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2009.09.26 (Sat)

本当に唐沢俊一先生は「好きで繰り返し読んで」いたんですかの『超辞苑』

正しく引用できぬ君のために (5)」の続きのようなもの。

『トンデモ一行知識の世界』 P.216

 中でも僕が好きで繰り返し読んでる雑学本の一冊に、ケンブリッジ大学出
の二人の著者、B・ハーストンとJ・ドーソンによる『超辞苑~新・眠られぬ夜
のために』(新曜社)がある。この本は、そういう無用な知識の本としては究
極を行っていると思われる。よくもまあ、これだけ役に立たぬ知識をかき集め
たな、 と感心させられる出来なのだ。たとえば、ここに挙げられている知識に
はこういうのがある。


『超辞苑』に書かれているものだとして紹介されているもの以外にも、この本とネタが
かぶっているような感じの雑学は、唐沢俊一の本には何箇所か存在する。

『超辞苑』 P.153
>吸血鬼の産みの親であるブラム・ストーカーは、カニを食べた晩に悪い夢を見たおか
>げで、ドラキュラのアイデアを思いついたと述べている。


『トンデモ一行知識の世界』 P.62 欄外
>・『吸血鬼ドラキュラ』は作者のブラム・ストーカーが夕食にカニを食べ過ぎて見た
> 悪夢から発想が生まれた。



『超辞苑』自体は、巻頭の「謝辞」によると、多くの参考文献を元につくられている本で、
その文献の中には The Book of Facts by Isaac Asimov (『アシモフの雑学コレクション』)
などの先行する雑学本がある。なので、かぶっているネタの元が『超辞苑』とも限らない
し、パクリがどうこうを追求するつもりはないが、もし『超辞苑』がネタ元だとすれば劣化
コピー気味 (ときにはガセビア化) なのが気になる例がいくつかある。

『超辞苑』 P.153
> マダガスカルの偉大なるコビトキツネザルはいつの場合も三つ子を生む。しかしなが
>ら、同性の四つ子を常に生むことで知られるココノオビアルマジロはそれを鼻にもかけ
>ないだろう。


『トンデモ一行知識の逆襲』 P.120 (表題)
>アルマジロは一卵性の四つ子しか産まない。

タルカスと違って、アルマジロは火をふきません」ではガセビアにカウントするべきかどうか
悩んだのだけど、『超辞苑』のように「ココノオビアルマジロ」と書いておいてくれさえすれば、
何も悩まずに済んだのだが。


『超辞苑』 P.18
> アメリカでは、胸の整形手術を行う女性が毎年6万人にのぼるという。

貧胸手術を受ける人も結構いるそうだ」に書いたように、1997 年の時点では、「アメリカ
で豊胸手術を受けた女性が 1 年間で約 10 万人」。これを単純に人口比のまま 20 倍
してできあがったかのようなものが、唐沢俊一による以下のガセビア。

『トンデモ一行知識の世界』 P.113 欄外
>・世界中で一年間に豊胸手術を受ける女性の数は約二百万人。


『超辞苑』 P.162
>チョコレート カカオの種子の粉末からつくられる飲料や菓子類。18世紀の中央アメリ
>カにおいてはココアは悪魔の誘惑物質とみなされ、それを飲用した者は破門の刑に
>処せられていた。ヨーロッパの清教徒たちはこの見解を支持し、肉欲をあおるという
>理由でココアの飲用を禁止した。〈略〉チョコレートによる扇情作用はスイスなどれは
>ありふれたことくらいにしか思われまい。スイスでは国中のすべての人々に毎日2枚
>大型チョコレートを供するに足りる量の原材料が常時売られているからである。


『裏モノの神様』 チョコのはなし P.55
>薬学的に言うと、テオブロミンという物質がチョコレートには含まれており、 これが女性
>の心に催淫作用をもたらす。


「薬学的に」「心に催淫作用」って何のことやら――というのは、「催淫作用って、そんな
甘いもんじゃないんだよ
」の方に書いた。こちらではピューリタン批判 (?) の唐沢俊一は、
チョコレートについての意見は昔の「ヨーロッパの清教徒たち」並だったというオチかも。


『超辞苑』 P.246
>メキシコの伝承療法にしたがえば、腸チフスの治療には殺したばかりの2羽の鳩を
>用いるとよいという。それらを酢につけてもみ、半分ずつに切り分け、一羽分は患者の
>お腹の上に、残りの一羽分は背中にゆわえつける。この鳩の湿布を熱がひくまで
>毎日続けてゆくとよい。貧しくて鳩を買えない場合には、生まれたての子犬が代替と
>して推奨されていたらしい。


『トンデモ一行知識の世界』 P.186 ~ P.187
> ヨーロッパに戻って、イタリアの貴婦人たちは昔、美容とお肌の健康のため、鳩パッ
>クというのをやっていた。生きた鳩の腹を割き、それをそのまま顔にペッタリと貼りつけ
>るのであります。


『〈ない〉のだった-本当だ』 と言いたい鳩パック」では、美容法として捜したために、
カスるものも見つけられなかったのかも。『アシモフの雑学コレクション』 P.84 の「十七
世紀に流行したペストに対する治療法。吹き出物の上に、尾の羽を抜いた生きたメンドリ
をのせ、鶏が死ぬととりかえ、それをくりかえす。」というのもある。


なお、『超辞苑』には、以下のような記述がある。

『超辞苑』 P.203
>ハギス 羊の内臓から作られるスコットランド古来の料理。過去最大のハギス料理は
>4分の1トンも重さがあり、調理には12時間を必要とした。


最初に引用した文章の中で唐沢俊一は「僕が好きで繰り返し読んでる雑学本」とか
書いているが、本当に「好きで繰り返し読んでる」のならなぜ、ハギスはアイルランド
の料理だとか書いちゃったんだろうなあ……と思ったりもする。

http://d.hatena.ne.jp/kensyouhan/20081027/1225107478

名物と呼ばれるキドニー(腎臓)パイはションベン臭かったし、アイルランド料理のハギスに至っては人間の食い物とも思えなかった。

 「イギリスの食事はまずい」というのはよく話題になるが、ここまで失礼な文章というのもなかなかない。シラク大統領のことを言えない。そもそも、ハギスはスコットランドの料理である。どこの国の料理かも知らないで「人間の食い物とも思えなかった」もないだろう。




ついでに、唐沢俊一とは関係ないけど、面白いと思ったものを『超辞苑』から抜き書き。
いや実はこっちをメインにするはずだったんだけど (だから派生トリビア編)。

『超辞苑』 P.13
>どしゃ降りのことを英語では "cat and dogs" というけれど、このことばの語源はギリシア
>語の kata (十分満ちた) と doxein (容器) なのだそうである。したがって、cat and docs
>とは bucketfuls (バケツ何杯分もの) という意味である。


『超辞苑』 P.18
> ローマのトレビの広場の有名な泉を訊ねる者は、条例を十分に心得ておくべきだろ
>う。1951年、2人のイタリア人ジャーナリストはその泉の水の中でアシカを泳がせた
>かどで罰金を課せられた。彼ら2人は、「その泉の中にはお金以外のものを投げ入れ
>てはならない」という条例に違反したのだった。


『超辞苑』 P.36
>エリザベータI世、ロシア女帝 (1709-1762) ピョートル大帝の娘。〈略〉 彼女は一日
>平均12回もドレスを着替えた。所有するドレスの数は1万5000着にのぼり、国中で
>ピンクのドレスの着用を許されるのは彼女だけだった。そして規律に反してピンクの
>ドレスを着たものは四肢切断の刑に処せられたという。


『超辞苑』 P.107
>1910年のことアメリカに何ともあっぱれな便乗商法が登場した。ハレー彗星の不吉
>な影響から身の安全を保証してくれるという「抗彗星丸」なる1箱1ドルの丸薬がバカ
>売れをみせたのだった。


『超辞苑』 P.150
> ロンドンのタイバーンには、かつて処刑場が存在した。ここの死刑執行人の手間賃
>は13ポンド半で、これにロープ代として1ポンド半が加えられた。貴族は、絞首刑に処
>される際に、絹製のロープを使用するよう要求する権利をもっていた。まったく、貴族
>というものはどこまでもぜいたくなものである。絹のロープを使うと、摩擦が少ないため、
>早く首が締って死にやすくなるので、首を吊られる人にはこのほうが快適なのである。


『超辞苑』 P.160
>チューリップの原産地はアムステルダムではなくトルコである。そもそも「チューリップ」
>とは「ターバン」を意味するトルコ語である。


『超辞苑』 P.163
> アメリカの作曲家ジョン・ケージの曲に『4分33秒』というものがある。これはピッタリ
>4分33秒続く曲で、この間一切音を出さないのである。この作品を振り返って、イゴール
>・ストラヴィンスキーが言うには、「ジョン・ケージが、これよりももっと長い曲を作るのを
>楽しみにしているよ。」


『超辞苑』 P.262
>ミイラ アラビア語とペルシア語の mumiya (アスファルト) が mummy の語源。12世紀
>から17世紀にかけては、ミイラには薬効があるとされていたために、大変な需要があ
>ったが、この話の裏にはとてつもない誤解が潜んでいる。ミイラに価値があるとされた
>のは、そのなかに天然アスファルトが含まれていると信じられていたからである。古代
>エジプトでミイラを作る過程においては、死海からとれる天然アスファルトが使用され
>たと考えられていた。実際には、死体の腐敗を防ぐためにミイラに詰められたのは松
>ヤニであり、含まれてもいないアスファルトをとるためにミイラは粉末にされていたわ
>けである。後に、アスファルトが得られないことが明らかになってからも、ミイラ化した
>死体そのものに薬効があると信じられ続けてきた。


『超辞苑』 P.290
>ルイ XIV世 フランス王 (1638-1715) 72年間王位を守り、また、はじめてハイヒール
>を履いたといわれる人物。風呂には生涯に3回しか入らなかったが、下着は一日3回
>とりかえた。


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