2010.09.30 (Thu)
『キリンヤガ』にはンデミやンガイが出てきたりする
2010 年 9 月 5 日 11:45 からの日テレ『スクール革命』
・「光宇宙 (ピカチュウ)」は非実在?
・オードリー踊るなら
・一という名字だったら一という名前をつけたくなるかな人情として
・時々でいいからお公家さんのことも思い出してください
・実在しない名字をカウントするのは止めましょうということで 10 万種類
・元データ不明の「知念」は「約20倍いる」
・唐沢俊一に“スミス”を扱わせたのがいけなかったんじゃなかったかという話も
・ほにょ、ほんにょ、ほにお、すずきの木
・佐藤さんといえば大ムカデ退治と西行法師
・天国への梯子だったり天皇の料理人だったりの高橋さん
・笑う藤原氏
の続きのようなもの。ネタが「ん」だから、さすがにそろそろ最後かなあ……。
日テレ『スクール革命』の唐沢俊一担当部分より。
http://www.ntv.co.jp/s-kakumei/onair/100905.html
>Q.「ん」で始まる日本の名字がある「×」
>⇒世界的にも「ん」で始まる名字は少ないが
>アフリカ諸国では「ん」で始まる名字がある。
>例:南アフリカの作家 ンデべレさん
> ジンバブエの歴史学者 ンドロさん など
まあ、「『ん』で始まる日本の名字がある」かどうかについては、かなり意見がわかれる
ところみたいで、たとえば下に引用する「Yahoo!知恵袋」では、同じページに、あるという
人と、ないという人による 2 通りの回答が同居している。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1012271155
>んねさか(兼坂)
>んまこし(馬越)
>んがむら(栂村)
>私が知っているのは、この3氏です。この他にも櫻坂(をさか)、帯刀(をびなた)、
>生実(をゆみ)と「を」から始まる苗字もありますよ。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1012271155
>「ん」や「を」から始まる苗字は、巷間いくつか伝わっていますが、
>おそらく全ていわゆる幽霊苗字(あるというのに、実際に名乗っている人が見つから
>ない苗字)でしょう。
>実在がはっきりと確認されている中で、五十音の最後に来る姓は、
>「分目(わんめ)」さんだそうです。
その他実在派
- http://jp.blurtit.com/q436606.html
- http://homepage3.nifty.com/GREAT/kotoba/n-dic.htm
その他非実在派
- http://homepage1.nifty.com/forty-sixer/yuurei2.html
- http://miyozi.hp.infoseek.co.jp/saisixyonomixyouzi.html
珍しい苗字ランキング http://vote3.ziyu.net/html/bayaphy.html でも人気の「んねさか
(兼坂)」だけど、出典がはっきりしない。
「全国の苗字(名字)」http://www2s.biglobe.ne.jp/~suzakihp/index40.html をネタ元と
する人 (http://uhotani.web.fc2.com/myouzi.html) もいれば、「日本の苗字7000傑」
http://www.myj7000.jp-biz.net/index.htm にあるという人もいる。
http://www.technorch.com/archives/2007/05/post_115.html
>少々ズレますが実在が確認されているリストとして「日本の苗字7000傑」があります。
>一(にのまえ)・美女(びじょ)・豊饒(ぶにゅう)・戸苣ン斗(こきょんと)兼坂(んねざか)・
>仙人掌(さぼてん)・日本(にほん)
>などです。
しかし、「全国の苗字(名字)」には「んねざか」の読みの登録はないようだし、「日本の
苗字7000傑」では読みを提供していないようなのだけど……。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~suzakihp/index40.html
>9228 兼坂 208 カネサカ カネザカ ケンサカ ケンザカ ケネサカ
それに、以前こちらのエントリーでやったように、日テレ『スクール革命』は名字の順位
づけに「村山ランキング」の順位を使っていて、このような電話帳ベースのランキングを
採用したからには、「個人別の電話帳には、『ん』で始まる名字の人はいない」ことを
理由に、「ん」で始まる名字は実在しないとするのは、一応正しいようにも思う。
http://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/ura/kotoba_ura_08080101.html
>今はほとんど見かけなくなった個人別の電話帳には、「ん」で始まる名字の人はいな
>いために、「ん」の項目はありませんでした。しかし、昭和40年代に店の名前として
>「ん」という登録があったために職業別電話帳には「ん」を設けたそうです。
もっとも、以下のような話も投稿されていたりする……「一(にのまえ)」のときも思った
けれど、ないことの証明は結構大変だなあということで。
http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51385632.html
>541 水先案名無い人 :2008/10/28(火) 01:49:11 ID:tZDYogfoO
>283:不法入国者(関東・甲信越) :2008/10/28(火) 00:25:21.38 ID:JCMrxNbr
>むかし、あまりにも暇なんで電話帳みてたら「ん」の欄があって驚いた。漢字も見たこと
>もない読めない字だった。
また、「『光宇宙 (ピカチュウ)』は非実在?」のときに述べたように、現在のところ名前の
読みは戸籍には記載されていなくて、住民票にふりがなが存在するかどうかも自治体
によって異なる。読みをどうするかは、割と自由に変更することができるのだ。
で、下に引用する「んねざか あやり」のような明らかに非実在のキャラだけではなく、
そのまた下に引用する「兼坂安養(んねざかあんよう)です」のような例もある。
http://www26.atwiki.jp/pikuyuri_meibo/pages/17.html
>兼坂 あやり んねざか あやり 百合学芸術 日本史/日本画 24 179 7月14日
http://www.creatorsbank.com/portfolio/index.php?id=hideaway
>フォトグラファー
>兼坂安養函館在住の兼坂安養(んねざかあんよう)です。 函館市街および近郊の写真
>を好んで撮っています。ぜひ、ご覧下さい。
それに、ここの話をいえば、「光宙 (ピカチュウ)」ならまだしも「光宇宙 (ピカチュウ)」が
実在するとか断言する一方、「ん」で始まる名字は実在しないと断言する番組の判断の
基準も、実はよくわからない部分があるが、おいといて。
んで、どちらかというと、こちらが本題のつもりの、「ん」で始まる外国の名前について。
http://okwave.jp/qa/q3127815.html
>「ン」で始まる外国の名前ってありますか?
>子供からの質問で「ン」で始まる外国のの名前を探しています。
>地球儀みても見つからないので、質問しました。
〈略〉
>連想キーワード:ユッスー・ンドゥール ンゴロンゴロ保全地域 ングラライ国際空港
>グラライ ンゴマ
〈略〉
> 地名でよろしいでしょうか?
>タンザニアのンゴロンゴロ。自然保護区になっています。
>http://www.amy.hi-ho.ne.jp/mimatsu/tabi/africa/ngoro/ngoro.html
>http://www.eic.or.jp/library/pickup/pu061012.html
>同じくアフリカのチャドの首都がンジャメナです。
>http://contest.thinkquest.jp/tqj1999/20280/COUNTRY/Chad.htm
〈略〉
>アフリカでは「ンジャメナ」「ンゴロンゴロ保全地域」という場所が存在します(前者は
>「ウンジャメナ」と置き換えられたりもする)。 またインドネシアバリ島の玄関口である
>デンパサール国際空港の正式名称は「ングラライ国際空港 (Bandara Internasional
>Ngurah Rai / Ngurah Rai Airport) 」であり、これは独立戦争の英雄グスティ・ングラ・
>ライに因んでいます(もっともこれについては「グラライ」の片仮名表記もまた存在する)。
地名ではあるが、「ンジャメナ」「ンゴロンゴロ保全地域」というのは、「ん」で始まる名前
というお題では、よく言及されるものといえるだろう。「ングラライ国際空港」の方は後でも
述べるが、人名由来でもある。
この http://okwave.jp/qa/q3127815.html には「wikipediaさすがですね」という質問者の
コメントがあるが、実際、Wikipedia の「ん」の項は、結構充実しているなあと思った。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ん
>「ん」は元来五十音には現われないが、一般にわ行の次に置かれる。
〈略〉
>日本語において、共通語には基本的に「ん」より始まる単語が存在しない。ただし方言
>音などを見ると「生まれる」など語頭に鼻濁音[ŋ]がくる単語があり、それを「ん」で表現
>することがある。1944年に文部省が制定した『發音符號』にて、語頭の鼻濁音は「ん」
>と同じであるが、語頭に「ん」を置くのは違和感があるため、「う゚」を使用するように定め
>たが、この表記はほとんど浸透しなかった。現在、上記の表記を共通語音「う」と特に
>区別する場合、「ん」が使用されることもある。
>・日本では琉球語に「ン」から始まる単語が多数見られ、中でも与那国方言において
> 顕著である。
>・本来「馬」「梅」は「ンマ」 (mma)「ンメ」 (mme) と発音されており、それが方言として
> 残っている地方もある。古典的仮名遣いでは、「馬」は「むま」と書かれた。また、
> これらはいずれも大陸からの移入種であり、遡れば中国語の「マー」「メイ」という
> 発音にたどり着く。
>
>日本語以外の言語に於いても、「ン」から始まる言葉は少ない。外国語の単語を仮名
>表記する際、基本的には鼻音で始まり後続する音が母音でない場合に、「ン」で始ま
>る言葉として表されることがある。ただし、外国語音を日本語でどう捉えるか、仮名で
>どのように表記するかという問題があるため、その多寡を単純には結論づけられない。
「外国語音を日本語でどう捉えるか、仮名でどのように表記するかという問題があるため、
その多寡を単純には結論づけられない」――というのは、まさにその通りと思うので、
「世界的にも『ん』で始まる名字は少ない」とのみ書いて終わりの日テレ『スクール革命』
の製作側には、ぜひ見習って欲しい姿勢だったり。(←偉そう)
以下、Wikipedia の「ん」の項目の続き。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ん
>・中国語の方言である広東語には「ng」および「m」という音節が存在する。例えば名字
> によくある「呉」の発音は「ng」であり、香港の喜劇俳優「呉孟達」の名前を片仮名
> 表記する場合「ン・マンタッ」と書く。
>・台湾語(閩南語)で「黄」の発音も「ng」である。
>・インドネシアバリ島の玄関口であるデンパサール国際空港の正式名称は、ングラライ
> 国際空港 (Bandara Internasional Ngurah Rai / Ngurah Rai Airport) であり、これは
> 独立戦争の英雄グスティ・ングラ・ライに因んでいる。ただしこれについては、
> 「グラライ」の片仮名表記もまた存在する。
>・アフリカではンジャメナ、ンゴマ、ンゴロンゴロ、キリマンジャロ(Kilima-Njaro)、
> ユッスー・ンドゥールなど「ン」から始まる名前・単語が存在する。ただし「ン」の
> 代わりに、「ウン」、「エン」、「ヌ」、「ム」に置き換えられることがある。(エムボマ、
> エンクルマ、ヌデレバ、タボ・ムベキ)
〈略〉
>・Wikipedia:索引 ん - 「ん」もしくは「ン」で始まる単語
>・んとす - 広辞苑の最後の項目。
>・ん廻し - 落語の演題
「キリマンジャロ(Kilima-Njaro)」というのを見て、そういえば昔、「キリマンジャロ」は
「キリマン・ジャロ」ではなくて「キリマ・ンジャロ」という話は読んだことがあるなあと
思い出したりもした。
「『ン』の代わりに、『ウン』、『エン』、『ヌ』、『ム』に置き換えられることがある」のは、
最初に「ン」がくるのをなるべく避けようとするためだろうか。「エムボマ」の場合は、
フランス時代の綴り間違いが原因とのことで、また別かもしれないけど。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ンボマ
>パトリック・エムボマ
>(ンボマ から転送)
>パトリック・エムボマ
>名前
>本名 アンリ・パトリック・ンボマ・デム
〈略〉
>パトリック・エムボマ(Henri Patrick Mboma Dem, 1970年11月15日 - )は、カメルーン
>出身の元同国代表サッカー選手。唇を閉じて「ンボマ」と発音するのが正しいが、フラ
>ンス時代に誤って「M'boma」と綴られたため「エムボマ」と呼ばれるようになったとされ
>る。
さらに、関連項目にある「Wikipedia:索引 ん」を見ると、人名を含む様々な名前を参照
することもできる。ただし、残念ながらこの一覧には、日テレ『スクール革命』のサイトで
紹介されている「南アフリカの作家 ンデべレさん」「ジンバブエの歴史学者 ンドロさん」
どちらも存在しないのだが……。「ンデベレ語」、「ンデベレ人」はあるが作家についての
項目はなく、「ンドロ」の項目はなくて「ンドランゲタ」の次は「んなことあるか」。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ンデベレ語
>ンデベレ語 (ンデベレご、Ndebele) は、ジンバブエと南アフリカ共和国のンデベレ人が
>話す言語の総称である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ンドランゲタ
>ンドランゲタ ('Ndrangheta)は、イタリアの犯罪組織マフィアのうちカラブリア州(特に
>レッジョ・ディ・カラブリア)を拠点にしているものである。 約150団体(約5,200人)を
>擁する[1]、コーサ・ノストラ、カモッラ、サクラ・コローナ・ウニータ(it)と並ぶイタリア4大
>マフィアの一つ。
それに、この「Wikipedia:索引 ん」の項目をながめていると、「ン」が先頭の表記の名字を
例示するにあたり、何もアフリカ諸国にのみこだわることはないのではないか、アフリカ
以外にだって使えそうな名前がいくつもあるのではないかという気になってきたりもする。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ングラライ
>グスティ・ングラライ
>(ングラライから転送)
>グスティ・ングラライ(I Gusti Ngurah Rai、1917年1月30日 - 1946年11月20日)は、
>バリ州バドゥン県のインドネシア独立戦争の英雄。
〈略〉
>彼の名前は、デンパサール国際空港の別名グスティ・ングラライ国際空港としてその
>名前を残し、バドゥン県最北の生誕地近くの村の空港からの道路(ングラライ・バイパ
>ス)とサヌールからヌサドゥアへの道路の交わる交差点の真ん中にングラライの像が
>ある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ン・シンリン
>呉倩蓮
>(ン・シンリン から転送)
〈略〉
>ン・シンリン(広東語)
〈略〉
>呉 倩蓮(ン・シンリン、またはウー・チェンリン、ウー・チェンリェン)は台湾台北市出
>身、中華圏の映画及びテレビドラマで活躍する女優。
女優だけど、本名と芸名が別というわけではなさそう。Wikipedia の「ん」の項目には、
「香港の喜劇俳優『呉孟達』の名前を片仮名表記する場合『ン・マンタッ』と書く」と
紹介されている「呉 孟達」は、多くのページで「ン・マンタ」と表記されていて、この人も
多分芸名も本名も同じ。
http://homepage3.nifty.com/asiastar/person/ngmantat.html
>JISコード表記 : 呉 孟達
>日本での通称名 : ン・マンタ
>アルファベット表記 : Ng Man Tat
http://www.fmstar.com/movie/n/n0140.html
>NG MAN TAT ン・マンタ 呉孟達
http://en.wikipedia.org/wiki/Ng_Man-tat
>Richard Ng Man Tat (simplified Chinese: 吴孟达; traditional Chinese: 吳孟達;
> Cantonese Yale: ng4 maang6 daat6; born 2 January 1952) is a veteran actor in
> the Hong Kong film industry, with dozens of titles under his belt.
これらを考えると、日テレ『スクール革命』のサイトの「アフリカ諸国では『ん』で始まる
名字がある」という記述は、間違いではないものの、何だか今ひとつだなと思えてくる。
また、どうしてもアフリカがよい (?) なら、ナイジェリアの初代大統領ンナムディもいるし、
http://okwave.jp/qa/q3127815.html の連想キーワードにもあったユッスー・ンドゥール
もいたりする。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ンナムディ・アジキウェ
>ベンジャミン・ンナムディ・アジキウェ(Benjamin Nnamdi Azikiwe、1904年11月16日-
>1996年5月11日)は、ナイジェリアの政治家。イボ人。ナイジェリアの第三代総督を
>つとめ、共和制移行後は初代大統領に就任した。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ユッスー・ンドゥール
>出生名 Youssou N'Dour
〈略〉
>ユッスー・ンドゥール(Youssou N'Dour, 1959年10月1日 - )は、セネガルの歌手。
でもまあ、唐沢俊一がいっているだけならともかく、「南アフリカの作家 ンデべレさん」
に「ジンバブエの歴史学者 ンドロさん」というのは、何のかんのいって日テレのサイトに
掲載されているものなので、丸っきりデッチ上げとも考えにくいと思って、探してみた。
「"ンデべレ" 作家」や「"ンドロ" 歴史学者」でググっても今ひとつだったのだが、
「"ンドロ" ジンバブエ」で、以下のブログを発見。
http://www.njg.co.jp/blog_morioka.html?itemid=277
> このヌデレバという名字、アルファベットで書くと、“Ndereba”。一般には「ヌデレバ」
>と言われているが、本当の発音は「ンデレバ」に近いのではないだろうか。
> アフリカには、“Nd”で始まる地名や人名がある。しかし、日本語では「ん」ではじまる
>単語はうまく発音できないため、カタカナに直すときに苦労する。現代南アフリカを代表
>する作家、“Ndebele”は、「ンデベレ」、ジンバブエの城壁都市グレート・ジンバブエの
>保護・研究で知られる“Ndoro”は「ンドロ」と書くことが多い。一方、ブルンジの大統領
>“Ndadaye”は「エンダダイエ」或いは「ヌダダエ」と書かれる。
> 直接現地での発音を聞いたことがないため憶測にすぎないが、おそらく本当の発音
>は「ん」に近いのではないだろうか。
上に引用したブログの筆者は、このエントリー、そして、ここでも登場の森岡浩という人。
……何かマジで、パクリ元として狙い撃ちされているのではないかという気が。
それはさておき、上に引用したブログの“Ndereba”、「ヌデレバ」というのは、マラソン
選手のヌデレバのことを指している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/キャサリン・ヌデレバ
>キャサリン・ヌデレバ(Catherine Ndereba、1972年7月21日 - )は、ケニアのニエリ
>出身の女子マラソン選手。2001年10月7日にシカゴマラソンを2時間18分47秒で走り
>当時の世界記録を達成、現在もアフリカ記録(世界第2位)を保持している。日本の
>メディアでは、「ンデレバ」「デレバ」の表記も見られたが、アテネオリンピック以降は
>ほぼ「ヌデレバ」で統一されている。
なるほど、Ndereba つながりで、「アフリカには、“Nd”で始まる地名や人名がある」という
視点で名前を挙げているのだから、Nd ではなく Ng で、しかもインドネシアのングラライ
(Ngurah Rai) だとか、名字が呉 (Ng) であるン・シンリン (ng sin lin、wú qiàn lián) やン・
マンタ (Ng Man Tat) とかの名前が出てこないのは当然である。アフリカであっても、
Nnamdi のンナムディにはいかないのも納得だし……。ンドゥールは N'Dour なので、Nd
に入れられるかどうかは微妙なところだろう。
そういう条件なしで、「ん」で始まる名字の人物というお題が出されたときに、この 2 名
だけを挙げて他はなしというのは……あまりしない選択じゃないかなあ。このブログが
ネタ元とすれば、ググっていて違和感バリバリだった、どうして作家と歴史学者の名前
だというのに、ファーストネームなしの「ンデベレ」「ンガロ」としか書いていないのだろう
という疑問にも説明がつく。
ちなみに、「ンドロ」は、ウェバー・ンドロ (Webber Ndoro)。
http://www32.ocn.ne.jp/~jizaiya/list/magazin/science/316.html
>『コンピューターウイルスvsデジタル免疫系』(98年02月号)
〈略〉
>(4)『アフリカの城壁都市グレート・ジンバブエ』(ウェバー・ンドロ/吉国恒雄訳)
http://www.nikkei-science.com/item.php?did=50802
>アフリカの城壁都市グレート・ジンバブエ
>W. ンドロ
>独立後の国名ジンバブエはこの遺跡にちなんでいます。石造りの優美な曲線をもつ
>城壁都市です。中世ヨーロッパ人の「黒人にこんな立派な文明があったはずがない」
>という偏見のせいで,聖書のソロモン王の黄金都市と間違われ,黄金目当てに破壊
>された,悲劇の遺跡でもあります。
関連ガセビア
・ミラクルアイランドのジパングを信じなさいってピンクレディーもうたっていたよ
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/9802/Zimbabwe.html#chosha
>著者 Webber Ndoro
>ジンバブエ大学文学部歴史学科講師。文化財保護と博物館学を教えている。
>ケンブリッジ大学で考古学の学位を,ニューヨーク大学で建築物保存の学位を取得。
>1988年から1994年までグレート・ジンバブエの遺跡保護官を務め,保護計画の立案
>にあたった。
「グレート・ジンバブエの保護・研究で知られる“Ndoro”」との記述の方には問題がない
として、日テレだか唐沢俊一だかがオリジナルに (?) 書いている「歴史学者」というのは
どうなのだろう、どちらかというと「考古学者」という気もするのだけど。
「南アフリカの作家 ンデべレさん」の方は、ジャブロ・S. ンデベレ (Njabulo S. Ndebele)
で、S は Simakahle の S らしい。作家というので、ペンネームだったらどうしようと思った
が、彼は Professor でもあり、Ndebele は本名の模様。
http://www.amazon.co.jp/dp/4883190331
>愚者たち (アフリカ文学叢書) [単行本]
>ジャブロ・S. ンデベレ (著), Njabulo S. Ndebele (原著), 福島 富士男 (翻訳), 村田 靖子
>(翻訳)
http://en.wikipedia.org/wiki/Njabulo_Ndebele
> Professor Njabulo Simakahle Ndebele (born 4 July 1948 in Johannesburg), an
> academic, a literary and a writer of fiction, is the former Vice-Chancellor and
> Principal of the University of Cape Town.
http://www.whoswhosa.co.za/user/1513
> Njabulo NdebeleSouth Africa, Professional Services General
・「光宇宙 (ピカチュウ)」は非実在?
・オードリー踊るなら
・一という名字だったら一という名前をつけたくなるかな人情として
・時々でいいからお公家さんのことも思い出してください
・実在しない名字をカウントするのは止めましょうということで 10 万種類
・元データ不明の「知念」は「約20倍いる」
・唐沢俊一に“スミス”を扱わせたのがいけなかったんじゃなかったかという話も
・ほにょ、ほんにょ、ほにお、すずきの木
・佐藤さんといえば大ムカデ退治と西行法師
・天国への梯子だったり天皇の料理人だったりの高橋さん
・笑う藤原氏
の続きのようなもの。ネタが「ん」だから、さすがにそろそろ最後かなあ……。
日テレ『スクール革命』の唐沢俊一担当部分より。
http://www.ntv.co.jp/s-kakumei/onair/100905.html
>Q.「ん」で始まる日本の名字がある「×」
>⇒世界的にも「ん」で始まる名字は少ないが
>アフリカ諸国では「ん」で始まる名字がある。
>例:南アフリカの作家 ンデべレさん
> ジンバブエの歴史学者 ンドロさん など
まあ、「『ん』で始まる日本の名字がある」かどうかについては、かなり意見がわかれる
ところみたいで、たとえば下に引用する「Yahoo!知恵袋」では、同じページに、あるという
人と、ないという人による 2 通りの回答が同居している。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1012271155
>んねさか(兼坂)
>んまこし(馬越)
>んがむら(栂村)
>私が知っているのは、この3氏です。この他にも櫻坂(をさか)、帯刀(をびなた)、
>生実(をゆみ)と「を」から始まる苗字もありますよ。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1012271155
>「ん」や「を」から始まる苗字は、巷間いくつか伝わっていますが、
>おそらく全ていわゆる幽霊苗字(あるというのに、実際に名乗っている人が見つから
>ない苗字)でしょう。
>実在がはっきりと確認されている中で、五十音の最後に来る姓は、
>「分目(わんめ)」さんだそうです。
その他実在派
- http://jp.blurtit.com/q436606.html
- http://homepage3.nifty.com/GREAT/kotoba/n-dic.htm
その他非実在派
- http://homepage1.nifty.com/forty-sixer/yuurei2.html
- http://miyozi.hp.infoseek.co.jp/saisixyonomixyouzi.html
珍しい苗字ランキング http://vote3.ziyu.net/html/bayaphy.html でも人気の「んねさか
(兼坂)」だけど、出典がはっきりしない。
「全国の苗字(名字)」http://www2s.biglobe.ne.jp/~suzakihp/index40.html をネタ元と
する人 (http://uhotani.web.fc2.com/myouzi.html) もいれば、「日本の苗字7000傑」
http://www.myj7000.jp-biz.net/index.htm にあるという人もいる。
http://www.technorch.com/archives/2007/05/post_115.html
>少々ズレますが実在が確認されているリストとして「日本の苗字7000傑」があります。
>一(にのまえ)・美女(びじょ)・豊饒(ぶにゅう)・戸苣ン斗(こきょんと)兼坂(んねざか)・
>仙人掌(さぼてん)・日本(にほん)
>などです。
しかし、「全国の苗字(名字)」には「んねざか」の読みの登録はないようだし、「日本の
苗字7000傑」では読みを提供していないようなのだけど……。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~suzakihp/index40.html
>9228 兼坂 208 カネサカ カネザカ ケンサカ ケンザカ ケネサカ
それに、以前こちらのエントリーでやったように、日テレ『スクール革命』は名字の順位
づけに「村山ランキング」の順位を使っていて、このような電話帳ベースのランキングを
採用したからには、「個人別の電話帳には、『ん』で始まる名字の人はいない」ことを
理由に、「ん」で始まる名字は実在しないとするのは、一応正しいようにも思う。
http://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/ura/kotoba_ura_08080101.html
>今はほとんど見かけなくなった個人別の電話帳には、「ん」で始まる名字の人はいな
>いために、「ん」の項目はありませんでした。しかし、昭和40年代に店の名前として
>「ん」という登録があったために職業別電話帳には「ん」を設けたそうです。
もっとも、以下のような話も投稿されていたりする……「一(にのまえ)」のときも思った
けれど、ないことの証明は結構大変だなあということで。
http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51385632.html
>541 水先案名無い人 :2008/10/28(火) 01:49:11 ID:tZDYogfoO
>283:不法入国者(関東・甲信越) :2008/10/28(火) 00:25:21.38 ID:JCMrxNbr
>むかし、あまりにも暇なんで電話帳みてたら「ん」の欄があって驚いた。漢字も見たこと
>もない読めない字だった。
また、「『光宇宙 (ピカチュウ)』は非実在?」のときに述べたように、現在のところ名前の
読みは戸籍には記載されていなくて、住民票にふりがなが存在するかどうかも自治体
によって異なる。読みをどうするかは、割と自由に変更することができるのだ。
で、下に引用する「んねざか あやり」のような明らかに非実在のキャラだけではなく、
そのまた下に引用する「兼坂安養(んねざかあんよう)です」のような例もある。
http://www26.atwiki.jp/pikuyuri_meibo/pages/17.html
>兼坂 あやり んねざか あやり 百合学芸術 日本史/日本画 24 179 7月14日
http://www.creatorsbank.com/portfolio/index.php?id=hideaway
>フォトグラファー
>兼坂安養函館在住の兼坂安養(んねざかあんよう)です。 函館市街および近郊の写真
>を好んで撮っています。ぜひ、ご覧下さい。
それに、ここの話をいえば、「光宙 (ピカチュウ)」ならまだしも「光宇宙 (ピカチュウ)」が
実在するとか断言する一方、「ん」で始まる名字は実在しないと断言する番組の判断の
基準も、実はよくわからない部分があるが、おいといて。
んで、どちらかというと、こちらが本題のつもりの、「ん」で始まる外国の名前について。
http://okwave.jp/qa/q3127815.html
>「ン」で始まる外国の名前ってありますか?
>子供からの質問で「ン」で始まる外国のの名前を探しています。
>地球儀みても見つからないので、質問しました。
〈略〉
>連想キーワード:ユッスー・ンドゥール ンゴロンゴロ保全地域 ングラライ国際空港
>グラライ ンゴマ
〈略〉
> 地名でよろしいでしょうか?
>タンザニアのンゴロンゴロ。自然保護区になっています。
>http://www.amy.hi-ho.ne.jp/mimatsu/tabi/africa/ngoro/ngoro.html
>http://www.eic.or.jp/library/pickup/pu061012.html
>同じくアフリカのチャドの首都がンジャメナです。
>http://contest.thinkquest.jp/tqj1999/20280/COUNTRY/Chad.htm
〈略〉
>アフリカでは「ンジャメナ」「ンゴロンゴロ保全地域」という場所が存在します(前者は
>「ウンジャメナ」と置き換えられたりもする)。 またインドネシアバリ島の玄関口である
>デンパサール国際空港の正式名称は「ングラライ国際空港 (Bandara Internasional
>Ngurah Rai / Ngurah Rai Airport) 」であり、これは独立戦争の英雄グスティ・ングラ・
>ライに因んでいます(もっともこれについては「グラライ」の片仮名表記もまた存在する)。
地名ではあるが、「ンジャメナ」「ンゴロンゴロ保全地域」というのは、「ん」で始まる名前
というお題では、よく言及されるものといえるだろう。「ングラライ国際空港」の方は後でも
述べるが、人名由来でもある。
この http://okwave.jp/qa/q3127815.html には「wikipediaさすがですね」という質問者の
コメントがあるが、実際、Wikipedia の「ん」の項は、結構充実しているなあと思った。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ん
>「ん」は元来五十音には現われないが、一般にわ行の次に置かれる。
〈略〉
>日本語において、共通語には基本的に「ん」より始まる単語が存在しない。ただし方言
>音などを見ると「生まれる」など語頭に鼻濁音[ŋ]がくる単語があり、それを「ん」で表現
>することがある。1944年に文部省が制定した『發音符號』にて、語頭の鼻濁音は「ん」
>と同じであるが、語頭に「ん」を置くのは違和感があるため、「う゚」を使用するように定め
>たが、この表記はほとんど浸透しなかった。現在、上記の表記を共通語音「う」と特に
>区別する場合、「ん」が使用されることもある。
>・日本では琉球語に「ン」から始まる単語が多数見られ、中でも与那国方言において
> 顕著である。
>・本来「馬」「梅」は「ンマ」 (mma)「ンメ」 (mme) と発音されており、それが方言として
> 残っている地方もある。古典的仮名遣いでは、「馬」は「むま」と書かれた。また、
> これらはいずれも大陸からの移入種であり、遡れば中国語の「マー」「メイ」という
> 発音にたどり着く。
>
>日本語以外の言語に於いても、「ン」から始まる言葉は少ない。外国語の単語を仮名
>表記する際、基本的には鼻音で始まり後続する音が母音でない場合に、「ン」で始ま
>る言葉として表されることがある。ただし、外国語音を日本語でどう捉えるか、仮名で
>どのように表記するかという問題があるため、その多寡を単純には結論づけられない。
「外国語音を日本語でどう捉えるか、仮名でどのように表記するかという問題があるため、
その多寡を単純には結論づけられない」――というのは、まさにその通りと思うので、
「世界的にも『ん』で始まる名字は少ない」とのみ書いて終わりの日テレ『スクール革命』
の製作側には、ぜひ見習って欲しい姿勢だったり。(←偉そう)
以下、Wikipedia の「ん」の項目の続き。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ん
>・中国語の方言である広東語には「ng」および「m」という音節が存在する。例えば名字
> によくある「呉」の発音は「ng」であり、香港の喜劇俳優「呉孟達」の名前を片仮名
> 表記する場合「ン・マンタッ」と書く。
>・台湾語(閩南語)で「黄」の発音も「ng」である。
>・インドネシアバリ島の玄関口であるデンパサール国際空港の正式名称は、ングラライ
> 国際空港 (Bandara Internasional Ngurah Rai / Ngurah Rai Airport) であり、これは
> 独立戦争の英雄グスティ・ングラ・ライに因んでいる。ただしこれについては、
> 「グラライ」の片仮名表記もまた存在する。
>・アフリカではンジャメナ、ンゴマ、ンゴロンゴロ、キリマンジャロ(Kilima-Njaro)、
> ユッスー・ンドゥールなど「ン」から始まる名前・単語が存在する。ただし「ン」の
> 代わりに、「ウン」、「エン」、「ヌ」、「ム」に置き換えられることがある。(エムボマ、
> エンクルマ、ヌデレバ、タボ・ムベキ)
〈略〉
>・Wikipedia:索引 ん - 「ん」もしくは「ン」で始まる単語
>・んとす - 広辞苑の最後の項目。
>・ん廻し - 落語の演題
「キリマンジャロ(Kilima-Njaro)」というのを見て、そういえば昔、「キリマンジャロ」は
「キリマン・ジャロ」ではなくて「キリマ・ンジャロ」という話は読んだことがあるなあと
思い出したりもした。
「『ン』の代わりに、『ウン』、『エン』、『ヌ』、『ム』に置き換えられることがある」のは、
最初に「ン」がくるのをなるべく避けようとするためだろうか。「エムボマ」の場合は、
フランス時代の綴り間違いが原因とのことで、また別かもしれないけど。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ンボマ
>パトリック・エムボマ
>(ンボマ から転送)
>パトリック・エムボマ
>名前
>本名 アンリ・パトリック・ンボマ・デム
〈略〉
>パトリック・エムボマ(Henri Patrick Mboma Dem, 1970年11月15日 - )は、カメルーン
>出身の元同国代表サッカー選手。唇を閉じて「ンボマ」と発音するのが正しいが、フラ
>ンス時代に誤って「M'boma」と綴られたため「エムボマ」と呼ばれるようになったとされ
>る。
さらに、関連項目にある「Wikipedia:索引 ん」を見ると、人名を含む様々な名前を参照
することもできる。ただし、残念ながらこの一覧には、日テレ『スクール革命』のサイトで
紹介されている「南アフリカの作家 ンデべレさん」「ジンバブエの歴史学者 ンドロさん」
どちらも存在しないのだが……。「ンデベレ語」、「ンデベレ人」はあるが作家についての
項目はなく、「ンドロ」の項目はなくて「ンドランゲタ」の次は「んなことあるか」。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ンデベレ語
>ンデベレ語 (ンデベレご、Ndebele) は、ジンバブエと南アフリカ共和国のンデベレ人が
>話す言語の総称である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ンドランゲタ
>ンドランゲタ ('Ndrangheta)は、イタリアの犯罪組織マフィアのうちカラブリア州(特に
>レッジョ・ディ・カラブリア)を拠点にしているものである。 約150団体(約5,200人)を
>擁する[1]、コーサ・ノストラ、カモッラ、サクラ・コローナ・ウニータ(it)と並ぶイタリア4大
>マフィアの一つ。
それに、この「Wikipedia:索引 ん」の項目をながめていると、「ン」が先頭の表記の名字を
例示するにあたり、何もアフリカ諸国にのみこだわることはないのではないか、アフリカ
以外にだって使えそうな名前がいくつもあるのではないかという気になってきたりもする。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ングラライ
>グスティ・ングラライ
>(ングラライから転送)
>グスティ・ングラライ(I Gusti Ngurah Rai、1917年1月30日 - 1946年11月20日)は、
>バリ州バドゥン県のインドネシア独立戦争の英雄。
〈略〉
>彼の名前は、デンパサール国際空港の別名グスティ・ングラライ国際空港としてその
>名前を残し、バドゥン県最北の生誕地近くの村の空港からの道路(ングラライ・バイパ
>ス)とサヌールからヌサドゥアへの道路の交わる交差点の真ん中にングラライの像が
>ある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ン・シンリン
>呉倩蓮
>(ン・シンリン から転送)
〈略〉
>ン・シンリン(広東語)
〈略〉
>呉 倩蓮(ン・シンリン、またはウー・チェンリン、ウー・チェンリェン)は台湾台北市出
>身、中華圏の映画及びテレビドラマで活躍する女優。
女優だけど、本名と芸名が別というわけではなさそう。Wikipedia の「ん」の項目には、
「香港の喜劇俳優『呉孟達』の名前を片仮名表記する場合『ン・マンタッ』と書く」と
紹介されている「呉 孟達」は、多くのページで「ン・マンタ」と表記されていて、この人も
多分芸名も本名も同じ。
http://homepage3.nifty.com/asiastar/person/ngmantat.html
>JISコード表記 : 呉 孟達
>日本での通称名 : ン・マンタ
>アルファベット表記 : Ng Man Tat
http://www.fmstar.com/movie/n/n0140.html
>NG MAN TAT ン・マンタ 呉孟達
http://en.wikipedia.org/wiki/Ng_Man-tat
>Richard Ng Man Tat (simplified Chinese: 吴孟达; traditional Chinese: 吳孟達;
> Cantonese Yale: ng4 maang6 daat6; born 2 January 1952) is a veteran actor in
> the Hong Kong film industry, with dozens of titles under his belt.
これらを考えると、日テレ『スクール革命』のサイトの「アフリカ諸国では『ん』で始まる
名字がある」という記述は、間違いではないものの、何だか今ひとつだなと思えてくる。
また、どうしてもアフリカがよい (?) なら、ナイジェリアの初代大統領ンナムディもいるし、
http://okwave.jp/qa/q3127815.html の連想キーワードにもあったユッスー・ンドゥール
もいたりする。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ンナムディ・アジキウェ
>ベンジャミン・ンナムディ・アジキウェ(Benjamin Nnamdi Azikiwe、1904年11月16日-
>1996年5月11日)は、ナイジェリアの政治家。イボ人。ナイジェリアの第三代総督を
>つとめ、共和制移行後は初代大統領に就任した。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ユッスー・ンドゥール
>出生名 Youssou N'Dour
〈略〉
>ユッスー・ンドゥール(Youssou N'Dour, 1959年10月1日 - )は、セネガルの歌手。
でもまあ、唐沢俊一がいっているだけならともかく、「南アフリカの作家 ンデべレさん」
に「ジンバブエの歴史学者 ンドロさん」というのは、何のかんのいって日テレのサイトに
掲載されているものなので、丸っきりデッチ上げとも考えにくいと思って、探してみた。
「"ンデべレ" 作家」や「"ンドロ" 歴史学者」でググっても今ひとつだったのだが、
「"ンドロ" ジンバブエ」で、以下のブログを発見。
http://www.njg.co.jp/blog_morioka.html?itemid=277
> このヌデレバという名字、アルファベットで書くと、“Ndereba”。一般には「ヌデレバ」
>と言われているが、本当の発音は「ンデレバ」に近いのではないだろうか。
> アフリカには、“Nd”で始まる地名や人名がある。しかし、日本語では「ん」ではじまる
>単語はうまく発音できないため、カタカナに直すときに苦労する。現代南アフリカを代表
>する作家、“Ndebele”は、「ンデベレ」、ジンバブエの城壁都市グレート・ジンバブエの
>保護・研究で知られる“Ndoro”は「ンドロ」と書くことが多い。一方、ブルンジの大統領
>“Ndadaye”は「エンダダイエ」或いは「ヌダダエ」と書かれる。
> 直接現地での発音を聞いたことがないため憶測にすぎないが、おそらく本当の発音
>は「ん」に近いのではないだろうか。
上に引用したブログの筆者は、このエントリー、そして、ここでも登場の森岡浩という人。
……何かマジで、パクリ元として狙い撃ちされているのではないかという気が。
それはさておき、上に引用したブログの“Ndereba”、「ヌデレバ」というのは、マラソン
選手のヌデレバのことを指している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/キャサリン・ヌデレバ
>キャサリン・ヌデレバ(Catherine Ndereba、1972年7月21日 - )は、ケニアのニエリ
>出身の女子マラソン選手。2001年10月7日にシカゴマラソンを2時間18分47秒で走り
>当時の世界記録を達成、現在もアフリカ記録(世界第2位)を保持している。日本の
>メディアでは、「ンデレバ」「デレバ」の表記も見られたが、アテネオリンピック以降は
>ほぼ「ヌデレバ」で統一されている。
なるほど、Ndereba つながりで、「アフリカには、“Nd”で始まる地名や人名がある」という
視点で名前を挙げているのだから、Nd ではなく Ng で、しかもインドネシアのングラライ
(Ngurah Rai) だとか、名字が呉 (Ng) であるン・シンリン (ng sin lin、wú qiàn lián) やン・
マンタ (Ng Man Tat) とかの名前が出てこないのは当然である。アフリカであっても、
Nnamdi のンナムディにはいかないのも納得だし……。ンドゥールは N'Dour なので、Nd
に入れられるかどうかは微妙なところだろう。
そういう条件なしで、「ん」で始まる名字の人物というお題が出されたときに、この 2 名
だけを挙げて他はなしというのは……あまりしない選択じゃないかなあ。このブログが
ネタ元とすれば、ググっていて違和感バリバリだった、どうして作家と歴史学者の名前
だというのに、ファーストネームなしの「ンデベレ」「ンガロ」としか書いていないのだろう
という疑問にも説明がつく。
ちなみに、「ンドロ」は、ウェバー・ンドロ (Webber Ndoro)。
http://www32.ocn.ne.jp/~jizaiya/list/magazin/science/316.html
>『コンピューターウイルスvsデジタル免疫系』(98年02月号)
〈略〉
>(4)『アフリカの城壁都市グレート・ジンバブエ』(ウェバー・ンドロ/吉国恒雄訳)
http://www.nikkei-science.com/item.php?did=50802
>アフリカの城壁都市グレート・ジンバブエ
>W. ンドロ
>独立後の国名ジンバブエはこの遺跡にちなんでいます。石造りの優美な曲線をもつ
>城壁都市です。中世ヨーロッパ人の「黒人にこんな立派な文明があったはずがない」
>という偏見のせいで,聖書のソロモン王の黄金都市と間違われ,黄金目当てに破壊
>された,悲劇の遺跡でもあります。
関連ガセビア
・ミラクルアイランドのジパングを信じなさいってピンクレディーもうたっていたよ
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/9802/Zimbabwe.html#chosha
>著者 Webber Ndoro
>ジンバブエ大学文学部歴史学科講師。文化財保護と博物館学を教えている。
>ケンブリッジ大学で考古学の学位を,ニューヨーク大学で建築物保存の学位を取得。
>1988年から1994年までグレート・ジンバブエの遺跡保護官を務め,保護計画の立案
>にあたった。
「グレート・ジンバブエの保護・研究で知られる“Ndoro”」との記述の方には問題がない
として、日テレだか唐沢俊一だかがオリジナルに (?) 書いている「歴史学者」というのは
どうなのだろう、どちらかというと「考古学者」という気もするのだけど。
「南アフリカの作家 ンデべレさん」の方は、ジャブロ・S. ンデベレ (Njabulo S. Ndebele)
で、S は Simakahle の S らしい。作家というので、ペンネームだったらどうしようと思った
が、彼は Professor でもあり、Ndebele は本名の模様。
http://www.amazon.co.jp/dp/4883190331
>愚者たち (アフリカ文学叢書) [単行本]
>ジャブロ・S. ンデベレ (著), Njabulo S. Ndebele (原著), 福島 富士男 (翻訳), 村田 靖子
>(翻訳)
http://en.wikipedia.org/wiki/Njabulo_Ndebele
> Professor Njabulo Simakahle Ndebele (born 4 July 1948 in Johannesburg), an
> academic, a literary and a writer of fiction, is the former Vice-Chancellor and
> Principal of the University of Cape Town.
http://www.whoswhosa.co.za/user/1513
> Njabulo NdebeleSouth Africa, Professional Services General
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