2011.02.28 (Mon)
そして、あなたの帰る家はどこ?
イベント
2011年2月27日投稿
帰る家のあった男 【訃報 ジョン・バリー】
〈略〉
あまりに有名なのでリンクはしないが、彼自身、自分の生涯での
ベストスコアは『ゴールドフィンガー』だと言っていたという。
私としては歴史大作『冬のライオン』の、文学性と娯楽性を合わせ
持ったテーマがジョンバリらしさの最高傑作と思っているのだが。
http://www.youtube.com/watch?v=Jde-NT7vfn0&feature=player_embedded
他にも『フォロー・ミー』の切ないメロディ、『真夜中のカーボーイ』
のハーモニカのやるせない音色、『野生のエルザ』の美しい音の広がり、
『死亡遊戯』の勇壮さ、『ブラックホール』の宇宙規模のミステリアス
性等々、いったいこの人には引き出しがいくつあるんだろう? と
思わせる器用さを持ちながら、一方で“ジョンバリ節”と言われる
絶対の個性を保ち続けていられたのは、やはり007という、
“帰る家”を持っていた強みだろう。
「一方で“ジョンバリ節”と言われる絶対の個性」と、唐沢俊一が自信ありげに書いている
ので、「"ジョンバリ節"」と二重引用符つきでググってみた。「"ジョンバリ節"との一致は
ありません。」というメッセージが表示された。
それだけならまだよいのだが、モルトの「House Of John Barley Corn(ハウスオブ、ジョ
ン・バーリー・コーン)」の通称が「ジョンバリ」だとするページはいくつか見つかるものの、
今回亡くなった作曲家のジョン・バリーを「ジョンバリ」と呼んでいるページはあまり見つか
らないような……。
http://blog.livedoor.jp/gabomi_photo/archives/51627859.html
>House Of John Barley Corn(ハウスオブ、ジョン・バーリー・コーン)
>通称、「ジョンバリ」。
http://km0103.exblog.jp/10072836/
>それが「ジョンバリ」略称です 本来は「House Of John Barley Corn(ハウスオブ・ジョ
>ン・バリー・コーン)」と言います多分、近隣のモルト好きは一度はドアーを開いたハズ
>です
これ↓は NBA の選手のことのようだし。
http://mimizun.com/log/2ch/basket/1098053561/
>49 :バスケ大好き名無しさん:04/12/27 21:27:31 ID:???
>>48
>ルーと交換したみたいっすね。
>ジョンバリならルーのほうが・・・って気がしないでもない
作曲家のジョン・バリーを「ジョンバリ」と書いているのは、自分が探したかぎりでは以下の
2 件のみだった。
http://asa10.eiga.com/2010/bbs/c40/
>学生の頃から、プログラムやジョンバリの曲、物語の内容は知っていましたが、見る
>機会がありませんでした。しかし、今回、観る機会が出来、大変感動しました。
http://2chnull.info/r/mnewsplus/1296473013/
>106:名無しさん@恐縮です:2011/02/01(火) 19:32:56 ID:XqL+tYbq0
>ジョンバリ。。。乙
>いいタイミングでNHKが「愛と悲しみの果て」をやってくれるようだ
それと、単に自分が無知なせいかもしれないが、どうにもわからなかったのが、「私として
は歴史大作『冬のライオン』の、文学性と娯楽性を合わせ持ったテーマがジョンバリらしさ
の最高傑作と思っている」との記述。
この「テーマ」というのが、音楽の主題をさす「テーマ」だとするならば、「文学性」というのが
何だかよくわからないし、映画自体の「テーマ」とするならば、今度は「ジョンバリらしさの最
高傑作」という記述に首をひねることとなる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/主題_(音楽)
>音楽における主題(しゅだい、またはテーマ)とは、楽曲を作る上での中心となる旋律、
>リズム上特徴のある段落(短い一区切りの旋律)をいう。動機の発展によってできた段
>落が小楽節であるが、多くの場合それだけで主題を構成する。主題の内容は、動機の
>変奏、動機の対比、動機の延長などのよってできたものである。
ついでにいえば、「やはり007という、 “帰る家”を持っていた強み」というのも今ひとつ
意味不明な気が。音楽的な原点だったとかいいたいのだろうか。それともシリーズもの
だったのがよかったとか?
その他参考:
http://www.tcat.ne.jp/~eden/FC/barry.htm
>同じ年の『真夜中のカーボーイ』(1969) もダークですが、こちらは夜の都会を描いた
>物憂いスコアで、ブルース・ハーモニカのトゥツ・シールマンスの音色が耳から離れま
>せん。
〈略〉
>この時期のバリーの創作を代表するのは、生き生きとして清々しい『野生のエルザ』
>(1966) の音楽でしょう。伸びやかな弦楽の主題と金管・打楽器の醸し出すアフリカの
>リズムが程良くマッチして、絶妙な音楽の調和を生み出しています。このスコアがアカ
>デミー作曲賞を受賞のもうなずけます。
〈略〉
>さらに、中世イギリスを背景とした重厚な舞台歴史劇の映画化『冬のライオン』(1968)
>では、前衛的と言えるほど暗く、重い響きを基本として人間心理の暗黒面を見つめなが
>ら、見(聴き)終わった観客に深い感銘を与える優れたスコアを作曲し、再びアカデミー
>作曲賞を手にしたのです。
〈略〉
>例えば、キャロル・リード監督『フォロー・ミー』(1972) は『ナック』と同系統のジャジーな
>スコアですが、実に流麗な美しい「歌」になっています。
〈略〉
>一方、ビター系スコアも健在で、シンフォニックなスペース・オペラ大作『ブラックホール』
>(1979) では充分に色彩的な管弦楽を駆使しながら、決してジョン・ウィリアムズの亜流
>ではなく、バリー独自のダークな音を鳴らしているのが素晴らしいと思います。