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2009.06.14 (Sun)

龍の子は龍――とはかぎらないみたい

『トンデモ一行知識の世界』 P.87

ここの説明に出てくる竜の名前のひとつ「覇下」をとって、芥川龍之介は
自分の号にしている。


×竜の名前のひとつ ○龍生九子の名前のひとつ

芥川龍之介が「覇下」という号だったというのも、多分ガセビア。

唐沢俊一のいう「ここの説明」とは、『南総里見八犬伝』の最初の方に出てくる、竜につい
ての蘊蓄部分のこと。そこでは、「覇下(はか)」というのは、竜の生む子の「第九子(だい
くのこ)」ということになっている。

http://www.fumikura.net/text/8kenden/01.html
>又(また)九ッの子(こ)を生(う)む説(せつ)あり。〈略〉第九子(だいくのこ)を覇下(は
>か)といふ。重(おもき)を負(おふ)を好(このむ)もの也。鼎(かなへ)の足(あし)、火
>爐(ひはち)の下(あし)、凡(およそ)物(もの)の枕(まくら)とするもの、鬼面(きめん)
>のごときは則(すなはち)これなり。


「覇下」は「蚣蝮」と書かれることもあり、「龍生九子」のひとつとされる。そして、龍生九子
は、竜が生んだ子ではあるが竜ではない。「竜生九子不成竜」、つまり、「親である竜に
なることはできなかったという」のが、「竜が生んだ九匹の子」なのだ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/蚣蝮
>蚣蝮
>〈略〉(こうふく、はか、ばしゃ、本来の表記は[虫八][虫夏]、拼音:bāxià)龍生九子の
>一つ。覇下とも書かれる。
>水を好み、柱や雨樋、橋や、水路の出口の意匠として彫られる。中国の故宮などの
>建物の欄干からたくさん頭を突き出した龍に似た動物がこれである。


http://ja.wikipedia.org/wiki/龍生九子
>竜生九子(りゅうせいきゅうし)とは、中国の伝説上の生物で、竜が生んだ九匹の子を
>指す。それぞれ姿形も性格も異なっている。各々の性格に合わせた場所で各々の活
>躍を見せるが、親である竜になることはできなかったという。これを「竜生九子不成竜」
>と言う。また、兄弟でも性格が違う事を指してこの言葉を用いる事もある。


龍生九子の絵が以下にあげるリンク先にあるけど、確かに竜に似ているが竜ではない
という感じ。ちなみに、これらの資料では覇下 (蚣蝮) は、第九子ではなく第六子扱い。
- http://lalunaforest.jugem.jp/?eid=670
- http://pengzi.maruzen.com/zhongguo/zatsugaku/zglong.htm
- http://angelgroup-japan.com/angelstone/color/hori.html

ちょっと引っかかるのは、八犬伝や下記の和漢三才圖會でいう「重〔き〕を負ふことを
好む」というのは、第一子の「贔屓」の特徴のような気もすることだけど……。こちらだと
さらに竜離れ (?) していて、外見は亀に近い。

http://homepage2.nifty.com/onibi/wakan45.html
>和漢三才圖會
〈略〉
>覇下〔(はか)〕は重〔き〕を負ふことを好む【碑座の獸。】。


http://ja.wikipedia.org/wiki/贔屓
>竜が生んだ九匹の子である竜生九子(りゅうせいきゅうし)の一匹である。亀に似てい
>る姿である。重きを負うことを好むという。故に石碑や石柱の土台の装飾とされる。



そして、唐沢俊一によると、「『覇下』をとって、芥川龍之介は自分の号にしている」との
ことなのだけど……芥川の号は「澄江堂主人(ちょうこうどうしゅじん) 」、俳号は「我鬼
(がき)」であり、「覇下」というのはどこにも出てこないような……。

http://ja.wikipedia.org/wiki/芥川龍之介
>芥川 龍之介(あくたがわ りゅうのすけ、1892年3月1日 - 1927年7月24日)は、日本
>の小説家。号は澄江堂主人、俳号は我鬼を用いた。


http://www.ndl.go.jp/portrait/datas/224.html
>芥川龍之介 あくたがわ りゅうのすけ
〈略〉
>号・別称等   澄江堂主人(ちょうこうどうしゅじん) , 我鬼(がき)



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Comment

●九子といってもいろいろなのねとシクシク

情報どうもありがとうございます (_ _)。<「椒圖志異」

ええと、『南総里見八犬伝』の方には、

http://www.fumikura.net/text/8kenden/01.html
>椒圖(しゆくと)は口(くち)を閉(とづ)るを好(この)み、

と書いてあるものの、「椒圖」は第一子から第九子の方には入っていなくて、別の系統 (?) の龍生九子だと、椒圖が第九子になったりすることもあるという話のようですね。

http://lalunaforest.jugem.jp/?eid=670
>9、椒図(椒圖、しょうず、じょくと) 第九子 姿は蛙にもタニシにも
>サザエのような巻貝やカラス貝にも似ている。閉じることを好み、余所者が
>巣穴に入ることを嫌う。門扉の握り輪を咥えたデザインにされる。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%e6%a4%92%e5%9b%b3
>椒図(椒圖、しょうず、じょくと)は竜生九子の第9子。

……しかし、「第九子」つながりで間違えた (?) としたら、わかるようなわからないような間違え方かと @_@ 龍生九子の第九子というののみを聞きかじったか記憶していたかしていて、「椒圖」が「覇下」になっても気にしなかったと?
トンデモない一行知識 |  2009年06月17日(水) 01:08 |  URL |  【コメント編集】

芥川龍之介は若い頃に「椒圖志異」という怪談の私的アンソロジーをまとめています。「椒圖」は南総里見八犬伝のその部分にも出ている竜子の一つで、その意味では「椒圖」は芥川龍之介が号としたといえるようです。「幽」という雑誌のVol.10で東雅夫がそう解説しています。
 |  2009年06月16日(火) 02:42 |  URL |  【コメント編集】

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