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2009.07.14 (Tue)

『サイコ』はサイコーとまではいわないにしても……

「漫画についての怪談 (あやしいはなし)」 雑誌『幽』 vol.11 P.314

 現代スリラー映画の元祖にして最高傑作と言われているヒッチコックの
『サイコ』。 あの映画は、なぜあんなに衝撃的だったのだろう? 不気味な
屋敷と殺人といった取り合わせ、母親の愛が息子の精神をむしばむという
残酷なテーマ、そしてショッキングな殺人描写……いろいろと要素はある
が、それらは実は本質ではない。
 この映画を作るにあたりヒッチコックが、その、トリッキーな才能をもっとも
つぎ込んだのは、
「いかにして観客の予想を裏切るか」
 ということだった。ミステリーずれした観客に、先を読ませないということだ。
そのために、ヒッチコックは、キャストの中で最もネームバリューがあり、
ギャラも高額だったであろう女優のジャネット・リーを、映画の途中で、しかも
それまで延々描いてきた彼女の大金横領事件とは何の関係もなく、あっさ
り殺してしまうという、大胆きわまりないことをやらかした。その後、この映画
は全く別な映画になってしまうのである。当時の観客はアッケにとられたろう。
 このはぐらかしこそ、実は公開当時の『サイコ』が最もウリにした意外性で
あった。しかし、その後、この映画を語る人々はなぜかそのことを語らず、
シャワーシーンだとか階段のシーンだとかばかりを語る。本筋のはぐらかし
は、知ってから見ると、何か製作者にバカにされたような気分になって、
繰り返しの鑑賞に堪えないのである。


×現代スリラー映画の元祖 ○サイコ・サスペンスの元祖

2ちゃんねるのスレへの書き込みでは、「『サイコ』は確かに傑作だけど、『元祖』とは
言えないぞ。 ヒッチコックがその前にスリラー映画何本撮ってると思ってるんだ。」と
突っ込まれているわけだが (Read More 参照)。

http://ja.wikipedia.org/wiki/サイコ_(映画)
>『サイコ』(Psycho)は1960年、アルフレッド・ヒッチコック監督によって制作されたモノ
>クロ映画。原作はロバート・ブロックによる同名のスリラー小説で、エド・ゲインによる
>実際の犯罪に触発されて書かれた。現在は一ジャンルを築いているサイコ・サスペン
>スの元祖であり、未だに代表作の座を譲ってはいない。


Wikipedia のカテゴリー http://ja.wikipedia.org/wiki/Category:サイコスリラー映画
に列挙されているヒッチコック作品の中で、1960 年の『サイコ』に先行するものには、
1951 年の『見知らぬ乗客』、1954 年の『ダイヤルMを廻せ!』、1956 年公開の『知り
すぎていた男』といった映画がある。

http://ja.wikipedia.org/wiki/白い恐怖
>白い恐怖(Spellbound)とは1945年の米国映画。現在、パブリックドメインとなっている[1]。
〈略〉
>アルフレッド・ヒッチコック監督による記憶喪失を取り扱ったサイコスリラーである。


まあ、あちこち見ているうちに、スリラーとサスペンスの違いって難しくてよくわからない
……と思えてきたりもしたのだけど。ヒッチコックの『サイコ』以前の作品の多くは、サス
ペンスにも分類されているので、ややこしい。

- http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q146927814

ちなみに、「絶叫クイーン」を登場させたスリラー映画は、『サイコ』が元祖という話も。

http://ja.wikipedia.org/wiki/絶叫クイーン
>現在、元祖絶叫クイーンと称されるのは1933年に公開された『キングコング』でヒロイ
>ンのアンを演じたフェイ・レイといわれる。
>ホラー映画やスリラー映画における元祖は1960年に公開されたアルフレッド・ヒッチ
>コック監督の代表作『サイコ』に出演したジャネット・リーであり、今日でも有名なシャ
>ワーシーンでの演技が高く評価された。



で、最初に2ちゃんねるのスレに指摘の書き込みをした人も違和感を表明していた、
何が「本質」か問題について (Read More 参照)。

個人的には、その前に、「ヒッチコックが、その、トリッキーな才能を」の「トリッキーな
才能」というのにも少々引っかかった。他の用例を参照しようとしても、「"トリッキーな
才能"」でググってヒットするのはたった 7 件のみだったし……トリッキーなアイデアを
盛り込んだとか、トリッキーな手法を多用したとかいいたかったのか。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=とりっきー&dtype=0&stype=1&dname=0ss
>トリッキー2 【tricky】
>[1] 奇をてらったさま。巧妙なさま。
> ・ ―な仕組み
>[2] 油断のならないさま。ずるくて、まどわすようなさま。


次に、唐沢俊一は、「キャストの中で最もネームバリューがあり、ギャラも高額だったろう
女優のジャネット・リーを、映画の途中で、しかもそれまで延々描いてきた彼女の大金横
領事件とは何の関係もなく、あっさり殺してしまう」ことを、「このはぐらかし」という。よく
わかんないけど、そのようなことをさして「はぐらかし」と呼ぶものなんだろうか……。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=はぐらかす&dtype=0&stype=1&dname=0ss
>はぐらか・す4
>[1] 話の焦点をずらしたり、話題を変えたりして相手の関心をそらす。
>  ・ 病名を聞いたらうまく―・された
>[2] 連れに気づかれないように離れ去る。


連載のこの回の副題が「はぐらかしの作家 いばら美喜『バビロのつぼ』」となっている
くらいなので、「はぐらかし」というのは重要なキーワードと思われるのだが、いばら美喜
を論じている箇所では、「そのトリッキー(はぐらかし)の魅力にハマったクリエイターは、
やがて怖さを放り出して、トリッキーさのみを追い求めるようになる」などと書いてある。
つまり、はぐらかしとトリッキーとは、ほぼ同義ということなのだろうか……。

――と、悩んでいてもしょうがない (?) ので、とりあえず「トリッキー(はぐらかし)」とは、
「いかにして観客の予想を裏切るか」、何をおいても「意外性」ということにして。
(ここで唐沢俊一のいっている「意外性」は、このエントリーでいう「意表をついて」とは
違うと信じるとして)。

確かに、謎とドンデン返しは、『サイコ』の主要な要素かなとは思うし、公開当時はネタ
バレ防止に神経をとがらしていた様子はうかがえるし、「いかにして観客の予想を裏切る
か」に力をそそいではいたとは思う。

http://ja.wikipedia.org/wiki/サイコ_(映画)
>主人公の女優が映画の前半で殺害されるという構成は前代未聞で、映画の公開時に
>は観客がストーリーを追えなくなる混乱を防ぐ目的から、上映途中の入場が禁止された。


http://www.tsutaya.co.jp/works/10000529.html
>ヒッチコックさん自ら出演している予告編があった。
〈略〉
>ヒッチコックさん曰く、最初から見て下さい。途中から見ないで下さい。誰にも話さない
>で下さい。


しかし、唐沢俊一は、「本筋のはぐらかしは、知ってから見ると、何か製作者にバカに
されたような気分になって、繰り返しの鑑賞に堪えない」という。ええと、唐沢俊一のいう
「本筋のはぐらかし」が本質であり、ヒッチコックが「トリッキーな才能をもっともつぎ込ん
だ」『サイコ』は、実は「繰り返しの鑑賞に堪えない」ものだったといっているように思える
のだが……。

んで、「なぜかそのことを語らず」って、Wikipedia にも書かれているぞ、というのはおいと
いて。「シャワーシーンだとか階段のシーンだとかばかりを語る」 のは、ヒッチコックが、
いかに観客を怖がらせるかに注力したかについて語る人が多いということではないかと。

ドンデン返し、特にオチの部分について言及する人が少ないとすれば、未見の人に配慮
してネタバレを避ける気持ちもあると思う。

しかし、唐沢俊一のこの連載の掲載誌は『幽』なんだけどなあ。それなのに、『サイコ』
はひたすら「いかにして観客の予想を裏切るか」の映画であるかのようにいい、恐怖や
不安の演出については完全スルーというのは、悪い意味ですごい。

それと、「繰り返しの鑑賞に堪えない」とする理由が、「何か製作者にバカにされたような
気分になって」というのもすごい。「バカにされた」と感じるのか、うーん。

その他参考 URL:
- http://www.allcinema.net/prog/news_details.php?NsNum=1221
- http://www.cinematoday.jp/page/N0001885
- http://www5b.biglobe.ne.jp/%7Etea-time/mi-50.htm
- http://okwave.jp/qa9794.html





More...

http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1246496832/
-------
552 :無名草子さん:2009/07/05(日) 23:07:47
あい、今回は色々大変だったらしい「幽」の連載きたよー
いつもは4ページだけど今回は半分の2ページですた。

>現代スリラー映画の元祖にして最高傑作と言われているヒッチコックの『サイコ』。
>あの映画は、なぜあんなに衝撃的だったのだろう? 不気味な屋敷と殺人といった取り合わせ、
>母親の愛が息子の精神をむしばむという残酷なテーマ、そしてショッキングな殺人描写……

具体的な殺人描写は全くありませんが、
テンテーのように大統領のヘルメット的にジャネット・リーにナイフが突き立てられるシーンを幻視する人は多いんで気にしないでください。
ヒッチコックが凄いだけなんで。

553 :無名草子さん:2009/07/05(日) 23:09:09
>いろいろと要素はあるが、それらは実は本質ではない。
>この映画を作るにあたりヒッチコックが、その、トリッキーな才能をもっともつぎ込んだのは、
>「いかにして観客の予想を裏切るか」ということだった。
>ミステリーずれした観客に、先を読ませないということだ。

お、あの映画史に残るショックシーンであるノーマン・ベイツママの正体のことですね?(0゚・∀・)ワクテカ

>そのために、ヒッチコックは、キャストの中で最もネームバリューがあり、
>ギャラも高額だったでろう女優のジャネット・リーを、映画の途中で、
>しかもそれまで延々描いてきた彼女の大金横領事件とは何の関係もなく、あっさり殺してしまうという、大胆きわまりないことをやらかした。
>その後、この映画は全く別な映画になってしまうのである。当時の観客はアッケにとられたろう。

(ノ∀`) アチャー ヤッチャッタ

554 :無名草子さん:2009/07/05(日) 23:10:11
>このはぐらかしこそ、実は公開当時の『サイコ』が最もウリにした意外性であった。
>しかし、その後、この映画を語る人々はなぜかそのことを語らず、
>シャワーシーンだとか怪談のシーンだとかばかりを語る。
>本筋のはぐらかしは、知ってから見ると、何か製作者にバカにされたような気分になって、繰り返しの鑑賞に堪えないのである。

それはねえ、そう思うのが世界でテンテー……いや、今日からお前なんか俊ちゃんだ。前から呼んでるけど……俊ちゃんだけだからだと思うのね。
確かに俳優の使い方でマニア受けを取るやり方はあるが、それ自体が作品の本質なんて言われたらヒッチコックが泉下で泣くぞ。
「テーマが無い」「テクニックの遊び」というのは当時のインテリ間のヒッチコック評だが、「面白い」という点では一致していたそうな。(「映画を夢みて」小林信彦)
いまどき痛い声優オタだって「ケロロ軍曹のウリはギロロ役の中田譲治さんが裏声で崩れたセリフを言う事」なんて言わないだろ。
「エグゼグティブ・ディシジョン」で世界最強のコックが早々と死ぬのは語り草だけど「サイコ」のハラアは違うでしょ。
S・キングもホラー映画の怖いシーン5つの内の一つにサイコのシャワー室を挙げているし、ヒッチコック本人にもこんなエピソードがある。

「≪サイコ≫のシャワールームのシーンを、どう正当化なさいますか?」。(中略)
「≪二十四時間の情事≫のオープニング・シーンを、きみはどう正当化するかね?」。(中略)エマニュエル・リヴァと岡田英次がはだかで抱き合っているというもの(中略)
「あれは映画を完全なものとするために必要不可欠なシーンでした」(中略)
「≪サイコ≫のシャワールームのシーンもだよ」。(後略)
                             (スティーヴン・キング「死の舞踏」より)

この後は「俺だけが理解してるいばら美樹の面白さを下々のメクラどもに教えてやるのである」というだけのいつものアレなんで別にいいよね?

555 :無名草子さん:2009/07/05(日) 23:11:50
>現代スリラー映画の元祖にして最高傑作と言われているヒッチコックの『サイコ』。

「サイコ」は確かに傑作だけど、「元祖」とは言えないぞ。
ヒッチコックがその前にスリラー映画何本撮ってると思ってるんだ。


556 :無名草子さん:2009/07/05(日) 23:38:07
俊坊、ヒッチコックは「サイコ」しか見てないってことは、
さすがにないよなあ…

557 :無名草子さん:2009/07/05(日) 23:43:42
スリラー映画じゃなくてスラッシャー映画の元祖ではあるよね。馬鹿だね。
別のところでマクガフィンがどうしたとか書いていたような気がするけど、
何にも学んでいないわけね。
DVD特典のメイキングの最初の方ではぐらかしのテクについて脚本家と
ヒッチコックの娘が話していることが本質だと勘違いしたんだろうね。
サイコもろくに見ていないのか。やれやれ。

ついでにジャネット・リーがモロにナイフで刺されるカットは2カットほどあるよ。
スタンドインだから本人じゃないけど。

558 :無名草子さん:2009/07/05(日) 23:58:23
もしかして、テンテーの脳内でのスリラー映画ってのは
今時のホラー映画とかスプラッター映画と同義なのでは。


559 :無名草子さん:2009/07/06(月) 00:00:26
見てもちゃんと理解する、楽しむということが出来ないんだな
統合失調症じゃないか?


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Comment

>「おれは他の評論家とはひと味違うんだぜ」というところを見せようとして
>大失敗したいい例ですね。

激しく同意です、としかいいようがないです。^_^;

自分だけが知っている、自分だけが気づいた、というのが、よっぽど好きなんでしょう。自分だけだ! と得意になる前に、自分だけだということは何か間違っているからではないかなどと、不安になったりしないのは、ある意味偉いと思います。

つい繰り返し見てしまう予告編つき↓
http://ethanedwards.blog51.fc2.com/blog-entry-713.html
トンデモない一行知識 |  2009年07月16日(木) 02:32 |  URL |  【コメント編集】

>んで、「なぜかそのことを語らず」って、Wikipedia にも書かれているぞ、というのはおいといて。

そうですよね。私が最初に観たTV放映でも、本編が終わった後に解説者(誰だったかは忘れましたが)が「ジャネット・リーがシャワー室で殺されるというショッキングなシーンの後、ストーリーの方向がガラッと変わってしまうという意外性が見事」という解説をしていました。

これは俊坊が「おれは他の評論家とはひと味違うんだぜ」というところを見せようとして大失敗したいい例ですね。
foobar |  2009年07月14日(火) 16:56 |  URL |  【コメント編集】

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