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2009.09.21 (Mon)

唐沢俊一に語られるヒクイドリ。薄いというより低いレベルで。

ほとんど全ての意味で正反対 ―― アイザック・アシモフと唐沢俊一」に部分引用した
箇所について。(実はこちらのエントリーでも引用してたりするけど)。

『トンデモ一行知識の世界』 P.33

 しかし、間違いを間違いだからといって無下に排斥するのは人間の文化
を貧しいものにしてしまう。事実、などというのは世界中の人間のうちの数
パーセントが知っていればいいことではないか?
 火食い鳥は火を食べ、ヒマワリは太陽に常に顔を向け、妊婦のおなかの
右側(左側だったか?)を蹴とばす子は男の子。そう国民の大半が信じて
いたからって、日本社会はどうってことないのである。


前エントリーでふれた志の低さはともかく、改めて読むと、「火食い鳥は火を食べ」るなど
と、日本の「国民の大半が信じて」いるように書いているのは変。仮定の話として書いて
いるとしても、本当に「国民の大半が信じて」いるようだったら、「日本社会はどうってこと」
あると思うし。技術立国として。

また、『トンデモ一行知識の逆襲』の方には、こう書かれている。

『トンデモ一行知識の逆襲』 P.68

 では、あの古典ギャグの中の、バナナを踏んでスッテンコロリとひっくり
かえるギャグは、完全に空想の世界、われわれがイメージとして作り出し
た、火を食べるヒクイドリだの太陽の方へ花を向けるヒマワリだのと、同じ
ようなものなのか?


唐沢俊一がバナナについて書いたバカなガセビアについては、「バナナにではなく時間に
スベってタイムスリップ
」と、「バナナの皮ですべってころぶのは、そんなバカナ話では
ない
」を参照していただくとして。

問題は、「無下に排斥するのは人間の文化を貧しいものにしてしまう」ような「間違い」
だけど、「国民の大半が信じていたからって、日本社会はどうってことない」ものとして、
唐沢俊一があげているのが、レベルとしてバラバラであることだ。「間違い」と断言する
からには根拠のない間違い・迷信と明らかになっているものかと思うし、「国民の大半
が信じて」どうこうというなら、誰もが聞いたことのある話、昔は広く信じられていたような
話であってほしいものだが、唐沢俊一の例示しているのは、そうでもない。

「妊婦のおなかの右側(左側だったか?)を蹴とばす子は男の子」というのは、そもそも
あまり聞かない話だし。強く蹴ったり妊婦の顔がきつくなったりするのは男の子という話
なら聞いたことがあるが、そちらでさえも現在は信じられていないというか、エコー診断で
性別が判明するようになった今ではもう、「国民の大半」が知っているような話ではなく
なってきている模様。まあもともとハズレが多いとも聞くし、昔から「国民の大半が信じて
いた」ような話ではなかった可能性が高い。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1128890076
>迷信? 絶対ではないと承知で質問させて下さい。胎動で性別を判定する場合男の子
>だと激しく蹴る感じ女の子だとうにょうにょ動き回る感じと聞きましたが皆さんはどのよ
>うに聞いた事がありますか??


http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q114755006
>それは、うちの姑が根拠の無い、でたらめだと笑っていました。実家の母も同じ意見で
>す。娘である私が、まだ胎内にいた頃、あまりの、つわりの重さに、顔がやつれて怖い
>顔をしていたところ、奥さん、赤ちゃんは絶対に男の子よ!とみんなに言われたそうで
>す。でも母は、悔しいので、出産時まで、お腹をさすっては、あなたは絶対に可愛いい
>女の子なのよ!と念じ続けていたそうです。母を、やつれさせ、お腹を散々蹴りまくり
>男の子だと言われて、やっと生まれた私は、なんと立派な待望の女の子でした。



「ヒマワリは太陽に常に顔を向け」の方は、それを聞いたことのある日本国民の割合は、
ずっと多いと思われるけど、こちらは「間違いだからといって無下に排斥する」ようなもの
ではないのではないかと思う。確かに「花が開く頃には生長が止まるため動かなくなる」
けど、つぼみの頃までは太陽の方向を追うように動くのだから、唐沢俊一のいう「完全に
空想の世界」というのは、ちょっと違うのではないかと。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ヒマワリ
>和名の由来は、太陽の動きにつれてその方向を追うように花が回るといわれたことか
>ら。ただしこの動きは生長に伴うものであるため、実際に太陽を追って動くのは生長が
>盛んな若い時期だけである。若いヒマワリの茎の上部の葉は太陽に正対するように動
>き、朝には東を向いていたのが夕方には西を向く。日没後はまもなく起きあがり、夜明
>け前にはふたたび東に向く。この運動はつぼみを付ける頃まで続くが、つぼみが大き
>くなり花が開く頃には生長が止まるため動かなくなる。その過程で日中の西への動き
>がだんだん小さくなるにもかかわらず夜間に東へ戻る動きは変わらないため、完全に
>開いた花は基本的に東を向いたままほとんど動かない。



で、本題の火食い鳥。唐沢俊一の文章だけ読むと、昔の人は火食い鳥という名前の、
火を食べる鳥の存在を信じていたかのように思えるけど、そんなことはなかったみたい
だぞ、と。

命名の由来は、「喉の赤い肉垂が火を食べているかのように見えたことから名づけられ
たとの説が有力」で、火を食べる鳥と信じていたからではない。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ヒクイドリ
>和名は「火食鳥」の意味であるとされている。喉の赤い肉垂が火を食べているかのよ
>うに見えたことから名づけられたとの説が有力。


そして、江戸時代の人にとっての火食い鳥は、火を食べるという空想上の生物ではなく、
見世物小屋でお目にかかることのできる、珍しくはあるけど実在の動物であったのだ。

http://www.rakugo.com/library/intro-h.html
> 江戸時代には、ゾウ、ヤマアラシ、ヒクイドリ、ラクダ、ロバ、ヒョウなどが渡来し、
>見世物になりました。
> 注目すべきことは、動物の見世物を見ることによって、開帳の神仏を拝むのとおなじ
>ように、厄払いになるとか、疱瘡や疫病などの悪病がさけられると考えられていたこと
>です。


http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/museum/activity/kiyo.html
>怪鳥カズワル江戸を歩く寛政元年渡来のヒクイドリ成 澤 勝 嗣
> 寛政元年(1789)長崎へ来航した阿蘭陀船が、一羽のヒクイドリを輸入した。日本人
>がこの鳥を「駝鳥」と呼んでいた時代のことである。このヒクイドリは民間に売られて見
>せ物となり、翌年から京都、大阪、江戸、伊勢と興行する間に、各地で様々な反響を
>まきおこす。
> 蘭学者・大槻玄沢はこれが駝鳥ではなく、火食鶏(Emeu)であることを考証し、それ
>をもとに「駝鳥・火食鶏図」という双幅の絵を作った(当館蔵)。かと思えばかたや「ヒク
>イドリは猪と鷲の混血種である」というような戯作本を発行する人もいた。本稿はそれ
>らを紹介し、一羽の異国鳥が江戸時代にまきおこした波紋の数々をまとめてみたもの
>である。



ちなみに、唐沢俊一が「間違いを間違いだからといって無下に排斥するのは人間の文化
を貧しいものにしてしまう」とか書いているのは、以下に示す一行知識が、ガセと判明し
たのを惜しんでのことである。

『トンデモ一行知識の世界』 P.32

 カシオ計算機の社名は創始者の樫尾俊雄氏に由来しているが、「CASIO」
はラテン語で「計算する」という意味である。


これに「カシオ計算機の初代社長は父の樫尾茂氏です」とか「“CASIO”という言葉に
ラテン語の意味はないようです」と「フォロー発言があった」そうである。唐沢俊一によると
「一行知識としては、業界情報とラテン語の知識、そして偶然の一致の不思議さ、という
三つの視点を備えた、なかなかの出来のものである」から、「惜しいことである」という
ことらしいが……「事実、などというのは世界中の人間のうちの数パーセントが知ってい
ればいいことではないか」などと言い出すほど、この一行知識は面白くて惜しいものか
という疑問も。

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22:23  |  『トンデモ一行知識の世界』間違い探し編 (215) +  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

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