつも最高級の部屋にお泊まりになりますが? 」
>と言われたが大金持ちは一言、
>「 ああ、彼には大金持ちの親父がいるからな。 だが、私にはいないんだ 」


「支配人は」は、「支配人に」の間違いじゃないかと思うが、唐沢俊一の書いた文章では
ないので、おいといて。ロックフェラーうんぬんを抜きにしたエピソード自体は、唐沢俊一
の文章より前に見かけた覚えもあるものなので、「2009/07/18(土)」より前のものはない
かと捜してみると、こういう↓のも。

http://hobby2.2ch.net/owarai/kako/1024/10241/1024160193.html
>アメリカンジョーク大好き
〈略〉
>371 名前: 名無し職人 投稿日: 02/08/24 19:16
>ある大金持ちがホテルへ行き、一番安い部屋を予約した。
>すると支配人に、「息子さんはいつも最高級の部屋にお泊まりになりますが」
>と言われたが、大金持ちは一言、
>「ああ、彼には大金持ちの親父がいるからな。だが、私にはいないんだ」


こちらは、助詞の乱れもなしで、アメリカン・ジョークというのにも納得できる。でも、日付
は 2002 年 8 月で、1998 年の『トンデモ一行知識の世界』よりも新しい。

参考URL (Web Archive で 2004 年までは遡れる「アメリンカンジョーク」のページ):
- http://yellow.ribbon.to/~joke/0001.html

では、オリジナルが唐沢俊一の文章で、それがネット上のあちこちに広まったのかと思う
には、「ロックフェラー」等の入っているバージョンが見あたらないのが、ふに落ちないし。

そして、英文の資料の検索も試みたのだけど、ジョーク / ジョーク以外ともに、うまく捜せ
なかったので、不明点を残しつつも、いったんアップ。
誰か何か知っている人がいないかなあ……と他力本願なことを考えつつ。(_ _);


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テーマ : 感想 - ジャンル : 本・雑誌

01:01  |  『トンデモ一行知識の世界』間違い探し編 (215) +  |  TB(0)  |  CM(8)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●逸話まゆみ

>tochica さん
はじめまして。(_ _) ありがとうございます。# わあい、ここにもたくさん。

この件については、皆様にあれこれ教えていただけたことに非常に感謝すると同時に、ホテルにこだわって検索していたのは失敗だったなと反省中です。考えてみれば、
http://tondemonai2.blog114.fc2.com/blog-entry-218.html
のときも、レストランの話を捜していたら、別荘が舞台だったのかよっというオチだったのでした。

で、ご紹介いただいたリンクのうち、一番古いのがこれ↓の 1883 年ということですかしら。

http://paperspast.natlib.govt.nz/cgi-bin/paperspast?a=d&d=NEM18830512.2.12&l=mi&e=-------10--1----0-all
> Nelson Evening Mail, Rōrahi XVIII, Putanga 122, 12 Haratua 1883, Page 3


となると、ロスチャイルドの逸話が元ネタという可能性がぐんと高まる気が。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ロスチャイルド家
によると
> Salomon Mayer Rothschild (1774–1855)
なので、時代的にも近い……といっても、死後 30 年後ですが。

ロックフェラーの方は、本文に書いたように、息子の方がケチという話が頭にあったので、ちょっとナシではないかと思っていましたが、

http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,866951,00.html

のように "My daughter," をもってきてもらうと、なるほどこれなら設定の矛盾もなくてよい (←ちょっと違う) と思いました。その点、

http://www.efectcapital.ro/lectia10.php

には、納得いかないなと思ったりしてます。


逸話というのも、真偽を調べてみると、悩ましいものが多いかなと思っています。ちゃんとした (?) 歴史上のエピソードと信じていたら、実は作り話だったらしいと後で聞いたり。「ああ、彼には大金持ちの親父がいるからな。だが、私にはいないんだ」の話は、とある大金持ちの話とした方が、お話としての出来がよくなる気がしますが、他の誰でもない、あの人がいったからこそ面白いという「逸話」も存在するでしょうし……。

で、お話としての出来を考えると、

>ホテルの一番安い部屋を予約して、
>「息子さんはいつも最高級のお部屋にお泊まりになりますが」

というアレンジは、チップの習慣もなく道ばたの乞食をあまり目にすることのない日本人向けには、すぐれたアレンジとなっているように思えます。これが唐沢俊一の「仕事」だったとすると、「ロックフェラー一世」と「息子」が登場人物の雑学ネタにしてしまうのは、何てもったいないことを――と思います。

まあ、もっとありそうに思うのは、どこかに、
>ある大金持ちがホテルへ行き、一番安い部屋を予約した。
>すると支配人に、「息子さんはいつも最高級の部屋にお泊まりになりますが」
>と言われたが、大金持ちは一言、
>「ああ、彼には大金持ちの親父がいるからな。だが、私にはいないんだ」

というのがあって、それを唐沢俊一が劣化コピー&ガセビア化したという話ですが。

逆に、唐沢俊一の文章が元ネタで上記引用の方がそのアレンジだとしたら、アレンジした人はセンスよいなと思ったりしています。
トンデモない一行知識 |  2009年10月03日(土) 12:10 |  URL |  【コメント編集】

トンデモない一行知識さん、はじめまして。唐沢俊一検証blogから来た者です。ときどきあちらにコメントしております。

さて、今回トンデモない一行知識さんが書かれている件ですが、これは一般的にネイサン・ロスチャイルドの“逸話”として知られているものだと思います。

通常はロスチャイルドがタクシー運転手にチップを渡したときに
「息子さんはこの何倍もくださいますが」と言われ
「やつには金持ちの親父がいるからな。わしにはおらん」
と返したという“事実”として紹介されています。細かい点の異同はありますが。
ネット上でも↓のページなどで紹介されています。
http://www.mr-oscar-wilde.de/interactive/walks/mayfair.htm
http://www.trinityurcvisalia.com/sermons/ps062v02.html
http://paperspast.natlib.govt.nz/cgi-bin/paperspast?a=d&d=NEM18830512.2.12&l=mi&e=-------10--1----0-all

ただ、調べてみるとロックフェラーの発言として紹介されている場合もあるようです。
http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,866951,00.html
だおさんの紹介されている乞食のジョークに似た話も、ロスチャイルドでなくロックフェラーの逸話として紹介されていました。
http://www.efectcapital.ro/lectia10.php
ロスチャイルドとロックフェラーを混同するのはありそうなことですが、実際にどちらの話であるか確証はありません(私自身がロスチャイルドの話として認識していただけで)。

いずれにしろ、唐沢氏はこの手の文章を英文か日本語訳で見かけたのでしょう。
唐沢氏の文章はホテルの話に変わっただけであまりディテールがないので、それこそ一行知識としてどこかに書いてあったものかもしれません。

元々はまずよく知られた(よく出来た)逸話として流通し、それがジョークとして一般化する経緯を辿ったのではないかと推察します。
tochica |  2009年10月02日(金) 04:22 |  URL |  【コメント編集】

>WOO さん
ありがとうございます。

http://www.awordinyoureye.com/jokes31stset.html

何か、この手のページは、いったん読み出すと、なかなかやめられなかったり。^_^; 正直、全部が全部、当たりとまではいいにくいんですけど、でも面白いです。#721、#730 あたりは、定番かしらと思いました。


>Shin さん
>大富豪のホテルのジョークは元ネタがあり(ロックフェラーでも
>ロスチャイルドでも)、それを夏坂氏が自著のテーマ向けに改竄
>したんじゃないか

私もそんな気がしています。

前回のコメントで、「今まで私が唐沢俊一に抱いていたイメージを変えなければいけないかも。」と書いたのは、唐沢俊一が元ネタにしたのが夏坂氏の文章のようなものだったり、英文を元に唐沢俊一が自力で翻訳したのだったりしたら、私は今まで唐沢俊一の文章力をあまりに過小評価していました、すみません……と謝るべきかもと思っているためで。丸パクリでも劣化コピーでもない「仕事」をすることもあるんだなあ、と。

本文に引用したロックフェラー抜きのバージョンが先にどこかにあって、唐沢俊一は、「」の中は丸パクリ、地の文はやや劣化コピーさせて使った――というのなら、私が唐沢俊一に抱いていた (抱いている) イメージそのままなのですけど。

トンデモない一行知識 |  2009年10月01日(木) 00:37 |  URL |  【コメント編集】

こちらにも似た話がありました。
ユダヤジョークです。

http://www.awordinyoureye.com/jokes31stset.html
>(#723) The shnorrer
>A shnorrer knocked on the door of a house in Golders Green.
>“What do you want?” said the owner.
>“Can you spare some money to help a poor person?” said the beggar.
>But as soon he was given a few coins and told to go on his way, the beggar complained, “Your son gave me twice as much when I called here last week.”
>“Well, my son can afford to,” said the owner, “he has a very rich father.”

私も
>たぶんこの「ケチな大金持ち」パターンのジョークは昔からあるものが、
>語り手や時代によって無名になったり個人の話になってきたのではない
>でしょうか?
に賛成です。
WOO |  2009年09月30日(水) 10:32 |  URL |  【コメント編集】

>今まで私が唐沢俊一に抱いていたイメージを変えなければいけないかも。

うーん。
あくまでも想像ですが、大富豪のホテルのジョークは元ネタがあり(ロックフェラーでもロスチャイルドでも)、それを夏坂氏が自著のテーマ向けに改竄したんじゃないかと思えるんですがねえ。
Shin |  2009年09月30日(水) 07:44 |  URL |  【コメント編集】

>Shin さん
>だお さん
ありがとうございます!

>たぶんこの「ケチな大金持ち」パターンのジョークは昔からあるものが、
>語り手や時代によって無名になったり個人の話になってきたのではない
>でしょうか?

そうだとすると、エントリーを書いた時点での私の予想通りということに。私は、本来はジョークのネタだったのにマジな雑学ネタとして紹介してしまった疑惑を、

http://tondemonai2.web.fc2.com/258.html

の件の方にも、もっていたりします。ちなみに、こちらはロスチャイルドのネタ。

気になるのは、Shin さんの紹介してくださった「夏坂健『美食・大食家びっくり事典』」の方で……。ロックフェラーが出てきますが、こちらがネタ元だったとしたら、今まで私が唐沢俊一に抱いていたイメージを変えなければいけないかも。

>「息子さんはいつも最高級のお部屋にお泊まりになりますが」
>「ああ、彼には大金持ちの親父がいるからな。だが、わたしにはいないんだ」

が誰か (この場合は夏坂健氏) の文章のそのままコピペではなく、しかも出来がよい (と私には思える) のは驚きです。この部分だけ、何か星新一っぽいなあと思ったりしています。まあ、唐沢俊一は、星新一にハマって自作のショートショートを書いていた時期もあったというので、似たとしても不思議ではないのかも。
トンデモない一行知識 |  2009年09月30日(水) 04:01 |  URL |  【コメント編集】

私も同じオチのジョークを見つけちゃいました。主人公はロックフェラーではないのですが。

初版発行1992年9月5日 ワニ文庫 ハルペン・ジャック著「とっておきのユダヤ・ジョーク」p174

ロスチャイルド
 人口爆発は必ずしも悪くはない、ロスチャイルド大財閥の子孫が世界中に増えるからだ、とはさるユダヤ人記者の言。
 ところが、ロスチャイルド男爵の家に物乞いに行った乞食はがっかりした。ドケチのロスチャイルドは、少ししかお金をくれなかったのだ。
 乞食は、
「旦那。なんですか、これっぽっち。息子さんはこの二倍はくれましたよ」
「ああ、あいつならそれぐらいくれるじゃろう」
 とはロスチャイルド男爵。
「なにしろ、親父が金持ちだからな」

しかし唐沢の元テキストがこの本かどうかは定かではありません。
どうもユダヤ人は他民族のジョークも自分達のジョークに取り込んでしまう気がある上に、
大金持ちを出す時は「オラが民族の出世頭」であるロスチャイルドの名前がよく使われるようです。
(日本の小噺に出てくる左甚五郎や弁慶、小野小町にガッツ石松のようなものですか。どれも実在は定かでは無いのですが)

この他にも同書に収録されている、お見合い相手の経歴をオーバーに言う結婚紹介所の間抜けな助手のジョークにロスチャイルドの名前が出てきますし、
本邦の「天才秀才バカ」「良い子悪い子普通の子」のようなジョークでも「ロシア皇帝の場合」「ロスチャイルドの場合」などと使われていた覚えがあります。

間抜けな悪人はヒトラー、少しシャレの分かる粋な権力者は、ロスチャイルド家勃興のきっかけとなったからというわけでも無いでしょうがナポレオンが使われます。
(一応説明させていただきますと、別にナポレオンが特別ロスチャイルドに便宜をはかったり重用したのではなく、ナポレオンが怪物のようにヨーロッパを蹂躙している時代の状況をロスチャイルドが利用しまくったのです)

たぶんこの「ケチな大金持ち」パターンのジョークは昔からあるものが、語り手や時代によって無名になったり個人の話になってきたのではないでしょうか?

友人と出版社「ランダム・ハウス」を創設したベネット・サーフが収集した、
アメリカン・セレブの逸話やその他の面白い話(真贋定かではないのですが)をまとめた本
「ちょっと笑える話」(文春文庫)にも実話ならば収録されてそうでしたが、ありませんでした。その代りにロックフェラーのエピソード。

 ある日、ジョン・D・ロックフェラーのオフィスに、口の達者な浮浪者がやってきた。
「ミスター・ロックフェラー」と浮浪者は言った。「わたしはあなたにお目にかかりたくて、三十マイルも歩いてやってまいりました。途中、
わたしが会った人たちみんなが言うには、あなたはニューヨーク一の気前のいい方だそうで」
 ミスター・ロックフェラーはしばらく考えてから、なにげなく質問した。
「帰るときは、同じ道を帰るのかね」
「そうなるでしょう」
「じゃあ、頼まれてくれないか。わたしが気前のいい男だという噂を途中で否定してください」

共産主義ジョーク集「スターリン・ジョーク」(平井吉夫編・河出書房新社)にも
憎むべき資本の走狗(古いですね)として登場するかと思いきや、ロスチャイルドのロの字も出てきませんでした。
ユダヤ人の有名人としては当然と言いますかトロツキーが多いです。それに意外と中国と毛沢東の登場も多いです。
だお |  2009年09月29日(火) 17:45 |  URL |  【コメント編集】

●別のエピソード

夏坂健『美食・大食家びっくり事典』講談社1983にこんなエピソードが書かれています。P.44

>先代ロックフェラーが、ある時、ニューヨークのレストランにやってきてポーク・チョップを注文した。世界一といわれる大富豪にしては信じられない注文だった。支配人もにわかに信じ難く、先週、ご子息がお見えになって、当店の極上フィレ・ステーキにいたくご満足されましたが、と水を向けてみた。「それは結構。しかし私には金持ちの父親がいないもんでね」と大富豪は言った。

引用元は記されていません。これがロックフェラー入りの最も古い文献だとすると、レストランをホテルに置き換えてコピーしたのかも知れません。もっとも、夏坂氏が自著向きに(美食・大食家)、レストランのエピソードに変えた可能性も否定できませんが。
Shin |  2009年09月29日(火) 09:10 |  URL |  【コメント編集】

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