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2009.09.01 (Tue)

チップを払う習慣がある国ではいろいろ大変?

『トンデモ一行知識の世界』 P.130

 ロックフェラー一世は、チップを払うのもいやがるケチだった。ある日、
行きつけの床屋でどうしたわけか十セントのチップを渡した。床屋は
あまりの珍事に、この十セント硬貨を額に入れて店に飾った。


以下に引用するようなエピソードだったら、見つかったんだけど、床屋の話というのは、
見つからなかった。

http://www.amazon.co.jp/review/R1S9OGA1CS63VU
>レビュー詳細商品 世界史こぼれ話 2
〈略〉
>暇つぶしにもってこい, 2008/11/21
>By K
〈略〉
>私が面白いと思った話をいくつかあげてみようか。
>○ロックフェラーは、あるレストランで毎日簡単な食事をし、帰りにボーイに15セントの
>チップをやる慣わしだった。ところが、ある日どうしたことか5セントしかやらなかった。
>ボーイは不満そうに「わたしがあなただったらたった10セントを惜しみはしないのです
>が……」といった。するとロックフェラーは「だから君はいつまでもボーイなんかしている
>のだよ」


http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/sen2n136/diary/200907A
>ロックフェラーは巨大財閥を成したが昔の苦労を忘れず
>贅沢に甘んじる事無く
>昼食はいつも安料理店でローストビーフとポテト
>35セントにチップ15セントと決めて居たと云う


http://query.nytimes.com/mem/archive-free/pdf?res=9E01E3DF1E39E333A25756C0A9609C946196D6CF
> John D. Rockefeller, Jr., Hates Tips
〈略〉
> An Illinois farmer called out once when he put down 15 cents for some Standard
> Oil, "Here's where I give 10 cents to higher education." Mr. Rockefeller's
> servants at any rate may also have the satisfaction of being philanthropists
> without any effort. The favorite little economy of Mr. Rockefeller, Jr., is
> somewhat like his father's. Young Mr. Rockefeller dislikes to tip. He does it, but
> with a painful effort. As Tommy Traddles said, with a wince. " It's-it s a pull."


上に引用したような話も、どこまで信用してよいのか微妙な気はするが、ロックフェラー
は大金持ちになってからも、かなりの節約家だったといわれてはいるらしい。

しかし、唐沢俊一が書いている「チップを払うのもいやがるケチ」というのは、単に額が
少ないとか渋々チップを払うとかいう問題ではなく、チップを渡すこと自体が、「あまりの
珍事」であり、だから「この十セント硬貨を額に入れて店に飾った」という話になっている
ような……。

チップをめったに払わないという生活をアメリカで続けていられるかどうかは疑問だし、
他のチップにまつわるエピソード (一応はチップを払っている) とも矛盾してしまう。
「十セント硬貨」というのがロックフェラーにしては破格のチップの額と解釈するのも、
他のエピソードに出てくるチップの額と比較すると無理がある。

ということで、床屋が「十セント硬貨を額に入れて店に飾った」のは、多分ガセだろう。

http://en.wikipedia.org/wiki/Tip
> Tipping in the United States is so common and expected in some cases that in
> many service establishments, such as hair salons and restaurants, customers
> have actually been asked to pay a tip on occasion, or have been verbally abused
> by staff for "stiffing" them, even though such behavior on the part of the staff is
> considered completely contrary to proper etiquette and standard business practices.


http://oshiete1.goo.ne.jp/qa4422095.html
>我が家は、どんなレストランでも、朝食・昼食は15-20%、夕食は20%を目処にチップを
>払います。特別良くしてもらったら、それプラスアルファという形です。


http://kyota.sblo.jp/article/6464314.html
>タクシーでは料金の15~20%を渡す人が7割やそぉや。レストランでは、68%が代金の
>20%を、11%が同15%を渡しとんねやて。VAT(value- added tax、付加価値税、日本の
>消費税みたいなもん)の2倍の金額を渡すっちう手を使う人が21%やそぉや。


http://oshiete.sponichi.co.jp/qa5215199.html
>日本人は誤解していますが、チップは労働者の権利であって、お客側の義務です。
>なので、不必要にチップの額を下げるのは、労働者の権利を侵害している事になり
>ます。全く支払わないと言う事も同じ。
>なんで、ハワイでは事前にチップ額が書き込まれた請求書が持ってこられるんです。
>ですが、もちろん「サービスが全くなってない!」と言うときは、低いチップ額、あるいは
>払わないと言う選択を取る事は全く制限されていませんが、それ相応な理由と覚悟が
>必要と思った方がいいです。


関連:
金を産むか、炎上するだけか
貯金より 同族結婚 ロスチャイルド (字余り)


追記: コメント欄で教わった (ありがとうございます(_ _)) 1905 年の新聞記事によると、
×ロックフェラー一世 ○ロックフェラー二世
×十セント硬貨 ○五セント硬貨
ということになると判明。

http://nobee.jefferson.lib.la.us/Vol-142/07_1905/1905_07_0106.pdf (HTML)
> ROCKEFELLER TIPS BARBER
> John D., Jr., Shows His Appreciation of a Haircut in Pecuniary Manner.
> New York.―John J. Phelan, a barber, formerly employed at the Standard Oil
> company's building at 26 Broadway, is the only person ever known to have
> received a tip from John. D. Rockefeller, Jr. Rockefeller was in a great hurry as
> he climbed into the barber's chair to have his hair trimmed.
> "Good work," John D., Jr., said, as he felt in his trousers pocket for change
> after the job was done. "Take this," and he handed Phelan a coin.
> "What is it, a gold piece?" the other barbers asked as they crowded about
> Phelan.
> Holding the coin between thumb and forefinger, Phelan displayed it aloft.
> A hearty laugh came from his friends as he held Rockefeller's tip before them. It
> was a five-cent piece.
> "I will keep it forever," Phelan said.
> Accordingly he has had the nickel framed and decorated it with the following
> inscription: "John D. Rockefeller, Jr.'s. one best tip."
> The framed nickel is hung in the parlor of Phelan's home in Brooklyn.


上に引用の文に「one best tip」とあるので、John. D. Rockefeller, Jr. Rockefeller が
払ったチップの額としては最高ということで、別に彼がいつもチップを払わないという話
ではないのだろう。

で、額に入れて飾ったというニッケル貨が、最初「"What is it, a gold piece?"」とか
いわれているのは、同じ 5 セント貨でも通常の銀色のものではなく、金色だったため
と思われる。

http://www.littletoncoin.com/webapp/wcs/stores/servlet/Product5%7C10001%7C10001%7C-1%7C35757%7C17009
> Many discriminating collectors consider the 1913-38 Buffalo nickel the most
> American coin design ever created.


上記のバッファロー貨の金色っぽいものは 1913 年以降の発行なので、この記事の
1907 年には間に合わない。多分、1883 年の Liberty nickel が、記事でいう「a gold
piece」ではないかと。サイズも見かけも、当時流通していた 5 ドル金貨と似ていたそう
なので、それで床屋で働いていた John J. Phelan や同僚達は、一瞬盛り上がったとか?

http://www.coin-rare.com/1883-racketeer-nickels.aspx
> In 1883, the U.S. Mint issued a new nickel, known as the Liberty nickel. This new
> coin had no recognizable denomination on the back. Josh Tatum a deaf mute
> noticed the coin was the same size and had a similar look to circulating $5 gold
> coins.



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テーマ : 感想 - ジャンル : 本・雑誌

09:24  |  『トンデモ一行知識の世界』間違い探し編 (215) +  |  TB(0)  |  CM(6)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

>Ice さん
>「The New Orleans Bee」という新聞の1905年の紙面

これをベースに本文に追記しました。(_ _) あらためて、感謝します。
トンデモない一行知識 |  2009年09月02日(水) 22:09 |  URL |  【コメント編集】

>Ice さん
>Rockfeller Jr.のことなのではないでしょうか。

>「The New Orleans Bee」という新聞の1905年の紙面

をを、ありがとうございます。
本文の方に引用した記事を読んだときも思ったのですが、チップにまつわるエピソードは、Rockfeller Jr. の方がむしろ多そうで、気前のよいチップということを示すのはダイムじゃなくてニッケル貨の方というは、これにもあてはまりますね。
トンデモない一行知識 |  2009年09月02日(水) 10:00 |  URL |  【コメント編集】

>すごく気前よくチップを払っているって感じがするんですけどね。

そうなんですよね。まあ、この 35 セントと 15 セントという数字の裏をとれたら、もっとよかったのですが……。

セントとかダイムとか、大金持ちなのに小銭にこだわるという設定は、何かパタリロみたいだなとも思いました。

>「これが本当なら初めから勘定に入れてくれよ。」

一方、一昔前のオヤジ系週刊誌には、サービスの良し悪しに関係なく一定の割合で伝票にサービス料が上乗せされるよりは、自分の裁量で額が決められるチップの習慣の方がよいという論調のコラムが載っていたりした記憶が。隣の芝生かも。

まあ、日本にあったら、ある意味面白かったでしょうけど……。海外のホテルの部屋でチップをおくときは、折り鶴といっしょにおくと喜ばれるとか、都市伝説まがいの話がザクザクつくられそうです。
トンデモない一行知識 |  2009年09月02日(水) 09:50 |  URL |  【コメント編集】

連投ですみません。とよく似た記述が、「The New Orleans Bee」という新聞の1905年の紙面に載っているようです。
http://nobee.jefferson.lib.la.us/Vol-142/07_1905/1905_07_0106.pdf
の左から3段目のまんなかあたりです。
Jrがこのころ26Broadwayで床屋に行くのも時期的にあっています。
Ice |  2009年09月02日(水) 00:38 |  URL |  【コメント編集】

Rockfeller Jr.のことなのではないでしょうか。「John D. Rockefeller: A Portrait in Oils」という本のp.184(GoogleBookで見られます)に、床屋とチップの話が出てきます。ただ、ニッケルとありますから、5セントだと思いますが。まさかとは思いますが、その上のten per centから10セントになった?
Ice |  2009年09月02日(水) 00:18 |  URL |  【コメント編集】

●アメリカって大変

どれも伝説っぽいんですけど床屋の話以外ではチップを払っているんですよね。
>昼食はいつも安料理店でローストビーフとポテト
>35セントにチップ15セントと決めて居たと云う
って、すごく気前よくチップを払っているって感じがするんですけどね。
もしかしたら、毎日50セント持って昼食に行って
「釣りはいらないよ」
ってやってたのかもしれませんね。

上に挙げられている例から計算しても、食事35セントだとチップ5セントがまぁ妥当といった感じですよね。

まぁ、でも私なんかはいちいち考えるのが面倒なので
>>チップは労働者の権利であって、お客側の義務です。
「これが本当なら初めから勘定に入れてくれよ。」
って思うんですけどね。
mino |  2009年09月01日(火) 12:41 |  URL |  【コメント編集】

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