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2009.02.21 (Sat)

ミミズを煮出すのは薬をつくるときじゃなくて服用するときの話では

『トンデモ一行知識の世界』 P.77

 ほかにも、漢方薬系・民間薬系の中には、子供のころ、風邪をひいて
熱を出したらミミズの乾燥したのを粉にしてのまさせた、という女性から
の体験談もある。「東北の方ではいまでもミミズを薬にしている地方が
あるそうです」などと結ばれている。
 あるそうです、どころではない。ミミズの煎じたエキス(決して乾燥させ
て粉にしたものではない)はいまでも東北ばかりではなく、日本中で
熱さましの妙薬として珍重されている。うちの爺さんも昔、それを煎じた
ものをのんでいたし、「地竜」と呼ばれるその成分、レッキとした薬局の
店頭で売られている大手メーカー製の熱さまし薬の中にも、それを成分
としているものがある。


『トンデモ一行知識の世界』 P.187

 ミミズの煎じ薬は日本でも有名である。熱さまし、痔の特効薬。現在でも
その煮出したエキスが『地竜エキス』として市販されている。成分表のところ
には、ただ“地竜”とだけ書いてあって、それが何のことだか明記していない
のがミソ。


同じ『トンデモ一行知識の世界』に 2 回も登場させるくらいだから、地竜エキスはミミズ
であるというネタは唐沢俊一のお気に入りだったんだろうけど、「決して乾燥させて粉に
したものではない」というのと、「痔の特効薬」というのは、恐らく間違い。

http://www.est.hi-ho.ne.jp/abes/hyakkaen23/hyakkaen23-3.htm
>【地竜、ミミズの作用と応用】
>[基原] ルムブリクス科蚯蚓(ミミズ)の全体を乾燥したものです。
〈略〉
>[薬理作用] 解熱、気管支拡張、降圧、溶血、痙攣性収縮、利尿・活絡
>[臨床応用]
>(1)高熱、煩そう、痙攣時の解熱、鎮痙。
>(2)気管支喘息。気管支を拡張し、痙攣性咳嗽を軽減します。
>(3)高血圧症。降圧・症状改善の効果があります。
>(4)脳卒中に伴う煩そう、四肢の運動障害、大便や尿の排泄障害、後遺症の運動麻痺に。
>(5)打撲損傷の内出血による疼痛、とくに腰背部損傷の疼痛・腰腿部の疼痛に。
>(6)脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、動脈硬化に。


http://www.sm-sun.com/family/syouyaku/syou-sa/jiryuu.htm
>【基 原】市場品名「広地竜」L‐umbricus kwangtungensisと、「土地竜」Lumbricus
>nativusの2種があり、前者はPheretima asiatica Michaelsen(フトミミズ科
>Megascolecidae)の腹部を開いて、体内の内容物を去り干したもの。後者「土地竜」
>は、カッショクツリミミズAllolobophora caliginosa trapezoides Ant.Druges(ツリミミズ
>科Lumbriciae)を草木灰中に入れ、処理してから乾燥したもの。日本産は、熱灰を用
>いて調製したもの
〈略〉
>【薬理作用】 清熱・鎮驚・定喘
>解熱作用・気管支拡張作用・降圧作用
>臨床的な観察によると利尿・活絡の効果もある。
>【臨床応用】 1. 気管支喘息に、地竜の気管支拡張作用を利用して用いる。
>2. 高血圧症に、降圧作用を利用して用いる。脈が弦で持続性の高血圧に対し、降圧・
>症状改善の効果がある。
>3. 高熱・煩躁・痙攣があるときに、清熱鎮痙の効能を利用する。あまり危篤でないとき
>には一定の効果がある。市販のかぜ薬に解熱薬の補助剤として配合されている。
>4. 脳卒中や打撲損傷などによる運動障害・大便や尿の排泄障害などがあるときに用
>いる。


「決して乾燥させて粉にしたものではない」ものでは決してないような……粉末にするか
どうかは別にして、乾燥はさせているようだし。まあ、後述する、「地竜」か「地竜エキス」
かという問題はあるんだけど。

また、地竜には解熱の他に降圧、利尿作用もあるが、痔には効きそうにもない。脳卒中
で「大便や尿の排泄障害」のある患者への臨床応用事例を、唐沢俊一が「痔の特効薬」
と変形させただけではないかと思われる。ググっても、地竜は痔に効くとしている資料は
見つからなかったし、少なくとも地竜といえば「痔の特効薬」とは一般にいわれていない
ことは確か。

で、まあ、「地竜」はミミズそのもの、または、ミミズを乾燥させた薬でよいとして、大手
メーカーの風邪薬の成分表記や、地竜を主成分とする薬の名前には、「地竜エキス」
という呼び方が使われることもある。唐沢俊一によると、地竜エキスとは、「ミミズの煎じ
たエキス」「煮出したエキス」ということになってしまうが……。

http://www.kenko.com/product/item/itm_8876273072.html
>「新エスタックL錠 90錠」は、かぜをひいたときに消耗しがちなビタミンC、ビタミンB2や
>解熱効果のある生薬成分、地竜(じりゅう)エキスをはじめ、熱をさまし、痛みを緩和す
>る解熱・鎮痛剤、せきをしずめ、たんのきれをよくする鎮咳去痰剤、くしゃみ、鼻水など
>のアレルギー症状に効く抗ヒスタミン剤などを配合した風邪薬です。医薬品。


http://www.seijonet.com/shop/commodity_param/shc/0/cmc/4987103035206
>地竜は、漢方として古くから熱を下げ悪寒を止める目的で用いられ、日本においても、
>民間の解熱薬として使われてきました。ゼリア「地竜エキス」顆粒は、地竜をエキス化
>し、さらに服用しやすいシナモン風味にした顆粒剤です。感冒時の解熱に3才から使用
>できます。


http://drug.jsm-db.info/detail01_2.php?txtID=4987403000020
>地竜エキス顆粒は、最古の中国本草書といわれる「神農本草経」や、「本草綱目」にも
>収録され、古くから熱さましとして用いられている地竜のエキスを、のみやすい顆粒に
>したものです。


下に引用の資料によると、地竜エキスは「生きたミミズを水中ですりつぶし、低温で抽出
したものを凍結乾燥」してつくるそうである。唐沢俊一は、ミミズを乾燥させることなく、
煎じたり煮出したりしたものが「地竜エキス」であるかのように書いているが、これは以下
にあげるようなことの影響による勘違いと思われる。

・漢方薬の地竜をつくるときに、ミミズを乾燥させる前に熱湯をかけるプロセスが入る
 ことがある。

・漢方薬の地竜 (乾燥させたミミズ) には、水から煮出して服用するものもある。
 唐沢俊一のお爺さんが服用していたというのは、多分このタイプ。

http://www.gakkai.net/KRI/p-q.html
>4.「漢方薬としての乾燥ミミズ(地竜)」:漢方では、熱湯をかけてから日光で乾燥した
>ミミズを煎じて熱さましとして服用されている。
〈略〉
>7. 私たちの研究:私は20年前から、中国・西安市の第四軍医大学と「動物由来物質
>の漢方剤「ジリュウエキス912」に関する共同研究」を行っている。生きたミミズを水中
>ですりつぶし、低温で抽出したものを凍結乾燥して得られた粉末(地竜エキス)をカプセ
>ルに詰めて放射線滅菌したのが漢方剤「ジリュウエキス912」で、原料は乾燥ミミズを
>煎じた地竜と同じである。


http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa240741.html
>漢方薬ではありませんが、簡単に服用できるものの一つに、地竜(じりゅう)エキスが
>あります。地竜はミミズです。昔から熱冷ましなどに良く使われますが、これがリウマ
>チの痛みをとるのに有効だそうです。漢方薬局はたいがい持っていますので、聞いて
>みて下さい。値段も安いです。地竜そのものを乾燥したものもあり、それは水から煎じ
>て飲みますが、不慣れな人には気持ち悪いと思いますので、エキス剤があればそちら
>の方が飲みやすいと思います。ただし、地竜はリウマチを治すわけではありません。
>もちろん、痛みを軽減するものが地竜だけだというわけでもありません。


関連ガセビア:
「カラスの頭を煮しめたもの』というのもスゴ過ぎ
唐沢俊一って、薬は煮出してつくるってことにするのが好きみたいな。


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14:04  |  『トンデモ一行知識の世界』間違い探し編 (215) +  |  TB(0)  |  CM(5)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

情報ありがとうございます。(_ _)

ハズしているかもしれませんが、「脳血栓や心筋梗塞の原因となる物質を溶かす酵素ルンブルキナーゼ」の方は、もっぱら健康食品の材料に使われているという感じでしょうか。

地竜の方も、常に内臓を抜きでつくるとは限らないようなので、同じ効能があるのかもしれませんが、薬として歴史と伝統のあるブランド (?) に新しい効能をつけ加えるより、別の名前で、病気のとき以外にも継続的に利用するサプリメントとして売るのを選んだのかなどと想像してみたりしてます。

http://www.excite.co.jp/News/economy/20080618/Economic_eco_080617_000_1.html
>脳血栓や心筋梗塞の原因となる物質を溶かす酵素ルンブルキナーゼは、専用に培養さ
>れた赤ミミズの体内から抽出される酵素で、このミミズ酵素を含むミミズの加工粉末が
>LR末と呼ばれる。このLR末を含有した健康補助食品が代替医療に取り組む医療機関
>などから注目され、需要が高まっている。
〈略〉
>ミミズ酵素を利用したLR末含有の健康補助食品は市場に流通して10年が経過してい
>るが、副作用事例などの報告がなく極めて安全性が高いといえる。

その他参考 URL:
- http://www.kdd1.com/kensyoku/runburen_sp.html
- http://www.yukkou.com/sup/2006/05/post_119.html
トンデモない一行知識 |  2009年02月23日(月) 23:00 |  URL |  【コメント編集】

一般的な地竜ではないのですが
先にあげた黒砂糖で溶かしたミミズの汁や、ミミズ全体をすりつぶしたものには
ミミズ酵素と言うものが含まれ、血栓を溶かす作用があります。
このため血栓であるイボ痔には効果があります。
これは直接塗っても飲んでも効果はあります。
(もちろん塗ったほうが効果は高いと思われます)
このミミズ酵素は主にミミズの内臓に含まれるため
普通に乾燥したものを煮出しても得られないはずです
(量が少ないだけかも知れませんが)

http://www.excite.co.jp/News/economy/20080618/Economic_eco_080617_000_1.html

一般的に漢方薬として売られてる地竜には血栓を溶かす効果はうたわれていませんので
おそらくどっかで話が混じったのだと思います。
金平糖 |  2009年02月22日(日) 19:51 |  URL |  【コメント編集】

●ミミズを塗るよりは、じーっとしていたい

うーん、まあ、「あるそうです、どころではない」というのは、どちらがよりビックリ情報かというより、「あるそうです、どころか、マジで実際に使われているんですってば」とかいう意味で書いていたのではないでしょうか。

ビックリ度という意味では、おっしゃる通り、市販の薬の原料に何が含まれているかというより、市販の薬に頼らず (?) ミミズとかをナマで使っている人たちがいるという方が、インパクトが強いような気がします。

ミミズが痔の薬というのは、改めてググってみましたが、あんまりうまく拾えませんでした。

http://www.naoru.com/min-32.htm
>ミミズ ○かぜ○関節痛○口渇○高熱が続く○痔○頭痛○脱肛○腫れ物○ひょうそ
>○膀胱炎○マラリア○耳だれ○リウマチ○淋病

↑これだけだと、塗り薬なのか飲み薬としてなのか、よくわからなかったし。

ご紹介いただいた「黒砂糖の入ったつぼにミミズを入れる」とか、これ↓とかは塗り薬ですね。

https://www.mimaki-family.com/item/list2_5-56.html
>また生のミミズはひょう疽の特効薬ともいわれ、すりつぶして米飯と混ぜて患部に塗っ
>たり、裂いた皮を指に巻いて用いられています。

飲み薬として使うなら、血をサラサラにするという触れ込みで地竜エキスが売られていたりしますので、だから痔にも効くという線で売るとか?
トンデモない一行知識 |  2009年02月22日(日) 01:25 |  URL |  【コメント編集】

あとコレは地竜ではないのですが
民間療法で
黒砂糖の入ったつぼにミミズを入れるとミミズが溶けて
それを肛門に塗ると痔が治ると言うものがあります。
痔ではないですし、痔になっても試してみたいとは思いませんが
金平糖 |  2009年02月21日(土) 21:34 |  URL |  【コメント編集】

唐沢さんの場合、薬の知識も怪しいですが
日本語の解釈に問題あると思います。

>「東北の方ではいまでもミミズを薬にしている地方が
>あるそうです」などと結ばれている。
> あるそうです、どころではない。

一般の人がミミズを薬にしている事と薬会社が原料にミミズを使うことでは天と地ほどの差があります。
ミミズを熱さましに使うのは充分ビックリ情報ですが
薬の成分にミミズが入ってるのは へぇ~ と関心する程度です

この違いが唐沢さんには理解できないのでしょう

ちなみにミミズが痔に効くという話ですが
一部の地竜には腫瘍に効くものがありイボ痔に効くと言う話もあります
が、イボ痔は腫瘍じゃないんで間違いなんですけどね
どこかから家庭の勘違い医学を拾ってきちゃったのかなと思います
金平糖 |  2009年02月21日(土) 21:29 |  URL |  【コメント編集】

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