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2009.09.02 (Wed)

アニメの国のアリス

裏モノ日記 2009年 08月 29日(土曜日)
http://www.tobunken.com/diary/diary20090829143649.html

バージニア・デイビス15日死去、90歳。
ウォルト・ディズニーが初めて成功させたアニメ・シリーズ
『漫画の国のアリス』の主役、アリスを演じた女優。
実写とアニメの合成によるこのシリーズは20年代のアメリカで
人気を呼び、この作品の成功でディズニーはこの業界での
足がかりを得た。つまり、彼女はミッキー・マウスより先輩で
あり、今に至るディズニー王国を築き上げた功労者なのである。
このときこの功労者、何と4歳。
http://tinyurl.com/luvpsk

ファニー・フェイスでお茶目な少女、アリスを演じたバージニアを
ウォルト・ディズニーは忘れず、ディズニー初の長編アニメ
『白雪姫』の声優に起用しようとして決まりかけたが、
ステージ・ママだった母親がギャランティのことでディズニーと
揉め、その道は断たれてしまう。
〈略〉
『漫画の国のアリス』でアリスを演じた女優は何人かいるが、
やはり一番演技が上手いのは彼女である。走ったりはねたりと
いう動きが、アニメに負けてないのだ。上記の『アリスの闘牛士』には、
後の宮崎駿などが絶対モデルにしたであろう動きが入っている。


×「4歳」 ○「6歳」

検索するには、「バージニア・デイビス」より「ヴァージニア・デイヴィス」の方がヒット
しやすい Virginia Davis。

日記の中の http://tinyurl.com/luvpsk は、Alice the Toreador (『アリスの闘牛士』)
へのリンク。ちなみに、こちらの方が↓画質がよいのでお勧め。

http://www.youtube.com/watch?v=JEn6a_TjGC4
>Walt Disney - 1925 - Alice the Toreador

で、1925 年の Alice the Toreador のリンクのすぐ上の説明に、1918 年 12 月生まれの
ヴァージニア・デイヴィスのことを、「このときこの功労者、何と4歳」と紹介するのは何か
の間違いでしょうということで。

http://en.wikipedia.org/wiki/Virginia_Davis
> Virginia Davis (December 31, 1918 – August 15, 2009) was an American movie
> child actor. She was born in Kansas City, Missouri.
〈略〉
> Davis began working for Walt Disney's Kansas City company, Laugh-O-Gram
> Studio, in the summer of 1924. She was hired to act in a film called Alice's
> Wonderland, which combined live action with animation.
〈略〉
> Davis did voice testing for a role in Disney's first feature-length animation film
> Snow White and the Seven Dwarfs (1937) as well as some of the little boys'
> voices in Pinocchio (1940), but was not hired.


まあ、ALICE COMEDIES シリーズの第 1 作目といえる Alice's Wonderland――これは、
ウォルト・ディズニー自身も出演、http://www.youtube.com/watch?v=H58meqbp5Ps
で動画が見れる――は 1923 年なので、このときならヴァージニア・デイヴィスは 4 歳。

ただし、「この幻の1作目は、どうやら劇場で正式公開されなかったらしい」とのことなの
で、「この作品の成功でディズニーはこの業界での足がかりを得た」という記述の流れ
で、「この功労者、何と4歳」とするのは無理がある。前述の Alice the Toreador への
リンク問題を抜きにしても、である。

http://homepage.mac.com/ubik_factory/cinema/cinema822.html
>○漫画の国のアリス
>ALICE COMEDIES / ALICE IN CARTOONLA
〈略〉
>正式には「アリスコメディー」と呼ばれるディズニー初期の短編シリーズ。少女アリスと
>猫のジュリアスを中心とした実写とアニメの合成による連作だが、ルイス・キャロルの
>アリスとは何の関係もなく、アイデアは「道化師ココ」からの、キャラクターは「フィリック
>ス」からの模倣であり、アニメ史の中では特筆すべき作品でもない。しかし、その後の
>ディズニーにはない無邪気でシニカルな作風は楽しいし、何よりアリスを演じた少女た
>ちが愛らしく、特に初代アリスを演じたヴァージニア・デイヴィスは、縦ロールの髪型が
>とても可愛いらしい。その後シリーズは実写の割合が極端に少なくなり、アリスの出番
>も徐々に少なくなったのが残念。国内ではほとんどソフト化されていないが、ウォルト
>本人とアリスが共演する第1作や「アリスと闘牛士」「平和の使者」などの作品が動画
>サイトなどで視聴可能で、その中でも実写の割合が多く、ちょっぴり過激な内容の「ア
>リスと野犬捕獲人」がオススメ。
>1923/ウォルト・ディズニー監督作品


http://www.kt.rim.or.jp/~snark/film/data/1924_comedy.html
>このシリーズは、1922年にウォルトとアブ・アイワークスにより設立されたラフ=オ=グ
>ラム社の存続のために企画され、低予算で製作されました。1923年に短編「Alice's
>Wonderland」、1924年にシリーズ初の作品「Alice's Day at Sea」から始まり、1927年
>に発表された最後の作品「Alice the Beach Nut」まで、アリス役の少女は変わりつつ
>も続いていきます。最終的にラフ=オ=グラム社は倒産してしまったものの、一連の
>アリス・コメディーは成功を収めました。初代アリス役は、当時6歳のヴァージニア・
>デイヴィス。ほとんど顔は見えないけれど、動きにユーモアがあってかわいらしい。


http://homepage2.nifty.com/coyote-net/favorite/bbslog/200409.html
>アリスコメディーの初代アリスを演じた子役のヴァージニア・デイヴィスについてです
>が、このあたりの話題について最も詳しいと思われる資料「Walt in Wonderland」で
>確認してみましたところ、ウォルトがカンザスシティでアリスコメディーの幻の1作目
>「Alice's Wonderland」を撮った時、ヴァージニアは4才であったと確かに書かれていま
>す。(この幻の1作目は、どうやら劇場で正式公開されなかったらしいのです)その後
>ウォルトがハリウッドに移ってアリスコメディーシリーズを量産する時には、ヴァージニ
>アは既に6才になっていたようですね。ですから一般的には「アリスコメディーのヴァー
>ジニアは6才」と言われることになるのだと思います。


http://www.latimes.com/news/obituaries/la-me-virginia-davis20-2009aug20,0,503720.story
> Virginia Davis, a 4-year-old Kansas City native with two years of dance and
> dramatic lessons behind her, would earn a place in movie history as the Disney
> Studios' first star, appearing in the first 13 popular "Alice Comedies" produced
> by Disney.


その他参考 URL:
- http://www.latimes.com/news/obituaries/la-me-virginia-davis-pictures,0,467301.photogallery


そして、唐沢俊一がいう「後の宮崎駿などが絶対モデルにしたであろう動き」について。

以前、「テレプシコーラに出てきたジュテを思い出した 180 度開脚」のエントリーにも、
『アリスの闘牛士』について取り上げたことがあった。そのとき引用した 2007 年時点の
唐沢俊一の日記では、「私が常に『カリオストロの城』のルパン走りの元ネタ、と主張して
いるシーンがある『アリスの闘牛士(ALICE THE TOREADOR)』」という書き方だったのが
今回は「後の宮崎駿などが絶対モデルにしたであろう動き」となっている。

まあ、「絶対モデルにしたであろう動き」かどうかは、こちらの考え方としては、前のエン
トリー
書いたときと意見は変わっていないのだけれども。
-------
元ネタかなというにはあまり走り方が似ているとはいえない……。

ALICE in CARTOONLAND は http://jp.youtube.com/watch?v=lTEI_d214qs で見れる
けれど、走るときに足が 180 度水平に真っすぐに伸びて、さらにその足が水平なまま
びよーんと長くなる。

「『カリオストロの城』のルパン走り」の方は、障害走のハードルを越えるときのように、
後ろ足の方は軽く曲げられている。もちろん、足の長さが倍近くになったりはしない。
-------

ただ、似ている似ていないも問題以前に、今回の日記に唐沢俊一の書いている「やはり
一番演技が上手いのは彼女である。走ったりはねたりという動きが、アニメに負けてない
のだ。」というのが、「後の宮崎駿などが絶対モデルにしたであろう動き」と、どうつながる
のだろうかという疑問が……。「アニメに負けてない」って、まさか現実のヴァージニア・
デイヴィスが、走る際に足を 180 度開脚のあげく、物理的に脚をより長く変形させたり
とかの、人間離れした技を披露したというわけでもないだろうに。



More...

http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1251307113/635-
-------
635 :無名草子さん:2009/09/01(火) 09:28:48
「裏モノ日記」2009年08月29日(土曜日)
http://www.tobunken.com/diary/diary20090829143649.html
>バージニア・デイビス15日死去、90歳。
>ウォルト・ディズニーが初めて成功させたアニメ・シリーズ
>『漫画の国のアリス』の主役、アリスを演じた女優。
(略)
>ファニー・フェイスでお茶目な少女、アリスを演じたバージニアを
>ウォルト・ディズニーは忘れず、ディズニー初の長編アニメ
>『白雪姫』の声優に起用しようとして決まりかけたが、
>ステージ・ママだった母親がギャランティのことでディズニーと
>揉め、その道は断たれてしまう。

ディズニー側に都合よく描かれた記事しか読んでないな。


>(略)上記の『アリスの闘牛士』
>には、後の宮崎駿などが絶対モデルにしたであろう動きが入って
>いる。

「トンデモない一行知識の世界」でツッコまれたのを読んで
意地になってるのかな?


642 :無名草子さん:2009/09/01(火) 10:01:39
>『白雪姫』の声優に起用しようとして決まりかけたが、
>ステージ・ママだった母親がギャランティのことでディズニーと
>揉め、その道は断たれてしまう。

バージニアが起用されかけたのは声優じゃなくてロトスコープの
モデルじゃないの?

http://jimhillmedia.com/blogs/jim_hill/archive/2009/08/18/remembering-virginia-davis-1918-2009.aspx
>Miss Davis dearly wanted to work on that project, but Virginia’s mother
>wasn’t exactly thrilled with the term of the contract that Walt was
>proposing. So she turned that deal down for her daughter and the
>live-action reference role on Disney’s first animated feature eventually
>went to Marge Champion.

http://loyd-theater.com/movie-collect-1/wd/walt-disney.html
>この作品は実に750人を超えるアーティストが3年がかりで製作された映画史上
>初の長編漫画で、ディズニーの先駆的業績は人物の画像が動くこと。(白雪姫の
>モデルはマージ・チャンピオンがつとめた)

643 :642:2009/09/01(火) 10:02:47
(続き)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E9%9B%AA%E5%A7%AB_(%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%A1%E6%98%A0%E7%94%BB)
>ディズニーは実写映画と対抗するために、まず俳優の動きを実写で撮影し、
>そのフィルムからロトスコープで1枚ごとに動画を起こす、ライヴァルの
>フライシャー・スタジオの古い手法を模倣し、実写的な画風を実現した。

『白雪姫』の声優はアドリアーナ・カセロッティ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Adriana_Caselotti

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